火山山麓のレモンイエロー : 草軽電鉄の記憶

その昔、浅間高原を走った軽便鉃道のこと、その模型など思いついたままに語る、鉃道青年のブログ。

わたしの好きな軌道跡(2) 鶴溜 その1

オフィシャル調整
                               草軽交通(株)
この写真。
いにしえの草軽の姿を現在に伝える最高の写真であり、多くの人の記憶に残っているであろう、最も有名な写真であることは疑いないと思います。
昔テレホンカードの絵柄にすらなったこの写真は、実はマニアの手による撮影ではありません。
昭和35年春、草軽の新軽井沢・上州三原間部分廃止を記念して関係者に配られた(と聞いている)もので、正に “オフィシャル” な写真だったのです。
わたしも以前、現物を見せていただく機会があったのですが、“廃止記念” の文字が箔押しされた、和紙の中紙のあるうやうやしい台紙に入っていた、と記憶します。撮影したのはおそらく、注文を受けた地元の写真屋さんだったのではないでしょうか。

この写真の撮影場所、すなわち草軽がまだ電化前、草津軽便鉄道という名前で、コッペルや雨宮が元気に走っていた時代から、既に多くの写真が撮影され、後に廃止になるまで、本当にたくさんのマニアが素晴らしい写真を残した草軽随一の撮影ポイント、“お立ち台” は、鶴溜・小瀬温泉間にありました。正確にいえば、鶴溜から小瀬温泉方へ300mくらい走ったところにあったわずかな直線区間です。

このポイントに立っていたとすれば、列車が目の前を通過すると、すぐに左方へ大きくカーブしていきます。下の地図を見るとわかるのですが、90度よりも鋭角にカーブをきった列車は、そのままほぼ500m先で右にカーブして山影に消えるまで、ずーっと見ていることができました。そして列車に乗っていたとすれば、進行方向左手の車窓には、そこに収まりきらないほどに大きく浅間山が見えていたはずです。

1980 鶴溜
鶴溜・小瀬温泉間の軌道跡(上の写真とほぼ同地点)      
                   1980(昭和55)年5月 撮影:小林隆則

現在、この場所はそのまま道路になっています。
鶴溜の駅跡から、上記の直線・左カーブの部分まで、そのまま辿ることができます。しかし、同じ場所へ行っても、樹木が茂ってしまい、写真のような展望は全く望めません。望めないどころか地形すら判断しずらく、予備知識がなければ(あっても)、同じ場所とはにわかに納得できないほどです。
廃線跡歩きというのは、現場に行ってもかなりの想像力を要求されるもので、草軽のように廃止が早かった鉄道であればなおさらです。

ただその反面、この写真を頭に焼き付けて、しっかりとイメージすることができれば、現在でもきっと60年前の空気を感じて、遠く去っていく列車の姿もイメージできる場所だと思います。

鶴溜付近 tizu
                                                                                                       Google

 

DSC07100
 鶴溜・小瀬温泉間の軌道跡(上の写真とほぼ同地点)      

                   2017(平成29)年9月 撮影:小林隆則



余談になるのですが、ホハ21型とホハ30型の2両編成を引く15号機関車。
これは定期運転の列車を撮影したものだったのでしょうか?。
見渡す山谷にはまだ緑のかけらも見えない早春の風景は、おそらく廃止直前の3月頃の様子だと思います。ひょっとしたら、これはわざわざ写真撮影用のためだけに仕立てられた、“臨時列車” ではなかったのではないでしょうか?。そのことが以前からわたしは気になっていました。
その根拠としては、
⚫︎ この列車は停車している(と思われる)、ということ。
⚫︎ このポイントのすぐ近くで撮影された、同じ列車の “別テイク” を見たことがある、 ということ。
⚫︎ 客車から誰も顔を出していない、つまり誰も乗っていないのではなかったか。
ということなどです。

ただ、わたしがひとりで楽しんでいるだけで、そんなことはもはや “どうでもいい” ことですね。
そんなコアなマニアのこだわりなど関係ないところで、これからもずっと、見る人に驚きと感動をあたえていく写真に違いありません。

〈鉄道青年〉 
※ これからまた稼業の方の繁忙期に入ります関係で、年明けまでブログはお休みいた   します。みなさま、どうぞお忘れにならぬよう! 


ここのところの話題

早いもので、写真展が終わってからもう一月がたちました。
その間のちょっとした話題を書いてみたいと思います。

⚫︎ 
北軽井沢の松の木
DSC03354

DSC03349
松の木の反対側には噴水もあった。これも撤去される。


北軽井沢駅前にあった、樹齢
100年以上という大きな松の木が、先月22日に撤去されました。
これは写真の通り、駅前広場のロータリーになっている部分に、“北軽井沢” のプレートと共にあったものです。バスでも自家用車でも、軽井沢からでも草津からでも、北軽井沢に到着すれば、この大きな木が目に飛び込んできました。
その理由は、ここを通過する大型バスの通行をスムースにするため、ということです。確かにこの部分は右折にせよ左折にせよ、狭い曲がり角ですので仕方のないことかもしれません。
ただ、樹齢が100年以上、ということは、草軽が草津軽便鉄道として、1917(大正6)年にこの地に線路を通して以来、そこを通る全ての列車を見守って、当然最後の列車も見送ったわけです。さらにはその後60年近く、北軽井沢の変遷と発展をもずっと見続けてきた樹木でした。
樹木と併せて写真の噴水も撤去され、その跡地には観光用の小屋が建設される、と聞いています。

そんな“草軽の樹”、とも言うべき老木が、写真展の開催中に切り倒されたというのもなんだか感慨深いですね。

DSC03397
夜になると、“北軽井沢” のプレートが美しく光っていた。
 


⚫︎ 
草軽と百合まんが
IMG_1474

IMG_1475

草軽(津草鋼索鉄道)に乗っていく女子高を舞台にした漫画!、です。
作者が北軽井沢出身ということで、冒頭には北軽井沢にあるデキ13の木製模型が出てきます。
電車のシーンはここだけで、ストーリーも54才になるおやじにはよくわからないのですが、それだけでなんとなく嬉しくなってしまいます。興味のある方は見てみてください。


⚫︎ 
ポストカード販売中
写真展の期間中、会場でわたしが製作した草軽ジオラマ・車両の写真をポストカードにして販売したところ、好評をいただきました。
終了後も、北軽井沢観光協会(つまり秋南さん)のご厚意で、おみやげ品として置いていただいています。 

11枚セットで¥600です。
北軽井沢を訪ねた折にはぜひお買い求めください。
 
ふくろ
 

Oナロー 草軽ホヘ19 好評発売中!

浅間模型ブランド初の製品、草軽(草津)電気鉄道 ホヘ19型組み立てキット、好評発売中です。
10月1日(日)開催の第13回 軽便鉄道模型祭において、城東電軌様のブースでお取り扱いいたします。
どうぞ、Oスケールならではの存在感をお確かめ下さい。

定価、税込 ¥ 27,000-です。 
生産数は少量ですので、迷っている方はこの機会にぜひお求め下さい。
後悔はさせない内容だとの自負はあります。
 DSC03499-1

DSC03501-1
※ 写真のデキ12型は参考です。

〈鉄道青年〉
記事検索
アクセスカウンター