税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

税務・会計はもとより、経営戦略・戦術、起業、医療問題、その他雑談、ぼやき等、中小企業経営に役立つ話題を中心にお送りする、武蔵野、三鷹近辺で活動する税理士・中小企業診断士のブログです。中小企業経営者、これから起業を目指したいと考えている皆様に「とても役に立つ(かもしれない)」と思われる話題を提供できるよう、日々、精進に努めさせていただきます。

2006年07月

商品に説明を加えることで売上は伸びる


◆パンフレットに一言コメントを
自社商品のパンフレットを作り直しただけで、売上が120%アップした貸しおしぼり業者があるそうである。何を変えたかというと、商品の紹介の文章である。従来は扱っている商品を羅列しただけだったが、商品一つひとつに「一言コメント」を添えたのだった。その紹介文とは、以下のようなもの。
高級おしぼり・・・「上品な手ざわり、心地よいボリューム感あるおしぼり」
レンタル浄水器・・・「お米・コーヒー・お茶の味に差が出ます」
竹はし・・・強い強度と油をはじく特性を持っている竹。中華料理・天ぷら料理店には最適です」
固形燃料・・・「あたため&演出に最適」

◆設備面のPRや集合写真
さらに商品のことだけでなく、業界最大級の異物除去装置を使っていることなど、これまで語っていなかった設備面もPR、おしぼりの包装スタッフの集合写真も入れ、真心を込めて包装を行っていると書き添えたそうである。これも当然、売上の向上に貢献している。

◆社員の意識の変化
上記の商品紹介文や集合写真などを入れた、新しいパンフレットが売上アップの原因なのであるが、その根底にあるのは、自社の経営理念の変化、社員の意識の変化なのだそうである。
「自社の仕事は単におしぼりを貸し出すことでなく、お客様の快適で楽しいお店作りをサポートすることだ」というように、自社のミッションを見直し、確信を持ったことにあるのだという。

その自社の経営理念の変革には、各種キャンペーンや社員の勉強会などがあったそうであるが、こういう、「自社の社会的な役割」を再確認することによって、社員の考え方や社風が変わり、業績もアップするという、いい事例であると感じた。また、これはPOPなど、文章で訴求することの重要性も表していると思う。
(日経MJより)

器ひとつで売上アップ

◆器を変えて売上4倍増
あるとんかつ専門店で、コーヒーの売上が4倍近くアップしたそうである。
理由は器を変えたからである。器を変えただけで簡単に売上が上がるものかと思うのだけれども、実際、月に50杯程度だったコーヒーの注文数が、4倍近くアップしたそうである。その器、つまりコーヒーカップは、次のような経緯で見つけ、工夫をして売り出されたそうである。

◆ネーミングやPOPで訴求する
とんかつ店の店主は、あるデパートの陶磁器店で「飲んでいるうちに味がまろやかになっていくように感じる」器を見つけた。早速その器を取り寄せ、「不思議なコーヒー」として、POPに以下のように書いて売った。「飲んでいるうちに味がまろやかに、どんどんおいしくなる不思議な器で飲む不思議なコーヒー」と。
売れた原因は、その器自体にもあるが、不思議なコーヒーという「ネーミング」と、読んでそのコーヒーを一度飲んでみたいと思わせるような、うまい文章による「POPによる訴求」である。

◆ちょっとしたことにこだわる
このことから言えるのは、器を変えることによって売上をアップすることが出来る。しかし、単に器を変えるだけでなく、ネーミングやPOPでそれを訴求することが重要であるということである。
ネーミングやPOPで訴求するということも必要かもしれないが、そこまで行かなくても、単純に器に凝るということは重要ではないのか。例えば、日本酒のお猪口をお客様に選んでもらうとか、飲みのもの種類やアルコールの特性によって、グラスやカップに創意工夫を凝らすなどということも重要ではないのであろうか。そういうちょっとしたことにこだわり、気を使う店が流行っていることは、言うまでもないと思う。
(日経MJ より)

差別化で勝負するパソコン周辺機器会社

◆差別化で勝負するパソコン周辺機器会社
パソコン周辺機器製造の「ソリッドアライアンス」という会社がある。外部メモリーやマウス、キーボードカバー、携帯電話ストラップなど約50種類の製品を持つ。どの製品にも独特の工夫を凝らしているそうである。
例えばマウスは、クリックした回数を表示する小さい液晶画面を搭載するなどの差別化を図っている。このソリッドアライアンスは、単にアイディア商品というだけではやがて他社に追随されて消えていくと考え、顧客層、ターゲットを明確にし、さらに、素材やデザインの細部にまでこだわっているという。

◆他の追随を許さない差別化
例えば04年に販売した、すしの食品サンプルの形をした外部メモリー「スシディスク」では、顧客層を「日本出張から帰る欧米ビジネスマン」と想定。価格を6千円〜8千円と抑え、パッケージも外国人好みの派手なデザインに。この狙いが当たって、免税品店で売れ続けるヒット商品となった。さらにスシディスクは、高い食品サンプル製造技術を持つ佐藤サンプルと協力し、本物と見間違えるほどの質感を再現している。他の製品でも、同じように異業種との提携で製品の質を高めているという。

◆価格競争を回避する
同社の川原社長は、会社設立の2002年までメモリーカードの外資大手に勤務。営業責任者として事業規模を1億円から100億円に育て上げた実績を持つという。そこで痛感したのが「パソコン周辺機器は価格勝負」ということ。「よほど、特徴ある製品でないと、価格競争に巻き込まれるのは必至」と確信したそうである。それが、現在のアイディアヒット商品に結びついているのである。

価格競争というものは、消費者にとってはありがたいものであるが、体力のない中小企業が不毛な価格競争に巻き込まれると、悲惨な結果に終わることが多い。このように、創意工夫をするというのは難しいことではあるが、アイディア一つで差別化を図ることも出来る。また、差別化するなら他社の追随を許さない徹底的な差別化が必要ということが言えると感じた。
(日経朝刊 06.07.17より)

『儲からんのはアンタのせいや』桂幹人(講談社)

◆なにわの再建屋の話
コンサルティング成績156戦154勝(平成13年7月の出版時)という大阪の経営コンサルタントの話。一見、藤木美奈子との共著のようになっているが、桂幹人が再建屋である経営コンサルタント、藤木美奈子は、構成と再建の対象となった一社のインタビューをまとめている。
傾いた会社の建て直しが仕事であるから、自らを「再建屋」と名乗る。再建屋と呼び始めたのは、お客様のほうからであるという。
著者の祖父や父親の商売に関する話、自身の波乱万丈の人生、様々なコンサルティング事例がとても興味深く描かれている。著者は祖父、父と流れる商人の血筋を引き継いでいる。そして著者の波乱万丈の人生。そういうものが著者を経営コンサルタントにさせたのであろう。

◆波乱万丈の人生
著者は生まれ付き、サラリーマンには向いていないような人物である。一度サラリーマン経験があり、営業マンとしての才能を如何なく発揮し、会社の年商65億円のうち、ひとりで12億円の売上をあげたという。しかし、役員と対立し退職。自身の商才とサラリーマンには不向きな性質を悟り、その後、自分で蟷詢浪麌システムを立ち上げ、全国36店舗まで広げながら、上場寸前までいった段階で会社を倒産させてしまった。その倒産の詳しい理由は言えない、と著者は書いている。しかしその後、見事に再起を果たし、執筆時には経営コンサルタント会社を中心に十数社の会社を経営し、グループ売上高は70億円を超しているという。また著者は、高校生の頃から商才を発揮しているようである。

◆不思議な体験
著者の不思議な体験、というより著者の持つ不思議な能力について書かれている。例えば霊が見える、人とすれ違った瞬間にその人のことが分かってしまうとか、それからどういうコンサルティングのアドバイスをすればいいのか、そういうものが分かってしまうという。簡単に言えば、この人はいわゆる霊能力者なのであろう。こういうことを頭から否定してしまう人もいるが、多分本当なのであろう。この能力がこの人のコンサルティング能力の柱になっている。著者自身もこういう能力が仕事上、大いに役に立っていると書いている。

◆儲からんのはアンタのせいや
けっこう、過激な本書のタイトルではあるが、この本に書かれているコンサルティング手法は、きわめて理論的で合理的、基本的なものが多いと思う。会社の経営者やコンサルタントが読んでも役に立つ。ドラッグストア、ホテル、DPEショップ、スーパー、人材派遣会社、レジャー用品店、レース製造卸など、多くの業種・業態のコンサルティング成功事例が書かれている。ある程度、そのまま取り入れて応用できるようなものも少なくない。
あなたの「考え方」「思い」が変わるだけで、売上はどれほど伸びるものか。「すべての責任は自分にある」。つまり「儲からんのはアンタのせいや」という。

◆会計・財務の知識の重要性
著者は、財務の知識の重要性について力説している。「経営者に経理は必須」という。「数字は正直だ。うそはつかない」「中小企業の経営者の多くは経理や財務に無知すぎる」「財務に無知な経営者は会った瞬間に分かる」ともいう。著者が強調するのは、特に「資金繰り、財務」の重要性だと私は思う。
著者自身、会社を倒産させた後、倒産時に必至に協力してくれた税理士の熱心な勧めで、「記帳代行行」を立ち上げ成功させた。そして、「ここで徹底して経理を自らマスターしておいたことは、後の桂幹人にとって、大きな財産になった」と述べている。
また、借金や手形はするなともいう。「手形を振り出すということは、敵に急所を握らせる行為以外の何物でもない。経営者たるもの、借金にも手形にも手を出さず、常に営業戦略を考えられる状態でいなければならない」などと書いている。

◆役立つコンサルティング手法
上記以外でも、経営に役に立つ情報は多い。本書で紹介されている、「個人チャレンジシート」「意識改革プログラム」「欲望予算と別建て予算」なども役に立つのではないのか。目標を持つ、経営者はきちんと恐怖心を持つ、話にならない社長とは、なども一読の価値はある。
また、第五章 企業再建の極意「五つの鉄則」には以下のものが掲げられているが参考になる。その一必ず売れる四原則 その二 「売れない」と「売っていない」の違いを知れ その三 客の存在を忘れるな その四 会社を毎日「破壊」しろ その五 つねに、笑え、というのが五つの鉄則である。
また著者は、業種・業態を作り上げることに生きがいを感じるという。報酬体系に「成功報酬」を採用している。一般的にあまり取り入れられていないシステムである。自信を持っていないと出来ないようなシステムでもあるし、利用者にとって都合のいいシステムである。

◆どんな会社でも必ず再生できる
著者は次のように述べている。「経営再建は通常、企業内部に入り込んでいかねばやれない、したがって、まず、こうした経営陣の心理抵抗感を超えてがっちりタッグマッチを組むことが何よりも重要な課題になってくるわけで、経営者がそれをまったく理解しようとしないこんな状態では、いくら私といえどもどうしようもない。」
この著者は、経営コンサルティングをしないで、他のビジネスに専念すれば、もっと儲けられる人ではないかと感じた。しかし、経営コンサルティングをメインに選んだ。これまでの人生経験そのものが役に立っているような気がする。多分、経営コンサルティングはこの人の天職なのであろうと感じた。
「どんな会社でも必ず再生できる。どうにもならない商売など存在しない。もし、あるとすれば、それはどうしようもない経営者がいるだけだ」と著者はいう。

『破天荒2 仕事はカネじゃない!』ケビン&ジャッキー・フラインバーグ(日経BP社)

◆ほとんどなじみのない会社がメイン
ケビン&ジャッキー・フラインバーグ夫妻による『破天荒 サウスウエスト航空―驚愕の経営』の続編のような位置づけ。前作は1996年にアメリカで発刊、本書はその後5年以上の歳月をかけて、2004年に発刊された。
前作と異なり、ほとんどなじみのない会社がメインであり、15社を取り上げている。そのなかには、サウスウエスト航空も含まれてはいる。日本にはなじみのない会社ばかりでも、前作同様とても興味深く、そして経営に役立つ情報が満載の本である。
この本に登場する企業に一貫するのは、従業員を大切にし、従業員のやる気の出る社風を築き上げ、それを顧客満足につなげ、企業業績を向上させている会社である。そして、時には利益を度外視するケースもある。利益を度外視して客のために行動する。「企業はそれぞれの業界の中で、顧客や社会に奉仕するものである」という考えが一貫している。

◆ガッツのある経営者
著者はこう書いている。「サウスウエスト航空の物語が多くの人々に与えた影響に鼓舞されて、私たちはサウスウエスト航空と同じように破天荒な経営戦略で人材を結集し、成功を収めている企業の探索に乗り出した。〜それぞれの分野で最も優良と目されている企業も取材することができたのである」。
そういう意味で、『破天荒 サウスウエスト航空の奇跡』とコンセプトを同じくし、前作の続編と言える。本書はサウスウエスト航空の研究があって、初めて成り立つ本である。サウスウエスト航空が基礎となっているといえる。本書に登場する企業の業種業態は千差万別であるが、「ガッツのあるリーダー」に率いられる企業である。サウスウエスト航空も登場するが、ごく一部。
本書の原題は『GUTS!』である。この本で紹介されている企業は「ガッツのあるリーダー」によって運営されていることによるものだからである。著者がいう「ガッツのあるリーダー」とは、「慣習という聖域を打ち崩すことをためらわない情熱的な人物」だそうである。
そして「この本の読者がガッツを持ち、もっと意欲的に、思いやりと勇気をもって仕事に取り組まれることを願っている。」と結んでいる

◆興味深い事例が満載
実際、本書は前作同様とても面白く読める。章立ては七章で構成され、第一章 ビジネスの常識を覆す、第二章 企業文化を宣伝する、第三章 従業員に経営者の責任を自覚させる 第四章 組織を活性化させる人材を採用する 第五章 ビジネスの常識を覆す、第六章 利他の精神で事業を営む 第七章 人々を楽しませる、最後に結論 偉大なリーダーは、ガッツを持っている!となっている。
とても興味深く実際の仕事に役立つ事例が満載の本である。企業風土を大きく変革することに成功した会社、社員に大幅に権限委譲して成功している会社、低学歴で自信を喪失している従業員に夢や希望を与え、信頼関係を築いていった会社、乗組員と厚い信頼関係を築いた艦長の話など、とても参考になる。どうやって従業員にやる気を出させるか、どうやって素晴らしい社風を作り上げるか、この本はかなり参考になると思う。例えば、プラネット・ホンダという会社がどうやって「顧客満足度ワースト」の会社から「顧客満足度の高い会社」になることが出来たか。「ザ・ボン」の経営者がどうやって企業組織・社風を変革して会社の業績をアップさせたか、カーペット・クリーニングの会社が、低学歴で自信のない従業員にどうやって夢や希望を与え活性化したかなど、興味深い事例が盛りだくさんである。以下、個人的に印象に残った部分を中心に紹介してゆきたい。

◆企業変革を大きく変革させた会社
企業風土を大きく変革させた会社の事例が面白い。「プラネット・ホンダ」や、衣料品や家庭用品のチェーン店「ザ・ボン」などである。次のように書いてある。
ザ・ボンの会長でCEOのダン・エンデルマンは次のように言う。「わが社は大きな問題を抱えていた。誰でもわが社の店舗にちょっと入っただけで活気のないことがわかっただろう。百貨店は劇場のようなものだ。・・・・・・すぐ、問題は企業文化にあると思った。活気も躍動感もない職場。従業員の待遇も悪かった」。企業文化の改革は簡単なものではないことは分かっていたが、エンデルマンは改革に取り組んだ。この改革は従業員の意識調査から始まったのであるが、結果は見事に成功した。この改革のプロセスなどはとても参考になる。

◆顧客満足ワースト10から売上を大きく伸ばした会社
顧客満足ワースト10から素晴らしい顧客満足度を提供し、売上を大きく伸ばした会社は、カーディーラーの「プラネット・ホンダ」。この会社も結局は、組織風土を大きく変革しているのだけれども、その変革のプロセスもとても興味深いものである。以下、概略。
プラネット・ホンダのCEO兼社長のティモシー・チャサリーは、弟たちと一緒に13店舗の自動車ディーラー・チェーンを経営していたが、1982年には、このうちの3店舗がJ・Dパワーズの顧客満足度全米ワースト10にランク。そして、1996年にプラネット・ホンダを発足。チャサリーは、販売からサービスまですべての方針を顧客の利便性と楽しみに合わせることに踏み切った。その結果、顧客が定着するようになり、売上が大きく伸びた。その事業の基盤は「従業員を終身雇用」し、「顧客と生涯付き合う」である。従業員の福利厚生を大幅にアップし、従業員の教育訓練に、勤務時間の25%を割いている。そのほかにも、この会社のノウハウがいろいろ記されている。

◆給料だけではない
前述したように、本書に登場する企業に一貫するのは、従業員を大切にし、従業員のやる気や能力を高める社風を創りだし、それを顧客満足につなげ、企業業績向上の原動力としている会社である。まず、従業員満足ありきなのである。
この本を読むと、従業員にやる気を出させ、会社の業績を上げるのは、報酬や給料だけではないということがよく理解できる。もちろん給料も重要だけれども、それ以外の要素がとても多いことに気付かせてくれる。奉仕する経営社、教育訓練、従業員への情報提供、活力ある企業文化の構築、働く時間、仕事と家庭、福利厚生や施設の充実など、お金以外のものも必要である。時には働く時間が極端に短い会社もある。
それから根底に流れているのが経営者の従業員への愛情である。これらの会社の経営者に一貫するのは、従業員に尽くすリーダーである。
従業員の定着率がよければいいというものでもないと思うが、定着率が高まれば、採用や教育費も激減するということなども理解する必要がある。離職率を低くするには、他の会社の人事の研究も重要。また、「幸せな従業員は定着率が高い」そうである。

◆低学歴の社員に夢と希望を与える
それからあまり学歴のない社員を採用して、夢と希望を与え、やる気を引き出している会社には次のような会社がある。中小企業などは、なかなかいい人材を雇い入れるのは難しいけれども、これらの事例は参考になるのではないかと感じた。
印刷会社の「クォードグラフィックス」の創業者は、社員教育の重要性を自覚し、同社の「印刷入門講座」でよく講義をし、高校を出ていない新入社員には高校卒業資格を取るように勧めていた。
カーペット・クリーニング大手の「スタンリー・スティーマー」は、概して高校新卒の男子を採用するが、この年代は概して「挫折感」でいっぱいだという。この会社では、新入社員に、目標や夢と希望を与えるとてもユニークなオリエンテーション・教育訓練を施している。
また企業ではないが、駆逐艦ベンフィールド号の艦長であったアブラショフは、活気を失った軍艦を米海軍随一の軍艦に変えた。アブラショフが艦長を退いたとき、部下たちは皆泣いた。この乗組員たちも、低所得階層の出身で学歴も低いのだという。

この本の原題は「GUTS」。前著の原題は「NUTS」。この本の著者はどうして、このような短い単語・言葉がすきなのだろう?と思ってしまう。それから、図や写真をふんだんに使用しているのもこの著者の特徴である。確かに分かりやすいけれども、なかにはいただけない写真もある。これは、クライアントへのサービスであろうか?などと思ったりした。いいことばかり書いてあって、ちょっと青くさい感じもする部分もあるが、とてもいい本だと感じた。各章の終わりに「ガッツの点検」が記載されているし、索引もついていて便利でもある。

東京都中小企業白書に見る小規模企業の苦境

◆東京都中小企業経営白書
東京都中小企業経営白書は、流通、製造、サービスの各業種の業況を3年ごとに調査して発行される。今回発表のものは、都内中小企業のうち、小売業1万社と消費財卸売業3千社を対象にアンケート調査したもの。業界団体や商店街、企業へのヒアリングも加味して、3年前と比較した経営状況をまとめている。
特に以下のような、小売業や小規模企業の苦境が目立っているようである。

◆都内の小売業者の7割超が減収、卸売りも減少
小売業では3年前に比べ、売上高が増加した企業は9.6%。特に生鮮食料品と食料品関係では、減収が8割を占めている。経常利益も71.1%が減少。
卸売業も、58.5%が売上高を減少させている。業種別では、衣料品関連で「10%以上の減収」が45%にも達しているという。

◆小規模企業ほど減少著しい
従業員別に見ると、従業員50人以上の企業では「売上高増加」との回答が55.2%と半数を超え、会社の規模による格差が目立ったという。
結局、現在の景気回復は「いざなぎ景気を超える」と新聞に載っているが、中小企業、特に小規模零細企業や地方企業にはその恩恵はまだ受けることが出来ていないというのが現状ではないのであろうか。

◆深刻な後継者難
さらに小売業では、7.4%が後継者が決まらずに困っているということである。後継者に困ってはいないけれど、「今の代で廃業するので後継者は必要ない」との答えも35%に達したという。従業員2人以下の企業では「今の代で廃業」が61.5%も占めるのだという。

◆聞き取り調査に見る小規模小売店の悩み
聞き取り調査では「大規模店に比べ、仕入れ価格が高く、売れ筋商品がそろわない」という悩みが多かったという。
ショッピングセンターや大型スーパーマーケット、ロードサイドの専門店等の台頭で商店街や小規模小売業の苦境が目立って久しいが、ここでもその現実が確認できたということだと思う。小規模企業にとっては、景気回復はまだ遠いのかもしれない。時代の流れといえばそれまでであるが、今後の復活を期待したい。

(日経朝刊 06.7.7より)
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