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2006年12月16日

続・オヤジ塾「孤独のグルメ」に学ぶ大人のマナー

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続・オヤジ塾「孤独のグルメ」に学ぶ大人のマナー





焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ
こんにちは、J君です。なんだか近頃じわじわ「孤独のグルメ」ブームが来てますね。この間ビックリしたんですが、書店にコミック文庫版「孤独のグルメ」が置いてあったんですよ。しかも漫画コーナーではなく文庫コーナーにです。文庫コーナー・・・つまり、「孤独のグルメ」の隣は江原啓之「スピリチュアル子育て」とかですよ?これはもう完全に「孤独のグルメ」がマンガでありながらコミック世代を全く相手にしていないという証明であります。完全なるオヤジ認定、R25マンガ・・・いや、R30マンガといっても過言ではありません。

しかしながら、ことはそうも単純ではないようです。実はこのオヤジ向けマンガ「孤独のグルメ」の読者層、すなわち「孤独のグル男」達の低年齢化が急激に起こっているというのです。それだけではありません。巷では孤独のグルメを愛読する女性層「孤独のグル女(め)」までもにわかに広がっているというではありませんか。いったいどういうことなのでしょうか?

孤独のグルメに影響を受け定食屋で一人飯を喰らう女子「孤独のグル女(め)」の急増も確かに脅威ですが、やはり問題は孤独のグル男達の低年齢化であります。想像してみてください。まだ若さみなぎるはずの中高生が学食で、カレーライスを頼まずにあえてグリンピースの乗っているカレー丼を注文し「うん、これこれ!」などとセリフを吐く様を。世も末ですよね。その若さで何故にそんなに枯れてるんだと。枯れ急ぎ過ぎではないかと。小一時間説教してやりたい気持ちになりますよね。


うん、これこれ


では孤独のグル男達の低年齢化によって何が問題となるのか?言うまでもなく、一人飯モラルの低下が懸念されるわけですよ。一人飯の何たるかを知らない若者が増えすぎ、オヤジ達が行き場を失う。そんな状況が起こっては困るわけです。そこで、今回改めて「孤独のグルメ」から大人の一人飯のマナーについて皆さんと学んでいきたいと思うわけです。

さて、ここで「孤独のグルメ」という作品を知らない方は、以前書いたテキストを先に御覧頂きたいわけですが、そんなのめんどくせー、息をするのもめんどくせーという横着な貴方のために簡単に説明しますと、「孤独のグルメ」とは輸入雑貨屋の社長にしてちょい島耕作風のダンディズムただよう主人公、井之頭五郎(独身貴族)が焼き肉屋とか町の定食屋で飯を食っては「このおしんこは正解だった」などと独り者の哀愁漂うセリフを吐くというだけのマンガです。しかもオチに至っては主人公がバスの中で居眠りするシーンのアップを映すだけなどという友情・努力・勝利が必要条件のジャンプ読者層には到底理解できないオヤジ専用仕様になっております。

バス寝オチ


しかし同時に、井之頭五郎の独り言の1つ1つがオヤジ達の切ないハートにジャストミートしまくるという知る人ぞ知る名言の宝庫、一人飯野郎のバイブル的作品でもあるのです。

というわけで早速ダンディ五郎こと井之頭五郎氏の珠玉の名ゼリフによって今一度、大人の一人飯マナーを学んでまいりましょう。


■「焦るんじゃない、俺は腹が減っているだけなんだ」
目つきがヤバイって

冒頭でもご紹介したこのセリフ、空腹が限界に達し、すでに目つきは犯罪者のそれに限りなく近い状況にありながらも冷静なセリフによって自分をたしなめる。これがまさに大人のマナーです。腹が減るたびに犯罪を犯していては社会は崩壊してしまいます。まずは落ち着きましょう。ちなみにこの男が本当にキレたときは関節技が飛び出します


■「俺はできるだけ物おじせずハッキリという 注文を聞き返されるのはやっかいだ」

聞き返されるのは大人の恥

お店に入ったら注文は大きな声でハキハキと。これも大人なら当然のマナーですよね。注文をはっきり言わなかったために「肉野菜炒めライス」が「味噌ナス炒めライス」などになることはよくあることです。この場合、注文した側も過失を問われてしまいます。悲劇は些細なことからはじまるのです。気をつけたいですね。このシーンでダンディ五郎は、「あと、おしんこ」とハッキリ注文しているにもかかわらず、「おしんこ何?」と速攻で聞き返されていますがその辺はあまり突っ込まないでやってください。


■「ラストの二枚・・・あれが効いたな」
できるだけダンディに言うのがポイント

これも真のオヤジであれば、一生のうち250回は言うであろう定番ゼリフですが、要するに回転寿司屋などでテンションが上がりすぎて自分の腹具合がわからないままつい食べ過ぎて後悔する現象です。たかが回転寿司二枚ですが限界を超えた腹にはズシンと堪えます。注意したいですね。ちなみにこれが飲み会などになると、「最後の鮭茶漬け、あれが効いたな」「最後のネギラーメン、あれが効いたな」などと多様に変化する実に応用範囲の広いオヤジゼリフです。


■「この煮込み雑炊をひとつください」「あ、ごめんなさいそれ来月からなんですよ」「じゃ・・・この煮込み雑煮を」「ですからごめんなさい、お雑煮も来月からなんですよ」
 
季節限定メニューの悲劇

これもよくある季節限定メニューが引き起こす悲劇ですね。来月からならメニューに載せとくなよという客側の言い分は確かに分かるのですが、「煮込み雑炊」が駄目な時点で「煮込み雑煮」も駄目なんじゃないかという空気を読むことも大人のマナーです。空気を読めずに果敢に雑煮を注文してしまうダンディ五郎。店の人に「ですから」まで言われてますからかなりウザがられてますね。きっと空腹過ぎて冷静さを失っていたに違いありません。


■「マズくない!けっしてマズくないぞ!!」

マズくない・・・素直に美味いと言いなさい

マズいに決まっていると思って食べたものが意外とイケる、それどころか結構クセになる味だった。しかし美味いと認めたくない。この味を美味いと認めたら自分の中の大切な何かが壊れてしまう・・・そんな状況の時に便利なセリフがこれです。自分の味覚とプライドが交錯し、必ずしも「マズくない=美味い」とはならないのがオヤジ心の微妙なところなのです。オヤジ心はナイーブなのです。


■「俺がちょっと飯を入れていくような店ってもうないのか?」

ちょっと飯を入れたいところです

渋谷などの若者が溢れかえる街で、どこにも入れる店がなく思わず出てしまった哀愁のセリフ。飯をどこに入れるのかという疑問については当然「胃」とか「腹」に入れるのだと推測されます。しかし、飯を食うと言わずあえて「飯を入れる」。実にダンディズムあふれるカッコいい表現です。早速明日から使いたいですね。同僚誘って「ちょっと飯入れていかないか?」カッコよすぎ。ちなみにうっかり「飯」以外のものでこのセリフを使うととたんにカッコ悪くなりますので注意が必要です。
例)「ちょっとたい焼き入れていかないか?」



■「腹もペコちゃんだし 夜食でも食ってひと息つくか」
人前では言っちゃダメ!

飯を入れるとは逆にいわゆるオヤジギャグの極みともいえるはずかしゼリフがこれ。「腹もペコちゃん」。誰もが一度は思いつくのですが人間の尊厳がこの恥ずかしいセリフを口に出すことを拒むのです。しかし、どうやら空腹で理性の吹っ飛んだオヤジは躊躇なくこのはずかしゼリフを口にできるようです。注意したいですね。万一このセリフを言う時は、必ず周りに誰もいないことを確かめましょう。もし誰かに聞かれていたら・・・それは出世コースから外れたと思ったほうがよいでしょう。


■「ム・・・おでんとうずらと卵焼き・・・卵が重なったな」

コルステロール高そう

前回のテキストでは確か、豚肉いため定食と豚汁で豚が重なったこと嘆いていたはずのダンディ五郎ですが、今度は卵の三段重ねですよ。この男の学習能力は鳥類並みなのだろうか?と蔑んでしまうところですが、よく考えてみてください。皆さんもきっと同じような経験をしているはずです。コロッケバーガーの付け合せにフライドポテトとか。空腹の前には学習能力は無力であるということを肝に銘じておきましょう。


■「絶対大盛りで食おう」
ノドが鳴ります

定食屋でその場で思いつきで大盛りにするのではなく、事前にメニューを頭に思い浮かべ、大盛りにすることを心に誓いながら一人飯に望む、いわゆる「予告大盛り」です。同じ大盛りでも前者と後者には天と地ほどの差があるのです。オヤジにとって大盛りにするということはその料理に対する最大級の賛美。旨いからこそ大盛りで食いたい。だからこその「絶対大盛りにしよう!」なのです。女子供にゃ理解できない「大盛りの美学」がここにあります。



■「うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ」

うおォン・・・テンション上がりすぎ

「一人で焼肉」これほどまでに哀愁漂うシチュエーションもあまりないと思うのですが、どうやらダンディ五郎はテンションが上がりすぎて行くところまで行ってしまっている感がありますね。確かに焼肉は肉を焼くという行為からして自ずからテンションが上がりやすいメニューではありますが自分自身を「人間火力発電所だ!」と言い切るほどのテンションの高ぶり方には目を見張るものがあります。「うおォン」という叫びにも尋常ならざるものを感じます。そういえば往年の名レスラーに「人間発電所 ブルーノ・サンマルチノ」という人がいましたね。焼肉と全然関係ないですけど。



■「ジェットのせいで歯車がズレたか・・・」

自分のせいだろ

一見するとさっぱり意味の分からないこのセリフですが、どう考えても著者の実体験にもとづいているとしか考えられないリアルなセリフです。

新幹線に乗る前に知人に進められてシュウマイ弁当を買おうとするダンディ五郎。しかし、そこで他の人が買っていた「ジェット」なる蒸気の力でその場で熱々になるというシュウマイに心変わり。しかしそこに大いなる罠が待ち構えていました。

上機嫌でシュウマイを温めるダンディ五郎。早速、蒸気で温まり始めるシュウマイ。さらに新幹線の車両中に立ち込めるシュウマイの臭気。そして、近くの席に座っていたガキが叫びました。

「シュウマイくせえー」


ジェット持ち込み禁止

そう、いつでも熱々で便利な「ジェット」の最大の難点は密閉された空間でやるとシュウマイ臭が立ち込めてしまうことにあるのでした。想定外の事態にあわてて弁当をかきこむダンディ五郎。あわてて食べたために、喉が渇いてお茶を買いに行こうとすると通路側の女性客が爆睡中のため出られず。しょうがないのでタバコを吸おうとすると、今度は後ろの赤ちゃん連れの客からクレームが入ります。楽しいはずの電車の旅が一転、何をやってもダメモードに。まさに、ジェットのせいですべての歯車がズレてしまったのです。(完全に責任転嫁)

そして、ジェットを買わずにやはり通常のシュウマイ弁当を買っておくべきだったかと後悔しきりのダンディ五郎が思わず漏らしたセリフ。

「たしか干しアンズも入っていたなあ」


干しアンズ・・・細かいなあ

干しアンズて!
シュウマイ弁当の中でも最もマイナーな付け合わせと思われる干しアンズに着目するあたり、さすが一人飯の達人です。弁当屋さんは付け合せひとつとっても気が抜けませんね。もう駅弁売るってレベルじゃねーぞ。

というわけで、「ジェット・・・」はかなり限定されたシチュエーションで使われるセリフですので、日常会話に取り込むことは非常に困難と思われるのですが、先日「キットカットできっと勝つ!」とかなんとかいっていた某ボクサーなら試合後に「キットカットのせいで歯車がズレたんや・・・」とか言いそうですけどね。言いませんかそうですか。

というわけで、mixiのコミュもすでに1000人を突破。孤独のグル男、孤独のグル女がますます増加の一途をたどっているこの「孤独のグルメ」。本作品が大人の真のマナー本として文部科学省に認定される日もそう遠くないのでしょう。読めば読むほどに深い味わいがあり、すぐに使える大人のセリフ満載です。さあ皆も明日から早速使ってみましょう。まずは「ラストの二枚・・・あれが効いたな」あたりから。

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