税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

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2007年01月

公正証書遺言には意外とミスが多い

(日経朝刊07年1月15日号より)
◆約6割に何らかのミスが
ある弁護士らが、法務省が毎年公証役場で実施している立ち入り調査結果の開示を求めた。その開示された「公証役場閲覧結果報告」(2003年度)から、全国552人の公証人のうち、約6割の328人について、何らかの業務上の不備があったという。これは決して少ないものではないという。またこの調査結果は氷山の一角であるということである。
ちなみに公証人とは、法相が裁判官や検察官、法務省などの事務官経験者などから任命する公務員で、作成する公正証書も公文書として高い信用力があるものである。

◆公正証書が無効になりかねないミスも
その公正証書のひとつに「公正証書遺言」がある。相続の際に、遺言証書として遺産配分の決定に大きな威力を発揮するものである。
公正証書のミスには、誤字脱字などの軽微なものも多いようだが、中には「遺言公正証書」で本人の実印と印鑑証明が異なるなどの重大なミスも、1割程度はあったということである。

昨今、遺言書を作成するケースが増えている。特に公正証書遺言は、証拠能力の高いものとして、高い信頼性を得ている。しかし、無効になりかねないミスもあるということである。公正証書遺言を作成する場合、完全に信用することは危険で、注意が必要であるということである。

女性経営者の特性は、現代の経営者に必須の要素

スカンジナビア航空の復活の軌跡を中心に描いた『真実の瞬間』という有名な本で、ヤン・カールソンは次のように述べている。

◆今日のビジネスリーダーには人的資源の管理が必須
今日のビジネスリーダーは、財務や生産、技術だけでなく、人的資源も管理しなければならない。明確な目標と戦略を策定し、それを従業員に伝え、目標にそった従業員教育を行えば、リーダーは柔軟で、革新的な企業体質を培う健全な職場環境をつくることができる。したがって、新しいビジネスリーダーとは、他人の意見の聞き役、意思伝達者、人材教育者であって、自らすべての意思決定を行うというよりは、むしろ適正な企業環境を作り出すことのできる、人々をやる気にさせるオープンな経営者である。

◆女性特有の資質が不可欠
かつては、そのような手腕は女性に特有なものとみなされていた。昔の農業社会では、家族と共同体との良好な関係の維持は女性の役割だった。しかし、その女性の直観力と他人に対する思いやりは、今日の経営者にとって必須の資質なのである。だが残念なことに、それは一朝一夕に身につけられるものではない。

以上が『真実の瞬間』からのヤン・カールソンのリーダーシップ論の一部の引用であるが、女性特有の「直観力」や「他人に対する思いやり」などが不可欠と述べている。バランスのいい経営者は、男性でもこのような能力を持ち合わせているが、多くの女性はこのような能力に秀でているのであろう。
ということは、女性は経営に向いている要素が多いということであり、これから女性の経営者の活躍の場は、日本でももっと増えていってほしいし、増えていくのであろうと感じた。

顧客志向の時代のリーダーの役割・・・『真実の瞬間』ヤン・カールソンより

『真実の瞬間』ヤン・カールソン(ダイヤモンド社)より

◆社員の役割分担が根本的に違ってきている
顧客志向の時代のリーダーの役割をヤン・カールソンは的確な言葉で説明している。ヤン・カールソンは、以下のように述べている。
社員の役割分担が根本的に違っている。機構は分権的で、これまで企業ピラミッドの底辺で命令に従っていた従業員に、責任が委ねられる。つまり、伝統的な階層的企業構造が、横割りの機構に変わり始めているのだ。製品ではなく、顧客が主導するサービス業界では、ことにその傾向が強い。

◆経営者の役割は変革を促すこと
顧客本位の企業になるには、最前線の従業員がさまざまな面で変わらなければならない。しかし、そうした変革を率先して促すのは経営者の役割だ。従業員が自信をもって職責を引き受け、手際よく任務を遂行できるような環境をつくることに意を注ぐ、真のリーダーになることが経営者の責任となる。経営者は、従業員とのコミュニケーションを密にして、自社のビジョンを伝え、そのビジョンの実現のために従業員が何を必要としているかに耳を傾けなければならない。成功するためには、経営者はもはや孤立した、官僚的な意思決定者で入られない。ビジョンをもった戦略家、情報提供者、教師、そして鼓吹者でなければいけない。

◆顧客ニーズに迅速かつ親切に対応できるように
経営者は、問題分析、資源管理、そして最も重要な最前線の従業員に対するサポートと言った職務を中間管理職に委ねる。事実、管理職の責務を熱意をもって引き受けようとする有能で、教育水準の高い新種族に属する若い人々には大きな可能性がある。私たちは、その新種族に真の責任を課し、敬意と信頼を示して、新しい企業経営で積極的な役割を演じてもらわなければならない。
また、最前線の従業員には、顧客ひとりひとりのニーズと問題に対応する権限を与えることが必要である。最前線の従業員を適正に訓練し、顧客のニーズを迅速に、親切に対応する権限を与える。
このように責任を再分配すれば、企業は、真実の瞬間を最大限に生かすことができる。満足した顧客の数が増え、重要な市場での優位性が確保される。

◆スカンジナビア国家の躍進の秘密を垣間見た
上記の文章は、すべて『真実の瞬間』から引用したものであるが、作者のヤン・カールソンは、この手法でスカンジナビア航空の再建を見事に果たしている。そして、このようにも述べている。『私が本書で実態を明らかにしている経営環境の変化が、アメリカよりもスカンジナビアで急速に進展しているからだといえる。』
このように述べているが、この本が日本で出版されたのが、1990年のこと。このヤン・カールソンの行ったような変革が、実際スカンジナビア諸国で多くおこなわれ、これが北欧諸国の躍進を物語っていると感じた。

本物のサービスを提供する企業は末端の従業員を大切にする

◆本物のサービスを提供する企業
本物のサービスを提供する企業がある。アメリカのサウス・ウエスト航空、アイルランドのスーパー・クイン、ノルウエー、スエーデン、デンマークスの北欧三国が運営するカンジナビア航空、リッツ・カールトンホテルなどがそうである。
今あげた企業は、とても優れたサービスを提供する企業として有名である。そして、これらの企業に共通したことがある。それは、一番最先端の現場に立つ従業員をとても大切にするということである。

◆現場の従業員が一番大切な顧客との接点となる
たとえばリッツ・カールトンホテルでは、顧客と最初に接点を持つのは「ベルボーイ」であるとして、ベルボーイに優秀な人材を配置する。スーパー・クインでは、お客様とそのお客様との接点を持つ現場の従業員を組織図の最上位に位置づけている。スカンジナビア航空では現場の従業員にかなりの権限委譲をおこなっている。サウス・ウエスト航空も従業員に情報を与え、従業員が本当にプライドを持ってそれぞれの業務に取り組んでいる。

◆従業員を活性化するのがリーダーの役割
このように、本物の顧客志向、顧客サービスを標榜する企業は、例外なく現場の従業員を大切にし、大幅な権限委譲を行っている。そして、現場の従業員にビジョンを与え、活性化し、権限委譲をおこないその能力を引出すということが、リーダーの大きな役割となっている。顧客志向の企業のリーダーの役割とは、顧客のニーズを満たすため、現場の従業員がプライドを持って仕事を出来るように、その能力を最大限に生かすようにすることなのであろうと感じた。

仕事が変わればやり方も変える

◆ピーター・ドラッカーの言葉
ピーター・ドラッカーは、企業内で昇進して、そのまま駄目になってしまう人がとても多いといっている。それは、仕事の内容がまったく違うからである。仕事が変わればやり方を変えなくてはならないのに、同じように対処してしまうからである。今までと同じことをやっていてはいけないということなのである。
しかし、人は成功体験を引きずるものである。自分が成功した同じ方法を用いようとするものである。それによって今度は失敗するということも出てくるということである。
企業内の昇進ではないのであるが、社長として性格の異なる三つの会社の再建を果たした、ヤン・カールソンの話もまた同じように、異なった仕事には異なった取り組みが必要であるということを意味すると思う。以下のようなものである。

◆独自の市場ニーズを捉えることによって三社の再生を果たす
スカンジナビア航空の社長として、同社を赤字から黒字転換させたヤン・カールソンは、スカンジナビア航空社長に就任する前に、ヴィングレソール社という旅行会社とリンフェネ社というスエーデンの国内航空会社の二社の再生も行っている。赤字から見事に黒字転換させているのである。ヤン・カールソンは次のように述べている。
「私が再建に力を貸した三つの会社は、すべて旅行関連企業だった。私が成功したのは、マーケティング手法が功を奏したからだという人もいるが、じつをいうと私は、性格が大いに異なる三社のそれぞれの問題を解決するのに、同じ手法は用いなかった。むしろ、それぞれの会社を独自の市場のニーズに応えるように方向転換させたからこそ成功したのだ」と。

若くして経営幹部に抜擢される人が陥る共通の罠

◆ヤン・カールソンの場合
20代、30代という若さで大きな組織の幹部や経営者に抜擢される人がいる。そういう人は確かに優秀なのであろう。しかし若さゆえに陥る共通の「罠」、陥穽とでもいえるものもあるようである。
たとえば、ペストセラーとなったスカンジナビア空港の復活劇の軌跡を書いた『真実の瞬間』(ダイヤモンド社)という本がある。その著者「ヤン・カールソン」は、ヴィンゾネール社、リンフェネ社、スカンジナビア航空という三つの旅行関係の会社を再建した。
最初にヴィンゾネール社という旅行代理店の社長に就任したのであるが、その時若干32歳という若さであった。1400人の従業員がいるが、当然、その多くが同年輩、又はそれ以上の年齢である。

◆プライドとプレシャーが先に来る
ヤン・カールソンは次のように述べている。『私が他のものよりも優れた特性を持っていたわけでもなく、私が社長になる明白な理由は見当たらなかった。私は心配だった。人々に受け入れてもらえないかもしれない。失敗するかもしれない、という不安がつきまとった。』
そしてヤン・カールソンは『社長としてふさわしいと考える行動をとることにし、スタッフを招聘し、厳しい指示を与えた』そうである。このような態度をとる他、経営方法を知らなかったという。

◆ありのままの自分が抜擢の理由
ある日、ある社員が社長室にやってきて話をしたという。『一体何をやっているんだい。君が社長になったのはなぜだと思う。別の人間になるためかい。いや、けっしてそうではないね。あるがままの君が社長にふさわしいから、社長になったんだよ!』。この社員は実は、ヤン・カールソンのために「格下げ」された人物であった。そして『この人物の勇気と率直さのおかげで私は、社長という新しい役割を果たすのに自分を変える必要がないことを悟った』とヤン・カールソンは述懐している。
それが転機となり、ヤン・カールソンは本来の自分を取り戻し、大胆に経営を行う自信をつけた。それから会社は創立以来の最大の利益をあげることができたそうである。

◆松下電器、中村会長はドラッカーの書物が転機に
松下電器を再建した中村会長も、20代後半に三重県の販売会社の経営を突然任されたという。常務として赤字の会社を再生させることがミッションであった。
80人ほどの社員がいて、ほとんどが年上だったそうである。とにかく目の前の赤字を何とかしなければという強烈なプレッシャーで、周囲にかなりキツイ言葉をはいたり、一人空回りをする日が続いたそうである。
そんなときに出会ったのが、ピーター・ドラッカーの『経営者の条件』であった。一読して目から鱗が落ちたそうである。
それは「強みによって人を配置し、いかに成果を上げてもらうかを考える、優先順位と劣後順位を決める、アクションプランを理解してもらう―――」、どれもがその時の中村会長の悩みに応えるものであったという。それから事態は好転し始めたそうである。

◆若さゆえの壁は第一関門、それを破ると大きく伸びる
ヤン・カールソンにしても、松下の中村会長にしても、若くして経営幹部に抜擢されたのは、ひとことで言って優秀だからであろう。会社の幹部なり経営者なりが、「この人間ならやってくれるだろう」と見込んで指名したのであろう。
しかし、若くして経営者に抜擢されると、まずプレッシャーやプライドに邪魔され、また知識不足から周囲に必要以上に命令的、高圧的な態度に出てしまうというパターンが多いようである。
そのためそれを克服できずに、自分の本来の能力を発揮出来ずに終わってしまう人も多いのであろう。ヤン・カールソンの場合、部下のひとことが転機になったし、中村氏の場合、ピーター・ドラッカーの書物に教えられた。そして、この二人は大会社の社長にまでのぼりつめ、見事に会社を再建させている。
こういう人たちでも、若い頃の抜擢には、未熟さやプライド、プレッシャーが壁となって、立ちはだかっている。そうでない人もいるのかもしれないが、一般的にそれを乗り越えるのが、一つの課題なのであろう。そしてそれを乗り越えた人は、大きく成長するのであろうと感じた。


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