日米安全保障条約の実効性について



X首相「ついに日本が北朝鮮に攻撃されてしまった。日米安全保障条約に基づきアメリカに軍事行動を要請しよう。」



X首相「Y大統領、すぐにアメリカ軍を動かしてください。」
Y大統領「軍を動かすには議会の承認が必要だ。しかし議会の奴らは頭の固いやつらばかりで自国が損になることには首を縦に振らないだろう。」
X首相「約束と違うじゃないですか。日米安全保障条約違反じゃないですか?それに今まで日本がどれだけアメリカにお金を拠出してきたと思っているんですか。」
Y大統領「何か勘違いしているようだが、アメリカは日本を守るとも日本の代わりに戦争するともどこにも書いてないだろ。言いがかりはやめてくれ。」
X首相「じゃあ、日本を見捨てると言うのですか。」
Y大統領「そんなことは言ってない。ただ議会のやつらをうんと言わせるにはそれなりの条件が必要だ。例えばアメリカ軍の戦費は全額日本が負担し、自衛隊の参戦を含む最大限のバックアップを約束するなら議会の承認が得られるかもしれない。」
X首相「・・・・・(まじか)」




日米安全保障条約第5条

Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes.
Any such armed attack and all measures taken as a result thereof shall be immediately reported to the Security Council of the United Nations in accordance with the provisions of Article 51 of the Charter. Such measures shall be terminated when the Security Council has taken the measures necessary to restore and maintain international peace and security.


各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。 
 前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。
その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない。




色々書いてあるが、要するにアメリカは自国の憲法に従って危険に対処するというだけ。
アメリカは議会の承認が無いと何もできないので、アメリカは動かないし動けない。
議会の承認を得るにはアメリカ国民の世論と議員の賛同が必要であり、そのためには日本が相当譲歩しないと難しいのではないだろうか。


日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(外務省)