2006年05月07日

陶芸バトル「流れ陶二郎 けんか窯」

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職人マンガの世界 陶芸バトル「流れ陶二郎 けんか窯」





君は粘土のために死ねるか?
こんにちは、J君です。前回の庭師バトルマンガ「庭師一代」に続く職人マンガの世界第2弾はなんと、陶芸バトル。その名も「流れ陶二郎 けんか窯」です。「けんか窯(がま)」とはすなわち陶芸バトルのことなのです。

陶芸なんかでケンカすんなよ・・・と誰しも一瞬思ってしまうわけですがそれはそれ、とにかく陶芸の世界にもバトルがあるとは、ましてやそれがマンガになってるとはJ君のような凡人には全く想像が及ばなかったわけですが、なにせ描いてる作者が凡人でないのだからそれも仕方のない話です。そう、このマンガ、原作はアストロ球団の遠崎史郎先生。そして作者は・・・当サイトではすっかりおなじみのビッグ錠大先生です。

ビッグ錠先生といえば、料理マンガの対決ルールとして料理自体の味ではなく「料理人にインパクトがある方が勝ち」という新概念を持ち込んで後世のグルメマンガ界に多大な影響を与えた偉人です。先生の代表作、庖丁人味平の「ブラックカレー」というメニューでは、カレー将軍鼻田香作がカレーの中に麻薬物質を投入し、本当の意味で「クセになる旨さ」を実現しました。料理マンガ史上、このブラックカレーを超える狂ったメニューは未だ存在しないといわれています。

すっかり話はそれてしまいましたが、それだけのことをやってのける男、ビッグ錠先生ですから陶芸バトルを描くことなど造作もないことなのでしょう。さて、早速この「流れ陶二郎 けんか窯」をご紹介してまいります。


流れ焼き物師

主人公の流陶二郎は凄腕の「渡り焼き物師」。渡り焼き物師とは日本全国を渡り歩き、数百万とも数千万とも言われる法外な報酬を受け取って焼き物を焼き、日本各地のピンチに陥った窯元を救うという助っ人陶芸家です。いわば「陶芸界のブラック・ジャック」みたいな感じでしょうか。こうして説明してあらためて思うのですが、ずいぶんと無茶なコンセプトです。しかしこれをマンガとして成立させてしまうのがビッグ錠先生の腕なのです。


数百万の萩焼を・・・

流れ陶二郎の職人気質は、依頼人とのファーストコンタクト時にいきなり炸裂します。まず、見本で渡された時価数百万の茶碗を・・・


叩き壊すッ!

いきなり指で叩き割ります。それだけでも十分狂ってるのにさらに・・・


そして喰うッ!

陶器の破片をポリポリと食べ始めます


グルメですね

「釉薬は柞灰(いすばい)ですね・・・」
破片を食べることで土や塗料などの陶器の成分をズバリ当ててしまう陶二郎。確かにすごいですが、それは別に人に聞けばいいだけのことだと思うのですが、どうやらそれは凡人の発想らしいです。この場合、いきなり数百万の陶器をブチ壊して破片を食らうという行為で依頼人の度肝を抜くことが大事なのです。あくまでインパクト至上主義。いやあ職人マンガは奥が深い・・・。


インパクトのある展開はまだまだ続きます。第1話、萩焼対決の時は伝統の萩焼製法でレベルの高い作品を作り続ける薪山窯と、金にものを言わせガス窯で大量生産しようとする阿武川窯の対決。当然、陶二郎は薪山窯側を助けます。職人マンガの世界において、金とか大量生産とかコンピューターとかは絶対的な「悪」とみなされます。テストに出るので皆さんもよく覚えておいてください。

陶二郎は萩焼勝負に勝つため、燃えさかる窯の中に直接飛び込んで釉薬を吹き付けるという新製法に挑みます。ちなみに窯は最高で1400度になるらしいんですけど・・・そんなところに飛び込んで大丈夫なんでしょうか?では1400度の窯の中を実況中継してみましょう。


1400度なんですけど

噴射!

脱出!

黒焦げです

・・・なんとか大丈夫だったみたいです。いやあ、ガンガンに命張ってますね。J君はこれを見て陶芸家だけは絶対なりたくない思いましたけど。しかし、あれだけ命を張った作品も出来が悪ければ・・・


さすが職人です

こうです。これでは生命保険にいくら入っていても足りませんね。


第2話、瀬戸焼編ではなんと、処女の初潮の血を土に練り込んだという幻の乙女茶碗が登場します。


こらジジイ!

処女の初潮の血です

まさに狂気

どう見ても変態ジジイです。本当にありがとうございました。・・・ではなく、芸術のためならばタブーも犯すという狂気な側面が垣間見られますね。そもそも処女の初潮の血ってだけでいろんな意味で高値が付きそうです

ここでは瀬戸焼の復興のため、この幻の乙女茶碗を処女の初潮の血を使わずになんとか現代に蘇らせようとする陶二郎と、コンピューター解析で処女の初潮の血と同じ成分を作り、再現しようとする科学者とのバトルになりました。


結局インパクト重視

どう考えても形勢不利な陶二郎でしたが、窯をぶっ壊すほど加熱してガラスのような陶器を作った陶二郎の方がキラキラしててキレイだということでなぜか勝利。結局インパクトがあった方が勝ちということみたいです。


第3話の丹波焼編では、エジプトのピラミッドの内部で発見された壺がどうも丹波焼の壺にそっくりなのでそれを証明したいというワケの分からない依頼により、ピラミッドの壺とそっくり同じ物を丹波焼で作らされるハメになる陶二郎。ここでもライバルの渡り焼き物師「窯神」が登場し、けんか窯に発展します。

これが丹波焼き?


なんとこの話では、渡り焼き物師同士の裏窯勝負に怖ろしい掟があることが発覚。敗れた者は二度と粘土練りができないよう己の指を打ち砕かなければならないらしいのです。怖ろしい掟ですね。何が怖ろしいって、どう考えても後付けくさいところがです。

しらんがな

掟、厳しすぎ!


ここでは、山を丸々ひとつ超巨大窯にして壺を焼くというどえらいワザを繰り出してまたしても陶二郎の勝利。インパクト至上主義はとどまるところを知りません。

超巨大窯


そんなわけで、芸術と狂気の狭間で戦う陶芸バトルの世界を描く「流れ陶二郎 けんか窯」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?J君は正直、陶芸の世界をナメていました。まさかこんなに厳しく、ハードなものだったとは思いもよりませんでした。趣味で陶芸をされている方はバトルをする際はくれぐれもご自愛くださいね。負けたら指を打ち砕かれるかもしれませんので・・・。


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