中学生の敵、『確率』と『場合の数(順列・組み合わせ)』

中学校の数学で出てくる、『確率』『場合の数(順列・組み合わせ)』
それまでの数学とは少々異質で、高校数学になってくると、!(階乗)とかP(順列)とかC(組み合わせ)とかの数式・考え方も登場して理解も進みます。
そのあたりを理解して、改めて中学校の数学に立ち戻ると、樹形図とかが頭に浮かび正解にたどり着くのも容易ですが、いきなり中学生が『確率』と『場合の数(順列・組み合わせ)』に直面すると、挫折しやすい単元でもあります。

確率・順列・組み合わせは、高校に入るとさらに重要度を増し、そのまま大学受験にもつながる重要な単元となります。
入り口で挫折すると、中学・高校と進むにつれて苦手な単元となるかもしれません。

そして、社会人になって、算数・数学で役に立つのは、算数の分野全般に加え、数学の分野だと『確率・順列・組み合わせ』が最も役に立つのでは、と思います。
組み合わせの数の考え方・アプローチが、アルゴリズム的な思考能力の養成に役に立つと思います。

サイコロ振ったりトランプを並べたり、例題はとっつきやすいですが、理解できるできないで大きな差が生じる単元なので、つまづかないようにしたいのが『確率』と『場合の数(順列・組み合わせ)』の導入です。

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『確率』と『場合の数(順列・組み合わせ)』の導入で重要な、たった2つの考え方

『確率』と『場合の数(順列・組み合わせ)』の導入では、たった2つの考え方だけ考えておけばOKです。
それは・・・

"確率"はほっといても計算できるので無視

乱暴な書き方ですが、重要なのは『場合の数(順列・組み合わせ)』です。
それさえ正しく計算できれば、確率はほっといても計算できます
覚える公式もなく、1つのルールを理解しておけば、”確率”は無視してもいいといえます。

確率とは、『ある事象が起こる場合の数÷考えうる全ての場合の数』です。

この1つのルールだけでOKで、直感的に理解できるので、覚える必要もありません。
サイコロ1個ふって1が出る確率は、1が出る場合の数は”1”・サイコロ1個振った場合の数は"6"なので、”6分の1”が正解です。

ある事象が起こる場合の数と、考えうる全ての場合の数が正しく計算できれば、割り算するだけ
覚えるほどの事ではありません。

樹形図を頭のなかに描き、樹形図の枝を数える

確率は、ある事象が起こる場合の数と、考えうる全ての場合の数が正しく計算できれば、割り算するだけですが、問題をいかに樹形図に変換できるか?が全てです。
高校になると、階乗!とかP(順列)とかC(組み合わせ)とかの数式とかもあり楽ができるようになりますが、頭の中に樹形図をイメージして数式を使う、というアプローチを高校生は実行していると思います。

中学校までは、まずは書き出し、慣れてくると頭の中に樹形図を思い浮かべるように訓練するのがいいでしょう。
また、サイコロ2個振るときのように6x6=36マスの表を作るのも一般的な攻略法ですが、サイコロ3個登場したとたんに破綻するので、まずは樹形図を思い浮かべるようにできれば、幅広く対応できます。

そして、もれなく『場合の数が計算できる』=『樹形図の枝先までイメージできる』かが重要で、『考えうる全ての場合の数』が樹形図で表現できたら、その枝の中から『ある事象』の枝を数えることができたらそれが『ある事象が起こる場合の数』です。
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『場合の数(順列)』を考える|並べる型 or 転記型

樹形図をいかにイメージするか、ポイントだけおさえれば意外と簡単なことです。
なれると、高校数学の知識がなくても掛け算の数式をイメージする事ができるようになります。

『場合の数(順列)』計算時にイメージして欲しいのは、並べる型(1つを選び、1つ並べると1つ選択肢が減る)なのか転記型(1つを選び、結果を転記しても選択肢が減らないか)なのか、です。
数字が書かれたカードを選びそのまま並べれば、並べただけ選択肢が減ります。
数字が書かれたカードを選び転記すれば、戻されるので選択肢は減りません。

具体的に、1〜5の数字が書かれたカード5枚中、3枚をならべる場合(並べる型)と、3回転記する場合(転記型)で、場合の数は以下となります。

並べる型:5x4x3 = 60 とおり
転記型: 5x5x5 = 125 とおり

これだけの樹形図を実際に書き出すのは実質不可能ですが、頭に樹形図をイメージして、結果だけを掛け算の数式として書き出すのは容易でしょう。

高校数学では、P(順列)として数式も確立していますが、知らなくてもこの掛け算は導きだせます。
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『組み合わせ』まで発展させる|並び方を考える or 考えない

上記の『場合の数(順列)』は、並び方も考慮しますが、『組み合わせ』の場合並び方は考慮しません
どういうことか?

1〜5の数字が書かれたカード5枚中、3枚をならべる場合(並べる型)の場合、選ばれた3枚が1・2・3となる場合は、123・132・213・231・312・321の6とおりです。
これ、並び方を考慮したら6通りですが、並び方を考慮しない、つまり選ばれた数字の結果(組み合わせ)だけ考慮したら、いずれも1・2・3しか含まれていないので、1とおりとなります。

つまり『場合の数(順列)』に対して、『組み合わせ』の場合、3枚選ぶ場合だと6分の1になっています。
3枚のカードを3枚並べた場合、つまり3x2x1 = 6とおりの『場合の数』で割っている、ということに他なりません。

高校数学では、C(組み合わせ)として数式も確立していますが、上記の計算をさせているに過ぎません。

エクセル関数もあるけど・・・|結局、樹形図がイメージできていないと数式をあてはめられない

!(階乗)とかP(順列)とかC(組み合わせ)は、エクセル関数も用意されています。

P(順列) =PERMUT(標本数,抜き取り数)
C(組み合わせ) =COMBIN(総数,抜き取り数)
!(階乗) =FACT(数値)

しっかり樹形図を理解してエクセル関数を適用するのは、特殊な階乗計算を関数で簡単に表現できるので便利です。