税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

税務・会計はもとより、経営戦略・戦術、起業、医療問題、その他雑談、ぼやき等、中小企業経営に役立つ話題を中心にお送りする、武蔵野、三鷹近辺で活動する税理士・中小企業診断士のブログです。中小企業経営者、これから起業を目指したいと考えている皆様に「とても役に立つ(かもしれない)」と思われる話題を提供できるよう、日々、精進に努めさせていただきます。

2006年04月

不動産の取引価格、ネットで閲覧可能に

◆REITなど、取引の円滑化が目的
国土交通省は不動産取引の実勢価格情報について、四半期ごとにインターネット上で一般公開するそうである。
国交省が実勢価格情報の公表に乗り出すのは、一般の消費者受け情報を充実し、取引を円滑にする環境を整備するため。相対的取引が多く、実売価格を消費者が入手しにくい状態を改善することが目的。
最近では、REIT(不動産投資信託)などへの投資も活発化し、情報公開が不十分だと投資家が価値を正確に判断するのが難しくなる恐れもある。

◆購入者へ調査票を送付して把握
実勢価格の把握の方法であるが、所有権が移転した場合、登記簿情報で判明するため、対象地域の不動産購入者全員に調査票を送り、購入価格を記入してもらう。
そして回収した調査票は、各地域の不動産鑑定士が実際の物件を調査した上で、誤記や特殊要因がないかなどを調査する。

◆全国で最大50万地点、4月下旬から漸次公表
公表の対象となる地域は東京23区から始めて、さいたま、大阪、名古屋、京都、岐阜で実施。これらの都市では、今年の公示地価の調査と同時に調査票を送付済みで、昨年7月から12月の取引約2万件について、4月下旬にも公表するそうである。
2006年度中に調査を全国の政令指定都市すべてに広げる方針だという。

◆地図をクリックで取引価格が表示
調べ方は、専用のホームページの地図上の区域をクリック。するとその地点の取引価格が表示される。価格だけでなく、面積や用途区分、建物の有無、マンションの場合は階数や地区年数なども掲載される。
個人情報の観点から、住所は市区町村の町や大字などまでとし、過去一年分の情報の閲覧が可能。

◆調査票の回収精度がカギ
ただ、売買された取引のすべてが分かるわけではない。調査票の回収は任意なので、情報の精度を高めるには、購入者がどの程度、回答するかが焦点となるという。たぶんに購入した人は、大事な個人情報でもあるし、わざわざ手間をかけて国に購入価格を知らせる必要もないと判断する人も多いのではないのだろうか。
先行調査を実施した東京や大阪では、調査票の送付総数の半分程度が回収されているそうである。
◆一般消費者にとってのメリット
不動産価格といえば、これまで一般消費者にとって分かりにくいものであった。実勢価格と公示価格や路線価、固定資産評価額などもあり、一物四価など度呼ばれて、けっこうわかりにくい部分も多い。これがネット上で自由に閲覧できるのであるから、消費者にとってはメリットも大きいのではないのか。
REITなどの投資の判断材料ともなるのであろうが、一般的に身近な例では、マンションの売買であろう。いくらで売れるのかどうか、まず、売却を決断する時の判断となる。売りたいけれども、これを売れば損をするか得をするか、その損得が一体いくらぐらいなのか。それをまず知ることが出来る。
また、売却を急ぎ、早く売りたいのなら、実売価格を参考にして、実際により売れそうな価格を設定することも可能である。もちろん、不動産業者は実売価格の情報を手に入れているし、アドバイスも適切な場合もあるが、そうないケースだって多いのではないのか。そういう時に、その実売価格という参考値を自分の目で確認できるのであるから、心理的にもいい影響を与えることが出来るのではないかと思う。これは、購入する側にとっても同じようなメリットがあるであろう。

(06.04.11 日経朝刊より)

東京信用保証協会、創業支援の専門部署開設

(06.04.12 日経朝刊)
◆創業アシストプラザ・・・すべて無料
東京信用保証協会は、中央区八重洲の同協会本店7階全フロアを使い、「創業アシストプラザ」を5月7日に開設するという。9人の中小企業診断士のほか、税理士などの資格を持つ職員39人を配置。
相談や講座受講料はすべて無料。サラリーマンや技術者の独立支援を想定し、窓口は会社帰りに相談できるよう、平日夜8時まで。休日の窓口開設も検討する。

◆予約制で様々な問題に対応
より具体的な相談は、予約制で個別に応じる。事業計画の書き方、法人設立や営業許可取得の手法などに関する専門的な助言も提供。
公開講座や創業スクールも用意する。講座は創業のアイデアの発掘法や販路開拓など、創業に直面する課題について解説。スクールは、創業の準備に入った人を集めてゼミナール形式で指導。講座は7月、スクールは10月に開講する予定。

◆資金支援
信用保証協会の本業である資金支援では、保証料や金利面でのメリットの大きい都や市区町の「制度融資」を紹介する。主に最大2500万円まで借りられる創業向け保証制度を使って、あらかじめ協会が事業計画を審査し保証を内定した上で、借り手に金融機関を紹介する。
初年度は、創業融資保証の承諾額200億円、保証件数2400件が目標。ともに前年度のほぼ2倍に増やす目標だという。

◆創業3年間のフォロー
創業後3年間は、決算書をもとに経営改善などを助言するという。事業拡大に向けた運転資金の確保、売上高が伸び悩んだ場合の返済条件緩和など、金融相談にも応じる。個別相談団塊から、同じ担当者が連続して支援する。

◆他の創業支援との違い
以上のような内容であるが、都や商工会議所、区などが行っている創業支援と違う点がいくつかあると思う。それは以下のようなところである。
まず3年間のフォローアップ、それから主体が信用保証協会であることで融資が幾分受けやすいなどの特徴がある。そして相談窓口が東京駅で、夜8時まで開いており、休日の窓口開設を検討するなど、立地の良さも相まって、利用者は増え、ひいては創業も増えるのではないのであろうか。

◆創業リスクの啓蒙も必要では
これらの創業を増やそうという取り組みは、とても立派なものである。しかし、創業支援に力を入れるのはいいが、起業に失敗する人、起業を甘く見る人、詐欺や、詐欺まがいのフランチャイズ本部などに騙されてしまう人が多いことも確かである。こういったことは、意外と知らない人が多い。そういう人たちに警鐘を鳴らし、リスクを知らせるシステムを確立すること。フォローの体制も甘いような気がする。それから失敗した人がもう一度チャレンジできるシステムの確立にも力を入れてほしいと思う。

『日はまた昇る』ビル・エモット(思想社)

◆日本経済の復活宣言
著者は、15年前に『日はまた沈む』を書いて、日本のバブル崩壊を予見した人。そのビル・エモットが書いた「日本復活宣言」の書であるから、この本はよく売れているという。日本経済の現状・改善策、政治構造や靖国問題などに紙面を多く割いている。日本人以上に日本に詳しい人といえるかもしれない。
日本経済の復活については、国内外の多くの人がそれを認め、すでに言われていることも多いが、ビル・エモット独自の視点や洞察も多くうかがい知ることが出来る。
著者は、英国『エコノミスト』の日本支局長を務め、その後英エコノミスト誌の編集長を務めた。最近、エコノミスト誌を退職したそうである。自由な観点から著作に専念したいなどという理由があるようである。

◆あきれるほど時間がかかった
「あきれるほど時間がかかった、日本経済が歩む道はまだ安穏とはいえない。物価下落、増税、人口減少など問題は多い。」と著者は言う。しかし「日本は長年、さまざまな斬新敵改革を重ねてきた。その積み重ねが、ほとんどの人々が気づいている以上に政治と経済と金融市場を変え、この国に明るい長期的未来を約束している。平成17年9月の総選挙がその改革プロセスが受け入れられていること、経済における国家の役割を着実に減らしつつ、改革が今後も持続することを確認する結果となった。」そのように述べている。
これが日本復活を確信した理由である。

◆日本経済は変わった
1985年から95年にかけて、日本企業は信じられないほど愚かな金の使い方をしていたという。その日本の民間資本の使われ方が変わったという。賃金に関するデータが、経済回復の持続性を知る手がかりになるという。
日本の労働市場の変化や不平等格差問題などにも触れている。労働力不足で、日本の不平等感も、少しは解消されるであろうという。
堀江貴文被告によるライブドアとフジテレビの問題などを起点に、日本の株式市場の問題点などについても言及している。逮捕前に書かれたものであり、逮捕後については触れていない。日本経済の現状や問題点、新・会社法、雇用、そして規制緩和による競争を増やすことが重要と述べる。

◆小泉自民党の総選挙圧勝
日本の復活を確認したのは、平成17年9月の自民党の圧勝であるという。日本はこれで改革を続けていくと確信したという。本書において、多少小泉政権に対する評価が高すぎるような気がするが、確かに変革は進んでいるのかも知れない。「変化が逆戻りすることはなく、それどころか加速するだろうという見通しが裏書された」と述べる。「徐々に」が日本のキーワードであるという。日本は革命の起こる国ではなくて、いったん合意のもとにコースが決まったら、忠実かつ着実にそのコースを歩む国なのである」著者はそう述べる。

◆靖国問題
そのほか、日本の政治の変化、日本と中国、北朝鮮、韓国などとの関係にスペースを多く割いている。特に、中国はウサギで日本はのろまなカメであるが、やがて日本が勝つであろうということを書いている。北朝鮮の金日成体制の崩壊も予想している。
この本で特筆すべきなのは「靖国問題」であろう。靖国問題の本質、中国や韓国などのアジア近隣諸国との関係などの解決策として、ビル・エモット氏は独自の観点から「靖国神社」のあり方を述べている。

◆2020年の日本
最後は、2020年の日本という章で締めくくっている。
「20年にわたって、日本のせっかくの長期的な経済的社会主義的強みを骨抜きにしてきた資本配分の歪みや誤り、無規律が是正に向かった。これら多くの小さな改革の漸進的な積みかさねはこの国を新しい方向へ導く。」その上で15年後にどうなるか、以下のようなことについて推測は可能であるという。
その推測とは、日本の人口減少傾向が数十年も続くことはない、働く女性の労働力率の上昇と提案、日本の不平等の拡大という趨勢は今後も続く、卸売業の再編、ITやロボット活用による日本の労働生産性は高まり、一人当たりのGDPは高くなる、など興味深い章となっている。

日はまた昇る――日本のこれからの15年
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