その昔、JR蒲田駅の構内に「めん亭」という立ち食いそば・うどん屋があった。
めん亭は、昔からあった立ち食い店では珍しく、関西風の薄口の味が特徴で
普通の店では蕎麦を食すことの多い「そば派」である私も、その店でだけは
うどんを注文することも多く、半々ぐらいの割合で食していた。

しかし、時代の流れ。蒲田駅が今風の小奇麗な駅舎へとリニューアル
されたことに伴い、めん亭は2007年に閉店とあいなってしまった。

密かな人気だった同店が無くなったことを惜しむ声も多く、
私のサイトにある、このページには閉店後も時々投稿を頂戴することがあった。

そんな「めん亭」の味が、今年の夏から大森で復活しているという。
近くであるし、すぐに行くべきところなのだが、駅の構内ではなく、
改札の外にあるためになかなか機会に恵まれず、ようやく行くことができた。

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「めん亭」の味が復活したとされるのは、この「麦の城」という店。
JR大森駅の西口を出てすぐ右側にある。
POPに目をやると、おお、「蒲田 めん亭 再来!」と書いてある。

聞いたところによれば、この店とめん亭の社長は同一人物のようで、
お客の要望か、店側の判断かは分からないが、味を復活させることになったらしい。

どうやら何年か前からある店のようだが、まず、この外観にビックリ。
上の文字に「ヌードルズ・バー」とある。
大森には、たま~に来てはいたのだが、こんな店あったっけ…(笑)?

ずっと昔はカフェか何かだったと思われる外観で、
それを立ち食いそば屋に改装したものと思われるが、
普段は東口に降りることが多く、西口には随分長いこと来ていなかったので、
昔、どんな店があったのか…ちっとも思い出せない。

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いささか戸惑いながらも、さっそく券売機で食券を購入。
やはり、懐かしの味「梅じゃこうどん」を頼んでみよう。
値段は以前と同じ420円と変わっていないようだ。

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店内は狭いが、立ち食いには十分なスペース。座って食べられる席もあった。
「めん亭」のトレードマークといえた、ゆず粉の瓶が置いてあり、昔を思い出す。
「梅じゃこうどん」が出来たので厨房から受け取ってテーブルに置いた。

……ん? 何か違う。いや、全然違う。
めん亭の「梅じゃこうどん」は、こんなんじゃない。

まず、麺とツユはどうか。啜ってみると、何か違う。

麺はしっかりとコシがある今風のさぬきうどんタイプだから、
昔のめん亭の、ややソフトな食感のものとは明らかな違いが認められた。
ツユは薄口の関西風で、しっかりした鰹風味の出汁は比較的、以前のめん亭に近いか。
こちら参照)

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しかし、肝心の梅が全然ちがう。
実の大きな色白の梅(種あり)で、若干甘味があり、私の好みではなかった。


昔の「梅じゃこ」に入っていたのは、梅が丸ごとではなく、ペースト状だった。
あと、大根おろしも入っていなかった。

このあたりは、上に貼ったリンクページの写真を見ていただければ分かるだろう。

甘味のある梅干しと大根おろしが入っているために、
時間の経過とともに、その味がツユに浸透し、味が変わってきてしまう。


ネギ、ジャコ(しらす)の食感も、食べてみた限りでは別モノのようだ。
それに、少しツユがぬるかったようにも思えた。

…残念ながら、「めん亭の味再来!」にまでは至っていないと感じる。
もしかすると、天ぷらとか、かけうどん(そば)を食してみたら
また違う感想を抱いたのかもしれないが、何しろ梅じゃこが好きだったので…。
期待が大きかっただけに、ちょっとガッカリしてしまった。

めん亭の味・復活キャンペーンが一時的なものか、長期的なものかは分からないが、
形だけ真似るのなら、大々的に歌わず
あくまで「麦の城」として、勝負したほうが良いのではなかろうか。

店員も以前はおばちゃんばかりだったが、
この店は若い女の子が中心で、雰囲気もぜんぜん異なるものだった。

ただ、「めん亭」を抜きにしてこの「麦の城」という店単体の味で見れば、
十分に値段に見合ったものであることは確かだと思う。

ただ、「めん亭」を抜きにしてこの「麦の城」という店単体の味で見れば、
十分に値段に見合った一杯であることは確かだと思う。

関西風の味や、「ゆずフレーバー」が好きだった方には、全力でお勧めしたい。
私も大森に行く際には、また利用しても良いかなと思える味ではあった。

朝6時半から営業しているのは客にとってはありがたく、貴重な店といえる。

麦の城 うどん / 大森駅大森海岸駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0