税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

税務・会計はもとより、経営戦略・戦術、起業、医療問題、その他雑談、ぼやき等、中小企業経営に役立つ話題を中心にお送りする、武蔵野、三鷹近辺で活動する税理士・中小企業診断士のブログです。中小企業経営者、これから起業を目指したいと考えている皆様に「とても役に立つ(かもしれない)」と思われる話題を提供できるよう、日々、精進に努めさせていただきます。

2006年01月

ランチョン・テクニックと交際費



◆ランチョン・テクニック
軽い昼食(ランチョン)をとりながら会議をしたりして、交渉を有利に進めようとすることをランチョン・テクニックといいます。
食べることは人間の本能であり、美味しいものを食べているときは、皆気分が良く開放的になり、相手の意見を受け入れやすくなります。悪い印象でもケーキを食べながら会話をするといい人に見えもるのだそうです。政治家や大企業の役員など、立派な会議室があるにもかかわらず、交渉を有利に進めるために高級レストランや料亭で会合を開いています。

◆コーラとピーナツの実験
アメリカの心理学者ジャニスが、エール大学の学生を相手に行った「フィーリング・グッド」という実験があるそうです。これはランチョン・テクニックの効果を裏付けるような実験です。彼は「学生の読書傾向を調べる」との名目で、当時まだ一般的ではなかった書評を読ませました。
その際、一部の学生にはコーラとピーナツを出し、残りの学生には出しませんでした。その結果、飲食しながら読んだ学生には、その論調に賛成する傾向が強く表れました。逆に、何も口にしなかった学生は、その論調に反発したそうです。

◆食べ始めが効果大
このランチョン・テクニックの効果を最大限に引き出すには、ちょっとしたこつがあるそうです。それは話を切り出すタイミングです。
相手の好む料理が運ばれて、食べ始めたその時に話を切り出すと、一番効果的なのだそうです。その時が、一番相手が無防備になる瞬間なのだそうです。
食べ終わってからでは、身も心も弛緩してしまって、本気でこちらの話に耳を傾けてもらえない危険性が出てくるからなのだそうです。

◆ホームグラウンド効果との併用
もう一つ「ホームグラウンド効果」というものがあります。
これは軽い昼食(ランチョン)に限らないのですが、相手を接待するときは、初めて入るような高級店ではなくて、安っぽくても自分のなじみの店を選ぶと効果が高くなるそうです。それによって、リラックス度が違ってくるからなのだそうです。
サッカーや野球など、スポーツチームがホームグランドで勝つ確率が高いのも、声援があるということの他に、リラックスしやすいからということがあるのでしょう。

軽い昼食(ランチョン)に限らず、ビジネスでは「飲ませる食わせる」は接待の基本ですが、やはりその効果は大きいのでしょう。このランチョン・テクニックがその効果を裏付けています。
しかし、これをビジネスで利用し、相手を接待する場合、税務上の問題が出てきます。
ランチを食べながら打合せをするぐらいなら、「打合せ会議費」として処理することが出来ますが、夜の接待であったり、アルコールなどが入れば、通常は「交際費」として扱われます。
交際費については税務上、厳しい制約が設けられています。それは「交際費の損金不算入」の規定です。
次回はこの交際費について、18年度の改正を踏まえて簡単にご説明します。

優れた会社は二兎を追う

◆東横インの不正
「東横イン」という大手ビジネスホテルがある。創業者の西田社長によって、昭和61年設立以来、20年足らずで全国に約120店舗を展開した会社である。この東横インは、支配人がすべて女性で、スタッフのほとんどを女性が担当し、きめ細かなサービスや斬新なアイディアで、規模を拡大していった会社である。

この東横インが、身体障害者用の客室などを市区町村の検査が終わってすぐに撤去する、という暴挙を行っていたという。現在判明しているだけで、完了検査後の改造など問題があるホテルは、12府県の計23件となっている。

◆迷惑する会社もある
面白かったというと不謹慎であるが、この「東横イン」の不正行為に怒った人たちが、「東急イン」に相次いで苦情をよこしたという。ホテル「東急イン」などを展開する「東急ホテルズ」(東京都渋谷区)の広報担当者によると、同社には、27日の問題発覚以降、「東横イン」あてとみられる抗議がメールや電話などで10件ほど寄せられたそうである。

「当ホテルは、一切関連はございません」。東横インの無断改造問題に絡み、「東急ホテルズ」(東京都渋谷区)は28日までに、同社ホームページ(HP)に東横インとの関連を否定するお知らせを掲載した。

確かに似ていて紛らわしい。私も数年前は区別がつかなかったから、間違える人がいてもしょうがないのかも知れない。それに、東急グループの東急百貨店には、「東横のれん街」などという老舗が渋谷にある。「東横」というのは立派なブランドである。こうなると、間違われるのも必然という感じである。ひょっとして、これをねらって「東横イン」という名前を付けたのかも知れないと、うがった見方をしてしまう。

◆優れた企業は利益と公益の二兎を追う
「優れたリーダーの条件は、一見矛盾する二つの要求を同時に満たすこと」。「ビジョナリーカンパニー」などの著作で有名な、米経営学者のジム・コリンズはこのように述べている。つまり一見、矛盾するようではあるが、優れた企業というものは「利益」と「公益」の二つを追求している、と「ビジョナリーカンパニー」には書いてある。ピーター・ドラッカーも同じようなことを言っている。

実はこの東横インは、とても優れたサービスで伸びてきた会社である。大きく伸びた原因は、マスコミを使ったプロモーションのうまさ、女性を活用した質の高いサービス、そして料金の安さだと私は思う。無料朝食お変わり自由、コーヒー・ミネラルウオーターのみ放題、自販機飲料100円などのうれしいサービスも提供している。それだけに、今回の不正事件というのは残念である。やはり、もっと公共性というものを大切にしてほしいと感じた。テレビの事件を見ていたら「とんでもない」という意見がほとんどであった。

◆高貴な経営理念が必要
実際、この「東横イン」の行ったことは、総合経営研究所やヒューザー、木村建設、姉歯元一休建築士などが行った、一連の「マンション・ビジネスホテル」の耐震偽装問題や、ライブドアの起こした「粉飾」や「偽計問題」などに比べたら、まだ可愛いものかも知れない。これらは間違いなく、日本という国の根幹を脅かすものである。

しかし、経営者は利益を追求するともに、「高貴な経営理念」を持たないといけない。今回の場合、障害者をないがしろにする気持ちがあったのかも知れない。ローコスト経営に徹して、人件費比率の業界平均が30%ぐらいなのに対して、このホテルは5%なのだそうである。ここら辺も、人件費が安すぎる等の問題がでてくるかも知れない。今後の展開を見守りたい。

やはり、そのビジネスを通じた社会への貢献というものが必要であると思う。このような考えを持たない会社というものは、結局、最後は惨めな結果に終わってしまう。これは断言できると思う。利益は重要であり、利益をあげられない会社も責任を果たしていないのであろうが、社会にとって公益性を提供しない会社はもっと悪い、と思う今日この頃であった。

従業員にビジョンを与える


◆小規模企業の人材教育は難しい
先日、診断士仲間と会って話をしていた。時間にして3時間強、いろいろ話をした。日本経済の話、株の話、仕事の話、将来の話・・・など、いろいろなことを話した。お互い、いろいろな面で触発されることが多い、有意義な時間であった。

その中で、診断士仲間が言った。「この前、お客さんに従業員のやる気のなさについて相談された。自分その従業員を育てたいのだけれど、他の役員は辞めさせたほうがよいという。悩んでいる」というような相談だそうである。
彼はその経営者に「ビジョンを語ることの重要性」を話したという。「中小企業にいい人材が来ないのは当り前、その従業員にやる気を出させるのが経営者の勤めである」というようなことを話したという。

◆小規模事業は人材を取るのも難しい
私は話を聞いて、「それはもっともなのだけれども、なかなか難しい」と思った。しかし同時に「とても重要なことである」ということも感じたし、そのように認識もしている。偉大な経営者というのは、従業員の心にやる気を与えるのが一番の仕事である。私はそのように思っている。

しかし、私がこの前、他の経営者から受けた相談では「人材が来ない、やっとこの前人を取ったのに、しょっちゅう無断欠勤をする。どうやって人材をとればいいのでしょうか?職安で採用するより、派遣で使ったほうがいいのでしょうか?」などという相談を受けた。
小規模企業では、従業員にやる気を出させる以前に、無断欠勤をしない、真面目な人間を採用するほうがまず、大事な場合もある。

そういうことが頭に残っていたので、従業員にやる気を与えるということは、ぴんとこなかった。しかし、そういう従業員にビジョンを与えるということは、とても大切だろうなあ、と考え直した。

◆従業員に活力を与える
従業員に活力を与えるにはどうすればいいのか、「ビジョンを与える」「コミュニケーションを密にする」「権限委譲を行う」など、色々あるのだろう。
権限委譲などは有効かも知れない。ドンキホーテの社長は、従業員に責任と権限を与えることによって、従業員が一生懸命に働くことに気がついたという。ブックオフの社長もそのようなことを言っていた。

それでは、どうやってビジョンを与えればいいのか。例えば「世界一の企業を目指す」「地域一番点を目指す」など、ビジョンの与え方はいろいろあるであろう。しかし、ビジョンを与えるというのは難しい。

◆スティーブ・ジョブスに見るビジョンの与え方
最近、「スティーブ・ジョブス」という本が出版された。アップルコンピュータのカリスマ創業者について書かれた本である。このスティーブ・ジョブスは「海賊になろう」というスローガンで、パソコン開発チームを熱狂させそうである。「スティーブには、自分から見た現実というものを他人に信じさせる力があるんです」、とこの本の、登場人物の一人が語っている。
こういうビジョンを与えるには、まず経営者自身が確固たる立派なビジョンを持たないといけないと思った今日この頃であった。

縮小する市場の中、事業を拡大した会社・・・ハグルマ封筒

(読売新聞06.01.23 ひと展望より)

◆挑戦する精神
様々な業界で、価格破壊が進み、価格競争に敗れて倒産する企業や商店は後をたたない。低価格に対抗するには、「商品の差別化」が重要であるということは、ある意味では「セオリー」といってよい。もちろんそう簡単ではないのであるが、高付加価値路線に転換するのもひとつの方法ではある。
読売新聞の「ひと展望」に、高級商品を開発することによって見事に差別化に成功し、新たな需要を創造し、事業を拡大させた企業が紹介されていた。ひとつのお手本となる事例である。縮小する市場で、ただ、手をこまねいていないで、いろいろな新しいことに挑戦するということは、とても重要なことであろう。以下、要約を紹介する。

◆大幅に縮小する市場
封筒の出荷額というのは年々縮小している。原因はパソコン普及による企業でのペーパレス化やメールの普及、個人が手紙を書く機会の喪失などである。これは、郵便局が扱う年賀状の数が年々減少しているのと似ている。封筒の出荷額は、97年度は約571億円、それが2004年度には約478臆円に落ち込んでいる。
大阪に本社に置く封筒メーカー「ハグルマ封筒」も、この市場縮小の波にさらわれていた。創業以来、業績を伸ばしてきたが、90年代以降は不況で企業倒産が相次ぐなど、取引先が減っていた。

◆価格競争から一線を画し、高級化路線にシフト
企業の大口受注をめぐる獲得競争も、年々厳しさを増し、各メーカーは単価切り下げや納期短縮などの「コスト削減」を重視していた。二代目である杉浦社長は、これではいずれは行き詰ると考え「価格競争と一線を画す」という決断をした。路線転換の大きな柱は、高級化商品の開発であった。

◆新商品を苦労して開発
どのように高級化を図ったかというと、まず個人向けの封筒に、綿の実でできた「コットン紙」を使用。この紙は、肌触りがよい上、ペン先の滑りもパルプ紙より優れているのが特徴。しかしとても柔らかい素材なので、封筒に加工するのには難しく、加工技術を持つメーカーを日本中探し回り、完成までに何度も刷り直し、苦労の上完成にこぎつけたという。
また、和紙に関する新たなニーズも発見した。冠婚葬祭に関する手紙を送るときには、和紙を使いたいと考える人が多いことも判明し、福井産の和紙の封筒も作った。

◆専門店も活況
こうした高級商品を扱う専門店「ウイングド・ウィール」を東京・表参道、大阪・心斎橋に相次いでオープン。結婚式の招待状の封筒や、式当日の献立や席次を書き込むカードの素材はコットン紙を使い、デザインも含めてすべて職人の手作りにした。
それを雑誌で紹介したら、大反響を呼び、結婚シーズン近くには、式を控えた女性たちで、店は賑わうという。


日本の文化が世界の中心になる

◆きっかけは「フォーリン・ポリシー」
アメリカの外交専門誌「フォーリン・ポリシー」2002年6月号で、あるジャーナリストの論文が掲載されたのが最初だったそうである。その論文は「グロス・ナショナル・クール(GNC=国民総文化力)。」内容は以下のようなもの。
「日本文化の世界的な影響力は、政治と経済の逆境によって崩壊するどころか拡大を続けている。大衆音楽から家電製品、建築からファッション、アニメから料理まで、日本は経済超大国だった1980年代より、現在のほうがはるかに大きくなっている」

この論文をきっかけに、各国メディアも注目。2004〜05年にかけて、ワシントンポスト紙などが詳しく報じ始めた。主なメディア名とタイトルは以下の通り。

・米ワシントンポスト紙・・・日本のクール帝国
・仏ル・モンド紙・・・ポップの超大国日本
・米ビジネスウイーク誌・・・
日本のスタイルが世界を制覇する?―――ポップカルチャーに日本が浸透

◆アニメ、ファッション、フード、ホラー
日本が、アニメ・マンガ大国と言われて久しい。かなり前から世界で日本のアニメやマンガが人気を博しているということは言われていた。今では世界で放映されるアニメの70%を日本のものが占めるのだという。これは、マンガの神様といわれた手塚治虫さんの影響を抜きには語れない面もあるだろう。
寿司を始めとする日本食もニューヨークなどでは大人気であるし、日本のホラー映画は、ジャパニーズホラーという地位を確立している。アメリカのホラーはどちらかといえば、映像で恐怖感をあおるが、日本はストーリーで恐怖感をあおるというように言われていたと思う。
世界中から多くの業界関係者が日本に勉強に来ているという。日本文化を見るためのツアーも人気だという。ファッションも世界中のデザイナーが六本木や原宿、裏原宿などに、定点観測のために年に何回も訪れているという。日本のとび職の服装や地下足袋などからも多くのインスピレーションを受けるのだという。

◆中国や韓国でも
日本の翻訳書なども、アジアを中心にとてもよく読まれているという。日本に対する反日感情の激しい中国や韓国でも、実際は日本の書籍が多く読まれているという。東京都内の出版社の海外部門担当者は、「韓国では、日本からの翻訳書は、小説、マンガからビジネス書まで幅広いジャンルで人気がある。歴史問題などで関係がギクシャクしているが、底流では日本から学びたいという気持ちが強い」と言っている。韓国以上に反日教育の激しい中国でも、日本からの翻訳書の人気は相変らずで、トヨタやソニーなど、代表的な日本企業の経営を研究した本や、松下幸之助、ホンダ宗一郎の伝記が常に本屋に並び、売れ続けているという。

◆日本人の繊細な感性
例えばファッション。アメリカなどでは「青い背広」といえば本当に青一色。しかし日本には中間色がたくさんあるという。欧米の人も日本のような多様な色合いや微妙な風合いが分かってきたのではないかという。日本のマンガのようなストーリー展開は、他の国ではなかなか作れないという。
評論家で東京財団会長の日下公人さんは、次のように述べている。
『こうしたものの根本にあるのは、日本の生活様式です。そのエッセンスは気配り、心配り、雅やか、察し合い。これらを英語で言おうとすれば、全部「Graciousグレイシャス」になってしまう。日本語は繊細で微妙な心理を表現する言葉がたくさんあるけれど、欧米では表現できません。』
「ワビサビ」というような言葉も、日本人独自の感性なのだろうか、と私は思った。

◆日本の文化・芸術・生活様式が世界の中心になる
前述の日下公人さんは、著書で「日本の文化・芸術・生活様式がこれから世界に売れる」という持論を展開している。このように、日本の文化が世界に広がる風潮がもっと顕著になれば、日本文化が世界中で大きなビジネスを生み出すことは間違いないのではないのであろうか。
それから13日に記載した、前国税調長官の大武健一郎さんの話で触れたが、アニメなどで、小さい子供が日本の文化に触れるということは、間違いなくその子供の心に「日本文化への刷り込み・インプリンティング」をもたらすのであろうことも、想像に難くない。
このような状況は、日本人としてはとても誇らしいものでもある。やはり、そうなってほしいと願う。そうなれば、「世界の中心で日本の文化を叫ぶ」などという現象が、世界中で起こるのではないのか、などと思う今日この頃であった。

上場株式の譲渡税のPOINT


◆株は上がったときは注意が必要
テレビを見ていたら、ある個人投資家のインタビューが映し出されていました。彼は、「1億円ぐらい損したんじゃないでしょうか?でも、仕方ないですよね。自己責任の世界ですから」と淡々と語っていた。もちろん、肩を落としているようにもみえましたが・・・。彼の背後にはパソコンのモニターが何台か写っていました。しかし、よくテレビのインタビューを受けたなあ、と私は感心しました。多分、有名なデイトレーダーなのでしょうね。しかし、一億円も損する取引って、どんな取引なんでしょうか?

ライブドアショックで株式市場は大混乱。昨日は、やっと日経平均が反発して、ちょっと一安心ですが、ここ数日で、大損をしたという方も多いと思います。個人投資家で儲けたという方は、ほとんどいないのではないのでしょうか?特に初心者は、こういう時の対処方法を知らないので、だだ、あわてるばかりということも多いと思います。

去年は日経平均が異常に値上がりました。乗り遅れまいと、あわてて株の取引を始められた方も多いのではないのでしょうか?もちろん、以前から株の取引をされている方や、今年から始めようと考えておられる方も多いと思います。こういう状況でのホリエモンショック、本当に迷惑な話ですよね。非常事態です。かくいう私も、ちょっと株をかじっています。ほとんど初心者です。税務面の勉強にもなりますので、口座を開設してみました。それで、私もかなりあわてたというか、青くなりました・・・。

余談ですがこの前の日曜日、竹村健一さんは「こういう株が上がった時ほど、逆に注意が必要だ」と言っておられました。まあ、はからずも竹村健一さんの言葉が、現実となったような感じです。確定申告の時期も近いので、今回は「上場株の譲渡損益」に関する申告について、触れてみたいと思います。

◆15年改正で申告は複雑になった
上場株式の譲渡税や配当所得に関する税制は、平成15年に大きな改正がありました。結論として、譲渡税に対する税率が、10%に下がりしましたし、有利な面も多いのですが、原則「申告分離課税」となり、特定口座で源泉徴収ありを選択された方以外は、申告が必要になるなど、けっこう複雑になったというのが現実だと思います。
以下、株の譲渡税、申告のポイントをいくつかご説明致します。

◆特定口座(源泉徴収あり)の方以外は、原則申告が必要
上場株式の口座は以下のように区分されます。
‘団蠍座・源泉徴収あり
特定口座・源泉徴収なし
0貳霧座

いわゆる特定口座は、仝酸徴収ありと、源泉徴収なしの二種類があります。,慮酸徴収ありの方の場合は、これで納税が完結しますので申告は不要です。証券会社がすべて処理してくれます。
それ以外の方は、原則すべて確定申告が必要です。ただし税金が出ない場合は、申告の必要はありません。

◆口座によって一長一短あり
なお、どの口座を選択するかによって、メリット、デメリットが出てきます。
たとえば、一般のサラリーマンの場合、他に所得がなくて、譲渡益20万円未満の場合、△筬の口座を選択した場合、申告不要なのですが、,鯀択した場合、税金は源泉徴収されてしまいます。

それから、特定口座を選択すれば、「特定口座内株式の無価値化損失制度」というものが利用できます。これは、会社が上場廃止になったり、破産宣告を受けたりしたときも、損失として認められるというものです。
その他にも、選択する口座によって税金が違ってくる場合があります。

◆譲渡損が出る場合、3年間の繰越控除可能
また、年間の株の譲渡損益を通算して、なおかつ株式の譲渡損が出る場合は、申告は不要です。しかし、その譲渡損はまず、その年の譲渡益と通算し、なおかつ損が残る場合、3年間の繰越が出来、他の株式の譲渡益と通算・相殺できるようになっています。
この場合、特定口座(源泉徴収あり)を選択している場合でも、確定申告をして、この後に生じた譲渡益と相殺することが可能となります。

◆株の譲渡税優遇はあと二年
上場株の譲渡益に対する税率は、現在10%です。これは平成20年3月31日までの特例措置です。それを過ぎて、4月1日以降は、20%の税率となります。それまでに、一旦、益出しをして税金を払った方が、得ということがいえると思います。

◆みなし取得価格を活用せよ
平成13年9月30日以前から引き続き所有していた株については、みなし取得費を適用することができます。そのみなし取得費は、平成13年10月1日の終値の80%に相当する金額です。
具体的に言いますと、大昔に10万円で買った株が、現在、500万円に値上がりしていたとします。その場合、譲渡益の計算は、490万円になります。ところが、みなし取得価格は350万円だとします。そうすると、みなし取得価格で計算した方が、譲渡益が少なくなり、150万円ということになります。

実際、みなし取得価格を取った方が、譲渡益が安くなり、税金も大幅に節税できるというケースが多いと思います。取得時期の古い株については、みなし取得価格の活用を検討されたらよろしいかと思います。
これも期間限定で、平成15年1月1日から平成22年12月31日までの間に売却する場合に限られます。
なお特定口座では、このみなし取得費は利用できません。一般口座を選択しないといけません。

リバースモーゲージが日本でも普及

◆リバースモーゲージはアメリカで急増
アメリカで「リバースモーゲージ」が普及している。この制度が、日本でもこれから普及していくようである。
このリバースモーゲージを簡単に説明すれば、土地や建物を担保にしてお金を借りるというものである。担保の最大9割ぐらいまで借り入れができるという。それを老後の資金に充てる。そして、その本人が亡くなった後に、その担保となった土地を売却して借入金の返済に充てるのだという。生存中に支払うのは、基本的に金利相当分だけである。

◆ゆとりを持って老後を送れる
これなら資金がなくても、土地を担保に自宅を購入したり、老後の資金を確保したりできる。死後、親族には財産は残らないけれども、自分の老後はゆとりができる。
ただ、リバースモーゲージの「三大リスク」というものがあって、それは「金利の上昇で負担が上がること」「担保価値の下落で借入が出来なくなるケース」「利用者の想定外の長寿で融資限度額に達し、追加融資が出来なくなるケース」の三つなのだそうである。

◆日本でも広がる兆し
日本では、自治体、金融機関、住宅メーカーなどが取り扱いを始めたそうである。例えば東京スター銀行が今年9月に始めた制度は次のようなものである。」
60歳以上が対象で、融資額は500万円以上1億円以下、連帯保証人不要で、最大担保の9割を融資。担保評価は年一回見直し、金利は毎月払いだそうである。
厚生労働省が3年前に設けた制度で、65歳以上が対象の「長期生活支援資金貸付制度」という、自治体を通じて行われる制度もあるという。

商工会議所の審査を通じて、中小企業生活金融公庫から小規模企業者へ融資する、「マルケイ融資」という制度の審査委員をしている。前回のマルケイ審査会で、審査対象の企業の亡くなった親族が、リバースモーゲージを使って市から数千万円の借入をしている、という話が出ていた。その時は、あまり理解できなかったが、私は日本の公共団体が、このリバースモーゲージを行っているということを初めて知った。
ゆとりある老後を暮らすための新しい借入の手法。少子高齢化社会に突入する日本。やはり、これから日本でも増えていくのであろうと感じた。

花王の恐るべきコストコントロール

◆24期連続の経常増益
花王という企業は、05年3月期現在で、24期連続の経常増益を実現している超優良企業です。その秘訣は「斬新な新製品の投入とコストリダクション」の両輪なのだそうです。花王と言えば「ヘルシア緑茶」や「健康エコナ」など、斬新な製品開発の印象が強くあります。今は撤退しましたけれども、かつては「フロッピーディスク」で世界一のシェアを誇っていました。

◆原価率60%→43.2%へ、急激な低減
その花王の売上原価率を見てみると、80年代は60%を超えていました。それが今は何と、43.2%です。裏を返せば、56.8%もの粗利益率があるわけです。まさしく優良企業です。
売価も下がっています。主力商品である、洗剤の「アタック」は87年の発売時は870円、それが現在では半値以下の398円で販売されています。こうした商品の値下げにもかかわらず、粗利益が増えているのです。この原価低減の秘訣はどこにあるかと言うと、TCR(トータル・コスト・リダクション)活動にあるそうです。

◆TCR(トータル・コスト・リダクション)活動
もともと花王という会社は、研究部門と販売部門の連携などが、とてもうまくかみ合っている会社であるということを聞いたことがあります。このTCR活動も、会社の全部門に担当者がいて、全社一丸となってそれに取り組んでいるそうです。
前述のアタックなども、乾燥工程を劇的に簡素化し、生産性を飛躍的に向上させたそうです。しかも体積を小さくし、水に溶けるスピードを従来の五倍に引き下げています。「コストダウン」と「消費者の利便性」、これを両立するのもTCR活動の特長だそうです。

◆人手作業を増やしたのにコストが削減
このコストリダクションの方法は、製造業でなくても使えます。例えば、花王の物流センターは、全自動化をやめて、人手作業を多くし、それによって年間2億6千万円のコストダウンを達成しました。
人手作業を増やすということは、一見、合理的ではないように思えます。実際、荷物の積載にかかる時間を見ると、これまで30分かかっていたものが、120分もかかるようになったそうです。ざっと4倍の時間がかかるようになりました。

ところが、カートンごとに積んで、無駄なスペースを無くすことによって、トラックの積載量は三割近く増加。その結果、年間の使用トラックを1万2千台から8400台に削減できたそうです。
「仕事を原点から見直し、全体最適を考えることによって、この大胆な発想転換が出来るようになる」そうです。このような考え方は、メーカーではなくても参考になると思います。

◆TCR活動の4つの方針
このTCR活動には4つの方針があるそうです。それは以下の通りです。
 
 1.すべての項目を前年対比で評価する
  コストダウンには終わりはない
 2.小さな活動の積み上げ
  作業効率の向上、経費の削減、標準化
 3.「コストダウン」の視点から「利益増」へ
  仕事を原点から見直す、高付加価値化
 4.工場のみならず、全社で活動
  売上原価、償却費、労務費、工場経費、運送費、拠点経費、発送費を全社的に考  える。

売上を上げるだけではなく、コスト引き下げ努力を図ることによって、会社の利益をアップさせることも可能ということです。このような考え方は、メーカーではなくても応用が出来ると思います。
会社の利益を上げるには売上を上げるか、コストを引き下げるかどちらかの方法しかありません。会社のコスト引き下げ、もう一度見直してみたらいかがでしょうか?

退職金に対する課税強化のわけ

◆退職金課税が強化される
昨年6月に政府税制調査会がまとめた報告書、「個人所得課税に関する論点整理」は、石弘光会長の「サラリーマンにがんばってもらうしかない」という発言も相まって、「サラリーマン増税」と非難を浴びました。
具体的内容としては、「定率減税の廃止」「特定扶養控除の廃止」「配偶者控除の廃止」「給与所得控除の半減」「青色申告特別控除の廃止」などがあげられます。そのほかには「退職所得の課税の見直し」などというものも含まれています。

◆退職金課税の仕組み
その退職金の課税強化ですが、退職所得に係る税金というのは優遇されています。以下のように、退職金の額から退職所得控除を引いて、さらにそれを半分にして、超過累進税率を適用する「分離課税」となっています。他の所得と合算されませんので、その分超過累進税率も緩和されます。

退職所得に対する税額の計算方法
 ((退職金―★退職所得控除)×二分の一)×超過累進税率
★退職所得控除額の計算
 勤続年数×40万円(勤続年数20年超の部分は70万円)

◆外資系企業などによる租税回避行為
退職金課税強化の裏には、三つの理由があると言われています。
一つは、外資系企業などによる悪用が多いということです。先の「個人所得課税に関する論点整理」では「給与を低く抑え、高額の退職金を支払うと言った操作を行うことで、事実上、租税回避行為に使われている」と指摘しています。

外資系企業などでは、給料の金額が、数千万円、数億円となることもあります。その一部を税金の少ない退職所得として積み立てるということが、実際に行われているそうです。つまり、本来、給料であるべきものを減額し、これを税務上有利な退職金に回すことで、所得税を不当に減額しているケースがあるということです。

◆団塊世代の退職所得課税
もう一つ、退職所得課税強化の理由として、07年から始まる団塊世代の大量退職というものがあるようです。
数十兆円といわれる、団塊世代の退職金に対する課税を強化することによって、相当の税収をあげることが可能です。このように、団塊世代の大職というものも、理由の一つとして挙げられています。

◆退職所得の優遇は、社会の実情にそぐわない
そしてもう一つ、あまりにも極端な退職所得課税の優遇は、社会の実情に即してないという考え方です。
現在は、終身雇用制などの日本の慣行が大きく崩れています。雇用の流動性も高く、就業形態も多様化しています。このような状況で、高額な退職金にはほとんど無縁という人も多くいることも事実です。このような中で、高額な退職金をもらった人に対して、極端な退職金課税の優遇をするのは不公平である、というのはもっともな考え方です。

以上の三つの観点から、退職金課税は強化される方向性となっています。どのように、課税が強化されるかは分かりませんが、退職所得控除額の縮小や二分の一課税の縮小などがあげられると思います。

葬儀界の革命児

◆28歳で年商30億円
昨晩、日曜の夜10時、フジテレビの「人物ライブ・スタメン」という番組を見た。爆笑問題や阿河佐和子が司会を勤める番組である。その中で、ある青年社長の特集を組んでいた。葬儀業界の革命児と言われる、螢汽鵐チュアリの直江文忠社長である。台湾からの移民でもあるそうである。

なんと、28歳の若さで年商30億円なのだそうである。その葬儀の形式がとても変わっている。というか、ユニークであった。例えばこの会社の葬儀は、故人の一番輝いていたときの写真や、大切にしていた遺品などが、祭壇に所せましと綺麗に飾ってある。その写真には加工が施されて、グラビアのようなコメントが付されていたりもする。そして、喪主がうれしくて感動する姿などが映し出されていた。不透明と言われる、葬儀料金の明細表示も細かくなされている。

◆朝は4時半から始まる
興味深かったのは、この社長の一日である。
毎朝4時半に起床、そして瞑想をする。その時にテープを聴く。そのテープとは、世の中の偉人たちの言葉を吹き込んだものである。20歳ぐらいの時に、自分の肉声で吹き込んだものだそうだ。本人の弁であるが「人間の心は、毎日掃除しないと、塵や埃がたまってしまうものだから、掃除しないといけない」というようなことを言っていた。

瞑想の次は読書である。なんと一分間に、60ページものスピードで速読をするそうである。企業家を目指して、昔から経営などに関する本をむさぼるように読んだともいう。その他、尊敬する社長たちの写真を眺めていたりもする。京セラの稲盛氏やソフトバンクの孫氏などである。

◆葬儀業界はこれからの有望産業
コメンテーターの森永卓郎さんは「この葬儀業界は、将来は40数%伸びていく業界であるが、病院やお寺との関係などが難しく、分かってはいるが、なかなか入り込んで行けない業界だ」というようなことを言っていた。
確かにこれからは、生まれる人より亡くなる人が多い時代である。二十年後には団塊の世代の方たちが、大量にあの世へ帰っていく。伸びる業界ではある。

◆目標設定と実行力
それから、若い頃に目標をしっかり立てている。
例えば、30歳で日本一の企業、40歳で世界一の企業、50歳で事業の完成、60歳で世代交代という感じであった(ちょっと、ここらへんは、私の記憶が曖昧であるが・・・)。
これは、成功する社長に共通するものではなだろうか。「明確な目標設定」「強い意思と願望」「行動力」等々・・・。成功する人というのは、皆、このような共通項があるように思う。


この社長の経歴を調べてみたら、同じく葬儀業界の革命児と言われる「エポックジャパン」で修行していたこともある、ということであった。なるほど、という感じもした。

もともと、愛する人の葬儀に直面したときに、写真が傾いていたりしてもそれを直そうとはしなかったりしたことに、強い憤りを感じたのだという。「葬儀業界は、亡くなった方のことを考えていない」というような気持ちを強く感じ、業界を変えたかったというような動機があるようであった。

私はこれを見ていて、ただただ感心するのみであった。

平成18年度、確定申告の留意点

◆平成18年度(17年分)の所得税の主な改正点
確定申告の時期が近づいてきました。
今年の確定申告の主な改正点は、以下のような所でしょうか。
\朕Э醜霪段鵡欺の改正
⊇斬陬蹇璽鷂裟任僚名
4麌婉盥欺の改正
は掲者控除の廃止
ジ的年金等控除の改正

◆青色申告特別控除
青色申告特別控除については、事業的規模の方は、「複式簿記」に基づいて、損益計算者と貸借対照表を提出する場合には65万円の控除、簡易簿記で記帳する場合には10万円が控除されます。
複式簿記により、貸借対照表を作成できるかどうかで大きな違いが出て来ることになりますね。

◆老年者に対する優遇税制の縮小
それから老年者控除の廃止、公的年金控除の改正など、老年者に対する増税などが目立ちます。しかし、日本の高齢者はお金持ちが多い。
千四百兆円を超す個人金融資産のうち五四%は六十歳以上が保有する、という試算もあります。息子が働いてもらう給料より、親がもらう年金のほうが多い、というケースもままあるそうです。
一方、高齢者間でも格差が拡大し、本当に困っている方も多いと言います。やはり、本当に困っているお年寄りには優遇措置が必要ですが、一律に高齢者を優遇するというのは問題ですよね。


失敗しなければ成功はない、大事なことは会社をつぶさないこと

ユニクロを展開するファーストリテイリングの創業者である柳井正氏は、ハロルド・ジェニーン氏の経営回想録『プロフェッショナル・マネージャー』を読んで、衝撃を受けたといいます。柳井氏にとってこのプロフェッショナル・マネージャーは、今でも最高の経営の教科書であるそうです。そのプロフェッショナルマネージャーには次のようなことが書かれています。

◆失敗しなければ成功はない、大事なことは会社をつぶさないこと
「過失は恥でも不真面目でもない。ビジネスにつきものの一面であり、重要なのは自己の過失に立ち向かい、それを吟味し、それから学び、自己のなすべきことをすることだ。唯一の本当の間違いは、間違いを犯すことを恐れることである」

柳井氏はこのように言っています。
「僕はずっと失敗してきた。今までのビジネスも一勝九敗ぐらいである。唯一成功したのがユニクロだ。僕はもともと商売はうまくいかないものだと思っているが、「失敗しなければ成功はない」とも信じている。大事なことは、その失敗で会社をつぶさないことだ。同時に、失敗の問題点を摘出し、失敗する前に対処するように心がけている」

去年、この本を読みましたけれども、私も感銘を受けました。ちょっと、引っ張り出して読み返して見ました。
そして、失敗を恐れずに、色々なことにチャレンジをしていこう、と思った今日この頃です。

色々なことにチャレンジしていくことで、成功のきっかけにたどり着けるということは、よく聞く話ですよね。失敗を恐れないで、チャレンジするということは本当に大切なことだと思います。しかし実際失敗したときに、その傷口が致命的になる前に撤退することも必要でしょうし、その判断や実行が、けっこう難しいところもありますよね。

前国税庁長官のセミナーはけっこう良かった

1月10日の火曜日であるが、ある税理士会の賀詞交換会で、前国税庁長官、大武健一郎という方のセミナーを聞いた。現商工組合中央金庫副理事長なのだそうである。あまり期待していなかったのだが、期待に反して(と言っては失礼だが)、とてもいい内容であった。けっこう自然体な感じでスピーチもうまく、本人の、日本という国に対する強い憂いというか、そういうものも感じた。

セミナーのタイトルは「少子高齢化時代の企業のあり方と期待される税理士の役割」という、長いタイトルであった。最後のほうの「期待される税理士の役割」というのは、取ってつけたようなもので「数字を知らなかったり、重視しない現場の経営者に対して、数字を分析して指導できるのは税理士だけだから、がんばって月次決算をして、指導して欲しい」というふうに、私は解した。

この人は、最近、本を出版しているが、その内容に即したもので、一部、その本をテキストとして使用していた。去年、ベトナムへ行って、「日本の税理士制度」を普及させるための仕事をしてきたというのが、セミナーの枕であった。メインの内容としては、少子高齢化の現状と、日本の経済の強さの再認識をさせてくれるようなものでもあった。
私が興味をひかれたのは、以下のような所であった。

◆少子高齢化
少子高齢化については、医療や年金の改革、財政改革が急務であること、貯蓄率の低下などをデータに即して分かりやすく説明していた。

それから、65歳が老人というのは、ドイツのビスマルク政権の時に作られたもので、実際の老人はもっと年齢が上がるという。実際、今の60代はけっこう若い。
人口減の社会では、フロー(所得)ではなく、ストック(資産)の時代であるという。例えば、人口が減った分だけ、一人当たりの土地というものは豊かになるものであるということに着目しないといけない。

このときにガルブレイスの言葉を引用していた。「本当に困った人が置き去りにされる世の中」になっていく危険性がある、というような言葉である。私は本当にそういう時代が来るような気がする。また、家族の絆が日本ほど弱い国はない、自宅で亡くなる人が1割にも満たない、と嘆いていたが、実際そうかもしれない。

◆日本の文化が世界の基準になる
アメリカなどでは、日本のことを「イッツ・クールの国」と言っている。世界のアニメの原画の7割以上が、日本の原画である。ここらへんは、最近よく言われている。大事なのは、世界中の子供が日本の文化に触れていることである。この結果、将来どうなるか?これが刷り込みとなって、「日本が、世界の美意識の基準になる」というようなことを言っていた。これは確かにそうかもしれない、と私はうなずいた。
その他、デザイン、日本酒、寿司などの日本料理ブームなどについても触れていた。

◆日本経済の特色
日本の車が売れているのは、鉄の品質の高さが大きいという。現場と一緒にニーズに合ったものづくりができること、チームワークの強さが日本の製品の高さを生み出しているという。
日本は「アジアに最も近い欧米型の国」であり、法治国家、知的財産権の保護、税制の完備など、日本の安全性は、中国を始めとするアジアにはないものであるという。

また、日本の消費者の意識の高さ、世界中のメーカーが、日本市場を商品テストの場としている。つまり、まず日本で商品を発売して、それで改良などを重ねて、その数ヶ月後に、世界市場で販売するというパターンが定着している。それによって、顧客満足の高いレベルの商品ができるのであるという。

セミナーの内容の中で、特に私の印象に残ったところはこのようなところであったが、実際、少子高齢化に対してどのように対処していくかということ、それから日本の経済の現状と将来を再認識させられるような内容であった。
一冊本をもらったので、ぼちぼち読んでみたい。このような内容なら、興味を持って読めるような気がする。タイトルは、データで示す『日本の大転換』「当たり前への回帰」という、ちょっとややこしいものである。竹村健一氏絶賛、という帯もついていた。


フランチャイズチェーンの裏と表

◆飽和状態のコンビニ
JR三鷹駅北口から歩いて五分、五日市街道の交差点にサンクスがある、それから歩いて数十メートル、同じ並びにショップ99がある。それから100〜200メートル先にampmの100円ショップ版がある。もともと普通のampmであったものが業態転換したものである。同じ通りではないけれども、近くにローソンもある。
ちなみに人口密度の高い東京だと、セブンイレブンの日販は70万円ぐらい、その他のチェーン店は50万円前後である。それが、競合店ができると、ガクンと売上が減るケースが多い。

◆もはや戦争状態
こういう状況は、何もここだけの話ではないであろう。コンビニは大競争時代である。同じ商圏に一店競合店ができるたびに、売上は激減する。大手チェーン店は、ライバル店のあるところに、意識的に店舗をぶつけてくる。こうなれば、もはや戦争である。食うか食われるかである。
ライバル店ならまだ諦めがつくが、たとえば同じチェーン店が、同じ商圏に出店したりするケースもあるという。本部は「ライバルチェーンに取られるよりまし」と考えているのである。ここの店舗の売上が減ろうとお構いなしである。その分、本部へのロイヤリティーが増えればいいという考えである。

◆コンビニオーナー三つのタイプ
コンビニのオーナーには三つのパターンがあると言われる。一つは「自分の土地と建物を持ち、それを貸し出す」タイプ。二つ目は「自分の土地と建物を持ち、自分で経営する」タイプ。三つ目は「土地も物件も借り物で、経営だけを行う」タイプ。
三つ目のタイプが一番苦しいタイプである。家賃の負担がズシリと重くのしかかってくるからである。実は、この三番目の経営だけを行うタイプが現在では7割もいるそうである。そういう店に競合点をぶつけられたらもうお手上げの状況だと思う。これから、コンビニオーナーになることを検討している方は、くれぐれも注意してほしい。

◆コンビニオーナーの激務
コンビニオーナーの実態は余り知られていない。コンビニ本部にもよるし、店舗にもよるのであるが、コンビニオーナーはけっこうつらい仕事である。アルバイトが確保できなければ、睡眠を削ってでも店に出ないといけない。精神的にも肉体的にも休まらない。もちろん、何店も順調にコンビニを経営しているオーナーもいると思うが、それはわずかであると思う。何店も経営していたけれども、数店舗閉鎖したというオーナーの話も聞く。
ネットなどを見ても、本部を告発するようなサイトがある。じっさい、私の顧問先ではないのであるが「競合店も増え、年々苦しくなってもう続けていけない」というオーナーにもお会いして、話しを聞いたことがある。実態は想像以上に厳しいというのが真実であると思う。

◆コンビニ以外のフランチャイズはもっと厳しい
フランチャイズの契約は、一般的には本部の都合のいいようにできているという。コンビニ業界などは比較的、契約書などが整備されているからまだマシといえるが、詐欺のようなフランチャイズチェーンも多い。ひどい契約でも一旦契約書を交わしたら、もうそれでおしまいである。よほどのひどい条件でない限り「自己責任」の世界であるからどうしようもない、ということもある。

去年発生した、薬局チェーン本部「ラゴラ」による、大きなフランチャイズチェーンの詐欺事件があった。数千万円を騙されて途方にくれているという人が何十人もいるという。加盟料や仕入代金を搾り取って、その後、本部は倒産してしまった。経営者はトンズラ。間違いなく「計画倒産」である。フランチャイズというのは、一般的には本部は儲かるが、加盟店の経営は楽でない場合が多い。よく研究もしないで、その実態を知らずに、あまりにも安易に加盟する人が多い。フランチャイズに加入する時は、細心の注意が必要である。

従業員第一主義の会社

◆通常は顧客第一主義
通常ちょっとした会社なら、経営理念などに「顧客第一主義」「顧客満足」などという言葉を入れています。そしてお題目のように、社員に言って聞かせたりします。言ってはいるけれども、それとは逆のことをやっているという会社もあります。それをちゃんと実行しているかどうかは別として、多くの会社はこの考え方を取り入れています。

現代は物があふれている時代、ライバル企業もとても多いです。「顧客志向」という考えはとても重要です。顧客あってこその企業と言えますから、当然と言えば当然です。しかし、世の中には「従業員第一主義」という会社もあります。日本では「ブックオフ」という古本を売る会社などが有名ではないのでしょうか。

◆社員が満足してこそ充分なサービスが可能
このブックオフの社長の考え方など、以前、雑誌などで読んだ限りでは、次のような趣旨だったと思います。「結局お客様に、充分に満足していただけるサービスを提供するには、従業員にとって、やりがいのある、職場環境のいい会社でなければならない、それによって始めてお客様の満足する商品やサービスが提供できる、そのためにはまず、従業員を大切にして、一生懸命働いてもらえるような環境作りが必要である」。このような理由だったと思います。これは、ある意味でとても筋が通った考え方だと思います。

アメリカなどには、公然と「従業員第一主義」と公言してはばからない会社があります。それで有名なのが「サウスウエスト航空」という会社です。これは昨日もご紹介しましたが、アメリカの国内線のみの航空会社ですけれども、低価格でユーモアたっぷりのサービスをし、トップクラスの営業成績を上げる、ユニークな会社としてとても有名な会社です。

◆従業員第一、顧客は第二
この会社は「従業員第一主義」を掲げる会社としても有名です。本当に従業員は、一生懸命働きます。そしてよく働き、かつとても生きがいを持って、仕事に取り組んでいます。この会社が、具体的にどのように従業員を大切にするかというと、社員を「家族の一員」のように捕らえています。「拡大家族」という考え方で、家族だったらこうする、というようなことを実際に従業員に対しても行っています。そのため、社員間や経営者との垣根も低く、その関係は、普通の企業なら考えられないくらい、親密で家族的な雰囲気の社風があるといいます。

たとえば他の従業員が病気や死亡するということがあれば、他の従業員は本当に親身になって心配したり悲しんだりします。従業員に多くの権限を委譲してもいます。そのため従業員はいつも創意工夫しています。それで従業員がチャレンジ精神を発揮して、会社に大きな損害を与えたとしても、一度ぐらいの失敗なら、会社は従業員を責めたりはしませんし、失敗した人が、それを糧にして何回も昇進を果たした、という例も多くあります。当然、従業員の教育や情報も提供も欠かしません。

◆顧客が正しいとは限らない
もう一つ言えることは、「顧客がいつも正しいとは限らない」ということです。このサウスウエスト航空は、顧客からのクレームすべてに返事を書いているそうですけれども、ある時、いわゆる「クレーマー」のような顧客から、何度も苦情の手紙が来たそうです。それでその顧客は「ペンフレンド」と呼ばれていたそうです。「従業員の制服、気さくな態度、飛行機の色、搭乗手続き、これらすべてが気に入らない」などという苦情です。従業員は手を焼いて、この会社の創業者の一人でカリスマ経営者として有名な、ハープ・ケレハーに、とうとう処理が回されました。

このケレハーは、その顧客に次のような手紙を書きました。「クラバル様、もうお乗りに慣れなくて残念に思います。さようなら。ハーブ」というものです。じっさいこのように「よその会社の飛行機に乗ってください。うちの会社の従業員を侮辱しないでほしい」と顧客に対して搭乗を拒否するということが、ままあるそうです。

◆業種や業態などにもよる
今でこそ航空業界の認識も変わってきて、過度の酔っ払いとか、暴力を振るう顧客は罰せられますが、日本の航空業界などではそのようなことはなかなかできないのではないのでしょうか。サウスウエスト航空は、その安い運賃と、高いサービスにより支持してくれる顧客が多いという自信を持っているから、こういう顧客を拒否することができるということです。

一方「お客様は神様です」という考え方が強い、日本の企業の場合、どんなにひどいクレーマーでも、このように拒否することはできない場合も多いのではないのでしょうか。どうしても売上がほしい時などもそうですよね。それから、業種・業態にもよります。たとえば、金融業などのばあい、何十億円の預金などの取引を引き出すために、どんなにわがままで、ひどい顧客でも、丁寧に取り扱うということはあるのではないのでしょうか。
しかし、このサウスウエスト航空の対応は、正しい考え方であるように思います。過度におかしな顧客に対しては、拒否するというのはきわめて当然のような気がしますよね。

従業員が会社の株を持つと志気は上がるか

◆従業員持ち株制度は有効か
以前、ある会社の社長が「私は社員に自社の株を持つように言っている。そうすればやる気が出て会社の業績も上がるはずである」、というようなことをおっしゃっていました。
従業員に会社の株式を持たせることによって、従業員に経営参加意識が出て、志気が上がりやる気も出て、仕事の効率が上がり、会社の業績にもいい影響を与えるのである、などということが、一般的に言われています。

しかし、そう簡単なものではありません。従業員が会社の株を持てば業績が上がるというのなら、日本の景気はとっくに良くなっていたはずですから。もちろん、従業員が自社株を持つことによって、会社の業績が上がったという会社もあると思います。しかし、それには様々な要件があります。

◆持ち株制で有名な会社
従業員に株を持たせることが、会社の業績にいい影響を与えていると考えられている会社があります。例えば「スターバックスコーヒー」「ウォールマート」「サウスウエスト航空」などです。これらはアメリカの会社ですが、ほとんどの従業員に株を持たせていて、それが会社の業績向上の一要因になっていると言われています。

その中でサウスウエスト航空は、会社の発行済み株式総数の10%以上を従業員が持っていると言われています。サウスウエスト航空は、とても従業員の志気が高く、経営陣と従業員の信頼関係が高い会社として知られています。
そのサウスウエスト航空の従業員の志気の高さは、従業員持ち株制度からきているのでしょうか?答えはノーです。もちろん、それも従業員の志気の高さの「一要因」ではあるけれども、本当に一部でしかないということが言えると思います。そのサウスウエスト航空の従業員持ち株制度は、他の要因とあいまって、相乗効果として威力を発揮しているということが分かります。

◆他の制度との相乗効果が必要・・・サウスウエスト航空の場合
サウスウエスト航空は、従業員への利益分配を行い、営業利益の15%を従業員に分配し、その25%を自社株に投資するという制度をとっています。大部分の従業員が経営参加意識を持ち、少しでも会社のコストが下がるように、また、少しでもサービスが向上するようにと、いつも創意工夫を絶やしません。従業員も自社の株価がいくらかとか、自社やライバル会社の動向をいつも気にかけています。従業員は、自分たちの行動が、直接、会社の利益に結びついて、自分たちにもそれが還元されるということをよく知っています。とても高い経営参加意識を持っているといえます。

しかし、これらの高い「経営参加意識」というのは、従業員持ち株制度のみから来るものではないということも断言できます。サウスウエストは、従業員の志気が高まるよう、絶え間ない努力をしています。それは従業員への情報提供であったり、教育訓練であったり、経営陣との高い信頼関係であったりします。従業員にかなりの権限委譲をし、責任感と自由な裁量を促しています。これら会社の経営姿勢とあいまって、はじめて従業員持ち株制度は機能するものであると言えます。

◆何らかの見返りが必要
従業員が自社の株を持つことによって、従業員にどのようなメリットがあるのかというと、株が上がることによって、自分の資産が大きく増えたり、配当によって現金収入が得られたりするということです。実際に見返りがないと、モチベーションにはなりません。

「上場株式」の場合は、売却することによって、キャピタルゲインを得ることは可能です。しかし「未上場株式」の場合、どのように見返りをするかということが、重要になってくると思います。未上場の中小企業の株の場合、「譲渡制限」などがついていますし、売却することもままなりません。配当するにしても、相当の利益を上げて、多くの部分を配当に回すようにしないといけなくなります。従業員が株を持つと言っても、未公開株式の場合は、このように難しい問題も出てくるということになります。


顧客ターゲットの設定とは

◆小さな豆腐屋が大幅に売上アップ
15年位前、京都に小さな豆腐屋がありました。リアカーをひいて、行商をしていました。昔の日本の懐かしき風景です。しかし、コンビニの台頭や、スーパーの安売りなどに押され、商売は先細りでした。
こういう環境の中、多くの豆腐屋は、廃業を余儀なくされました。しかしこの豆腐屋は、この逆境にもかかわらず、売上を大幅に上昇させました。
何故なのでしょうか?実は、しっかりした戦略的なマーケティングを行い、商売の方法を変えたからなのです。

◆市場の細分化が功を奏した
どのように変えたかというと、まず、ターゲットを絞りました。
どのようなターゲットでしょうか?
そのターゲットとは、京都のレストランや料亭です。
しかしレストランや料亭は、京都には、はいて捨てるほどあります。
そこでまず、ターゲットをレストランや料亭に絞り込んだ上で、その中からさらにターゲットを絞り込みました。

そのさらに絞り込んだターゲットとは、
.圈璽時にお客さんを何人収容できるか。
▲瓮縫紂爾里Δ繊豆腐料理が何%あるか。
です。
もっと具体的にいうと、
/裕いあるが、中規模な店舗。
豆腐メニューが1割〜2割程度ある店舗。
というようにターゲットを絞り込みました。

◆市場の絞り込んだ理由
ではなぜ、中規模店で、豆腐メニューが1〜2割程度の店にターゲットを絞り込んだのでしょうか?それは、大きすぎる店は、チェーン店であったりして、仕入先が決まっている場合が多いですし、豆腐メニューが多すぎると自家用で作っていたり、もっと専門の豆腐屋と、すでに契約済みのケースが多いから、という理由です。

この豆腐屋さんは、まず、顧客ターゲットを飲食店に絞り込んで、さらに、その飲食店の特性をもとに、さらにターゲットを絞り込んでいます。もちろん、この豆腐店の味も良かったのだと思いますが、こういう工夫を凝らしたターゲットの設定と積極的な営業が、大きく売上を伸ばすことに成功した要因です。

◆基本は市場細分化によるターゲットの絞り込み
とてもうまい顧客ターゲットの絞込みです。とても戦略的といえます。
これをセグメンテーションによる顧客ターゲットの設定といいます。これは、マーケティングのとても重要なファクター、要因です。
「どのような顧客に対して、どのような商品を売っていくか」。この顧客の細分化をセグメンテーションと言います。この細分化された市場に対して、ターゲットを絞り込んで、顧客ニーズに対応していく、というのがマーケティングの基本です。

特に「中小企業にはオールターゲットはない」と言います。中小企業の経営資源は限られています。つまり、「人」「金」「設備」「情報」などの経営資源は充実しているとは到底いえないというのが一般的です。上記の例に挙げた豆腐屋さんに限らず、中小企業が大手企業と戦っていくには、この市場細分化によるターゲットの絞り込みということが、とても大切になってきます。

顧客は説明を求めている

◆顧客への情報提供のないJR
正月休みを利用して田舎へ帰ってきましたが、ちょうど1日にJRの停電があって、上越新幹線がストップしました。3時間東京駅で待たされました。何とか運転が再開されて、新幹線に乗り込みました。すると、他の乗客の声が聞こえてきました。「遅れて発車したのはいいけれども、何も案内がない。何時にどこの駅に到着するかぐらい、アナウンスして欲しい」。などという声です。テレビを見ていても、雪のため東北新幹線で乗客が5時間ほどカンヅメになったというニュースがありました。ここでも何も場内アナウンスがなかったと、乗客が不満を述べていました。JRでは、このような情報提供の不足というのがよくあるのではないでしょうか?

◆顧客への情報提供の重要性
サウスウエスト航空という航空会社があります。米国の国内便をメインとする格安の航空会社です。このサウスウエスト航空は、高い顧客サービスと高い利益率を誇る航空会社として有名です。多くの航空会社が赤字で悩む中、5%以上の利益率を出す、優良会社です。
このサウスウエスト航空では、『ラブ・ラインズ』という社内報を発行していますが、この社内報では、乗客客からのクレームを無くすための努力もしています。ある時、次のような記事を掲載したことがあるそうです。

「ゲートで二時間も待たされていたのに、だれも飛行機が遅れていることを教えてくれなかった」。というクレームが顧客からきたそうです。
これに対してこの社内報では、以下のような文章を掲載しています。
「乗客の気持ちになって仕事をしよう。何か、いつ、なぜ、どうなっているのか、知っていることはすべて伝えよう。乗客に情報を提供するのだ。われわれが気に掛けていることを、申し訳ないと思っていることを乗客に知ってもらおう。いずれにせよ乗客は説明を求めているのだ。そして、謝罪することをわすれるな」。

◆顧客の気持ちになって仕事をする
サウスウエスト航空では、こういうクレームはそれほど多いわけではありません。むしろ、まれなケースだと思います。しかし、こういうクレームがくれば、すぐに対処して従業員を啓発して、同じようなことがないように、注意を喚起しています。
こういう状況に限らず「顧客は説明を求めている」「顧客の気持ちになって仕事をする」ということを考え、サービスを提供することは、とても大切なことだと感じました。

数百年に一度の大転換の時代

◆ドラッカーの予言
年も明け、新しい年を迎えました。本当に一年が経つのは早いですよね。年を取ってくると、だんだんと早く感じるようになると言いますが、それを身にしみて感じる今日この頃です。
今日は一年の最初の日なので、去年の11月に亡くなった、ピーター・ドラッカーの言葉から「今という時代」を考えてみたいと思います。
ドラッカーという学者は「マネジメントを発明した男」「経営学の祖」などと言われていますけれども「予言者」のような素養も持ち合わせています。とても直感力や洞察力に優れた人で「ナチと共産党が手を組む」とか「戦後の日本の繁栄」などということを誰よりも早く予見しています。ドラッカーの言葉をもとに「現代という時」がどういう時代なのか、ということを考えてみたいと思います。

◆数百年に一度の大転換の時
それは、ひとことで言えば、現代は「数百年に一度の大転換の時」ということです。どのような大転換の時かと言えば、具体的には「産業革命に匹敵する時代」であると言っています。
つまり、急激な機械技術向上により近代資本主義を確立し、社会構造を根本的に変化させたといわれるのが産業革命です。1974年にジェームズ・ワットらが蒸気機関を改良し、それが産業革命に拍車をかけました。

◆蒸気機関がコンピュータに相当
その産業革命における「蒸気機関」に相当するのが、IT革命における「コンピュータ」であると、ドラッカーは以下のように述べています。

(以下、『プロフェッショナルの条件』より)
・・・・蒸気機関がコンピュータに相当
今日IT革命は、産業革命における1820年代の段階にある。ジェームズ・ワットの蒸気機関が、初めて産業用として紡績業に使われた1785年から約40年後の段階にある。IT革命において、産業革命における蒸気機関に相当するものが「コンピュータ」だった。いずれもが、革命の導火線であり、象徴だった。

◆産業革命は単なる機械化に過ぎない
産業革命というのは、機械化を進展してはいるけれども、それはプロセスを変えただけであって、根本からビジネスを変えたわけではない。むしろ、他の何かが根本的にビジネスを変えたのである、と述べています。ドラッカーは、以下のように述べています。

(以下、『プロフェッショナルの条件』より)
・・・産業革命はプロセスを変えたに過ぎない
「産業革命が最初の50年にしたことは、産業革命以前から存在していた製品の機械化だけだった」。同じように「1940年代半ばにコンピュータの出現とともに始まったIT革命は、今日までのところは、IT革命以前から存在していたもののプロセスを変えてきたに過ぎない」

◆鉄道に匹敵するのがeコマース
蒸気機関による機械化は、「革命の導火線」に過ぎず、鉄道が産業革命後のビジネスを抜本的に変えたのだと言っています。その産業革命における「鉄道」と同じ役割をするのが「eコマース」であると、ドラッカーは以下のように述べています。

(以下、『プロフェッショナルの条件』より)
・・・産業を抜本的に変えた鉄道の役割がeコマース
「鉄道こそが、産業革命を真の革命にするものだった。それは経済を変えただけでなく、心理的な地理概念を変えた。人類が、初めて本当の移動能力を得た。初めて普通の人の世界が広がった」。
「IT革命におけるeコマースの位置づけは、産業革命における鉄道に相当する。まったく新しく、だれも予期できなかった発明である。そして170年前の鉄道と同じように、それはまったく新しいブームを呼びつつある。やがて、経済と社会と政治を一変させる」。

◆近未来に想いを馳せて・・・まったく新しい産業が生まれる
さらに鉄道が心理的な地理概念を変え、その後に出現した当時の新産業が多く生まれたが、それらの新産業は、産業革命がもたらした意識の変化と生産技術が存在しなければ、成立しえなかった。それと同じく、IT革命による意識の変化等により、まったく新しい産業が生まれる、と。ドラッカーは次のように言っています。

(以下、『プロフェッショナルの条件』より)
・・・まったく新しい産業が生まれる
「eコマースは、経済と市場と産業構造を根底から変え始めた。製品、サービス、流通、消費者、消費行動、労働市場を変え始めた。さらには、われわれの社会、政治、世界観、そしてわれわれ自身にインパクトを与え始めた。これからは、この変化に続いて、いくつかの予想も付かない新産業が出現する」。
「今後20年間に、相当数の新産業が生まれるであろうことである。しかもそれらの多くは、IT、コンピュータ、インターネット関連ではないであろうことである」。

◆IT革命→コンピュータ→eコマース→新産業の出現
上記をまとめると、IT革命→コンピュータ→eコマース→新産業の出現という流れになると思います。考えてみれば、インターネットを始めとする今のIT革命の時代は、本当に100年前には予想できなかった時代ですよね。ほんの10年前でも予測した人は少なかったのではないのでしょうか?そしてこれから数十年先も、なかなか予測するのが難しい時代ではないのでしょうか。
確かにバイオテクノロジーの実用化が迫っているし、宇宙旅行も日常的にパッケージツアーが企画されるような時代も近いような気がします。それから日本は「海」に囲まれた国。海にかかわる技術が大きく発展する可能性も秘めています。まったく予想もしなかった新産業の出現」を予感させますよね。

このような、「大きな変革の時代」に生きていることを実感し、われわれがまだ生きているであろう20年、30年先の近未来に想いを馳せて、書いてみました。
ちょっと引用も長く、読みづらくなってしまったかもしれません。書いている内に、私もよく分からなくなってしまいました・・・。

今年から、本格的にブログを書いていきたいと思います。定期的に、一人でも多くの方に読んで頂けるよう、内容の充実した情報を提供できるよう頑張ります。皆様にとっても良い年でありますように。



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