築地3丁目の取引先の近くに、創業30年近い鶏料理屋「辰の字」という店がある。表の看板やちょうちんには、「焼き鳥」ではなく「鳥焼」と書かれている。


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まあ、メインは普通に焼き鳥なんだが(笑)。それでも、ここの焼き鳥は旨い。大将の礒野辰成さんに尋ねたらば「ステーキとかトンカツより、焼き鳥は一段下に見られていたから、私の師匠が気取って『鳥焼』と呼んだんですよ」と教えてくれた。なるほど、いい拘りだ。値段は安くはないが、高くもない。食べ物のラストオーダーが20時半と早いのが玉に瑕か。



夜は鳥料理の居酒屋だが、ランチタイムには丼ものを提供している。親子丼、焼鳥重、揚げしんじょう(唐揚げ)と、メニューは3つだけで、一律850円(味噌汁付き)。


中でも客の8割方が注文する、この「親子丼」が絶品なのである。まず、大ぶりな大山鶏を使った肉の熱し加減が絶妙。ステーキでいうミディアムレアで、噛み心地が素晴らしい。奥久慈の玉子が、特製のダシとトロトロに絡まって、ご飯との相性が最高。玉子も火の通り具合がちょうどいい。

上にネギだの海苔だの、余計なものは乗ってない。物足りないと思う人もいるかもしれないが、主役の具材のみで勝負しようという潔さが、私には感じられる。ちなみに夜は丼ものは食べられない。


以前、ある編集者と「いちばん好きな丼はなにか」という話をしていたのだが、その人は親子丼がいちばん好きだと言った。私は、好みからいうとカツ丼や天丼になるのだが、確かに飯との一体感を考えるに、親子丼こそ丼ものの鏡といえるかもしれない。

カツや天ぷらは単品でも食べられるが、親子丼の具は、ご飯あってのもの。それだけに味にごまかしが利かず、店によっての当たり外れはあると思う。そういえば、私は「玉子かけご飯」も大好物のひとつだ。

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