という本を読みました。
宇城さん自身の書かれた本は内容がよくわからないものが多いのですが、こちらは弟子の方の書いたものです。
一部を抜粋します。
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古伝空手の基本型三戦(サンチン)の構えをしただけで身体が安定し、力が強くなる、眼がキラキラと輝く。背筋を仲ばし、両手を逆ハの宇型に身体の前に構える。
叩かれたり蹴られても、さほど痛みを感じない。つまり、ケガをしにくい状態に変わる。
三戦の構えをしてから誰かを背中におんぶすると、これまた鮮やかな変化を体感できる。
何もせずにおんぶしたときは、ドシッと相手の重みを感じ、自分の足取りも重く感じる。
ところが、パッと三戦の構えをして相手を背負うと、相手が軽く、足取りも軽くなる。思わず、背負ったまま走り出す人もいるほど鮮やかな変化が起こる。しかも、自分の背中と相手の身体がくっついた感じで、両腕で抱える必要もない。両手を前に出したままおんぶして走っても、相手は背中でしっかり安定している。ずり落ちる不安を感じない。これが、「型による変化」だ。
また、口を小さくパッと開いただけで、同様に身体が変化する。例えば、バットを待って構えた野球の打者が、パッと小さく口を開くだけで、後ろから押しても、横から押しても筒単にグラつかなくなる。試しに口を閉じて押してもらえば、わずかな力でグラッとつんのめるし、横からの負荷にはほとんど耐えることができない。これは、「呼吸による変化」だ。
両脚を開いて立ち、両ヒザを深く曲げたスクワットの動作を繰り返してみる。このとき、誰かに後ろに立って、両肩を上から押さえ、負荷をかけてもらう。なかなか膝を伸ばして伸びあがれないくらい、しっかりと押さえてもらう。次に、身体の意識をずっと上(立ち上がった状態)に保って膝を伸ばしてみる。意識を上に置き続けると、相手が両肩を上から押さえる力をモノともせず、その両手をちぎるようにして簡単に屈伸を繰り返せる。これが「意識による変化」だ。
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抜粋終わり
最初のサンチンの「型による変化」は、手を下げた状態からヒジを曲げて手を前に出し、手のひらを上に向けて手を軽く握ると、似たような効果が得られます。
2番目の「呼吸による変化」というのは息をする呼吸とは別のもので、息を吐いたり吸ったりせずただパッと口を開くだけで、これは「細胞の呼吸」なのだそうです。
「意識による変化」は、この場合にはただ膝を伸ばすことだけを意識してやれば同様の効果があります。
また向き合った相手に手を押さえつけられたとき、力ずくで腕を持ち上げようとしても上手くいかないのに、このとき押さえられた腕を意識せず相手の襟をつかもうと手を前に出すと、なぜか簡単に払いのけられるのです。
また、「胸のライトを照らす」という「ワザ」も紹介されていました。
介護の技で、寝ている人の上体を起こす時に、自分の胸の真ん中に光る水晶玉のようなものがあると想像してその光を相手に当てながら動くと、とても楽にできるというのです。
野球やラグビーでは、ボールに向かって胸のライトを当てながら捕球すると、これまた別人のように安定するのだそうです。
これの効果は手裏剣を打つ時に試してみてビックリしました。
いま一つ調子が出ない時に、胸のライトで的を照らすようにしながら打つと、剣の飛びも力強さも見違えるように良くなったのです。
これは重いものを持ち上げる時にも有効だというのですが、私の場合は「足裏の垂直離陸」の方が慣れもあってやりやすいです。