税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

税務・会計はもとより、経営戦略・戦術、起業、医療問題、その他雑談、ぼやき等、中小企業経営に役立つ話題を中心にお送りする、武蔵野、三鷹近辺で活動する税理士・中小企業診断士のブログです。中小企業経営者、これから起業を目指したいと考えている皆様に「とても役に立つ(かもしれない)」と思われる話題を提供できるよう、日々、精進に努めさせていただきます。

2006年11月

IT普及でビジネスマンの出張増加

◆ビジネスマンの出張需要増加
ビジネスマンの出張需要が増えているそうである。JR東日本の新幹線や特急などは輸送客数が増加、レンタカー業界も出張の増加で売上高アップ、出張客を狙ったビジネスホテルの開業も相次いでいるという。その理由は、大企業の利益増大を中心とした景気回復と、もう一つ、ITの普及が一役買っているそうである。
インターネットやインターネットメールなどのITが普及し始めた頃は、「IT化が進めは、テレビ会議などで要件を済ませられるため、わざわざ出張しなくてもよくなる」と考えられていた。私も同じような理由で、企業の旅費交通費はかなり減るものだと考えていた。ビジネスの要所にだけ顧客と直接会って、後はメールやテレビ電話などで要件が済むからである。

◆ITの普及で新たなビジネスチャンスが
この考えはある程度的を得ている。しかしそう単純ではなかった。他の側面で、ビジネスマンの出張を後押しする要因が生まれている。例えば以下のようなものである。
「IT化で情報が得やすくなり、例えば、これまで知らなかった見本市に出かけるようになったりしている。」「社内会議での出張は減ったが、営業や交渉での出張は増えている。契約時などは、宅建など資格を持った人間が直接顧客に説明する必要がある。」「ITの進歩によって情報の獲得や発信が容易になり、企業の接点が増えた結果、新しいビジネスチャンスも増加した。IT化が進むほど、直接会って話をする必要性も高まることもある。」

ITの普及により、新たなビジネスチャンスが増えたというのが出張需要増加の一因となっているということである。しかし、出張が増えているとはいえ、バブル期とは異なり、企業のコスト管理は厳しいそうである。
旅行会社に出張のチケットを一任するなど「コストを減らしながら、出張の回数は維持しようとしている」そうである。
(日経朝刊 06.11.27より)

『成功者の告白』神田正典(講談社α文庫)

◆成功者は同じ地雷を踏む
カリスマコンサルタント、神田正典氏の著作であるが、一連の著作とは趣を異にする。副題に「5年間の企業ノウハウを3時間で学べる物語」とあるように、「物語」形式で書かれている。「物語」であるが「作り話」ではないという。コーチング知識を用いて設計されているそうである。とても評価の高い本でもある。
ひとりの若者がリストラに遭う。そして脱サラを決意してIT起業を行い成功を収めていく。そういう内容であるが、単なる成功物語ではなく、その起業から成功まで過程で様々な難問にぶつかりそれを乗り越えていく。その難問は、成功者に共通するものであるという。成功者は同じようなパターンにはまっていくのだという。それは家庭問題、女性問題、そして組織の問題などである。成功者は同じような地雷を踏み、深みにはまっていくという。
それをまとめた本であるが、起業を目指す人や、これから会社を大きくしていこうという人には、とても役に立つ本。著者自身の経験も多分に織り込まれているし、多くの成功者が実際に経験したことだという。著者は何万という起業のコンサル経験を持つ。この本を読むことによって、それを事前に防ぐことが可能となるという。

◆経営のヒント
著者は「成長カーブ」というものをとても重視している。「導入期、成長期、成長期、衰退期」というライフサイクルである。著者は次のように述べている「このカーブから読み取れる知識はとても深遠で、数ページではとても語りきれない。このカーブにはビジネスで成功するための学びのすべて、さらには人生を十二分に生きるための学びのすべてが詰まっていると言っていいぐらいである」と。
新たに事業に参入するとしたら、「衰退期」がいいという人もいるが、圧倒的に「成長期」がよいという。また、「成熟期」というのは、じつは次世代の始まりであり、革新を起こすには最適な時期であるとも言う。統計的に成功する確率が高いのは、既存市場のニッチを狙って起業することだともいう。
ジョセフマーフィー、潜在意識、文章にすることの重要性が書かれている。リッツ・カールトンホテルのクレド、パブリシティーなどにも触れている。また、心理学を多分に取り入れ、横浜国大の心理学の教授のアドバイスも受けている。「クレーム対応」の方法などは、それをそのまま取り入れたものだという。

◆ビジネスと家庭は密接な因果関係がある
家庭とビジネスは密接な関係があるという。成功してくると、必ずといっていいほど女性問題が出てくるし、家庭崩壊、突然の子供の病気なども降りかかってくるという。この本で紹介されている離婚問題や子供の難病などは、著者が実際に体験したものであると、プロローグで述べている。そういう意味では、著者の赤裸々な体験も含まれているのである。カリスマ経営者の家庭崩壊はとても多いそうである。夫婦でうまくいくためにはお互いが同じスピードで成長していかなければならないという。
ビジネスと家庭のつながりについても、前述の「成長カーブ」を用いて説明している。会社が成長期に入り、経営者の調子がよければよいほど、家庭では奥さんの調子が悪くなるそうである。夫が成功すると、その成功に妻は嫉妬するという。そして夫婦仲が悪化していく。
また夫婦仲が悪化することに、子供は敏感に反応するという。子供は無意識に、いい子か悪い子になろうとする。優等生になるか、病気になったり非行に走るという。これは心理カウンセリングでは常識なのだそうだ。この家庭崩壊の記述は多分に著者の経験によるところが多いようである。

◆チーム、組織作り
後半では「第二創業」のための方法についても詳しく触れられている。組織が大きくなるにつれ、問題社員が出てきたり、社員が原因不明の病気に犯されたり、腹心が離反・造反したりする。組織が大きくなるにつれ、「家業」から「企業」に移行していく。このふたつはまったくルールが違うのだという。チームを育てるのは子育てと同じであるとも言う。「母親的な愛情」と「父親的なしつけ」が必要であるという。すべての家族の感情がつながりあっているのと同様、社員の感情もつながりあっているという。
チーム、組織作りについてはかなり触れられている。ここでは「心理学」の知識が多分に用いられている。社内に「感情の場」ができる。「怒りは伝染する」というのも事実であろう。「性的エネルギー」と「創造のエネルギー」は同じであるともいう。
リッツ・カールトンホテルで人材教育・サービス向上のために用いられている有名な「クレド」の導入についても紹介されている。「グッド&ニュー」というボールを使った簡単なゲームで社内が変わりはじめるという。人の考えを前向きにするそうである。カラフルなボールが右脳を刺激して、学習効果も上げるそうである。

ドラッカーが経営者に与えた影響・・・松下電器、中村邦夫会長の場合

ピーター・ドラッカーが世界の経営者に与えた影響は大きい。特にアメリカと日本の経営者に与えた影響は計り知れないものであるであろう。ジェームズ・C・コリンズも、名著『ビジョナリー・カンパニー』で、ドラッカーの著作に多大な影響を受けたと書いている。
『週間ダイヤモンド』06.11.11号で、「ドラッカー経営論の読み方」という特集を組んでいるが、松下電器を経営危機から見事に復活させた立役者である、中村邦夫会長もドラッカーの著作に大きな影響を受けたひとりだという。松下電器における社員人生の節目となる岐路において、ドラッカーの著作を読んで示唆を受けたという。知る人ぞ知るドラッカーファンで、社内でもドラッカーに言及することがしばしばあるそうである。
経営者というものは、やはり書物からも多く学んでいるということである。その内容が大変興味深いものであるのでご紹介したい。ドラッカーの書物を熟読、消化し、それを見事に実践に生かしているということが見て取れる。「出会い編」と「講義編」に分かれているが、とても示唆に富むものである。

●出会い編
中村氏は、松下電器における大きな三回の転機において、ドラッカーのそれぞれの著作や言葉に影響を受けたという。以下のような内容である。
◆第一の転機・・・販売会社の常務に
中村氏は20代後半の若さで、三重県にある販売会社の再生を突然、任されたという。80人ほどの社員がほとんど年上だったそうであるが、プレッシャーでひとり空回りする日が続いた。その時に出会ったのが『経営者の条件』で、一読して目から鱗が落ちたという。以下のような言葉に特に影響を受けたそうである。「強みによって人を配置し、いかに成果を上げてもらうかを考える。優先順位と劣後順位を決める、アクションプランを理解してもらう」また、「成果をあげる能力は、天賦の才能ではなく、努力によって身につけられるものである」という主張に大いに励まされたそうである。
◆第二の転機・・・48歳で米国赴任
1987年、初の米国赴任。48歳という年齢で、異文化に飛び込み、かつ現地法人の経営を行っていくのは至難の業であったという。しかも激動の時代。いったい今、何が起きているのか。これから社会や生活は同変わるのか。未来に向けて今、何を決断すべきか。そんなとき刊行されたのが、『すでに起こった未来』であった。邦訳を待ちきれず、辞書を引きながら原著で読んだという。数多くの考えるヒントを与えられたそうである。
◆第三の転機・・・社長就任
第三の大きな転機は、社長就任時。「古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを協力に進める唯一の方法」というドラッカーの有名な言葉。すでに機能しなくなったものに資源を投じてはいけないのだ。たとえば、永遠に通用する組織形態などない。環境変化に合わせて換わらなければならない。これは、松下幸之助の「日に新た」の考えにも通じ、中村氏を支える大切な教えとなったという。このような考えを背景にして、事業部制の大胆なリストラなどを断行したのである。

●講義編
講義編では、あまたの教えの中から、中村氏自身が大切にしてきた五つのポイントを紹介している。その五つとは、第一に自己管理、第二に、働くことの意味を知り、第三に、何を持って貢献するかを考えること。第四に、強みを伸ばすこと。第五に時間の管理である。
◆第一に、自己管理
すべてのプロフェッショナルに求められるのが「自己管理」。メモをして、目的や行動を常に意識しておく必要がある。自分を高める努力を怠らない。インプットの有効な手段の一つが読書で、プロセス思考を養う最良の方法。ただし、「読んで実践する」というサイクルを繰り返し、習慣化することが大切であるという。
◆第二に、働くことの意味を知り、第三に、何をもって貢献するかを考えること
日常生活においては、「どのように」働くかが優先され、「なんのために」がおろそかになりがちである。しかし、目的を見失った仕事ほど無駄なものはない。
「社会の公器として、事業を通じて社会に貢献する」ことが会社や組織の存在理由。お客様にとって価値のない仕事は意味がない。目的に目を向け、そこから自分の果たすべき貢献を考えることによって、初めて成果が上がる。
◆第四に、強みを伸ばすこと
成果をあげるには、強みを伸ばすこと。弱みを懸命に補強したところで、人並みになるのが精一杯。また、日本人ならではの「チームワーク」という長所にも言及している。
◆第五に、時間の管理
「成果をあげる者は、務めて時間を記録し、管理し、まとまった時間をつくる」。時間管理で大切なのは、最も重要なことから始めること。優先順位、スピード、効率性、現在価値―――何にせよ、時間の感覚が必要となる。


社保庁の誤りに見る、美術品の減価償却

◆美術品は減価償却しないのに・・・
日経朝刊10月31日付けの記事によると、社会保険庁が、公的年金の保険料などでつくった福祉施設にある「絵画」や「彫刻」などの美術品について、誤って減価償却を行い、資産価値を適正価格の10%で評価していたそうである。つまり、1億円で買った絵画などは、1千万円の評価しかされていなかったケースもあるということである。
これの何が問題かというと、以下のような点である。年金福祉施設については、「無駄遣い」との批判により、「年金・健康保健福祉施設整備機構」が288施設の売却を進めているが、この誤りによって、美術品の資産価値が低いまま売却される恐れがあったということである。ちなみに美術品は88点で、取得価格は総額1億3800万円あまりという。その他の施設でも、減価償却されていたそうである。原因は計算ソフトの誤りとのこと。まあ、全体の金額からみるとそれほどでもないようであるが、やはり大きな金額である。

高価なゴッホやピカソの絵などを想定し、ちょっと考えれば、「美術品の価値が減るようなことはない」ということは容易に推測できるはずである。まあ、バブルの時に買った高額な絵画が現在、半額になっているということなどもありえる話であるが、減価償却をして1割まで価値が下落するということは、なかなかありえないということである。こういった基本的な間違いを国の機関が行っているのであるからお粗末である。
しかし社会保険庁がこのような間違いを犯すのは、なぜか納得できてしまうから不思議である。たぶん公共法人なども、このような意外とお粗末な会計処理をしているのであろう。余談であるが、2〜3年前、武蔵野の社会保険事務所へ用事があって出かけたら、受付の案内のおばさんが、テレビを見ながら大きな声で反応していた。まさに、自宅でテレビを見ながらくつろいでいる感じそのものであった。こういう体質は、本当に組織に蔓延しているのであろう。もちろん、全ての人がそうではないのであろうが、やはり、組織が腐っていたのであろう。

◆一定の美術品は減価償却ができる
上記で、美術品が減価償却しないということを述べたが、これはあくまで原則で、減価償却ができるケースもある。法人税基本通達の条文をそのまま付すと、以下のようになっている。★(注)の部分に注目してほしい。この社会保険庁の愚かなミスをきっかけとして押さえておきたい。

7−1−1 書画骨とう(複製のようなもので、単に装飾的目的にのみ使用されるものを除く。以下7−1−1において同じ。)のように、時の経過によりその価値が減少しない資産は減価償却資産に該当しないのであるが、次に掲げるようなものは原則として書画骨とうに該当する。(昭和55年直法2−8「十九」、平元年直法2−7「二」により改正)

(1)古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
(2)美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等
★(注)書画骨とうに該当するかどうかが明らかでない美術品等でその取得価額が1点20万円(絵画にあっては、号2万円)未満であるものについては、減価償却資産として取り扱うことができるものとする。

日本人の読書

◆若者は本を読まなくなっている
読書週間で新聞各紙が行ったアンケート調査によると、この1ヶ月に一冊も本を読まなかった人が49%、特に20代の読書離れは過去最多で48%。20年前と比べて20ポイントも増えているのだという。

数学者でベストセラーの「国家の品格」などを書いている藤原正彦氏は、「教養を培うには本を読むしかない」という。藤原氏は、自分の学生たちが余りに本を読んでいないので、本を読ませる講座を始めたそうである。それも難しい本で。たとえば新渡戸稲造の『武士道』、内村鑑三の『余は如何にして基督教徒となりし乎』などを読ませ、感想文を書かせる。
一年たつと、学生たちは「自分がいかに本を読んでこなかったか、教養がないかということを悟り、猛然と本を読むようになる」そうである。

◆出版大国日本
それでも、日本の出版数はすごい。年間に出版される本の点数は、約7万3千点なのだそうである。一日に換算すると約250点。これはかなりすごい数字である。これは何を物語るかというと、日本ではまだ需要がある、つまり本を読む人が多くいるということ。それから、これだけ本を書けるような教養の高い人も多いということを意味するのではないのか。もっとも、本を書く人が全員教養のある人とは限らない。まったく教養のかけらも感じない本も多くあるからである。
しかし日本の若者が本を読まなくなったというのは、けっこう深刻な問題である。もっとも若者だけでなく、マンガとスポーツ新聞しか読まないという中高年の大人が多いことも確かである。きっと読む人は読むし、読まない人は読まないという「二極化現象」が、ここでも現れているのであろう。

(夕刊フジ06.11.2 花田紀凱 天下の暴論より)

ロボットが日本の経済を救う

◆ロボット稼動世界一
10月31日の日本経済新聞に、日本のロボット産業が世界のトップを走っているという記事が掲載されていた。ロボットに期待するところは大きいし、将来の日本経済に大きな影響を与えることは間違いないと思われる。以下のような内容であったのでご紹介したい。

日本は35万台余りの産業用ロボットが稼動する世界一の「ロボット大国」だそうである。ホンダの「アシモ」やソニーの「アイボ」のニュースなどを時々見かけるし、日本の企業がロボット研究で最先端をゆき、ロボット大国であるということは周知のことではあると思うが、その数値は群を抜いている。
国際ロボット連盟(IRF)によると、日本のロボット稼働台数は、2位のアメリカの3倍近くで、世界のロボットの実に42%が日本に集中しているのだそうである。
ただ、家事や医療福祉といった非製造業向けのロボット研究開発ではアメリカが先行しているそうである。軍事、宇宙開発などの国策があるアメリカに比べて、日本は研究開発投資がしにくい状況だからだそうである。

◆成長と労働不足解消の担い手
少子高齢化が世界一のスピードで進んでいる日本にとって、ロボットは労働力不足を補うものとして期待が高い。少子高齢化により日本の労働人口は激減するため、深刻な労働力不足を危惧する声も多い。この労働力不足の解消の担い手として、産業用ロボットには大きな期待がかかる。
たとえば、トヨタ自動車には「千手観音モデル」というロボットがあるそうである。これは2本の腕がそれぞれ6本の手に分かれ、その先に合計26本の指がある。回転する手が小さな部品をつかみ、組み立てていく。生産速度は人間の十倍だそうである。その千手観音モデルロボットが24時間フル稼働すれば、100万台で3千万人の労働力を賄えるのだという。いずれは実際に、これが現実の社会に実現するのではないのか。そうすると、多分、週休3日制、4日制も実現するのであろう。人間が働かないで、ロボットが代わりに仕事をするような、SFの世界もあり得ない話ではないような気がする。
それとともに、ロボットの国内市場は現在6千億円であるが、2025年には6兆円を超えるとの予想もあるそうである。そうなれば、日本経済の成長を左右する産業になるということもいえる。また2025年の予測市場規模については、製造業は1兆4千億円に対し、その他の分野が4兆8千億円に達するとの予測もある。

◆日本のロボットの源流は鉄腕アトム
以上のような日経新聞の記事であったが、日本がこれほどまでにロボット産業において、世界の最先端をいっているのは、手塚治さんの「鉄腕アトム」による「刷り込み効果・インプリンティング」の影響が大きいと、渡部昇一さんはその著作で述べていたのを覚えている。以下のような意味合いだったと思う。
日本のロボット研究を支えている40代、50代の研究者は、鉄腕アトムを見て育った世代である。手塚治さんの漫画全体に言えることは、「ヒューマニズム」である。一貫して暖かな人間愛・ヒューマニズムのようなものが流れている。その手塚治さんの代表作である鉄腕アトムなどは、その色がかなり濃く出ている作品である。鉄腕アトムというのは、ひとことで言えば「正義の味方」である。強いロボットでありながら、人間と同じような感情、心も持っている。
そのような日本人にとって、とても親しみのある、またヒーローといってもよい「鉄腕アトム」が「ロボット」なのであるから、日本の研究者たちは、すすんでロボットに対する研究に打ち込める。研究現場では、ロボットに名前をつけて、愛着を持って研究をしているそうである。また鉄腕アトムの他にも、「鉄人28号」「エイトマン」、そして「ドラエモン」などもいる。
しかし欧米など諸外国では、ロボットに対するイメージはそれほど身近で親しみやすいものではない。それどころか、マイナスのイメージもあるという。このような、ロボットに対する潜在的なイメージ、刷り込みが、日本のロボット産業を世界一にした大きな要因の一つであるという。
このようなことを渡部昇一さんは言っていた。確かにこれはあるのだろうと私は思う。日本のロボット産業に期待するところはとても大きい。

十年偉大なり、掃除の力・・・イエローハット創業者、「鍵山秀三郎」

◆掃除に人生を学ぶ
掃除をビジネスの基本に置く経営者経営者は意外と多い。掃除がビジネスに与える好影響というものを知っているのであろう。イエローハットの創業者(現相談役)の鍵山秀三郎さんもその1人である。その1人というより、第一人者といっても過言ではないようである。掃除のプロといってもよいのかもしれない。
この鍵山さんは、現在73歳。93年に岐阜県の中小企業経営者の人たちとともに「掃除に学ぶ会」を発足。それから十余年、「地域の学校のトイレや公園を掃除し、自分の心を磨き、社会をよくしよう」という志を抱く人の輪は広がり、年間十万人が参加しているそうである。

◆人間は見ているものに心が似ていく
「掃除道」へのきっかけは、二十代で会社を創業したのがきっかけだったという。
創業時に入社してきた社員は、いろいろなところを渡り歩いた人が大半で、心がすさんでいる人もいた。彼らに心穏やかに働いてもらうにはどうしたらいいか考えた結果、「職場をきれいにすれば社員の心も変わる」と考えたそうである。言葉や文章で伝えるのが下手だったということもあるという。
「人は見ているものに心が似ていくから、荒れ放題の中にいればどんな人でも気持ちが荒れるし、清められたところにいれば心も和むものだ」と鍵山さんは言う。

◆十年偉大なり
意を決して、会社に朝早く行って、従業員の車を全部洗い始めたという。最初は従業員は関心を示さないどころか、トイレ掃除をしている横で平気で用を足したそうである。何度もやめようと思ったが、一年、五年、十年と続けるうちに社員たちに変化がでて、車やトイレの掃除を徹底してやるようになったそうである。そして、美しいトイレの心地よさを感じると、オフィスもきれいにするようになり、さらには会社の周辺の掃除まで始めたという。さらに、社内の協調性や連帯感も生まれたそうである。まさに好循環である。
あるとき「十年偉大なり、二十年畏るべし、三十年歴史なり」という言葉を読んで、鍵山さん自身の人生もその通りだと実感したという。

◆信念をもって継続する
以上は06.10.30日経夕刊「人間発見」の要約である。
前述のように、掃除を会社の経営理念に掲げて実践している経営者は意外と多い。また、荒れた大阪の松虫中学を陸上日本一に育て上げた、カリスマ体育教師といわれる原田隆史さんも、掃除や服装それから靴をきちんと並べたりする、「生活態度」を重視している。明らかに環境を整えることによって、心理面・精神面に、目に見えない大きな影響が及ぶようである。掃除をすることによって、心もピカピカに磨かれるのかも知れない。このようなことを本気で実践している会社というものは、業績や人間環境も良好な場合が多いはずである。
また創業期の会社というものは、やはり人材の確保で苦労する。優秀な人間はまず採用できないし、能力の劣った人や心がすさんだ人が多いというのが一般的である。このような環境の中で、社員の心まで変えてみせたのであるから、鍵山さんはすごい。そして、信念を持って続けるということが、とても偉大な力を発揮するということを感じさせられた。まさに「十年偉大なり、二十年畏るべし、三十年歴史なり」である。

問題意識を持った人のみの話し合いは、意思決定の効率を高める

問題意識を持った人のみの話し合いは、意思決定の効率を高める

◆信越化学工業のケース
信越化学工業は7年連続最高益をあげた優良企業として有名であるが、その信越化学工業を優良企業に押し上げた金川千尋社長は、信越化学の意思決定が速い理由を次のように述べている。
「わが社の意思決定はいつも速いのですが、これには理由があります。よくあるように事業案を会議にかけ、全役員がそろって相談するといったことはしません。そんなことをすれば異論が百出し、結論が出なくなってしまいます。事情をよく知らない人の一般論などは重要ではないのですから、事情を本当に理解している人間同士で話をすれば、それで充分です。そこから出た結論について、トップである私が全面的に責任を負い、事業を決めてしまいます。ですから、意思決定が速くなるわけです。」

◆旭山動物園のケース
また、昔は閑古鳥が鳴いた旭山動物園を入園者数200万人超の、日本有数の動物園に育て上げた小菅院長は、昔、旭川市役所から「有識者や市民の代表を集めた懇話会」を開き、その意見を参考にするようにアドバイスを受けたそうですが、それは徹底して拒否したそうである。
理由は「どうせ、また新しい遊園地を併設するという話が出てくる。われわれの動物園に対する思いがそれによって薄まるのがいやだった」からということだそうです。結局、本当に問題意識や見識を持っている人が話し合わないと、一般論しか出てこないでおかしな方向に進んだり、時間のムダになるということが多いのである。

◆非公式なコミュニケーションを大事にする
結局、会議などはむやみに多くの人数で行うものでなく、事情をよく知って理解している人や、当事者意識を持った人だけでやったほうが、より良い意見や考えが出て、話がスムーズかつ迅速にまとまりやすいということがあるのだと思う。
公聴会などで知らない人が意見を言っても、一般論しか出てこないケースも多く、かえってくだらない一般論が多数意見となって、おかしな方向へ行ってしまうということだってある。
また、会議を行うより、その問題に直接かかわる当事者間や見識を持つ人のみで、非公式な打合せをしたほうが、迅速でよりよい意思決定が出来るケースが多いということである。例えば、ホンダやキャノンなどが行う「ワイガヤ」や、非公式なコミュニケーションなどの効果が高いなどというのも、このような所から説明できるかもしれない。
人が多ければいい意見が出るというものではない。問題意識を持った人たちだけで。少人数で意思決定をしたほうがいい意見が出て、かつ、迅速な意思決定や行動につながるということである。そのためには、非公式なコミュニケーションも重要である。

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