私の母の夫、即ち我が養父は、母のブログ、アスペルガーライフにある通り先週に転職を果たした。年齢にして五十余なわけだから、転職できただけで嬉しいものだ。何せ前の会社は色々と労基法上ブラックな物だったから。

しかし、厄介なことが起きた。父の転職先はやはりトラックの運転手で、パンの配送だったりするわけだが、今週になりちょくちょく土産だと言って上司か誰か分からないが食パンを貰ってくる。一,二斤もって来るんだから大した量だと思う。

で、金曜日、今書いている日にちな訳だが、事は夕食の後に起きた。というより、母が私に見せた。

「また貰ってきたんだけど」

なるほど、確かに袋詰の食パンが転がっている。だが、何時も持ってくるような数(何時もといっても今週始まってまだ三度目だが)よりも二袋ほど多い。具体的には1.5斤ほどだ。

「またか」

私はてっきり父が3斤貰ってきたものだと思い込んでいた。しかし今から考えれば、何故何枚か食われたパン、即ち半斤があったか考えるべきだった。

「いや、実は私が、今日貰ってくるものだとは知らなくて、生協で先週パンを一斤買ってきたんだけど」

はい?



私は青ざめた。書いたことが無かったが私は食パンは好きではない。白米をがつがつ食っておかずを食べる。それが私の食習慣というものだ。

さて、では残り半分の食パンは何だと言うのか。私が母に問う前に、母はこういった。

「今日、昼間カツサンドが食べたくなって近くのスーパーで買って来ちゃったんだよ」

こいつ確信犯だ



ただでさえこの二つの事項を考慮すれば、元々1.5斤あったと言うのだ、先週の母が今週の事態を知らぬのは分かるから、1斤購入したのは防げないにしても残りの半分は阻止出来たはずである。無論気まぐれな母親は恐らくそんな事は考えて居まい。それが分かる故に、尚更私は呆れざるを得なかった。そして、その呆然自失とさせるこの状態は、絶対に防ぎようの無い残りの一斤にも向けられ、そして全く罪の無い母に向けられることになる。

「で、さっきスーパーでジャムを買い忘れたから買ってきて欲しいんだけど」

どの口がそれを言っている?



流石に怒りを通り越して呆れに変わったものが、再び怒りに変換されるまで、そう長くは無かった。

「キレート・レモンだ、駄賃にそれをよこせ」

私はそのにこやかな表情とは全く逆に、心の中でまるで無罪な母に対して怒りを込み上げさせていた。

恨むべきは父か?いや違う、上司からサービスで頂いてくるものを父が断われようはずが無い、では私か?否、何故にこの目の前の惨状とは関係の無い私が責められるべきか?彼の転職すら何の関与も無いというのに。

なら、母だ。私の思考はそうなった(※母も全くの無罪です。論理も破綻してます。)。

こうして私は母から駄賃をせしめることになったが、私は未だこの気持ちが晴れぬままだ。

パンの賞味期限は27日までだ、それまでに3.5斤もどうやって食えって言うんだ。唯でさえ食パンを余り好まぬ私にとって、これは例え家族全員に与えられる天罰だとしても酷すぎやしないだろうか。