teri-teri-俳句

【しびれたぜ猫脚ピアノ夏の青】

【犬が死に寂しさ脆さ髪洗う】

【照れながら二人で乗った貸しボート】

【夏の闇いつしか増えてさみしけり】


【骨箱が大小増えて痛い夏】


【犬はもう春来る前に旅立って】

【歪んでるZ世代に破魔矢射て】

【ぬくぬくとネトフリ見つつ三ヶ日】

【新年だ四角い空はでかい青】

【ふるさとの冬茜(ふゆあかね)今年も終わる】

【師走朝自転車レース駆け抜けり】

【鎌鼬死ぬのは奴ら黒く塗れ】

【要らないよおでんとご飯あればいい】


【枯れ葉渦風に老婆が舞い降りて】


【初雪に心が踊り深呼吸】

【お祝いは少年ジャンプ冬日和】


【呪い切れ雪女こっちのもんだ】


【マッドマックス的な丘地吹雪さ】

【蟷螂は秋保の山の色をして】

【かみさんの肩を揉んでは冬支度】

【気に入った言葉はいつか冬帽子】

【浮き世かなカルト女神に鰯曇】

【奏でてよ永遠の嘘キリギリス】

【傾いた案山子が示す歪む空】

【ラムネ飲み長生きするよおあいにく】

【こだまする森にヒグラシ悲しげに】

【胸キュンは夏のいたずらそんな年】

【夏熊に怯えながらも初音かな】

【落雷に四面楚歌だねドラ息子】

【虎が雨貧乏絵描き背徳に】

【風薫りうたい続けりとことんと】


【朝凪に自転車漕いで風を呼び】


【ぶち当る事も平気に夏の熊】

【太陽フレア人はもう夏の虫】

【老犬と散歩しに行け白い靴】

【かみさんと冷素麺でやり過ごす】

【春うららカタストロフィお似合いか】

【隆ちゃんの愛した海と夏帽小】

【アロハ着て白髪頭で海を見る】

【四月馬鹿貧乏揺すりカタカタと】

【青のまま北窓開き深呼吸】

【春時雨プラトニックな時のまま】

【番長が静かに死んで雪溶けに】

【施設から消え行く皆雪の果て】

【壊れ行く地球の春は鉛色】

【逝く犬と残る犬寂しき師走】

【唸る個性とお節介霰(あられ)降る】

【犬達と走った冬天文台】

【歩きし老人老犬息白し】

【旅をした架空の街に雪女郎】

【革ジャンに幼さ残る笑顔あり】

【思い出は木っ端微塵に冬景色】

【キコキコと錆びた自転車走る秋】

【秋風に我粛々とリハビリす】

【秋の虹天使達の場所ありき】

【漫画みたいな日は過ぎて月涼し】

【秋風に色眼鏡外した瞳】

【美しき四年ぶりかな吹き流し】


【幸せな孤独退屈うなぎ食うく】


【居眠りしもう聞こえない秋の蝉】

【夕立に我が身さらすもひとつかな】

【受け止めたふりの世界に夏は揺れ】

【身を隠す前に刻んだ天の川】

【老犬の余命を感じ夏帽子】

【すれ違い夏のめまいは茶番劇】

【初コロナ冷たいポカリ甘露かな】

【五月闇和尚さんが死んだ夜】

【ペテン師がパンクな夏に水を差す】

【いくつ夏が過ぎただろうピアノの音】

【スズメバチ防げぬ日本飛翔体】

【あのピアノ今も聞こえし夏に入る】

【山笑う亀虫の宿老夫婦】

【風に揺れシロクマに似たでかい犬】

【春雷にピラミッド綺譚反転】

【見えてきた見えてなかった雪の果て】

【北帰行成層圏に蝶々飛び】


【気球より高い彗星ニ月空】


【ほろ苦く三日遅れのチョコレイト】

【北風にあなたを思う喫茶あり】

【旅人の純度を上し冬の風】

【潮吹いた迷い鯨が死んだ朝】

【クリスマス歩く夫婦のぎこちなさ】

【砕け散る世の風受けて冬の蝶】

【あの雪の二人達たまらなく好き】

【満潮の海から見えた鬼火かな】

【サッカーを見ながら焦がすあんこ餅】

【降り積もる師走の街は俳句書き】

【足折れた案山子の横にドローン飛び】


【待ちわびた小春日和の暖かさ】


【マフラー巻き七年振りに海を見る】

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