What a game!!


なんというパフォーマンスでしょう。 AFCチャンピオンシップ決定戦と言われていたマンデーナイトの対テキサンズ戦は、ペイトリオッツが攻守にテキサンズを圧倒。42-12という大差でリーグ最高勝率を誇っていたテキサンズを粉砕しました。オフェンスが最初の3回の攻撃でいずれもTDを奪うと、守備も試合の大勢がついた第3Q終盤までテキサンズ強力オフェンスを無得点に抑え試合をものにしました。強力なテキサンズDL陣にパスプロテクションでは何度も苦しみますが、ブレイディの素早いリリースで切り抜けることに成功。ランでは逆にテキサンズをコントロールすることに成功し、プレーアクションでビッグプレーを連発しました。守備ではビンス・ウィルフォークを中心にテキサンズOLを圧倒、バックス陣も今季最高クラスのパフォーマンスを披露し、マット・ショーブを苦しめました。マンデーナイトということもあり全米注目の大一番でしたが、圧倒的内容でペイトリオッツがリーグNo.1チームを圧倒、シーズン10勝目を挙げるとともに、プレーオフ・シード権獲得へ大きな一歩となりました。


試合後に入った最新ニュースですが、まずこの試合でいきなりTDレシーブの鮮烈デビューを飾ったWRダンテ・ストールワースが残念なことにIRへ、シーズン絶望となってしまいました。またオフに獲得したTEビサンテ・シアンコの解雇も発表されています。怪我でシーズンの半分以上を棒に振ると、復帰後もダニー・フェルズ、マイケル・オーマナワヌイらの好調を受け十分な出場機会を得ることがありませんでした。彼の解雇と負傷中のTEグロンコウスキの復帰時期との関係は果たして。それでは試合を振り返ってみましょう。



M・V・P!! M・V・P!!


第3Q最後のプレー、QBスクランブルから1stダウンを獲得すると、強烈なガッツポーズで観客を大いに湧かせたQBトム・ブレイディ。ESPNはその後CMに入りましたが、スタジアムでは観客からの「M・V・P!! 」という大歓声が鳴り響いていたということです。この試合はそんな彼のゲーム・マネジメントと共に、OCジョシュ・マクダニエルズのプレーコール&ゲームプランがさえ渡った試合だと言えるでしょう。試合を通して言えば、この試合はランは33回で130ヤード、パスは36回中21回で296ヤードと、ランニングゲームに重きを置きつつ非常にバランスのとれたオフェンスを展開したゲームでした。しかし単にバランスをとったというのではなく、試合の展開に応じて様々なプレーにフォーカスすることで、テキサンズに対応する隙を与えませんでした。


例えば、試合最初のドライブではリドリーのランを多用し敵陣まで攻め込むと、最後はヘルナンデスとLBのミスマッチをついてTDまで結びつけました。INTから迎えた次の攻撃ではランは1度しかプレーせずパスで3度1stダウンを更新。最後は2回連続となるプレーアクション・パスでロイドへのTDが決まります。3度目の攻撃ではテキサンズの不用意なパス・インターフェアランスに助けられた感はありますが、ノーハドルでのウェルカーへのパスを中心に最後は相手のミスを突くヘルナンデスへのパスでTD、あっという間に21-0の大差をつけることに成功します。その後は反則があったりプレッシャーに苦しんだりとテキサンズ守備陣に攻めあぐねましたが、 この間ブレイディは盛んにロングパスを狙っていました。テキサンズがカバー0ないしカバー1でのマンツーマンを多用していたからです。この努力は最終的に、試合をほぼ決定づけた第3Qでストールワースへの63ヤードのTDパスにつながりました。その後はもう一度ランニングゲームに力を入れ試合をまとめにかかり、結果2つのTDを加えて試合を終わらせました。このように試合の局面に応じてプレーを調整し、なにかストーリーを感じるようなオフェンスを展開したことには非常に好感が持てます。


この試合で見事に機能したプレーアクションにもマクダニエルズのセンスを感じました。オフェンスラインもがランブロッキングに動くプレーアクションでテキサンズ守備陣は大いに引っかかりまくり、再三にわたってペイトリオッツにビッグプレーを許しました。ここまでプレーアクションが機能した試合も珍しいものです。一方でランニング・ゲームにも力を入れていることは明白でした。この試合でペイトリオッツは73回の攻撃スナップ中37回でTEが2人の12パーソネルを使用しますが、この数自体は決して突出したものではありませんが、注目したいのはそのTEのパーソネル。グロンクを欠く中、ヘルナンデスに次ぎ本来2番手TEであるはずのダニー・フェルズがわずか9回の攻撃スナップ参加にとどまったのに対し、FBとしても起用されるランブロッキングに優れたTEマイケル・オーマナワヌイがシーズンハイの43回のプレー機会を得ています。PFFのこの試合のレビュー記事、"ReFo: Texans @ Patriots, Week 14" でもペイトリオッツのランニングゲーム、特にこの試合で久々に復帰したLGローガン・マンキンズCライアン・ウェンデルらOLが称賛を浴びていますが、今季のペイトリオッツTE陣のランブロッキングでの貢献度も計り知れません。オーマナワヌイのこの試合での活躍は、今週末対戦する49ers強力フロント7に対しても期待が持てるものでした。


攻撃スナップの詳細はこちら→"Groupings: Another WR needed?", "Snaps: Stallworth chips in with 20"


ウェルカーにドロップが連発したことが少し気になりますが、オフェンスでは最後に、そしてもう一度、QBトム・ブレイディに賛辞を送りたいと思います。 テキサンズはこの試合、56%ものプレイでブリッツを送り込んだということですが、その際ブレイディはパス21回中14回成功、159ヤードを稼いだということです。試合中盤は特に、何度もテキサンズ・ディフェンダーにヒットを受けるなどプレッシャーを浴び続けていましたが、素早いリリースと読みで対応、これまで対戦QBを苦しめてきたテキサンズDL陣のパス妨害をうけることもありませんでした。PFFによりますと、この試合ブレイディーがボールをリリースするまでにかかった時間は平均で2.27秒。今季最も速い記録の一つだということです。素晴らしいパフォーマンスで一気にMVPナンバー1候補に躍り出た感のあるブレイディ。来週のサンデーナイトでも全米が見守る中このような活躍を続けることができれば、自身3度目のリーグMVPは確実だと言えるでしょう。



覚醒したウィルフォーク!ディフェンス陣は更なる進化をアピール


アキーブ・タリブを獲得し、マコーティーがセィフティーに定着、CBデナードとグレゴリーと共にDBの陣容が固まりだして以降、ペイトリオッツのディフェンスは週ごとに見違えるようなパフォーマンスを見せ続けています。この試合のモメンタムをつかんだ大きなプレーが第1Q序盤でのマコーティーのINT。先制TD後テキサンズに自陣深くまで攻め込まれるも、カバー1で中央をカバーしていたマコーティーが狙い澄ましたINT。マンカバーのCBが外側をケアし内側へ投げさせる、最近完璧にはまっているプレーがこの試合でもビッグプレーを生み出しました。一方でアンダーニースのフォスターが完全にフリーになっていたこともあり、ショーブの判断ミスにも助けられました。

この試合のディフェンスは何と言ってもDTビンス・ウィルフォーク。後半戦で好パフォーマンスを連発している彼ですが、この試合ではPFFから+7.9という高グレードを獲得し、この試合のMVPにも選ばれています。またウィルフォークのみならず、多くのDLやLBがロス・タックルを記録し、チームとしてテキサンズOLを圧倒しました。終始テキサンズのOL陣をコントロールできたことで、ブロッキングを生かすスタイルであるフォスターに全く仕事をさせませんでした。この試合でフォスターは15キャリー46ヤードに終わっています。


またLB陣ではジャロッド・メイヨが何度もブリッツに入ることでプレッシャーに弱いショーブ苦しめます。 DBが安定して以降LBを中心に積極的なブリッツを送り込むことが多くなったペイトリオッツですが、この試合でも効果的なプレッシャーを与えることに成功しました。DB陣はSがディープゾーンをしっかりカバーしこの試合でもビッグプレーを許さず、CB陣も試合中盤に怪我で負傷するまではタリブが、後半はデナードがWRアンドレ・ジョンソンに効果的な仕事をさせませんでした。そしてカイル・アーリントンの活躍ぶりにも言及すべきでしょう。先発CBだった前半戦は目も当てられないような酷いプレー振りでしたが、スロットに定着して以降目覚ましい活躍を見せています。この試合では途中でアウトサイドに回ることとなりましたが、全く問題なし。ロングパスからショートパスまでしっかりと防ぎ、4thダウン・ギャンブルでも激しいプレーで捕球されかけたボールを掻き出しました。


この試合ではテキサンズに14回中わずか4回しか3rdダウン・コンバージョンを成功させなかったということで、この試合ではランを止めパッシングシチュエーションに追い込み、パッシング・シチュエーションでプレッシャーをかけてミスを誘うというゲームプランが完全にうまくいったと言えるでしょう。タリブとアーリントンが試合中に痛んだこと、怪我を負ってプレーしているとされているLBスパイクスが低調だったことなどは少し不安材料ですが、復帰したDEチャンドラー・ジョーンズも次週からはエンジンがかかってくるでしょう。試合前までリーグNo.2だったテキサンズ攻撃陣を相手に披露したこのパフォーマンスは本物だと言えるはずです。



マンデーナイトで圧倒的なパフォーマンスを見せ改めてその力を全米に知らしめたペイトリオッツ。しかしうかうかしていられません。たった一試合で評判はがらりと変わってしまうものです。そして未だAFCトップはテキサンズであり、後ろにはブロンコスがぴったりとくっついています。このまま残り試合を全勝で乗り切りたいところですが、 次はサンデーナイトで49ersと対戦。ペイトリオッツで伝説を作り上げたWRランディー・モスの帰還は楽しみですが、おそらくこの試合はペイトリオッツの今季のゲームで最もタフな試合となるでしょう。


僕は今のところ、この試合でペイトリオッツが優位マッチアップを見つけることができていません。フロント7は今季パッツを苦しめたドルフィンズのそれをさらに上回るタレント揃いで、DBも侮れません。OLもおそらく今季最高のユニットで、TEのカバーに不安を抱えるペイトリオッツにとってナイナーズのTE陣はまさに脅威。WRにもタレントが揃っていますが、それ以上にQBケイパーニックは厄介な存在となりそうです。ペイトリオッツにとってはおそらくスミスのほうが対策は練りやすかったでしょう。オフェンスにとっては厳しい試合となりそうですから、ディフェンスがいかに今の調子を維持できるかがポイントとなりそうです。


しかしながらテキサンズを退けたホームでのパフォーマンスは、まさにAFC王者の名にふさわしいものでした。今のペイトリオッツは間違いなく、リーグ最強のチームであると言えるでしょう。



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 " Houston, you are not as good as they said."