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2006年03月22日

孤独のグルメ

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Welcome To The 中年ワールド 「孤独のグルメ」





ソースの味って男のコだよな・・・
こんにちはJ君です。男やもめの一人暮らしが長く続くと掃除洗濯はもちろんですが、なにより食生活が荒(すさ)んできますね。ちなみにJ君の荒みっぷりはかなり末期的でして、最近などは松屋で味噌汁を豚汁に変更した時に「あれ、今日の俺ってちょっとセレブじゃね?」とか思いましたしね。うん、冷静に考えると全然セレブじゃない。

しかし、それを荒んでいると考えるか「粋」であると考えるかはその人の心の持ちようです。一見荒んだ食生活だったりB級グルメばかりの食生活であったとしても、そこに「美学」を持っている男はモテる。いわゆる、ちょい(食生活)ワルオヤジというやつですね。本日はそんなモテるオヤジのB級グルメ美学について、知る人ぞ知る名作マンガ「孤独のグルメ」を通して学んでいきたいと思います。

「孤独のグルメ」とは、「月刊パンジャ」という雑誌に掲載されていた、久住昌之(原作)・谷口ジロー(作画)の両先生による作品。個人で雑貨輸入商を営む独身貴族、井之頭五郎が仕事の合間にふらっと街の定食屋で飯を食べる。しかもほとんどが大衆食堂の定食とか回転寿司とかスタンドのカレーとか、B級グルメ的なものばかり。そんな主人公、井之頭五郎の食事中の心理描写をひたすら淡々と描いただけのマンガです。そこにはオチも刺激的な演出も全く存在しません。だがそれがいい。にじみ出るオヤジの美学に共感できる人はきっと多いはずです。

では「孤独のグルメ」から学ぶ、オヤジグルメの美学の数々を早速ご紹介してまいりましょう。最初に言っておきますが、今から紹介する数々のセリフに共感できた瞬間、10代だろうが20代だろうがオヤジ認定ですよ。決して後戻りできません。


■「持ち帰り!そういうのもあるのか」

島耕作風なダンディズム

 台東区山谷にて、道に迷ってしまい仕方なく飛び込んだ定食屋にお持ち帰りシステムがあったことに驚く主人公。「そういうのもあるのか!」という妙な感心とは裏腹に絶対持ち帰りなどしない感が漂いまくりなところが中年の奥の深さです。ちなみにこの時、勢いで豚肉炒めライスと豚汁を注文してしまい、あとで豚肉のメニューがダブっていたことにショックを隠しきれない主人公の様子などは、かなりのダメな大人感を醸し出しています。


■「このおしんこは正解だった」

おしんこに感激

 同じく台東区山谷の定食屋にて、豚肉炒めライスと豚汁のダブル豚メニューのくどさに辟易していた主人公が、たまたま一緒に頼んでいた「ナスのおしんこ」の爽やかさに助けられ思わず漏れたセリフです。正解とか不正解とかいう問題でもない気もしますが、みなさんもコッテリした料理の後のおしんこに救われた経験があるのではないでしょうか?一皿のおしんこにも感動する姿勢・・・これこそ男の美学。今後のために学んでおきたいですね。


■「・・・いかんな、タイミングがズレてる」

回転寿司の憂鬱

 舞台は吉祥寺のとある回転寿司。回転寿司では、食べたいメニューが流れてこない場合は直接職人さんに注文するという暗黙の了解が存在するわけですが、職人さんにいくら声をかけてもスルーされてしまう経験ってありませんか?J君はあるんですけど、そもそも注文するのが面倒くさいから回転寿司に入ってるわけで、あえて注文するときはそれこそ決死の覚悟で注文しているので、華麗にスルーされてしまうと相当凹むんですよ。主人公の心境、よく分かります。でもこれってタイミングの問題だったのか。そうか、回転寿司もある意味スポーツなんだ!ひとつ勉強になりました。



■「ごはんがあるのか、うん!そうかそうか、そうなれば話は違う、ここに並んだ大量のおつまみがすべておかずとして立ち上がってくる」

いくらなんでも頼みすぎ

 北区赤羽の朝から営業している飲み屋にて。下戸の主人公が、飲み屋のメニューを組み合わせてなんとか朝食にしようとしているシーンです。お酒のおつまみって、何故かご飯にも合う物が多いですよね。J君は酒のつまみを目の前にして「ご飯が欲しい!」と思ったことは数知れません。これが下戸の人であればなおさらじゃないかと思うのです。でも「おかずとして立ち上がってくる」なんてカッコいい表現がアリだとは夢にも思いませんでした。明日から早速使いたい「ごはんさえあれば、酒のつまみはおかずとして立ち上がってくる」。物は言いようですね。



■「早くご飯こないかなあ、焼肉といったら白い飯だろうが」

機嫌悪し

 川崎の工業地帯にある焼き肉屋にて。なかなか来ない白ご飯に苛立ち、思わず「焼肉といったら白い飯だろうが!」という俺ルールを逆ギレ気味に虚空に向かって言い放つ主人公。端から見てるとすごく大人げないようですが、たしかに焼肉に白いご飯はよく合いますよね。肉は着々と焼けているのにご飯は一向にやってこない。焦げるのは嫌だからしょうがないので肉だけを食う。ご飯が来る頃には肉はほとんど無くなっているので、仕方なくカルビ一皿追加・・・というまさに焼肉屋さんの思惑通りの「焼肉とご飯の無限ループ」に陥りはじめたら中年オヤジへの入り口はすぐそこです。


■「このワザとらしいメロン味!」

じゃあ飲むなよ

 練馬区石神井公園にて。公園内にあったチェ●オの自販機でメロンソーダを購入し、飲んだ後の主人公のセリフです。文句言うならはじめっから買わなきゃいいのに、と思うのは素人です。表面的には文句を言いつつ、実は幼き日の郷愁に浸る・・・いわゆるひとつの照れ隠し。中年オヤジは比較的幼き日の郷愁にすごく弱い傾向にあります。体に悪いと分かっていても懐かしさが体を突き動かし欲求を止めることができない、中年オヤジとはそういう悲しい生き物なのです。


■「ごはん 大盛りのほうがよかったか?」

問いかけられてもなあ

 神宮球場のスタンドメニュー、ウインナーカレーを頼んだ時のワンシーン。「よかったか?」などと問いかけられてもこちらも「そんなん知るか!」としか答えようがないわけですが、カレーのようなご飯物の場合、はじめてメニューを頼む時はどのぐらいのボリュームがあるか分かりませんので、少なかった時に後悔しないようにあらかじめ大盛りで・・・というような心の葛藤がJ君には凄く分かります。うん、この気持ちが理解できれば中年オヤジに片足突っこんでるといえましょう。


■「豚汁もいいけど・・・ここはナメコ汁で決めよう」

生味噌仕立て・・・感心するほどのものか?

 これはコンビニで夜食用の惣菜を買ってるうちに、テンションがどんどん上がってしまい、当初想定していなかった魚肉ソーセージとかコンビーフとかナメコ汁とか余計な物までついつい1800円分近く買ってしまうシーン。コンビニで1800円て。もう、ほんとダメな大人の代表のような光景ですが、同じ一人身としてその気持ちはすごく良く分かります。ただ、豚汁よりナメコ汁で決めたい理由についてはさすがのJ君でもよく分かりません。


■「こういうの好きだなシンプルで、ソースの味って男のコだよな」

ソース味=男のコ理論

 主人公が秋葉原のどの店にも入れず、万世のカツサンドを買って外で一人で食べるシーン。「ソース味=男のコ」という思考回路の飛躍っぷりが凄すぎるわけですが、確かに理屈はムチャクチャなんですが、J君にはなんとなく伝わりました。幼い頃「ソース=男」という刷り込みがあったのかは謎ですが、そういえば確かに「ソース味って男のコ」ですよ!だからといって「女は醤油でも飲んでろ」という意味ではありませんので、田嶋陽子先生とかにチクるのはやめて下さい。


■「ほー、いいじゃないか、こういうのでいいんだよ、こういうので」

どういうのだ?

 ・・・といわれても、どういうのでいいのかサッパリ分からないわけですが、その気持ちはよく分かります。定食屋で頼んだメニューが自分のイメージしてたのとバッチリ同じ物だった場合、思わず「そうそう、これだよ、こういうの!」ってっ心の中でガッツポーズをとってしまう時ってありませんか?J君はしょっちゅうあります。井之頭よ・・・お前は俺か


■「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ、独り静かで豊かで・・・」

オヤジが語ります

 この長く説教じみたセリフこそ「孤独のグルメ」的美学の神髄です。男の一人飯とは、突き詰めれば「誰にも邪魔されず一人で落ち着いて飯を食いたい」ということが全てであり、このセリフが暗唱できるようになれば孤独のグルメマスターといって差し支えないでしょう。ちなみに、このシーンは板橋区大山の洋食屋で、主人公の食事中にアジア系の店員を大声で怒鳴りつける感じの悪いマスターにブチ切れて説教するシーンです。


食い物の恨み

しかも逆ギレするマスターに、怒りのあまり関節技まで決めてしまいます。神聖なる男の食事タイムを邪魔する奴は、なん人たりとも許されないということをみなさんも知っておくべきですね。


そんなわけで根強いファンが多く、本作品のモデルとなった店を実際にたどって食事をする「こどグル」フォロワーが後を絶たないという、究極のオヤジグルメマンガ「孤独のグルメ」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?もう、J君は主人公と気持ちがシンクロしまくりで、後戻りができない程に中年オヤジの世界に踏み込んでしまったようです。嗚呼、なんか切ない。

残念ながらこの「孤独のグルメ」は単行本で一巻しか出ていません。非常にディープで味わい深い作品なのに残念・・・と思ったら、久住・谷口コンビによる事実上の続編となる「散歩もの」という作品が出ていました。文房具メーカーの部長で散歩好きという主人公が、都会のエアポケット的なレトロ空間を見つけては、その世界にどっぷり浸かってしまうという話。品川の裏路地で井戸のポンプを見つけ、子供のように井戸の水を汲み出しまくってたら近隣の住民から怒られるといったようなこれまたいい大人がどうなのよ?的エピソード満載で、グルメ物ではないですが「孤独のグルメ」と同じ雰囲気が漂った作品です。

「散歩もの」

両作品とも読んで後戻りできないほどズブズブに中年ワールドに浸ってみるのがいいと思います。J君はもう抜け出せる気がしません。



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