July 01, 2007

(18)支配することを前提とした走り

時に広島が相手を圧倒してしまうことがある。
最初から広島に対しリアクションサッカーで対抗しようとするチームとの対戦。
また、終盤に相手の足が止まって広島の運動量が勝ってきたような場合。
当然相手は自陣に引き、守備ブロックを固めスペースを埋めてくる。
これを打ち破るための走りが重要になってくる。

広島には現在最強2トップのウェズレイ、佐藤寿人が存在する。
しかし彼らはそのあまりの存在感に徹底マークを受けている。
単純に外から放り込むだけでは攻略は難しくなってきている。
そんな相手を崩すにはスペースに選手が走りこむことで生じる混乱を利用するのが手っ取り早い。
だが、これには無駄な走りが要求される。
実際にボールを受ける選手だけが走りこんでいたのでは相手に読まれてしまう。
ダミーとなる選手の無駄な動きが勝負を分けるのである。

tez_emg at 06:33|Permalinkclip!ミシャ 

(17)支配される事を前提とした走り

相手のポゼッション能力が広島より高い場合、相手が疲れるまでは意図的にポゼッションさせる戦い方をする。
相手にポゼッションさせるのは非常に危険なやり方であり、失点の可能性が高い。
当たり前だがボールを回されることで自分たちも走らされてしまう。
ここで足が止まっては話にならない。
試合をよく観察すると、広島の選手はスペースを埋めることを第一とし、無闇にボール奪取しようとはしない。
あくまでも自分たちが疲れないことも念頭においている動きである。
ただし、いつも上手くいくわけではなく中盤でのチェックが甘く失点に結びついているケースがあまりにも多い。

このような状態の時に攻撃を仕掛けるとすればカウンター攻撃である。
かなり引いた状態からカウンターを仕掛けなければならないため、攻撃を完結させるには相当の運動量が必要である。
一つのパターンが中盤で繋ぎながら2トップで完結させるやり方。
もう一つが最終ラインから少し下がり気味のウェズレイに当ててキープしている間に後ろからオーバーラップするやり方。
特に後者の攻撃ではMFの爆発的な攻撃参加が求められ軽く50m以上走らされる。
時に2,3人のMFがオーバーラップしていく様は見ていて圧巻であり、広島の成長を感じさせてくれる。
カウンター攻撃の最中にボールを奪われてしまうと上がった選手は戻らなくてはならないわけで、いずれにしても運動量が鍵になる。



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(16)広島にとっては走ることが生命線

ペトロビッチは就任直後から「技術があること」「走ること」を2本柱にして指導を続けている。
最も重要なのが「技術があること」であることは間違いないのだが、広島の場合、いくら技術があっても他チームと比較してしまうと劣っている部分も少なからずある。
これを補うにはまず走ることが大切であると考えているに違いない。
先にも述べたように広島にはシステム上の問題(3ストッパー)があり、どうしても中盤の支配が弱くなる傾向にある。
いくらポゼッションサッカーをやりたくても数的不利な状況では難しい。
これを走ることでカバーしようとしているのが分かる。
小野前監督時代の広島はプレッシングサッカーをしていた。
ある意味運動量は多かったのだが、いかんせん最初から飛ばしすぎ後半息切れしてしまうことが多かった。
ペトロビッチはキャンプでは多く走ることを経験させベースをアップし、試合では機を見て走ることをさせている。
いつでも走れるというメンタリティをベースに、試合ではポイントでスイッチを入れて走っている。
よく考えられた指導だとつくづく思わされる。

tez_emg at 06:31|Permalinkclip!ミシャ 

(15)試合を支配されるシステム

ポゼッションサッカーを志向している広島だが、実際に試合となるとシステムの問題から相手に支配されることが多くなる。
ではなぜシステムを変え中盤を強化しないのかと思われるかも知れないが、現状の選手構成から逆算して2ストッパーでは試合にならないと監督は判断しているのだろう。
実際筆者も中盤を厚くしてDFを削りポゼッションを強化しても相手のカウンターに嵌り大量失点を積み重ねてしまう気がする。
(勿論現状でも十分に失点数が多く、どちらもどちらのような気もする)
やりたいサッカーを少し妥協してある程度リアクションサッカーになってしまうことは折込済みなのだと思われる。

広島の試合運びを見ていると試合を支配される恐れのある場合、前半は殆どボールを持たせている。
これは相手に支配権を渡す戦術であり非常に危険な戦い方である。
しかし監督も選手も割り切って自分達からあまり動かない。
完全にリアクションサッカーになってしまっているが、失点しなければ御の字というくらい割り切っているように見える。
勿論、無駄に動かないから体力を温存できるという利点もある。
後半になると相手の動きも重くなり、徐々にスペースができ始める。
ここでエンジン全開。
スペースを有効に使ってカウンター攻撃をかけていく。
後半になると広島の選手の動きが良くなる傾向があるが、試合前からのプランであろう。


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(14)3ストッパーの有利な点

相手のシステムが2トップでボールを自分達が支配しており、カウンターを警戒しないといけないような状況では有利である。
相手は引いているが2トップが前線に残っているような状況でこちらも2ストッパーで対処しようとすると数的同数となり危険である。
最初から3枚残しておくことで安心して攻めに集中することができるという意味では有利であろうと思われる。
ただし、あくまでも自分達が支配できる状況が必要であり、相手に支配されるとやはり5バックになる可能性が高いのも事実であろう。
ところで広島の場合相手が1トップであっても3ストッパーのまま対処することが多い。
戸田などの動きを見ていると数的不利にならないと見るや前線に駆け上がることも多く、攻撃的なサッカーをやろうとしているのがうかがえるが、そのとたんペトロビッチが鬼の形相で戸田を戻らせている姿もよく見かける。
ペトロビッチは3ストッパーを信頼して使っているのは間違いないが、同時にその危険性も感じており不安なのではないかと思うことがある。
いずれにしても現在のところ3ストッパーが有効なのは広島が試合を支配したときだといえそうだ。


tez_emg at 06:29|Permalinkclip!ミシャ 

June 11, 2007

(13)3ストッパーの不利な点

一番の問題点は前項でも触れたとおり2ストッパーと比較してDFの人数を一人多くしているため、中盤の人数が削られているということであろう。
これは相手のシステムとの相性もあるが、当然対戦相手も広島のシステムを利用して中盤を厚くしてくる。
そうなると中盤での攻防は数的不利に陥りセカンドボールを拾うことが難しくなってくる。
2007年の試合であればホームの大宮戦などか顕著な例だ。
大宮が1トップで来たのに対し広島は通常通りの3ストッパー。
確かに最終局面では広島のほうの守りの人数が多いため何とか防ぐことができていたが(それでもダバツがミスして失点したが)、中盤では大宮に対し一人足りない状況になっていた。
そのため守備的だと思われていた大宮にボールを支配されてしまうという事態が起きた。
勿論チームとしてはある程度ボールをもたれることを覚悟の上でシステムを構築しているだろう。
しかしサッカーはやはり相手のリズムで試合を支配されるのは危険極まりないといわざるを得ない。


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June 08, 2007

(12)モダンDFの実態、それは大いなる妥協

ペトロビッチ監督が3バックを選択したことについては、オシム千葉の前例があるため驚きはなかった。
しかし、ポゼッションサッカーを志向するならば現代のサッカーでは中盤の人数を多くするシステムが有効である。
一番メジャーなのがストッパーを2人で構成する4バックであろう。
3ストッパーを配置するシステムは前述の4バックと比較してストッパーが一人多い。
いかにも守備的なシステムである。

千葉や広島がMFをコンバートしてDFに回したことでモダンDFと呼ばれることがあるが、モダンと呼ぶには抵抗がある。

本来オシムもペトロビッチも4バックを理想としているのだろう。
なぜならストッパーを2人にして中盤の人数を多くしたほうが、より中盤を支配できる可能性が高いからである。
しかしチームの事情もあり、DFの人材が不足しているためMFの技術の高い選手を回さざるを得ない。
ただ、元々生粋のDFでないMFの選手が最終ラインに入ることのリスクは大きい。
本来は2ストッパーにしたいところをオシムもペトロビッチも妥協して3ストッパーにしているのだと思われる。


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June 07, 2007

(11)戸田の完全移籍

もともとレンタルで広島に来ていた戸田和幸。
渡り鳥的なイメージさえ持っている彼を広島に完全移籍させたのは双方にとって素晴らしい決断であった。
ペトロビッチとしては戸田の持てる力を最大限発揮させるためにはレンタルという微妙な立場ではなく完全移籍が必要だと考えていたに違いない。
しかし当時戸田が広島に残るかどうかは不透明であった。
戸田が広島に残るには理由が必要であったがペトロビッチの考えるその理由は明快であった。
キャプテン指名である。
一匹狼であると思われた戸田のキャプテン指名には驚かされたがこうなると戸田にこれを断る理由はない。
広島はビッグクラブではないが伝統のあるチーム。
そのキャプテンを任されたのである。
前年にレンタルで移籍してきた選手にキャプテンを任せるのは生え抜き重視のチームにあって異例のことである。
これを断ることはおそらく出来なかったに違いない。
選手の完全移籍には多額のマネーやチーム同士の事情が絡み合う。
監督の意思を尊重したクラブ、それに応えた戸田自身、さらに言えば放出を認めた東京V。
全てを動かしたのはペトロビッチの人間性と言ってしまうのは大袈裟だろうか。


tez_emg at 20:30|Permalinkclip!ミシャ 

June 06, 2007

(10)当時不可解であったジニーニョの放出

DFらしいDFでボール奪取能力に長けたジニーニョは当初ペトロビッチサッカーに最もフィットする人材であると感じていた。
試合に出ない原因はジニーニョの怪我の影響とばかり思っていたが実際には違ったようだ。
ペトロビッチは実はジニーニョを使いたくてたまらなかったのではないか。
彼がいれば現在のようにDFラインに中盤の選手を当てるなどというおかしな配置をせずに済んだからである。
でも使わなかったのはなぜか?
実は使わなかったのではなく使えなかったらしい。
怪我が癒えかけたジニーニョには他クラブからの獲得の要請があり彼は既に移籍に傾いていたと言うのだ。
残念ながらこれでは使うに使えない。
いなくなってしまう可能性が高い選手を当てはめていたのでは今後に影響が出てしまう。
ペトロビッチの判断は適切であったと考えざるを得ない。
さらに言えば、彼はチームのために仕事をしない選手を使わない。
気持ちが外に向かっている選手を使うことなどありはしないのだ。


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June 05, 2007

(9)使われないベット

ペトロビッチが就任した当時広島に在籍していたのはウェズレイだけでなくベット、ジニーニョのブラジル人であった。
そのうち、ベット、ジニーニョは殆ど使われることなく広島を去ることとなった。
ベットは過去に他チームで問題を起こした前例を持っているが広島に来てからは優等生として頑張っていた。
しかし、彼のスタイルは監督の好みではなかったと思われる。
彼の場合技術は高く本来は使われるべき選手である。
一般的にはベットが使われなかった理由は守備に問題があるからだということになっている。
しかし最も問題だったのは彼のパス精度ではなかったか。
ポゼッションサッカーにおけるボール回し中のパスミスは致命的であり避けたい。
ちなみにベットはヨーロッパでは有名な選手である。
当然知名度ではウェズレイよりも上。
しかし、ペトロビッチは使わなかった。
どんなスターでも関係ないという理念は全く持ってオシムと同類の考え方である。

tez_emg at 17:50|Permalinkclip!ミシャ 
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