2016年07月26日

薄く雲がかかった空の下、3mくらいの間隔で低木が立ち並び、その枝には赤から白のグラデーションをした果実が実っていました。
あんざい果樹園で栽培している桃は「暁星」や「あかつき」などの種類。訪れたときは暁星からあかつきに収穫が移るころでした。ちなみに暁がつく名前が多いのは羽黒神社に大わらじを奉納する信夫三山暁まいりに由来するとか。
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「赤くて、大きくて、上の方にある桃がいい」と聞き、手を伸ばし、枝を引っ張り桃を手繰り寄せます。汗をかいていたら桃の白い毛が肌に張り付き痛むこともあるそう。そんなときは肌によいと言われる桃の葉で拭うのだそう。(「まあ、やったことはないけどな」と果樹園主の安斎さん)用心しながら桃をもぎます。
私(編集長・古庄)が収穫した桃をみて、安斎さんが一言「ちいせえな」。まあ、確かに……。

果樹園の前に寄った「野田共同選果場」では人の目と同時に光センサーで色、糖度、大きさを分類していましたが、私の手にあるのは選果場に集められた最少のものと同じくらい。
まあ、こんなものだよな、と自分につぶやく程度の大きさです。
選果場では毎日3000〜5000箱の選別を行うのにも驚かされましたが、最も目を引いたのが売られている桃の安さ。20個ほど入った箱が1000円。傷物とはいえ味は同じです。
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自分でもいだ桃を持って、果樹園の横のテントへ。水道で桃を洗い、白い毛を落とします。種を避けて4つに切り、皮のまま口の中へ。シャリシャリとした食感、皮と実の間から甘い果汁がじわり。
「福島の人は固い桃が好きで、皮ごと丸かじりする人も」
 バスの中で案内してくれた人の言葉がよみがえりました。
それにしても、シャキシャキした桃の不思議なおいしさ。とろりとした甘い桃の官能的な味も魅力ですが、それとは別物。甘みだけでなく、渋みや青味なども感じさせ、いくつでも食べられるバランスの良い味。素朴な普段着の桃なのです。

「桃は肥料を入れすぎると実は大きくなるが、甘くはならない。それは人間も同じ」そう語ってくれた安斎さん。あんざい果樹園はハナレグミがライブを行うなど、人々が集う特別な場所でした。2011年の震災以降、さまざまな困難があったと思います。その様子は長谷川ちえさんの著書「まよいながら、ゆれながら」mille booksに詳しく記されています。
 
なぜ、あんざい果樹園に人々が集うのか、それを考えるのが、今回、「ふくしま 新発売。」と銘打たれた、第12回今の福島を見に行くモニターツアーに参加した理由でした。それは安斎さんご夫婦にお会いして、すぐにわかりました。
 初対面にもかかわらず、構えたり警戒したりしない自然体な姿。会った人間をすぐに受け入れ、まるで旧知のようにふるまってくれる心地よさ。特別な果樹園の秘密は安斎さんご夫婦にありました。
「いつかは自分も安斎さんみたいにオープンハートになれるのだろうか?」。

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「This is it」と書かれたマイケル・ジャクソンのTシャツを着て、さまざまな人と談笑する安斎さん、その姿はとても自由で、ゆるやかな優しさに包まれているように見えました。


下はお土産でいただいた福島県の産物のシール。

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2016年07月20日


こんばんは。

毎日、暑いですね。
東京は梅雨明けが待ち遠しいような曇り空のお天気が続いていますが、
海の日も過ぎ、いよいよ夏本番ですね。

さて、本日、天然生活9月号が発売になりました。

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夏らしいトロピカルな表紙が目印です。

特集は「読書と料理」。

読書をしながら食べたくなるような料理、
料理がたくさん登場する、美味しい本。

食欲も、読書欲も満たされるおいしい企画を揃えました。


それでは、気になる一部をご紹介…


「本を読みながらつくれる料理、食べられる料理」

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料理家の、渡辺有子さん、しらいのりこさん、坂井より子さんに、

待ち時間に読書をしながら、じっくりとつくれるお料理、
また、
本を読みながら、片手でもぱくぱくといただけるような、気軽でおいしいお料理を、
それぞれご紹介いただきました。


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ご紹介いただいたレシピは、例えば、読書をしながら、お鍋を火にかけて放っておくだけの
煮込み料理や、炊き込みご飯など、とても簡単なものばかり。

ですが、お味は、もちろん絶品! 
撮影後には早速、晩のおかずにつくったスタッフもいたほどです。

夏は、火をできるだけ使わないお料理を、と、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
火をかけたら、あとはじっくり煮込むだけ。
読書の合間につくれるお料理ならば、季節を問わずにつくりやすいですね。

おすすめの料理レシピ、是非ご覧ください。


また、そのほかには、

エッセイスト 青木奈緒さん、画家 牧野伊三夫さんなど6名の方々に教えていただいた
「おなかがすく、おいしい本」

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料理上手な男性の方々に、夏に食べたくなるカレーをご紹介いただいた
「読書のお供はやっぱり、カレーでしょう」

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京都の誠光社、長野の栞日など、日本全国の小さな書店店主さんが選ぶ
「私が料理をしたくなる本」

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など、盛りだくさんです。


今回、私が取材させて頂いたのは、
料理古書の品ぞろえが神保町で随一といわれる、古書店「悠久堂書店」。


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お店に並ぶ “一流の味”が綴られた、昭和の料理書の迫力は圧巻でした。
創業101年のお店を支えてこられた、
店主さんご一家の温かなお人柄も、誌面からお伝えできたならば幸いです。


このほかにも、
巻頭では蔵前から福島・三春に移転された 生活道具店 「in-kyo」の取材記事を、

また、hal 後藤由紀子さんに教わる500円以内のプレゼント企画 「プレゼントは500円まで」 や、

夏に向けて身につけたい、「しましまとチェックの服 着こなしと選び方」

インテリアにぴったりな「アルミワイヤーで編む、かごとトレイ」 のつくり方など、

ご紹介しています。


ブログではお伝えしきれない盛りだくさんの内容は、
ぜひ、書店でお手にとってお確かめくださいね。


暑さにもまいって、家で涼みながら、ゆっくり読書がしたくなるこの季節。

その指南書として、ぜひ本誌をご活用いただければ幸いです。


(編集O)



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2016年07月05日

梅雨終わりの天候不順の日が続いていますが、
皆さまいかがお過ごしですか?

今日は、暑さを吹き飛ばす
これからの季節におすすめの
新刊をご紹介します。

『アイス 一年中』

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アイスクリーム、ジェラート、シャーベット、グラニテ、かき氷……。
味も形もタッチもさまざまな“アイス”。

生クリームや卵を泡立て、ふっくらと空気を含んだ、
つくりたてのアイスは驚くほどなめらかで、
素材の味や香りを存分に楽しめるのです。
これは手づくりでしか味わえない鮮烈なおいしさなのです!!


この本は、天然生活で夏に掲載した、
アイスクリームやジェラートからシャーベットやかき氷までの
冷た〜い氷菓のレシピを集めました。

ご協力いただいた料理家さんは
黒川愉子さん
星谷菜々さん
dans la natureの千葉奈津絵さん
柳瀬久美子さん
石橋かおりさん
福田里香さん

と、間違いなく美味しい!!という著名な6人です!

そしてそして、そちらに加えて、
巻頭で、
内田真美さんをお迎えし、
一年中楽しめるアイスのレシピを
この本のために、おつくりいただきました!!

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台湾を連想させる
マンゴーをたっぷり盛ったミルク氷


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夏バテ解消にもおすすめな
豆乳ジンジャーミルクセーキ
さっぱりしていながらも、
あとからかけたメープルシロップがコクになって


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チェリーとピスタチオのパルフェ
サワークリーム入りで、
さわかな酸味が絶品のアイスケーキ!!


また、
夏はもちろん、冬のあたたかい部屋で、
ひんやりと濃厚な甘さを堪能するのも醍醐味です。
いまやアイスは、一年中食べていたいデザート。
ということで、
“冬の濃厚アイス”も
飯塚有紀子さんをお迎えし、
撮り下ろしでご紹介。
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フランボワーズのパルフェ
材料を混ぜて、型に流すだけとつくり方も簡単。
ふんわり濃厚リッチなアイスを、
フランボワースのさわやかなソースでいただく贅沢なアイス


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エスプレッソヌガーグラッセ
エスプレッソグラッセに、
キャラメリゼして砕いたアーモンドプラリネを混ぜたら、
食感豊かに!
プラリネを噛むと香ばしさが口いっぱいに広がります


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アイスバー準備中〜わくわく


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撮影終わりのちょっととけたチョコバー。
このちょっと溶けたころ合いが、私は大好き。


50ものアイスのレシピが掲載された、
とってもとっても贅沢な本になりました。

担当編集の私、いくつか、つくってみたのですが、
ものの見事に、はまってしまいました!
特別な道具は必要ないものばかりで
手軽につくれるのもうれしいところです。

アラフォーの私。
子どもの頃、「どんびえ」なる、アイスクリーマーで
アイスをつくるのが流行りました。
その記憶もあってか、
アイスクリームをつくるのは、楽しいけど、冷凍庫の場所をとったり、道具が必要だったり…と手間がかかるイメージ……。
ところが!
今回ご紹介のほとんどが、
混ぜて冷やすだけ!

固まりきる前に、数回混ぜるものもありますが、
オーブン使わないし、放っておけばいいし、
「むしろ、焼き菓子より楽かもしれない……」と……

それでこんなに美味しいなんて!!

もう、このレシピたちの味や香りは、手づくりした人にしか味わえません!!

でも、私、手づくりしないし……
という方。
ご安心ください。
本誌巻頭を飾るほど、ビジュアルクイーンのかわいいアイスばかりを集めたので、
見ているだけでも楽しめる作品集のようなレシピ集になっています。
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ぜひ、手元に置いて、アイスの世界をご堪能ください!!
(編集部T)

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2016年06月21日

今日は夏至で、昼がいちばん長い日。
でも東京は本降りの雨。雨が心配な一日ですね。
おひさまが恋しいです。

天然生活8月号が昨日発売になりました。
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特集は、「うちの麵と丼」
ササッとつくって、パパッと食べる。 簡単、ごちそう。私の麺と丼。
椎名誠さん、角田光代さん、長島有さん、馬場わかなさん いつも気づけば、麵か丼
渡辺有子さん 昨夜のおかずから、麵と丼
+ひと手間で15品 ごちそうな納豆丼
久保田加奈子さん 大満足な、さっとそう麵
そば、うどんにのせる 具材コレクション

特集2は、「草はたのし」
かわしまようこさん 草のある暮らし
身近な葉っぱを干してつくる 野草茶の愉しみ
若杉ばあちゃん直伝!! 齊藤典加さんに教わる 野草入浴のお手入れ法
多田多恵子さんと、楽しい「みちくさ」 道端の植物図鑑

そのほか、特集外で、
野中元さん、かるべけいこさんの被災日記 熊本・南阿蘇で「がまだそーかね」
大塚あや子さん 彩りのクロスステッチ
Vlas Blomme 引きそろえ糸で編むバッグ
植村美智子さんがすすめる 大人のTシャツと着こなし方
直接、口に入れるものだから、きちんと選びたい 家族で使える、自然派の歯みがき
4つのステップで「電力自由化」の疑問を解決 わが家にぴったりの電力選び

好評連載
渡辺有子 家庭料理+小さな工夫
後藤由紀子 ぶらり東京さんぽ
服部みれい みのむしダイアリー
平井かずみ あなたの暮らしに似合う花
金井美恵子 小さな暮らしの断片
根本きこ 南の島だより

など、盛りだくさんです。

そば・うどんにのせる具材コレクションを教えていただいた、堤人美さん。パセリが主役の麵や、タコライス風の麵など、15種類の具材を紹介しています。撮影時におすすめのおそばを伺ったら、山形の「ほっそり細そば」とのお答え。買って食べてみました。まるで手打ちのおそばのようなつるっとしたのど越しでおいしかったです。

それから、納豆丼の可能性にもびっくり。それだけで食べてもおいしい納豆丼ですが、ひと手間加えると、また全然違うごちそうに。中山智恵さんに教えていただきました。私は特に漬けまぐろ納豆丼が好みでした。
納豆


もうじき夏休み。ささっとつくれて、ランチにも便利なレシピがたくさん載っています。ぜひ、書店でお手に取ってみてくださいね。(編集K)

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2016年06月20日


今月号の巻頭に掲載されている「野本元さん、かるべけいこさんの被災日記」を依頼した経緯です。何しろ私(編集長 古庄)は小心者なので、恐る恐る、という感じです。


野中さんにメールをしたのは震災の2日後でした。
お見舞いと原稿依頼、被災した方に対して、ともすればお叱りを受ける内容であったかもしれません。

数日後にきたメールには一言、「考えてみます」。
SNSでスマートフォンの充電にも役場まで出かけていることを知っていたので、電話は1週間後にかけることにしました。

「まだ余震が続いている、こんなときに原稿をかけるわけがないでしょう」
 
そんな答えを予想していました。怒気を含んだ声で。
それに反しで野中さんの声は明るかった。
その声を聴いたときに、この企画の本当の意図を口にしていました。

「熊本から全国の人を明るくしてください」
 
東日本大震災のとき、私を含め多くの人が無力感に襲われました。
自分が何をしても起こってしまった事実の大きさの前では意味をなさないという虚無感。何をすればいいのかわからない焦燥感。
罹災した熊本の南阿蘇に暮らす野中さん一家が、被災からの数日を明るく、力強く、たくましく過ごす様子を日記形式で紹介してもらい、全国の人々に勇気と希望を伝えてもらいたかったのです。

それは、ある意味、被災をしていない私たちの勝手なお願いです。

「いいですよ。いろいろ書き留めておきます」
 
野中さんは私の話を聞き、引き受けてくれました。
私の意図を酌んでくれて、この日記には被害の大きさはありますが、悲壮感はありません。
つらい事実はあったとしても、前を向いて進んでゆく姿があります。
 
実際に熊本へ行ってみて、感じたことは地震はいつか収まりますが、震災は形を変えて続いていくということ。
建物や道路の被害はもちろん、雇用の問題やコミュニティの崩壊、産業の復興……。
問題の山を少しずつでも小さくしてゆくこと。
諦めたり、無力感に囚われたりすることなく、ただ、ただ、前を向くこと、それが大切なのだと思います。


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