24足目にして初めての厚底系シューズの紹介。
あ、まあ、フリークスは紹介したか。あれは、厚底と呼ぶには若干微妙だからね。
でも、GT-2000やズームストラクチャーといったメジャーなシューズを使いながら全くレビューしなかった。

だって、あんまりにもメジャーすぎてねぇ。
あと、厚底シューズってあんまり特筆する事柄ってないんだよねぇ。どのシューズでも大差ない、ってのが正直な感想。

ついでに言うと、個人的にはあんまり興味ない。
ぶっちゃけ、厚底系シューズって私にとってそんなに重要じゃないってのが本音。メインじゃないからね。
ただ、故障中の今はメインだったりするけど(^_^;

しかし、今回は特別。
かなりイロモノ(^_^;
イロモノのくせに極めて優秀。

私は「奇跡のシューズ」と呼んでいるけど。
何が奇跡って、恐らくは狙って優秀になったんじゃない。たぶん、たまたま
だって、優秀に設計される理由なんてないんだもの。

なので、こんなに優秀だったというのは買ってから知った(^_^;
実は、1年以上前から狙っていて買おうかどうか悩んでいたけど、全く店頭に売っていなくてネットで買わざるを得なかったので現物が来るまで善し悪しがわからなかった。
買ってみて、予想をはるかに上回るという、うれしい想定外。

さて、前置きが長くなったけど、前述の通りイロモノ。普通、ランナーがランニングシューズを買おうとしたときに選択肢に入らない。
かといって、特殊なシューズというわけではない。極めて普通。ある意味、究極的に普通。
なのに、イロモノ??

あんまり引っ張っても仕方ないので、どーんといきましょう。
あまりに売っていなくて、ついにはアマ○ンで買っちゃったので、販売では役に立たなかったポップを撮影の際につけてやったわ!

ファインジョグ





どやぁ( ̄ー ̄)
見た目普通すぎてわからんだろう!
つか、見た目以前に普通にわからんだろう!

アシックス、ファインジョグ

カテゴリー的には・・・・

運動靴?

ゲルすら無いぜ!

レースシューズが基本ソーティで、練習メインはターサー/スカイセンサー、って人間が「ついに巡り会えた理想の厚底ランニングシューズ!」って呼ぶのシューズは、カテゴリーがランニングシューズですら無い(^_^;

解説しましょう。
まず、立ち位置としては、先述の通り「運動靴」。
アシックスには、スポーツ店にはむしろ売っていなくてスーパーや一般シューズ店に売っている「ロードジョグ」というシューズがあるけど、アレの上位版。
このクラスのシューズはロードジョグが(アシックスに割り当てられた)売り場を占拠。機能より安さが売りなので、微妙に上位で値段が高いファインジョグなんてどの店舗にも置いてない。
「運動靴」だから、まともなスポーツ店にも置いていない。
結果、アマ○ンで買ったというオチ。

ロードジョグの上位版、という肩書きではあるが、実のところそんなモノではすまない。
ロードジョグは、ある意味「主力商品」なので、コストと販売戦略の都合にまみれている。
一方、販売店からそっぽを向かれているファインジョグは、実にフリーダム。
「アシックスにはゲル」というしがらみ(?)すらない。
結果、

アシックスのシューズ作りのエッセンスが自然凝縮されてできあがった

らしい。
たぶん、コストという要素だけに縛られながら、ただしロードジョグよりは上位という条件で、アシックスの持っている設計要素を自然に集めて作ってみたらできた、っていうシューズ。
ロードジョグのように他社の同クラスシューズと争う必要は無いし、本当に営業戦略という邪魔者がなかったんだろうなぁ。

アシックスが、何も考えずに普通にシューズを作るだけでこんなにすばらしいシューズができるという事例?

むしろ、何も考えなかったからよかったのか。

何がいいのか、紹介しましょう。
まず、最初に私が目をつけた理由。

ミッドソールがスピーバ。

まさかのスピーバ。たぶん、マジでスピーバ。
ロードジョグは、普通のEVA。
その上位だからといってわざわざスピーバを使う必要はない気もするのだけど、何を考えたのかスピーバ。万歳。
まず、これで飛びついた。

次に、ゲルなし。
別にあってもいいのだけど、ない方がソールの感触が全体的に均一になる。私の好みとしては、ソールの感触が前後であまり違わない方がいい。

そして、アッパー。
余計な補強ラインが無い。特につま先。
ほぼ、アシックスのサイドストライプのみ。これは、ターサージャパンなどのジャパン系と実は同じ。
販売戦略上どうしても「補強が多い方が高機能」という売り文句になってしまうが、実際は動きのあるつま先はフリーな方がいい。

以上の3項目が合致した時点でこのシューズにロックオン。
あとは、ヒールカップとラスト(足形)が心配だったのだけど、そこは信頼のアシックスだし、試し履きなしでも大丈夫だろう、と思って購入に至った次第。

そしたら。

ヒールカップとラストも神だった (´▽`)

まさかこのシューズのためにヒールカップを設計するとは思えないので、ある時代のGT-1000とかのヒールと共通だったのかな??
たぶん偶然の産物だろうけど、ともかくフィット感がハンパなくいい。

ラストは普通のワイドラスト。のハズだったのだけど、ここにも奇跡が起こる(^_^;
この手のシューズというのは基本的にゆったり目に設計される。
ワイドだからでしょ?、じゃなくて同じワイドでも厚底ランニングシューズと、ターサーと、ソーティで全部足形は異なる。想定スピードに比例してきつくなる。

もちろんファインジョグも厚底だし、足形データはアシックス内でほぼ共通で使われるだろうから、日本の男性仕様ならどのシューズでもだいたい同じになるはずなのだけど・・・・。
実はこのシューズ・・・「実は」ってことはないか。立ち位置通り、アッパーの生地が安い(^_^;

外見上メッシュのように見えるけど、実はゴワゴワした人工皮に近い感触の生地(ナイロンみたいな繊維)の裏に柔らかい布、表にメッシュを貼り付けたもの。
割とめんどくさい生地で、普通のランニングシューズよりも生地が厚い。
そのせいか、同じ寸法で作ったのかもしれないけど若干シューズ内が狭くなっている。
とりわけ、トゥボックス(つま先の空間)がこの手のシューズとしてはかなり狭い。

ワイドラストなので甲は広い(というか高い)かもしれないけど、やっぱり生地の厚さのせいか普通のシューズより狭い。

結果。
厚底シューズとは思えないぴったり感のシューズになっている。

つまり。
「ロードジョグの上」ぐらいのシューズのくせに、フィット感としてはGT-2000をはるかに上回り、私が経験した中でも最上位に近いフィット感が実現。

・・・まさに奇跡。

そして、敢えて特筆したいのが、基本性能の高さ。
ランニングシューズとしての基本性能。
先述のフィットの良さの他に、

例えば、屈曲の位置。
例えば、アッパーの補強の入れ方。
例えば、踵とつま先の高さの差。
例えば、土踏まずの強度。
そして、先述のフィット性。
すべて、当たり前のことができている。

アシックスなので当然なんだけど、新興メーカーはそもそもその当たり前ができていなくてダメなんだよなぁ。そのくせ「高機能」だけは謳う。

クッションについては、先述の通りゲルが無い。
ただ、体重が重い人ならともかく、軽量級の私にはまずゲルはほとんどいらない。実は要らない。
スピーバの厚底で十分。

ただ、ゲルの代わりに入っているP3クッションというのがすこぶる感触がいい。
ロードジョグは踵だけだけど、ファインジョグはインソールの下全面に入っている。

ファインジョグソール







踵の裏から見た時の黄色いヤツがP3クッション。これが実は踵だけじゃなくて全面に入っている。
クッションと言っているけど、実は反発も気持ちいい。スピーバと合わさって足離れが良くてすこぶる軽快。
反発性も、最近の「高機能ソール」にありがちな不自然なタイプじゃないので(いつかこの「不自然」な反発の正体もネタにしたい!)足におかしなダメージを与えることもない。
実重量は重いけど、フィット性とこの反発性で非常に軽く感じる。

アウトソールに特別な工夫は見当たらず。
シャンク(土踏まず)に特別な材料を見当たらないけど、形状をくびれさせて強度を上げている。実際十分な強度。

アウトソールの踵には上位のシューズと同じエーハープラスという材料が使われているので、耐久性は問題なし。
ただ、GTといった上位シューズよりもこっそり薄いアウトソールになっている。
まあ、私的には十分。
この手の厚底でアウトソールが削れきるほど使わない。基本、2mmも削れれば削れすぎ。
アウトソールの形状が変わってしまうことを嫌うので、削れたソールは使いたくない。
(踵部の)ミッドソールが露出するまで使うなんてのは、私的に論外。

爪先部のアウトソールは何を使っているか分からないけど・・・黒い部分はそのままエーハープラスとして、白い部分はなんだろう?
まあとりあえず、グリップは総じて高くない。
高くないけど、このシューズにグリップ関係ない。

ファインジョグ横




アッパーの補強を眺めても、特別な工夫無し。
足首から踵の後ろ側に入っている補強は、ヒールカップがカバーしきれない部分を補強している。
最小限の補強で、先述の通りそれがいい。
ちなみにちょっとした遊び心?が。

ファインジョグ爪先




爪先の補強部に凹凸で模様が描かれている。
金型に模様を入れてあるだけなんだろうけど・・・まさか出来が悪いってことはあるまい(^_^;
だから何?って感じだけど、レースホールの補強部にも同様に入っているので、このシューズの「デザイン」なのは間違いないだろう。
ちょっと見たことのないデザインの工夫。超ローコストでできるもんなぁ。(金型を作る時に入れてしまえばコストゼロで自動的にできる)

というところまで良いところ。
悪いところと言うと・・・実はそんなにない。
まず、明らかに悪いところで言えば、通気性。

先述の通り、生地がいかにも安い!
その結果、収縮性がなく、通気性もない。
端的にムレやすい。
でも、冬なんかだとむしろ暖かかったり。。。

で、この生地の耐久性が非常に不安。
特に爪先の横のところ(つまり小指の横)が、いつか破れるんじゃないかと懸念。
収縮性がないので、動く度に生地がダメージを受けるんじゃないかなと。
これはまあ破けても仕方ないかなぁ。破けなければなお良いけど。

アウトソール、ミッドソールの耐久性は心配していない。
もちろん、P3クッションよりもゲルの方が耐久性は圧倒的に高いし、アウトソールもエーハープラスの使用量が少ないので、上位シューズよりも耐久性が劣るのは間違いない。
けど、私が使う限り寿命と判断する基準はミッドソールのヘタリ。
それがスピーバであれば、恐らくソライトメインのGTよりもむしろいいかもしれない。

以上、本当に良いことずくめ。
のように思えるけど。
気をつけなければならないのは、このシューズは本物の安物であること(^_^;
つまり、基本は抑えているけど、基本を超えた保護機能はない。

例えばゲルがないので、体重が重い人の衝撃吸収には頼りない面があるはず。
更に、デュオマックスという踵のソール内側を固くしたオーバープロネーション防止もない。
つまり、ビギナー向けにあって欲しいサポート機能はない。
アッパーも補強も最低限なので、フォームにブレがある人ほど不安定になりやすい。
正直、ビギナーなら正当に「運動靴」として、ウォーキングとか通勤・通学で「歩く」のに使うのが正しい。

ただ、私的には「基本を超えた保護機能」の必要性は全然感じない。
感じないどころか、むしろ要らないからこのシューズに飛びついたという経緯があるわけで。

お値段は普通に買って税込み5000円弱。
GT-2000は、モデルチェンジの叩き売りを狙って7000円弱。
で、使う限りは、既に厚底のエース(?)としてGT-2000を超えたファインジョグ(^_^;

ちょっと靴ひもの色を変えたりして、楽しく使ってやろうかと画策。
ひとつの選択肢として、こんなシューズもアリかとご提案。

しかし、このシューズで、本当に「ランニングシューズの基本」の大切さを実感。
本当に基本ができれば、「高機能」なんて割とどうでもいいからなぁ。
まあ、アシックスのジャパンシリーズの本質はまさにそれなんだろうけど。

大手メーカーは概ね基本ができているけど、販売戦略上「基本」を犠牲にしていることもしばしば。
実に残念。それはアシックスも同様。
新興メーカーは、基本を知らない??知ってて無視しているならタチが悪いが。
最近「良いシューズがない」と感じるのも、多分にそんな「販売戦略」が邪魔している経緯があるように思える。
どっと増えたランニング人口に対してシューズを売るのだから販売ターゲットは当然ビギナーで、ビギナーほど「ランニングシューズの基本」を体感で知らないことをいいことに、おかしなシューズが店頭を占めているなぁ、というのが私の本音。

私なりの「良いシューズ」の定義は今回結構書いたつもりだけど、是非とも自分なりの「良いシューズ」の定義を再確認するのもいいんじゃないでしょうかね。
今の店頭にシューズの種類は爆発的に増えたけど、正直「良いシューズ」は全く増えてないと思っている。
店員の言葉も「販売戦略」にまみれているしね・・・・。

まあ、そんな中から「良いシューズ」を発掘する、というヘンな楽しみ方も増えたけど。
今後も、値段の良し悪し・メーカー問わず、名(迷?)シューズ発掘を続けます。