2010年07月06日

男汁溢れる相撲グルメマンガ 「ちゃんこ包丁十番勝負」

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男汁溢れる相撲グルメマンガ 「ちゃんこ包丁十番勝負」





相撲界の危機はちゃんこが救う!
先般の薬物汚染問題にはじまり、朝青龍の引退、そして野球賭博問題・・・今の相撲界はネガティブな話題に溢れすぎています。 まさしく相撲という国技の存亡をかけたピンチ。こんな時こそ基本に立ち返って相撲の本質について見つめ直すべきだと思うのです。

相撲の原点とは何か?それはズバリ・・・「ちゃんこ」です。ちゃんこを食わない力士はいません。だから相撲の全ての原点はちゃんこにあるといっても過言ではないのです。そんなちゃんこをテーマにしたグルメマンガを本日はご紹介しましょう。その名も「ちゃんこ包丁十番勝負」。男臭いグルメマンガを描かせたら天下一のビッグ錠先生が世に送り出した画期的な相撲グルメマンガです。

ビッグ錠先生といえば、おにぎり師なる画期的職業を紹介した「一本包丁満太郎」洗濯機でラーメンを作る「スーパーくいしん坊」。そして食べた客をもれなくヤク中にしてしまう禁断のブラックカレーが登場する「包丁人味平」など、味なんか二の次、むしろ勢いで勝負!みたいな感じの男気溢れるグルメマンガを多数描かれています。もちろん今回ご紹介する「ちゃんこ包丁十番勝負」某ちゃんこダイニングみたいな女子ウケを狙ったようなコジャレたやつではなく、これぞ男のちゃんこ!みたいな感じのバリバリな野郎グルメの世界を描いており、その男臭さはコミックスの表紙を見れば一目瞭然です。


 主人公の体型が・・・?

・・・ね、男らしいでしょ?その場でだんじり祭りが開催されてもおかしくない男らしさです。ちなみに1巻の表紙では細マッチョな主人公が、2巻ではなぜかゴリマッチョになっています。信じられないかもしれませんが同一人物です。


同一人物なのにこの違い

このマンガではなぜか主人公の画がシーンによって細マッチョだったりゴリマッチョだったりしてイマイチ主人公の体型が定まっていないため、読んでいる方も微妙に困惑してしまうのですが、それは気にせず(かなり気になるけど)ストーリーをご紹介しましょう。

主人公の鍋野釜吉は雲龍部屋の力士ですが、相撲の方は全然ダメ。万年ちゃんこ番の男です。しかし、ちゃんこの味だけはピカイチ。そんな、釜吉は雲竜部屋の親方の一人娘、春美とデキており、二人は結婚を承諾してもらうよう親方に交渉するのですが、相撲がダメダメの男に一人娘はやれないと、結婚を許さない親方。まあ当然ですよね。


親方の娘とデキてます

そこで親方に結婚の許しを得る条件として課せられたのが、ちゃんこ包丁十番勝負。相撲がダメなら料理人として横綱になってみろということで、一流の料理人10人と対決して勝つことが出来れば結婚を許してもらえるのです。そんなわけで、釜吉が日本各地で一流料理人を相手に料理勝負を挑むお話です。


十番勝負

しかし、常識的に考えて一流の料理人が無名の相撲部屋のちゃんこ番と対決してくれるわけがありませんよね。勝てば釜吉に個人的なメリットがあるだけで対決する料理人の方にはメリットがまったくありません。それどころか負けようもんなら評判ガタ落ちです。しかし、数々のビッグ錠グルメマンガで採用されている偉大なる「ビッグ錠メソッド」によりそんな不可能も可能にしてしまうのです。そのビッグ錠メソッドとは・・・?


とにかくディスる

まずターゲットとなる料理人のいる料理屋に行き、店内で徹底的に料理をディスります。ディスってディスって、何事かと思って厨房から料理人が現れたところに追い討ちでさらに挑発。そして料理人をブチギレさせたところで料理勝負を仕掛けるのです。


料理人ブチ切れ

まさに思うツボ

これで思惑通り料理バトルが成立。自分が結婚したいだけの都合で、人が作った料理にケチをつけてその上勝負を要求するなんて・・・ものすごい自己中な話ですね。しかし、それでいいのです。相撲界では少しばかり人より自己中な方がビッグになれることはドルジが証明しています!(すごい屁理屈)


チャーハン対決

さて十番勝負の一番目は行列のできるチャーハンで有名な中華料理屋でチャーハン対決です。


男らしい卵さばき

ここでは釜吉がものすごく男らしい生卵の割り方を披露。さすがですね。相撲とは全然関係ないですけど。 そして、両手に中華鍋を持って豪快な必殺技・・・


炎上かけ橋炒め

「炎上かけ橋炒め」が炸裂。見事初戦のチャーハン対決に勝利します。


二番目のハンバーグ対決では、

ハンバーグこねてます

相撲の「てっぽう」でひき肉をこねる荒技を披露します。そして・・・


合体フライパン

フライパンを四つ連結させた特製フライパンでまたしても勝利!
この二つの勝負を見ただけでもビッグ錠先生が料理勝負において味よりも勢いを重視しているということがよく分かりますよね!


その後もピザ対決では、到底イタリア人には考え付かないような男らしい方法でピザを作ったり・・・


※ピザ作り中です

なんか違うものに見えますね


本場のインドカレー屋に日本のカレーで勝負したりします。


インド人とガチバトル

ちなみに、中盤以降になってくると、一流の料理人と10番勝負するという定義が曖昧になってご都合主義なルールが横行してきます。
たとえば餅つき勝負では秘技「ダブルハンマーつき」を繰り出して、餅を大量生産しライバルの相撲部屋に勝利・・・とか。一流料理人は全然関係ありません。


ダブルハンマーつき

また、都会育ちで好き嫌いの多い子供たちに田舎料理を食べさせたら勝ちという勝負もあり、こちらもかなり変則的なルールでアレなんですが、そこに出てくるメニューがまたすごい。釜吉による究極のトラウマ親子丼が登場します。


グロ注意

なんと子供たちの目の前で鶏の首をズバッと・・・


そりゃ泣くわ

子供たちが恐怖のあまり絶叫!


完全にトラウマ状態

残酷なシーンを見せ付けられ、鶏なんか二度と食べないと口々に言い出す子供たち。しかし、いざ親子丼を食べてみると・・・


お前ら・・・

おいしーい!
・・・子供って怖いですね。

さて、ここまでご紹介して、あることにお気づきではないでしょうか?
そう、このマンガ、ちゃんこ鍋が全然出てきません。タイトルが「ちゃんこ包丁十番勝負」、そして主人公は相撲部屋の凄腕のちゃんこ番です。
どう考えても男気溢れるスゴいちゃんこ鍋やちゃんこの技術を駆使した独創的な料理がわんさか出てくる展開を期待してしまうのですが、初回からしていきなりチャーハン対決ですよ!日本料理ですらありません。もしかして・・・「チャーハン」と「ちゃんこ」で最初の「チャ」が同じなので間違えたのでしょうか?

ここまで全くちゃんこ鍋がでてこないという恐るべき展開だったのですが、コミックス第二巻のラストでクライマックスに突入。ついに十番勝負ラストの対決で一流料亭とのちゃんこ鍋勝負となります。


ついにちゃんこ鍋対決か

しかし!ここでまさかの展開。なんと肝心のちゃんこ鍋勝負が描かれているはずの部分(第三巻)がコミックスとしては刊行されていないという殺生ぶり。結果としてちゃんこ鍋は一切出てこないという・・・もの凄い肩透かし感溢れる作品となっているのです(相撲だけに)。

ちなみに、残念ながらコミックスで刊行されることがなかった幻の三巻は、現在こちらで読むことができます。五重塔にヒントを得た三重塔タワー型鍋が出てきたり、鍋が突然爆発したりと驚愕のちゃんこ鍋バトルが繰り広げられていますので、どうせ読むならちゃんこ鍋勝負までしっかり読んでおきたいところですね。

というわけで、相撲界の危機はちゃんこが救う!という感動的なオチにしたかったのですが、まさかのちゃんこ鍋未登場できちんとオチない残念なレビューとなってしまいました「ちゃんこ包丁十番勝負」。これはもしかしたら相撲界の危機がまだまだ続くという暗示なのでしょうか・・・。相撲界の今後を生暖かく見守って行きたいところですね。




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