すべての食料輸入が止まっても米などで賄えるという幻想


もしすべての食料輸入がストップしたとしても、米・野菜・魚介類などで必要最低限のカロリーは確保できるという。
また、農業用機械油についても問題が無いそうだ。
それなら安心だねというような人は危機管理に向かない。


現在米の生産量は年間約800万トンとなっている。
1人当たりにすればおよそ62キロとなる。
1月当たりでは 5.1キロとなり、休閑地を利用すればもっと増やせるかもしれない。
これに野菜や魚介類を加えれば最低限の食事は得られるということらしい。



さて、本題に入りたい。
上記に述べたような食事が均等に配られるというのなら、確かになんとかなるかもしれない。
しかしながら物事というのはそんなにうまくいかない。
現実的にはある者は必要以上の食料を得、ある者は何も食料が得られないという状況となるであろう。


まず農家が米を収穫した時点で、家族分・知人縁者分・買取業者分などによってほとんどすべての米がもっていかれてしまうだろう。
一部の米が闇米としてものすごい高値で取引されるかもしれないが、量は少なく庶民は手に入れることが困難となるかもしれない。


そこで政府は配給制度を行うことを決定する。
まず農家には生産分すべてを一旦国が買い取る旨を通達する。
しかしながら十分な米を買い取ることが困難なため、闇米規制と合わせて作付け面積当たりの供出量に満たない農家に対して厳しい取調べや罰則が科せられることとなる。
このような政府の強行手段をもってしても配給に十分な米を集めることは困難であろう。
更に国家維持のための食料や政府関係者による横流しなどの横行で収集した米の流出に歯止めがかからなく恐れもある。
配給で人々に十分な食料を提供することはそう簡単ではない。
野菜や魚介類に関しても同様の問題が生じる可能性がある。



こうした不測の事態に備えるにはギリギリの食料ではなく、十分余裕をもった食料対策がなされることが肝要である。
熊本大分大地震でも判明したように、国家の指導を無視して食料備蓄を行っていない自治体は数多くある。
少なくとも全国民が1年は耐えられるだけの食料を国主導で全国にバランスよく備蓄することが必要であろう。
そうした備蓄が国民に安心感を与え、少ない食料の買占め・奪い合いなどのパニック状態を回避する手助けとなる。

東日本大震災の折、震源地から遠く離れた東京で食料が買い占められた惨状を思い出すに、不測の事態が起こったら間違いなくパニックが起こるであろう。