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2005年10月25日

読んだ本

べび

「@ベイビーメール」:山田悠介著

…えーっと、また、山田です(笑)。内容はともかく、ボクは既に山田に
取り憑かれているというか…。こんなに読んでいると一般的に見れば「好きな作家」
という事になってしまうのでしょうかねえ。イヤだなあ(笑)。

以下、某所で書いたレビュー+α

「子供が欲しい」と思った女性の元に届く呪いのメール。そのメールを
受け取ると妊娠し、1ヵ月後には赤ちゃんが腹部を破って出てくる…。
まあ、そんな内容です。3人の女性がそれで死亡するのだけど、「子供が
欲しい」と思っただけでそうなるのであれば被害者が少なすぎるよなあ…。
しかも主人公の身近な人ばっかり(汗)。

主人公とその友人である刑事が事件の謎の挑むのだけど、ホント、至る所に
ヒントが転がっている(笑)。呪いのメールからして「S.O.T」なんて謎の
イニシャルが出てくるし、聞き込みに行く度にちゃんと情報が手に入るし、
捜査もどんどん進展していくし…。「リング」の様なミステリーホラーを
目指していたのかも知れないけど、むしろフラグを立てていく「お使いゲーム
に似てる。 しかも一本道で先が見えるカンジの。これに魅力を感じるのは
難しいです。

ちょっと感心したのは、山田さんが珍しくちゃんと資料を調べているらしい所
でしょうか(笑)。不妊症の件がそう。そういう姿勢がデビュー当時から欲し
かった所です。

笑ってしまったのが、聞き込みに行った家の人がみんな「どなたさまですか?
って聞く所(笑)。「どちらさまですか?」だよなあ、せめて…。3回くらい
出てきたんで、山田さんはそういう言葉遣いをする人に違いない。山田さんの
家を是非訪れてみよう。

ホラーなのに、怖くない。山田作品を「ライトホラー」だと以前評した事が
あるのですが、今回もまさにそうです。まあ、この作品は2作目だという事で
まだ未熟な面が多いのは仕方ないかなあ。

てつこ度-★★☆
オススメ度-★★☆

F

「Fコース」山田悠介著

はい、また山田です(笑)。だって図書館にまとめて置いてあったんだもん…。
こちらは、幻冬社から出ていた「Aコース」という作品の続編の様なもの。
前作と同じく、「バーチャゲーム(なんてネーミングだ汗)」というプレイヤーが
仮想現実世界に入り込み、まるで現実のような体験ができるゲームが舞台です。
山田さんの事を「センスが良い」なんて褒める人もいるのですが、なんかこういう
ネーミングセンスを見ていると決してそうではない気がしてきます(汗)。
「Aコース」に出てきた敵の名前が「侍骸骨」だったり(しかもこれしか出てこないw)、
「パズル」で出てきたテロ集団が自分達の事を「そうだな…我々の事は『パズル』
とでも呼んでもらおうか
」とか言った時は思わず「そのままやんけ!」と
突っ込んでしまったし…リア鬼では「ダブル佐藤」だとか…まだ読んでないけど
「ライヴ」では「ドゥーム・ウイルス」でしたっけ?ああ、なんだかモヤモヤする…。
友人のK君が考えたヘリコプターのゲームのタイトル「ザ・ヘリコプター
と同じくらい安直です。こういうセンスを磨くのって、文章力をつけるよりも
難しい気がします。うーん、頑張って欲しい。

Aコースの時は「ただゲーム内容を描写しているだけでテーマがない」なんて事を
言ったのですが、「Fコース」にはそれなりにテーマがある…気がしました。
つまり「バーチャ」と「現実」の境界。リアル過ぎる虚構の恐怖、みたいな…。
まあこれはボクが最大限おおらかに受け止めた場合、ですけど(笑)。

で、最後はゲームだと思ってた世界が実は現実だった、というオチな訳ですけど、
これには意表を突かれました。いや、「あっ…騙された…」ではないです。
「現実」が全然リアルに描けていないので、「実はこれは現実だったんだ!」とか
言われても現実感がまるで無いのです(敢えて「現実」を列挙してみました)。そういう意味で「そんなバカな!」と思ってしまった訳で…。こういうどんでん
返しはアリなのですか?(笑)

後半、今まで全然上手く世の中を渡ってこれなかった主人公智里は、舞台になって
いる美術館の絵に不覚にも感動し、若くして自殺した作家の気持ちを想ったり
します。これ、結構いいシーンなんですが、別にその後は特に関係なし(汗)。
何の救いもないエンディングへと突入。その絵に出会った事によって主人公が
生きる価値を見つけるのかと思いきや、それも無し…。

事の真相は、店員さんが黒幕で、本来無い「Fコース」をでっちあげ、バーチャ
ゲームの中だと勘違いしている主人公らを現実の美術館で暴れさせている間に
絵を盗み出そうとしていた…なんですが、こんなに手薄な上無能な警備員しか
いない美術館だったらそんな回りくどい事必要ないよなあ、とか思いました。

てつこ度-★★★☆
オススメ度-★★☆

さて、今読んでいるのは山田悠介著「ライヴ」です。
だって、図書館に並んでたんだもん…(汗)。まあこれも多分今夜中に読み終わる
でしょう(笑)。

tezzco at 15:17│Comments(0)TrackBack(0)  

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