2013年05月14日

本物の中二病をお前に見せてやる・・・!! 「我が名は魔性」 レビュー

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本物の中二病をお前に見せてやる・・・!! 「我が名は魔性」 レビュー



「わがままな浜省」・・・ではありません。
こんにちはJ君です。突然ですが、皆様は子供の頃に書いた恥ずかしい小説やマンガなどの作品を大人になったある日、突然見つけてしまったらどんな行動に出ますか?恥ずかしさのあまり見なかったことにして削除しますか?ひと通り読んで自分だけの胸にひっそりとしまっておきますか?なるほど、それが人として本来とるべき行動なのかもしれません。しかしこのスマートフォン時代に皆さんがやるべき行動はそれではありません。ズバリ「電子書籍にして出版する」です。

黒歴史あるところにBLACK徒然草あり。ということで、本日は中二(14歳)だった頃に書いた黒歴史な小説を電子書籍で出版してしまったという勇者の作品「我が名は魔性」をご紹介します。

「我が名は魔性」はブログ「小鳥ピヨピヨ」を運営する清田いちるさんの小説です。正確に言うといちるさんが中学二年生(14歳)の頃に書いた小説の入ったフロッピーが実家の物置で見つかり、その中身をほぼそのまま復元したものです。これは・・・まさに黒歴史ッ!

さらにこの作品をAmazonキンドル対応の電子書籍として販売してしまったというのだから驚きです。一応キンドルってなんだよっていう方にご説明をしておきますと、昔「欽ちゃんのどこまでやるの!?」ていう番組があったんですが、それの略称が「欽どこ」でした。その名前に似ているのがキンドルです。(説明になってない) ちなみにキンドル対応の電子書籍はiPhoneやAndroidスマートフォンでもアプリをダウンロードすることで読むことができます。

しかし、中学二年生の頃に書いた黒歴史小説を発表とか・・・J君なんか大人になってからはじめた当サイトの初期の記事や日記を読むだけでも顔から火が出るぐらい恥ずかしいというのに、なんという罰ゲームなんでしょうか。先日の池袋のストリーキングもかなりアレな罰ゲームだと思いましたが、こっちもなかなか・・・。

そして「我が名は魔性」どうですかこのタイトル。すごく中二病っぽい。ていうか実際リアル中二の作品ではあるんですけど。当サイトで過去にレビューした作品「おれは薔薇」もなかなかの中二病タイトルでしたが「魔性」にはかなわないかなあ・・・。


我が名は魔性 と おれは薔薇


こうして表紙を並べてみると関連作品ぽいですね。ぽくないですかそうですか。
「我が名は魔性」は小説ですが、今で言うライトノベルのような感じだそうです。J君あんまり小説に詳しくないんでライトなのとそうでない小説との違いがわからないんですが、「涼宮ハルヒの憂鬱」はラノベで「涼宮ハヒルの憂鬱」ラノベではないということぐらいは分かります。

そんな「我が名は魔性」の正しい楽しみ方としては、なんといっても中二が書いた小説ということでまるで卒業アルバムのポエムを読むように、どんな稚拙で恥ずかしい内容なんだろうと生温かく身守る感じで、ちょっと斜に構えた感じで読むのが作法なんではないかと思います。まさに新しい小説の楽しみ方の提案といっても良いでしょう。

ところがどっこい!読み始めてみると本当にこれを中二が書いたのか?というぐらいの豊富なボキャブラリーや表現力、そして綿密に練られたストーリーと疾走感に圧倒されます。マジ天才。こんな文章、J君が14歳の時には到底思いもつかなかった、ていうか大人でも普通に無理・・・そんな風に思わせられるクオリティなのです。正直これ、村上春樹の新作だよって言われて読んだら信じるレベルです。(注:J君は小説に詳しくありません)

「我が名は魔性」のあらすじをざっくりと説明させていただきますと・・・
ナチスドイツのマッドサイエンティストによりスーパー・ヒューマン・ウェポンとして生み出された主人公の「魔性」。サイヤ人もびっくりの超人的な能力を持つ殺戮マシーンです。魔性の目的は過去のエジプトにタイムトラベルしてイエス・キリストとその家族を抹殺すること。そして歴史を変えてナチス栄光の歴史を築くことにあるのでした。しかしイエス・キリストの偉大なる愛を知り、殺戮兵器だった魔性が苦悩をはじめます。そして、迫り来る悪魔と闘うことに・・・

みたいな感じです。一見ぶっ飛んでいるようですがキリスト教とユダヤの歴史をきちんと知識として持っていないと書けないようなストーリーになっています。中二でここまで凝った設定はなかなかすごいと思います。なにせ「聖家族抹殺!」とか言っちゃってますからね。どう考えてもただの中学生じゃないです。

という事前フォローで持ち上げつつ、ここからは作品中に潜む中二病っぽい狂気を感じる表現をピックアップしていきたいと思います。
やはり汚れた心を持ってしまった大人では絶対に思いつかない中二ならではのピュアで、若さほとばしる珠玉の表現の数々を堪能できるのがこの作品の何よりの魅力なのです。



レコードにして発売したい!

”BAgRUOOoOOoooo.....”
人造人間である「魔性」がカプセル中でこの世に生を受けた瞬間の雄叫び。ジョジョに出てくる「UUURRRRYYYYYYYYYYYY!!!」に匹敵するようなインパクトのある表現ですがいかんせん読み方がわかりません。便宜的に「ばぐるおおー」って読むことにしてます。


”「オレを・・・ここから・・・出せ」青年が言った。レコードにして発売したいほど美しいドイツ語だ。”
これが・・・中二が考えた美しさの最上級表現!!「声に出して読みたい日本語」というのは聞いたことがありますが、こんな表現は聞いたことがありません。ここでNHKドイツ語講座のCD的なものを想像してしまうJ君のような大人はきっと心が汚れているのだと思います。

ちなみに、キャラクターのネーミングセンスもなかなかイカしておりまして、「魔性」を生んだマッドサイエンティストの名前は「レオスピツ・ド・ワゴン博士」、魔性にはじめにぶっ殺される可哀想な羊飼いの名前が「ジョージアサテ・ライッツ」です。

レオスピツ・ド・ワゴン ⇒ REOスピードワゴン
ジョージアサテ・ライッツ ⇒ ジョージア・サテライツ

どちらもバンドの名前が元ネタとなっていると思われます。それを無理くりドイツ風にアレンジした感じ・・・あんまりドイツ風になってないけど。とにかく斬新なセンスです。ていうか、中二のくせにジョージア・サテライツってかなり渋いチョイスです。



恋のぼんちシートみたい

”BとCの後ろにいたDと、その後ろにいたE、F、は魔性が店の外にいるという事態を把握した”
つい今しがた登場キャラの凝ったネーミングセンスを持ち上げておいてなんですが、酒場で魔性に殺されるかわいそうな客達はA、B、C・・・で表現されてます。急に数学の文章題風です。連立方程式とかそういう系の。緻密かと思えば突然雑に・・・このムラッ気もまた若さがほとばしってる感じでいいですよね。



なんでこんな喋り方なん・・?

”「ちみむぉうりゃうぶわっこするこの満月の世に、一人の男を襲う血に染まった御前!さては北の国のあさっしんだな!」”
殺戮を繰り返す魔性の前に怪傑ゾロ風の正義の味方「UMA」が登場。その時のセリフがこれ。なにこれ超カッコイイ・・・呪文?というか歌舞伎風に大見得きってるイメージなんでしょうか・・・まあこの「UMA」も大見得きってる間に速攻魔性に殺されちゃうんですけど。ちなみにセリフが解読できなかった方のために解読のヒントを。 
ちみむぉうりゃう ⇒魑魅魍魎 ぶわっこ⇒跋扈(ばっこ) あさっしん ⇒アサシン(暗殺者)

この辺のボキャブラリーのディープさも14歳ならざる非凡さを感じますね。ぶわっこ・・・なかなか思いつかないよなあ。



斬新すぎるカッコ書き

”「やっと眠った子供がまた起きて泣き出しちゃったの、覚えてるから…七時(知識不足により、時間の表現は僕たちのと同じものにさせていただきます。ごめんなさい)頃じゃないかしら」”
なんと、セリフの途中で作者が自ら括弧書きで謝罪するという小説史上まれに見る革新的な表現ですが、中学二年生らしい謙虚な姿勢が清清しいですね。でもなんでセリフの途中で清清しい気分にならなきゃいけないんだっていう。



水圧高すぎだろ

”消防車のホース並みに水圧の高い血が、魔性に襲いかかる。”
レコード発売できるレベルの美しいドイツ語に匹敵するほどのダイナミックなたとえがこれ。消防車のホースったらビル火災の消化とかに使われるぐらいですからハンパない威力ですよ。その勢いで血が出ちゃったらそりゃあもう・・・どうなっちゃうんだろ?干物状態?



イエズス怖い・・・

”イエズスはそれを確かめてから、まだ「ママ」しか言えないはずの口を動かして、小声でこうつぶやいた。「私が命じる」”
本作品では聖母マリアの子供イエズスが赤ちゃんの姿で出てきます。しかし赤ちゃんのイエズスが突然覚醒し「私が命じる」とか、どこかのCEOみたいなセリフを発する衝撃のシーン。個人的には赤ちゃんが「おれの前世はゴジラだ!」というマンガのシーンを思い出しました。


Gからの警告





下ネタじゃないよ!

”「ふーん、もうピンピンですか。そんなに良くなりましたかーーーーピンピン。ピンピンねえ。ふーん・・・・。」グローリアが、赤くなった。”
魔性が命を助けた女性(グローリア)にかけた言葉がこのセリフ。魔性てば、らめえ!そんなこと言っちゃ!!・・・ていう風に下ネタに聞こえた貴方は心の汚れた大人です。



テレポート大好き!

”魔性は自分を「創造」し、元の自分を消して 擬似テレポートをして、”手”から逃れた。”
”大きい。国のように大きな手。”
”宇宙の遥か彼方から、腕が伸びてきた。高速以上のスピードだ。”
後半になると舞台が宇宙空間になって、最強の敵サタンと魔性とのバトルがはじまるのですが、サタンがとにかくデカいということで、魔性が中二病定番の超能力「テレポート」を駆使して移動するにもかかわらず、サタンの巨大な手が追いかけてきます。しかしその巨大さを「国のように大きな手」と表現するあたりが義務教育では習いようがない表現です。

ちなみにJ君は昔、ウルトラの母の巨大な手が天から舞い降りてきてタイ国民がビビるというシーンを紹介したことがあるのですが、国のように大きいってことはそれよりもデカいってことですよね。


「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」


その他にも・・・”女の両眼が、光り出した、緑光。”とか”美女は四つん這いになっていた。片方の肩から、別の腕が生えていた。”・・・というような怖い女シリーズや、”お前の右手に、今、<<霊拳>>が宿った。”とかいって、ジャッキー・チェンの魂的なものが乗り移ったのかと思ったら実は鳩だったり、その鳩が腕に装着されると、魔性の腕からかめはめ波みたいなすごいビームが出るようになったりと、発想が自由過ぎてついていけないところもあるのですが、中学二年生が己の潜在能力の120%を引き出す勢いでノリノリで書いている姿を想像するとその自由さが微笑ましくもありますよね。

というわけで大人が楽しめるリアル中二小説「我が名は魔性」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?Amazonのカテゴリーランキング1位にもなったほどの作品ですから、もう少し早く出版されていればもしかしたら「KAGEROU」と並ぶ日本を代表する2大中二病小説として評価されていたのではないかと思うと体の震えが止まらないのですが、どうやらより壮大なスケールの続編「T H E S A C R I F I C E」も発掘されたらしいので、こちらも是非とも書籍化して、黒歴史をさらに血みどろの歴史に上塗りしていただきたいものです。


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