2012年02月09日

◆悪魔の判決と批判される泉南アスベスト訴訟 2

※最高裁の本当の意味

 高裁判決における考え方の転換でもっとも特徴的なのは、有害物質の規制において禁止措置や許可制の導入は〈工業技術の発達や産業社会の発展を著しく阻害〉すると“産業優先”の考え方を明確にしていることだ。これを反映して判決は、アスベストの使用禁止や製造時の許可制の導入においては、製品の製造や加工などの工程で発生が懸念される労働者の健康被害の危険の重大性、周辺の生活環境への悪影響の程度のほか、その防止方法の有無などを〈多角的な見地から総合的に判断することが要求されるものであり、そのような規制を実行するにあたっては、対立する利害関係の調整を図ったり、他の産業分野に対する影響を考慮することも現実問題として避けられない場合があることは否定しがたい〉と述べる。

 そして、そのような判断は健康被害の実態や医学的知見、健康被害を防止するための技術的知見の進展、さらにはアスベストの〈社会的必要性及び工業的有用性の評価〉や〈代替可能な他の工業製品ないし産業技術の開発その他社会情勢〉などによってつねに変化するとした。規制の実施はそうした様々な要件を考慮し、総合的に判断するべきで、規制の時期や内容は労働大臣の〈その時々の高度に専門的かつ裁量的な判断に委ねられている〉と国側の裁量権をきわめて大きいものと捉えた。高裁判決はこうした立場から、〈権限の不行使がその許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときに限り違法〉と国賠の成立条件を厳しくした。 


 国はアスベストの「社会的有用性」と「労働者の健康被害の危険の重大性」や被害規模を天秤にかけて規制の実施を決めればよいとの考えだ。しかも使用禁止や許可制の導入は、「工業技術の発達や産業社会の発展を著しく阻害」しないよう、被害の防止方法や代替製品が存在し、アスベスト産業やそのほかの利害関係者との調整ができる場合に限って実施すればよい。国にとってじつに都合のよい考え方といえよう。

 8月29日に都内で開かれた抗議集会で原告側弁護団副団長の村松昭夫弁護士が「経済発展を最優先するということを露骨に示している判決。判決のいたるところにそのことが表れている」と批判していたのもうなずける。





*アスベスト問題続きます。

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2012年02月02日

◆悪魔の判決と批判される泉南アスベスト訴訟 1

※産業優先の判決

 大阪・泉南地域の石綿工場の元労働者らが石綿肺などを発症したのは国が必要な規制や対策をとらなかったためとして、国に損害賠償を求めた「泉南アスベスト訴訟」で2011年8月25日、大阪高裁(三浦潤裁判長)は原告の敗訴を言い渡した。

 国と使用者の「共同不法行為」として責任を認めた一審判決から一転して原告の逆転敗訴となった高裁判決は、「特異な判決」「人命を軽視した判決」などと専門家から批判が相次いだ。判決後の抗議集会では「悪魔に心を売った判決」とまで酷評された。 

 しかしそれほどまで批判される理由が十分に報じられているとはいい難い。この高裁判決がそれほど批判を浴びるのはなぜなのか。すでに最高裁に上告され、膨大な準備書面のやり取りがはじまっている状況もふまえ、最新の情報も含めて関係者が改めて解説している。

・批判-1 「筑豊じん肺訴訟や水俣病関西訴訟など近年の国民の健康被害をめぐる裁判では、行政の規制権限を厳格にとらえて被害者側の立場で判決を導く傾向が定着しつつあった。しかし、今回の大阪高裁判決は工業技術や産業発展の重要性を踏まえ、行政の裁量権を広くとらえた。流れが逆行したようだ」

・批判-2 「ここ10年の流れと逆行し、特異な判決といえる。国が規制権限を行使しなかったことを限定的に捉え、行政の裁量権を強調し過ぎている。今の時代に、経済発展に配慮して規制しないとする国の判断を適切としたことは問題だ。泉南のアスベストの実態もきちんと捉えていない。当時、事業者が健康を損なう危険性を認識していたというのは机上の空論。被害の拡大、深刻化をもたらした原因から目をそらしている。裁判官が現場を見に行ったのはパフォーマンスだったのか」

・批判-3 「国は1950〜60年代、既に石綿の危険性や対策方法について外国から知見を得ていたはずだ。判決は、そうした対策が技術的・経済的に困難だったと結論づけている。しかし実際には、対策指針を作ったり、補助金をつけるなどして、国が被害の拡大を防ぐことができたのは歴史的に明らかだ。経済のためにはある程度の被害が出ても仕方ないという産業優先の考え方が底流にある判決だ。泉南以外にも石綿被害を巡る訴訟は各地で続いており、影響が出ないか懸念される」

 このようにいずれの専門家も判決に批判的で、好意的な論評は見当たらない。 

 そもそも 大阪地裁判決では原告のアスベスト被害について、〈国と事業者の共同不法行為〉と厳しく断じた。石綿工場の近隣被害と家族曝露被害については棄却しており、全面勝訴というわけではないが、元労働者のアスベスト被害に対して国の一義的な責任を初めて認めた画期的な判決だった。ところが、高裁判決では一審での認定内容を全面的に取り消し、国の対応が「著しく合理性を欠くものと認められない」と原告の訴えを退けた。 

 原告側弁護団によれば、地裁判決段階で明らかになっていなかった新しい事実が次々と見つかった結果、その判断が覆されたわけではないという。むしろ基本的な考え方が変わったことが大きい。それは判決に目を通せばすぐに気がつくはずだ。




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2012年01月11日

★太陽光発電設備のトラブル(2)

※太陽光発電の故障や効率低下のリスク

*法令上の扱いも課題に上る
 太陽光発電パネルは日常、目に付かない部分に設置されているなど、トラブルが生じていても気付きにくいものです。定期的な発電量の記録などによって、不具合の有無を把握するようなことも大切です。

 太陽光パネルの一部に影が落ちる場合も注意が必要です。太陽光発電パネルに影が落ちると、その部分で電流の流れが妨げられ、影で光を遮られた面積以上に発電量が落ちてしまう恐れがあるからです。落ち葉なども光を遮る要素となるので、注意が必要です。

 太陽光発電パネルの設置については、法令解釈の不明瞭さが普及を難しくしていた面もありました。建物における太陽光発電パネルなどの導入を円滑に進めるため、こうした障壁を取り除く動きもあります。

 屋上に設置した太陽光発電パネルなどを加味した建物高さが建築基準法に適合している場合、「太陽光パネルを建築物の屋上部分以外の部分」として取り扱えることを明確にしました。国交省が11年3月に示しています。階段室などが建築面積の8分の1近くを占めているような既存建物にも、太陽光発電パネルを設置しやすくしたのです。





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2012年01月06日

★太陽光発電設備のトラブル(1)

※太陽光発電の故障や効率低下のリスク

*光害や落雪への注意が必要に
 建物に設置する太陽光発電パネルの急速な普及に伴い、様々な問題も浮き彫りになり始めた。太陽光発電パネルの設置に伴う雨漏りのトラブルです。太陽光発電パネルのメーカーは設置に伴う施工マニュアルなどを整備しているものの、その内容はまちまちです。

 国土交通省は10年5月、太陽光発電パネルの設置に伴う雨漏りを防止するために、太陽光発電パネルの設置工事の施工基準や検査基準を策定したと発表。住宅瑕疵担保責任保険法人が実施するリフォーム瑕疵保険向けに策定した基準を用いる。

 屋根面に設置した太陽光発電パネルから反射する光がまぶしいと、近隣住民がクレームを訴えるケースも出てきています。北面の屋根に無理に設置したりすると【北面には、余り設置事例はないけれど】、向かいにある家の南側開口部から反射光が差し込みやすくなったりするので注意が必要です。

 11年2月には国民生活センターが、太陽光発電パネルを設置した屋根からの落雪事故に注意を呼びかけた。表面が滑らかなパネルによって、雪が勢いよく落ち、物損事故などが起こっている。

 太陽光発電は「メンテナンスフリー」だと宣伝されることも有りますが、NPO法人(特定非営利活動法人)の太陽光発電所ネットワークが10年7月に公表したデータからは、故障などのリスクが必ずしも小さくないことがうかがえ、調査では、480台余りの太陽電池のうち、設置後10年以内に太陽電池のモジュールが故障した割合は14%に達している。

寸評ー各種設備には、設置条件で交渉とトラブルは必ず発生されると考えるが:::::
 

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