開封前から、「アレでは?」と思っていましたが、中身はやはりアレでした。
アレの正体は、最近よくみかける無料の保険『フリーケア・プログラム』。
宛名付きの郵便物で実際に利用している金融機関から届いた書類なので、無記名のDMとは別物ですが、実質は無差別のバラマキDMと同等のものです。
口座を持っている『三菱UFJ銀行』から、個人名あてに送付された書類が届き、"限られたお客さまだけが対象"・"保険料は当行が負担"という言葉で特別感・優待されている感をあおり、『無料プラン』というまき餌でチューリッヒの策略にまんまとはまる。
そんな、アレで胡散臭い感満載のフリーケア・プログラム、どんなものなんでしょう。
三菱UFJ銀行向けのチューリッヒによるフリーケア・プログラムの正体ですが、この『無料プラン』補償期間は1年間で、がんと診断されたらがん診断一時金10,000円がもらえます。
保険料は当行が負担となっていますが、(嘘は書けないので)実際に保険料は三菱UFJ銀行からチューリッヒに払われていると思います。
でも手数料・個人情報提供料的な費用がチューリッヒから三菱UFJ銀行から払われていると想像され、トータルで三菱UFJ銀行は保険料負担額以上の見返りをチューリッヒから得ているのでは、と思います。
また、冷静にこの無料プランで受けられる補償(1年間でがん診断された人に10,000円を1回だけ支給)を考えると、保険料は微々たるもので月数10円レベルのものとも推測されます。
チューリッヒから見ると、負担を強いてまで無料の保険を提供するメリットは結構大きいものがあります。
三菱UFJ銀行顧客向けの、三菱UFJ銀行が発信するDMなので、その反応率は普通のDMと比べると比べ物にならないほど高くなるのは想像にかたくないです。
まずは無料プラン、1年間の補償期間満了後の顧客のちょっとした不安感を利用した有料プランへの動線を引けるのは、あてずっぽうなDMと違い効率がいいものと思います。
そして、チューリッヒは(無料保険の代償を顧客に求める形で)、保険に興味がある顧客の個人情報を無理なく入手ができるのも大きいメリットです。
三菱UFJ銀行の口座情報とセットで保険ニーズのある顧客の情報を正当な手段で得られるというメリットは、保険会社にとっては営業の肝になる貴重な個人情報です。
チューリッヒの考えた、無料の保険『フリーケア・プログラム』。
よくできた商売だと感心しますが、補償内容に対して個人情報を保険会社にさらすという個人のデメリットは大きく、胡散臭さは完全に払拭できないサービスです。
いざ自分が"がん"と診断されたとして、自動的に保険金10,000円が振り込まれるのならまだいいのですが、実際のところは書面のやりとりで保険請求をする必要があり、保険請求して得られる保険金が10,000円ポッキリだと、わりに合わない感の方が強いような気がします。
本当に保険が必要なら、まともな補償の有料の保険にまっとうに加入するのが確実で手堅いので、『無料プラン』は見送りするのが無難だと思います。
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