2007年02月17日

とっくに朝だ すっかり ドップリ マチがってろ もう戻らん 似たようなもの待たしてろ じきせーせーするさ

5b298069.jpg 眼下に広がる層積雲の雲海……と錯覚したところで、ここはシーツの上。白日夢。羽毛布団に包まっていると破滅的な願望しか浮かんでこない。朝方は冷え込むから、がたがた震えているのはそのせいだと思うよ。不安に怯えて震えているわけではないはずさ。きっとそうだよ。今この瞬間、世界の終わりが唐突に訪れたら、それこそグッドタイミングだな。見たこともない綺麗で大きな花火がドンと打ち上がり、俺はいなくなる。みんないなくなっちゃう。
 そんな気分の土曜日、朝……と思い込もうとしたところで、もはや昼。一一時半の電子メールは救いの蜘蛛の糸。それを頼りに俺は現実と繋がろうと懸命に努力するのだ。寝返りを打ったり、深呼吸をしたりして寝逃げの誘惑を断ち切ろうとした。せめて目を閉じないでおこうと思ったんだ。一時間半の格闘の末、俺はコンビニエンスストアーの弁当を温める覚悟を決めて立ち上がった。
 弁当は昨晩購入済みで、既に電子レンジの中にセットされているのである。昨晩、俺は「明朝、必ず抑鬱的な気分になってしまうだろう。そうして外食に出る気力を失う俺。冷蔵庫の中身はゼロだから必然的に空腹に苦しむことになるだろう」と予言し、弁当を買っていたのだ。そしたら見事的中したぜ!ほうら言ったろう?俺は絶対気持ちが沈むと思ったんだい。買ってて良かった、わーい、わい。
 この度の引越しは大成功に終わったと云っても過言ではない。明らかに気分も一新し、部屋も環境も気に入り、それを踏まえての今朝の気分なわけなんだけど、これが以前住んでいた練馬の二〇五号室での出来事だったとしたら、俺は明日存在していなかったかもしれないな。ま、それはそれで好都合か。
 よりによって嫌いな街の筆頭に挙げていた某池袋に住むことになるとは思わなかった。終電に乗り遅れたからって泊めてやんないよ。俺は便利屋じゃねーんだ。好きな娘を呼ぶんだ。沿線から僅かの距離にポツンと佇む小駅。そんなコミカルな乗り換えを毎日敢行することになったのであるが、東日本旅客鉄道池袋駅から歩けなくもない。
 ならば歩いて帰ってみよう。各種風俗産業の呼び込み、ポン引き及びそのまんま娼婦、そして内緒の売人。私は終電間際まで残業労働したのだ。ブルーフライデイの夜、街は腐っている。ああ、最高だ。廃れた街。池袋は汚い街だ。最も如何わしいゾーンを抜けた寂れた区画に聳える一〇三号室。匂いも色も膿んでいる。卑猥だ。特に俺ん家の方角は淫猥だ。ネオンが眩しい。それも二○年前のネオン。北に向かって三キロメートル程、スプレーの落書きが途切れないのさ。だがしかし、ここは猫街。猫の友達も何匹かできた。
 とにかく慌しい。俺の脳の容量は一二八メガバイト。容量を超えた仕事量なんじゃないですか?しかも俺は毎朝二日酔いというハンディキャップを背負わされているんですぜ、親方。明日は奴の首、切ってやろうか?二月七日は新人歓迎会。ところが最悪な雰囲気。酒は楽しく呑むもんだろが。世の中に大人などいねーよ。いるかと思って期待してたのに、子供しかいねー。絶望的だ。翌八日は能登半島まで出張。日本海を眺めていると引きずり込まれそうになるね。漆器の妖艶な光。九日、羽田へUターン。間違って着地失敗しないかなと一瞬期待してしまった。
 二月一〇日、夕方まで三鷹の従兄弟夫婦のマンションへ。禅林寺の近所だから、お邪魔する度に墓地に赴く。茶箪笥とテレビのお下がりの視察、と称した酒宴。テレビはでか過ぎるので友人に譲ることにした。同日夜には吉祥寺に移動。ピクシーズのドキュメンタリー。『ラウド・クァイエット・ラウド』という映画を観る。生々しいとはこういうことだ。人間味とはこういうことだ。破綻した部分を持つ人間が集まってバンドマジックによって格好良くなる、ロックンロールの理想だと思う。弱さを抱えない人間にロックンロールは必要ないだろう。だって聴かなくても生きていけるだろう?俺のテリトリーを荒らさないでくれ。聴かなくて済む人はどうか聴かないでおくれ。自由は認めない。自由な音楽ではないからさ。ロックンロールは不自由な音楽だ。
 翌一一日は、東京帝国大学の近くに建つ弥生美術館/竹久夢二美術館に行く。大正浪漫に触れようと思ったんだ。ところがしっくり来ない。夢二がギリギリだった。他の同系統の画家の絵を体が受け付けることができない。芸術は優劣の問題ではなく個人の感覚の問題であるから、別に悪い作品なわけではなかったはずなんだ。ところが美術館を出た後、気分がとても沈んでしまった。『爆裂都市』や『狂い咲きサンダーロード』等を観終わった後の感覚にも似ていたが、でもそれらの映画は気分は沈まないからなあ。分からない。翌一二日は久々の幸福。憧れなんだ、教えてロージー。
 テキーラは、心理通、人間通のブログであって思想性は殆どない。しかし、文学にとって思想云々などとるに足らぬことだ。そんなもん単なる文章家にでも任せてろ。字面や語彙などどうでも良いんだ。人々に伝わりさえすりゃあ良いんだ。限りなく真理に近づき(しかし、届くことはない)、普遍性を求め、照れ臭くとも“愛”まで書く。ロックンローラーは紀元前からいたはずなんだ。
 振り返ってみた土曜日。自宅はパソコンの通信環境が相変わらず整っておらず、かといってテレビもつけず、音楽は鳴らず、文字も読まず、人にも会わず、俺は放心しているばかりだ。昼食後、外出。長い距離をただただふらついた。本屋やCDショップに立ち寄った。電車に乗った。夜の電車の窓、鏡の如く自らの顔を映す。それを見て思った。「ひどい目をしていやがる」。板橋でつけ麺を食した。工場でのオレはまるでロボット。疲れちまった。
 酒を四缶購入した現在、漫画喫茶にいる。パソコンが備わっている個室でウーロンハイを空けている。なんか久々に日記が書きたくなったんだ。昔書いていたような日記を……。ただなんとなく。



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この記事へのコメント

1. Posted by 雅大   2007年02月18日 08:47
俺もピーズのライブ行って「アル中」手に入りやした!わーい。前日はトモさんみてきていい加減に脱力気味です。
家の近くに竹久夢二オリジナルグッズ売ってるとこあってハンカチーフなんか買っちゃいました。
家は小金井とかその辺りにします、安い!
2. Posted by 周作   2007年02月18日 11:39

 アル中いいですよね。
 かなりはまってます。
 ボーナストラックには爆笑です。
3. Posted by kaz.   2007年02月18日 13:22
弱さを抱えない人間にロックンロールは必要ないだろう。だって聴かなくても生きていけるだろう?>

確かに!!
俺は幾分強くなったかもしれないけれど、たまにものすごく弱くなる、ていうことを自覚しました。
4. Posted by けん@tequila   2007年02月22日 21:41
>>雅大

2月2日に渋谷クアトロでTheピーズのライブがあったのですが、俺は行きませんでした。平日のためという理由からですが、そうやってつまらない大人になっていくのでしょう、楽しみです(笑)…ってことで「アル中」は買っておりませんし、どんな曲かも皆目見当がつきません。更新を楽しみにしているブログ「ANOTHER TIME ! ANOTHER PLACE !!」で、「アル中」のCD盤面画像がアップされていたので、歌詞のヒントをつかんで表題に拝借した次第です。あんま詳しくないんですがトモフスキー良いですよね(最近になって再認識)。んで、夢二ですか…自分の感覚にあうか見定めているとことです(ガツンとくる感じでもないんだよな…)。花小金井ブレイクダウン!小金井方面は知り合いが結構生息しています(と言いつつ会ってないけど)。
5. Posted by けん@tequila   2007年02月22日 21:52
>>周作

「アル中」のボーナストラックが良い感じなんですね。聴きたいなあ♪俺は聴いていないしライブにも行っていないんです。今、心境としてピーズを観るタイミングとしてはベストなんですが、なんか駄目なんです。良い感じなんだろうか悪い感じなんだろうかわかんない、そんな感じなんですが、疲れ気味っつーか、相変わらず青臭い感じです。まあノリです♪

>>kaz.

「同じ音楽を聴いていれば同じ感性なんだろう」とついつい思いがちなんですが、実はそんなことは幻想であって、ってそんなことをついつい信じてしまうのは俺だけなのかもしれないですけど、ま、そんな自分の偏見で生きていますけど、ん〜、俺の偏見度は強すぎるようです、知ってたけど。やべーかな、変な方向にどんどん研ぎ澄まされていきそうだ…。まあタイミングです♪

http://www.youtube.com/watch?v=eq17xaHcz7o&mode=related&search=
6. Posted by 雅大   2007年02月24日 09:39
ブルーライト小金井!と、ゆー訳で今西国分寺のロッテリアで携帯充電しながらコーヒー飲んでます、十時半まで暇つぶし。ねむい。夜行バスで隣り合った女の子のスカートが短くて勃起して二時くらいまで寝れなかった次第であります。四万くらいで2Kとかないかなあ…無謀かなあ。夢二より林静一のがすき。あービルが高ぇ。風がつえぇ。
7. Posted by 春宮   2007年02月25日 12:38
こんにちは。もうお忘れかとは思いますが。
いつぞやはblogの方にお言葉、ありがとうございました。

湯豆腐つまみに酒呑んだら最高なような、
カッコイイお部屋に住んでらっしゃるんですね。羨ましい。
部屋自体が思想ですな。すでに。

「長い距離をただただふらつく」までの行動力しか備わっていない私には、
尊敬の的です。
これからもいい文章書いてください。


8. Posted by 健 ―KEN―   2007年02月27日 22:29
>>雅大

こんばんは。東京に住もうと計画しているわけですね?んで、物件探しということでしょうか。軟弱なんで夜行バスは苦手です。んで寝れなかったと(笑)性欲に限らず、あらゆる欲求というものは、解消されればそれはそれで幸せなことだし、解消されなくても溜め込んだら溜め込んだでそれが芸術を生むもんだと考えているんですが、いかがでしょう(危険思想か?)。家賃はどこまで譲歩できるかで随分違いますよ。先週は友人の引越しを手伝っていました。埼玉草加で4万円台。選択肢は無限であり有限でもある。乞食〜セレブリティまで楽しもうぜスペシャルライフ!今すてきな方を選ぼうぜ!(泥酔)

>>春宮

こんばんは。まず言わせていただきたいことは「忘れるどころか読者です」ということであって、リンクもしておりますよ。部屋は世帯主の脳内を表すとはよく言ったもので(今考えた)、心が苦しいときは掃除の気力も失い乱雑になるものです。旧居は限界だったので引き払ったのでした。んで、新居の写真をアップさせていただきましたが、これが今の俺の脳内。「和風」…いや「ジジイ」なのです(笑)春宮さんのサイトは、ちょっと文学的なものを調べようと思ってウェブ検索していたところ偶然発見してしまったのでした。「あ、いるんだな。ネット内にも」って思いました。ウェブ上で接触する人は大抵そんな方ばかりなのですが、もしも当ブログをテキスト目的で閲覧している方がいたとしたら、春宮さんのHP「紫の紳士録http://homepage3.nifty.com/tokyo_beau/」へ行くことをお勧めします。
9. Posted by aniline   2007年03月08日 05:07
お久し振りです。タイトルいいね、時計見たらとっくに朝ですし今。すっかりドップリカンチガイなのは超・Like meってカンジ〜っす。
トモフスキー氏を昔大阪梅田タワレコで「店員さん」やと話し掛けた事はありますよ(インストアライブの準備中で。CD持ってても顔まで知らなくて)
夢二は私の世界外、爆裂都市は今見るとつまんなくて途中で止めました。
私の部屋の壁にある「芸術作品としての絵」は、根本敬といわさきちひろですが、両者共にRockでありBluesであり。ちひろの絵も全部好きな訳じゃないんですけど…
文学も音楽も何でもかんでも、アートって「後付け」や思います。最初から芸術だと取り組む姿勢は少なくともRockではない!私はドーパミン☆ドドンパ状態で朝を待つばかり(病院行く日でw)
Amazonにて村八分BOXと河合その子BOX見つつ、欲しいけど物入りな時期で悩み中(真剣)
10. Posted by ↑け-ん↓   2007年03月08日 22:49
>>aniline

タイトルを誉められましたが、テキーラのタイトルは全て既存の楽曲の歌詞の一部から抜粋されておりますので、厳密に考えるとJASRAC絡みで即閉鎖なんですけど、とにかくタイトルに関しては各作詞者に全ての権利がありますので、ここにご報告申し上げます。本文の著作権は、tequila(C)です…ってそんなつまらん前置きから、こんばんは♪
トモフスキーは、兄をさらにフニャフニャにした感じで、好感が持てました(ライブ後、自ら物販を売っていた)

夢二は、作品による、って感じですかね。あまりに陰がありすぎる作品は辛くなってくるんです。むしろお洒落っぽい軽い感じで接したい、それぐらいインパクトある、逆に凄い情念を持った方なんだと思います。ルースターズのSAD SONG的な。

爆裂都市をリアルタイムで見た人が、「今見ると云々」と感想を言っている場面をよく聞きます。そうなんですねえ。俺なんかは、「だけど現代では作れないだろうな」なんて当たり前の感想を持ち、やはり神格化してしまうんですよね。いつでも気軽に見れるような気持ちにはなれませんがVHSを持っています(「狂い咲き〜」も)。

根本敬といわさきちひろ。良い趣味ですね♪

村八分BOXと河合その子BOX。まとめ売りの多い昨今ですよね。

アート後付け論。ふむふむ、なるほど。言わんとすることは分かる気がします。と言いつつ、これはanilineさんの趣味嗜好が分かるところですね。例えば「結果的にロックであった」ってことですよね?アートとかロックとかって、狙ってるやっている天才と、天然自然にやっている天才と、両方いると思うんですけど、anilineさんは後者を好むのかな。

すんません、気になる話題の中、今、酩酊状態のため、まとまりのないことを書いているような気がします。


「いつか素敵な朝が来る♪夏の終わりの空のような♪(飲酒しながら夜道を帰ります)
11. Posted by aniline   2007年03月10日 02:58
ちょっと前から話題になってるね<ナントカラック
でも、厳密に著作権侵害で心外だ〜!と作者側が一個人のBlogタイトルチェックしてたら面白い!
タイトルに詞の一部を我の心境チックなのをPickUpして&お金発生してない&不快にさせない、なら裁判にはならんでしょー(おふくろさんは怨念。稀にオノヨーコさん注意w)

アート後付け、ね…ん〜と、例えば…私、モー娘。の数曲、歌ってるシーン観て心から泣けてくるんですが、理由ってない!で済まない場合に説明に便利な言葉、ってのがひっくるめてアートとかRockとかBluesとかね
狙ってるor天然天才、は、後者はそれに死ぬ程努力してると思うのね。狙ってないアーチストなんぞ存在しないよね、自己顕示欲前提でしょ、やっぱ
12. Posted by けん   2007年03月10日 21:00
5 どうも♪先日、本秀康のサイン会@中野のタコシェに行って参りました。

人を呼ぶには工夫が必要であり、「テレビでおなじみ!」とか「TOKYO WALKERに載りました!」とか、やんや叫ぶわけですが、で、俺は歌詞引用という手法を採用したわけです。

あ、そちらでしたか。理屈じゃないアレを説明するときに、いや、説明できない感情そのものが「アート」だと、そういうことですよね。

先程、旧居の大家から敷金で賄えない程の高額な現状回復費を請求され、とりあえず内訳を送付願いたいと申し出ていったん引き下がり、その後、金をどう工面するか思案していましたが、とりあえず酒を飲んで後回しにすることにしました。イエ〜イ♪

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