税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

税務・会計はもとより、経営戦略・戦術、起業、医療問題、その他雑談、ぼやき等、中小企業経営に役立つ話題を中心にお送りする、武蔵野、三鷹近辺で活動する税理士・中小企業診断士のブログです。中小企業経営者、これから起業を目指したいと考えている皆様に「とても役に立つ(かもしれない)」と思われる話題を提供できるよう、日々、精進に努めさせていただきます。

2007年04月

日本の労働生産性の低さ

(日経朝刊 06.04.11より)
◆労働生産性、米国の7割という低さ
日本の労働生産性は、2005年時点で米国の7割程度と、主要国で最低水準にとどまっているそうである。就業者の多い、卸・小売業・運輸などサービス分野で低迷が目立ち、2000年以降、米国との格差は広がる一方とのこと。原因としては、IT(情報技術)の活用や規制緩和で差がついた可能性が高いそうである。
米国を100とすると、ユーロ圏87、英国83、OECE(経済協力開発機構)加盟国平均75、日本71で最低水準となっている。

◆サービス業、中小企業が際立って低い
米国との比較を産業別に見ると、飲食、宿泊が米国の40%、卸・小売・運輸などの生産性が50%以下と大きな差が出ている。この差は2000年以降に広がっているそうである。米国ではこの時期に、流通や金融業界を中心に、サービス業がITを活用して、業務や組織の効率化を進めたのが大きな差がついた要因としている。
こうしたサービス分野は、日本の就業者数の4割を占める。内閣府は「米国が非製造業者の生産性向上で成長力率い上げを実施したのに対し、日本はサービス分野を中心に、非製造業の生産性が伸び悩んでいる」と見ている。
また日本の場合、企業規模別に見ると、資本金一千万円未満の中小企業の労働生産性が資本金一億円以上の大企業に比べて相対的に悪化する傾向が1990年代後半から続いているそうである。

◆原因はいったい何なのか?
しかし「労働生産性が低い」といわれても、ピンとこないところがある。労働生産性とは、「就業者一人あたりが、どれだけの付加価値を生み出したか示す指標」ということである。飲食・宿泊の労働生産性がアメリカに比べて40の水準というのは、いったいどういうことなのだろうか?などと不思議に思ってしまう。一般の飲食店などを想定してみてもよくわからない。いったいどうすればいいのであろうか。従業員を減らせばいいというのか?けっこう、日本の飲食店の従業員は目いっぱい働いているような気もするのであるが・・・。時給がアメリカより高いということもあるかもしれない。

政府の経済財政諮問会議では、「生産性加速プログラム」なるものをまとめて、今後5年間で生産性の伸び率を5割高める目標を設けるのだそうである。ITの活用や規制緩和などで中小企業を中心とするサービス分野の効率化をどれだけ支援できるかが焦点という。

女性労働力白書から見えるもの

(日経朝刊07.04.21より)
2006年版女性労働力白書というものが厚生労働省から発表されたそうだ。正確には「2006年版働く女性の実情」である。少子高齢化社会に突入して、労働力人口(15歳以上の人口に占める働く意思を持つ労働力人口の割合)の減少が危惧される中、女性や高齢者の活用、IT活用などによる労働生産性の向上が必要とされ、また期待される。
その女性労働力白書には、女性労働力率の上昇や女性の起業の実態が示されているそうである。要旨は以下のとおり。

◆女性の労働力率は48.5%と上昇
06年の女性全体の労働力率は、48.5%と前年比で0.1%の上昇、直近の底04年の48.3%から少しずつ上昇。特に結婚や出産・育児の時期にあたる25〜39歳の労働力率が上昇している。年齢別には25歳〜29歳は75.7%で10年前より7.8ポイント上昇、30歳〜34歳は62.8%で8.0ポイントの上昇とのこと。

◆政府は大幅アップを目標
日本の働く女性の割合など、女性の活用は明らかにアメリカなど先進国の中では遅れをとっていると考えられるが、政府の経済財政諮問会議は25歳〜44歳の既婚女性の就業率(総人口のうち実際に働いている人の割合)を06年の57%から10年で71%に上げる目標を掲げているそうである。

◆女性の起業の特徴
興味深いのは女性の起業の特徴である。起業を希望する人と実際に起業した人の割合が、男性は13%だったのに対し、女性は27%にものぼった。男性の2倍以上という計算になる。しかしながら、廃業する割合も女性が男性の2倍程度なのだそうである。経営知識やノウハウ不足などが壁になっていると見られると分析している。そのほか、やはり開業時の見込みの甘さみたいなものもあるのではないかと私は思う。事業計画も戦略もなく、簡単に開業する人も、男性に比べて多いのではないのか。
白書は、「女性の起業は今後、社会に大きな活力を与える可能性を秘めている」「女性のチャレンジに対する支援が必要」と指摘している。

ブランド認知が脳に与える影響・・・脳の前頭葉や海馬が強く活動

◆ブランドに関する興味深い実験
米ベイラー大学のリード・モンタギュー教授らは、ブランドに関して以下のような脳の科学的な分析を行った。ブランド名を聞いただけで、脳に一定の刺激が生まれるという、興味深いものである。

◆ブランド名を教えただけで、脳が刺激される
コカコーラとペプシコーラ、どちらか一方のファンという人を集め、好きなほうを飲んでいるときの脳の活動を磁気共鳴画像装置(MRI)で測定した。
コカコーラ好きの人で、ブランド名を教えた場合とそれを伏せた場合を比較したところ、前者の場合だけ脳の前頭葉や海馬が強く活動していた。このため、これらの部分はブランドの認識にかかわっていると見られる。
一方、ペプシ好きの人の実験では、ブランド名がわかってもわからなくても活動はなかったそうである。「ペプシファンは、味で製品を選び、コカコーラファンは、ブランドの影響を強く受けているのだろう」と教授らは分析する。

◆ブランドの持つ力
このように、脳科学を販売戦略や製品開発に生かそうという研究は「ニューロマーケティング」と呼ばれ、ここ数年で急速に発展してきたものだそうである。
興味深い実験結果であるが、「ブランド」というものはコカコーラのファンが示したようなものかもしれない。たとえば「グッチ」とか「エルメス」などの高級ブランドファンなどもそうなのではないのか。もちろん品質が良いのはもちろんであるが、それ以前にその名前を聞いただけで、脳に刺激を及ぼし買ってしまうとか、そういう心理状態になるものなのだろうと感じた。
これは「顧客ロイヤリティ」ということにも通じるのであろう。熱狂的な特定ブランドのファンという人を時々見かけるが、やはり、脳や心理状態に大きな影響を与えているのである。
このようなブランド認知力を持った商品はとても強い。また、このようなブランド認知力を持ちたいものである。
(日経朝刊 06.11.06より)

レジ専門のニッチな人材サービス「チェッカーサポート」

(日経朝刊07.04.09「新進気鋭」より)

◆従業員派遣後の技能向上がポイント
レジ業務専門の人材サービスを展開して業績を伸ばしている会社がある。東京江東区にある「チェッカーサポート」という会社である。大丸やイトーヨーカ堂、京王百貨店など流通企業約60社と契約しているという。人材派遣でもこのようにニッチ戦略で、他社と差別化して業績を伸ばしている興味深い事例である。
チェッカーサポートの伏見啓史社長は「接客時の顧客満足をいかに高めるかが重要」と強調する。「従業員を派遣した後の技能向上を怠る人材サービス会社が多い」そのため派遣先の流通企業で従業員を教育する負担が増しているという。そこに目をつけて事業を起こしたのだという。そのため以下のような「従業員の技術向上のためのシステム」に力を入れている。

◆接客態度評価の専門部署、時給に反映
同社は従業員の接客態度を評価する専門部署「CS部」を設け、従業員の技能向上を継続しているそうである。
CS部にいる十三人のスタッフが、業務を請け負う店舗を毎月170店舗巡回し、自社従業員の接客態度などを覆面審査する。審査項目は、笑顔や声の大きさ、お辞儀など5項目の接客態度を5段階で評価。評価結果は、全従業員に公開し、「自分の接客態度を客観的に判断してもらう」のだそうである。また評価結果を時給にも反映するそうである。

◆正社員を現場管理者として常駐
また業務を請け負う場合、20〜30歳代の社員を現場管理者として常駐し、従業員のスケジュール調整や接客態度を指導する。それが「大学生やフリーターなど若い従業員と同じ目線で仕事ができる」ため、現場の一体感の強化にもつながっているそうである。

◆レジは顧客と接する数少ない重要なポジション
セルフサービスが一般的なスーパーでは「レジは顧客と接する数少ない場所」(中堅スーパー)のため、自前運営にこだわるスーパーも多いという。それだけに「接客態度の質が問われる」という。このような「接客態度の評価」や「正社員の常駐」は、派遣スタッフの質を高めるのに大きく役立つのであろう。東急ストアでは、約20店のレジ作業を業務委託するが「自社従業員と同じレベルの接客態度」と評価しているそうである。

◆レジ業務以外の派遣も
レジ業務以外でもスーパーでの需要が増し、鮮魚や精肉など技術者の派遣にも力を入れているそうである。また、接客態度を向上させるノウハウを活用して、企業のコンサルティングも展開する考えだそうである。
会社データ:設立2002年1月、売上高60億円(2007年3月期見込み)、経常利益1.5億円(同)、従業員数約180人(登録従業員除く)

家計調査は信用できるか

総務庁が行う「家計調査」というものがある。政府が経済・社会政策を立案するための基礎資料になるという。そのほか、家計調査から算出されたデータをもとに、様々な分析がなされることも多い。しかし、この「家計調査はあまり信頼できない」ということもよく耳にする。

平成19年1月4日の日経新聞朝刊の第一面「ニッポンの家計イエコノミー」には、以下のような興味深い記事が掲載されている。
「これじゃあ我が家の消費は反映されない」と、都内のある会社員男性があきれているという。たとえば商品やサービスの分類、DVDやパソコン、デジタル家電は細かく分類されているのに、教育費は「授業料」のみ。学童保育、進学塾、ベビーシッターなどの支出も十数万円あるのに記入欄がない。また、スーツ上下の記入欄はあるのにブレザーの欄はない。また、自分が支出したのではなく、孫のために祖父母が買ってくれたものも多い。
「家計の姿も刻々と変わるのに、昔のままのメガネで政府は私の顔が見えるのかね」。そのように結んでいる。

つまり調査の対象となる商品やサービスの分類が実態を伴っていなかったり、自分ではなくて両親が買ってくれた高価な商品なども調査対象となっていない。特に、サービスの支出などは、これからもっと増えるし、きめ細かな分類が必要なのではないのであろうか。それから、調査の対象となる「世帯」も比較的裕福な家庭も多いのではないのであろうか。また、調査の対象となる「世帯数」もかなり少ないのではないのであろうか。このようなデータをうのみにして「経済・社会政策」を立案しているとしたら、かなり問題も生じてくるのではないのかと感じた

ナンバーワングルメサイト、「オーガニックサイバーストア」の秘密

ナンバーワングルメサイト、「オーガニックサイバーストア」の秘密

◆ヤフー、楽天でナンバーワンサイト
ヤフーショッピングや楽天市場の飲食・グルメランキングで常に上位にランクされているインターネットサイトがある。「ドゥマン」が運営するサイト「オーガニックサイバーストア」(池田俊宏社長)である。
ヤフーショッピングでは、年間・下半期ベストストア食品部門カテゴリー第一位、楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2006年食品ジャンル賞などを受賞。ほかにも「今すぐ食べたいデザートランキング56週連続一位」など、インターネットのケーキや洋菓子、野菜などの食品販売でグルメランキングの常連となっているサイトである。
今年、平成19年は、売上げ10億円台を突破する見込みとのこと。一日にこのサイトだけで、数百万から1000万円を超える売上げを稼ぎ出すということだ。

◆きっかけは「シュークリーム」とマーケティング
この快進撃のきっかけとなったのは、04年にモデルチェンジして売り出した「濃厚ミルクシュー」。この商品はまた、ビジネスモデル・マーケティングを新たにして挑んだ最初のものであったという。新たなマーケティング戦略とは以下のようなものである。
まず、複数の工場から出来上がる新商品の案内をメールマガジン会員40万人に送り反応を見る。それが4日で100個売れなければ不採用とし、週に100個売れればプロモーション費用をつけ大々的に売り出す。そしてショッピングサイトで一位を獲得すれば、すかさず類似商品を投入し、二位三位以下まで一気に独占してしまうというものである。さらに、他社が追随してくる前に価格を下げてしまうのだという。つまり、他社に類似品などを投入するなどのミートされる前に徹底した対策を打つのである。
これがオーガニックサイバーストアの主な戦略なのだそうである。

マクドナルドのレイ・クロックに見る権限委譲の本質

◆権限委譲か独裁(ワンマン経営)か
マクドナルドの創業者、レイ・クロックの自伝『成功はゴミ箱の中に』に、彼の権限委譲に対する考え方が述べられている。以下のようなもので、大変興味深い。そのまま文章を引用する。
「私は、職権というのはいちばん下のレベルにいる人の手にあるべきだと常に考えていた。店にいちばん近い立場にいる人間、本部に指示を仰がずとも決断できるべきだと。」
「しかし、ハリー(マクドナルドの創業当時からの財務担当者)の考えは異なっていた。彼は本部が下を締め付ける、独裁的な支配体制を取ろうとした。」

◆人と企業をともに成長させる方法
「私は職権を仕事とともにあるべきだという態度を保持した。確かに間違った決断も犯してしまうだろうが、それが人々を企業とともに成長させる唯一の方法なのだ。押えつけようとすれば、息が詰まってしまい、良い人材はよそへ流れていくだろう。私は自分自身の経験からこの点において確信を持っていた。企業は、マネジメントを最小にとどめることで、最大の結果が生まれると信じていた。マクドナルドでは今日では、この規模の企業にしては珍しく、最も組織化されていない企業である。」

つまり一言で言うと、
仝限委譲によって人も組織も伸びていく。
逆に権限を集中し、押えつけることによって、良い人材の流出も多くなる。
ということだと思う。
このような「権限委譲」のシステムを取り入れたことも、マクドナルドが世界的な大企業になった要因のひとつかも知れないと感じた。

マクドナルドのレイ・クロックに見る、人を見る洞察力

◆人は直観力で選ぶもの
マクドナルドの創業者レイ・ロックは、人物を見るうえでもとても優れた洞察力を持っていたようである。レイ・ロックはその自伝『成功はゴミ箱の中に』で、以下のように述べている。
「私はセールスマンとして実践の場で培った勘と、主観的人物評価を頼りに突き進んでいくタイプだった。私が重要ポストに選んだ人間が、会社の隆盛に大きく貢献したため、何を基準に経営陣を選んでいるのかとよく聞かれた。」
「しかし口で言えることは、経営学の教科書に書かれているようなありふれたものであり、つまらない答えになるだろう。選択基準を言葉で説明するのは非常に難しい。教科書やルールで明確に定められたものではなく、状況に応じて直感的に判断されるものだからである。」

◆その人の服装から見えるもの
レイ・クロックは、ある従業員を解雇したときのことを例えとして、次のように述べている。
『独断的だと非難されたこともある。たとえばある女性役員は、私がある従業員を解雇したのは、彼がきちんとした帽子をかぶらず、靴の手入れが行き届いていなかったからだと信じていた。確かに私は彼の格好が気に入らなかったが、それを理由に解雇したわけではない。彼はミスを頻繁に犯していた。帽子や靴の件は、彼の「ずぼらな思考の表れ」であり、彼がマクドナルドにふさわしくない人材だとわかっていたのである。』

レイ・ロックは、解雇した人物のミスの多いどころや、服装が行き届いていないところ、そのほか全体的な雰囲気から、その解雇した人間の「ずぼらな思考や本質」を見抜いて解雇したということである。けっこう深いものであり、通常の人間はそこまで見ることはないから、解雇した理由というものを表面的にしか判断できないということなのであろう。

豆乳クッキーで売上高100億円を目指す企業

◆2006年度売れ筋ランキング一位
主力商品の豆乳クッキーで、今期売上げ100億円突破見込みの企業がある。「健康コーポレーション(瀬戸健社長)」という会社である。インターネット仮想商店街「楽天市場」では、「2006年度の売れ筋ランキング」で第一位に選ばれたそうである。2006年6月には札幌証券取引所アンビシャスへ上場を果たしている。
この主力商品の「豆乳クッキーダイエット」は、500円玉の大きさのクッキーが7枚入った一食分が、9セットで5300円。おいしいのはもちろんだが、満腹感が持続するということで満足感が高いのだそうである。

◆健康にターゲットを絞る
この健康コーポレーションの瀬戸健社長の実家は、北九州市でパン屋兼なんでも屋を営み、少の頃より「自分でパンを仕入れ、学校で高く売って小づかい稼ぎをしていた」という。「28歳までに上場企業の社長になる」と決め、24歳で事業家としての第一歩を踏み出した。学生時代に健康食品ブームが高まり「長寿国日本は、諸外国と比較して、老若男女が健康に関心を持っている。健康こそ、将来有望な事業領域ではないか」。そう考えて、健康にターゲットを絞った。

◆ネット通販で起業、資本金が底をつく
瀬戸社長は健康食品のネット通販事業に打って出た。商品第一号は「大豆成分の入ったサプリメント」。親戚しか購入してくれる客はおらず、月商は30万円、ひどいときには月に300万円の赤字。900万円あった資本金は、ほとんど底をついたそうである。

◆あるきっかけで「大豆クッキー」に火がつく
意外なところで、現在のクッキー商品群の原型である「大豆クッキー」がばか売れした。
それは「サプリメント」の購入客にプレゼントしていたものであった。それが「ヘルシーでおいしい。ぜひ、売ってくれないか」という問い合わせが殺到した。そして、ただちにダイエット食品として、クッキーを商品化したそうである。それが現在の「豆乳クッキー」となったわけである。

◆マーケティング力の強化
瀬戸健社長は、「いくら商品力があっても、モノを売る力、マーケティング力がないと売れない」ということを強く感じたそうである。実は、売れ筋ナンバーワンを獲得した「楽天市場」での売上高は、全売上高の1割を占めるに過ぎない。自社のサイトやチラシのほうが売上げに貢献しているそうである。とりわけ、新聞の折り込みチラシや通販カタログ向け広告、雑誌広告などの、紙媒体を介した通販実績が急進しているという。

◆チラシ広告の妙
とりわけチラシ広告の作成方法は興味深い。
ひとつの商品を宣伝するために、30通りものチラシを作成し、地域限定して配布する。そのなかで、もっとも販売実績につながるチラシを選んで、一気に全国展開するそうである。「最小のコストで最大の売上高を獲得する仕組み」である。

◆広告費は売上高の約6割
しかし、広告宣伝に費やす金額は半端ではない。「最小のコスト」などといいながら、売上高の約6割も費やすそうである。前期のネット広告ランキングでは、全上場企業のうち大手自動車メーカー、消費者金融などに続く第4位である。また、季節的にもメリハリをつけ、ダイエット効果意欲が高まる夏に集中的に広告を出すそうである。冬には意図的に広告を絞るから、売上げは落ちるのだそうである。

◆次の商品がポイント
この会社ははっきり言って、売上げの9割を稼ぐ「豆乳クッキーダイエット」で持っている。当然、次の課題は第二のヒット商品であり、クッキー単品商売からの脱却である。2007年度の売上げ予測は100億円とのことであるが、2007年度を見ると、はっきりした数字は出ていないが10億円前後である。豆乳クッキーも、幾分、飽きられる心配もあるし、第二の柱となる商品を見つけないと、この目標達成は危ういのではないのか。
また、広告に売上げの6割も費やすのならば、その分、値下げをしてくれと考える消費者もいるのではないのであろうか。

マルチコンセプト(個店主義)で上場した飲食企業「ダイヤモンドダイニング」

(週間ダイヤモンド07.03.31号より)
◆チェーン展開ではなく、個店主義
通常、飲食店などは、同一業態をチェーン展開して多店舗展開を図っていく。
オペレーションの効率やコスト削減効果などを考えると、当然の選択である。ガスト、マクドナルド、ワタミ、吉野家など、上場している飲食店は多業態を持っているが、ほとんど同一業態を多店舗展開している。
しかし、それぞれ一店舗ごと、店名もコンセプトやメニューの業態が違う店舗で上場した飲食企業がある。今年3月に大証に上場した「ダイヤモンドダイニング」(松村厚久社長)である。この会社が運営するレストランは、「迷宮のアリス」「竹取物語」「オペラハウスの魔法使い」など、おとぎの国のような店名をつけている店舗も多い。当然、店舗コンセプトもそれぞれ違う。いわゆるマルチコンセプト(個店主義)戦略で業績を伸ばしている飲食企業なのである。

◆原材料費と人件費のコストは50%以下
前述のように、マルチコンセプトで展開すると、設計・設備、マニュアル、オペレーションの標準化で、かなり効率化やコストの削減が可能である。食材や設備などの仕入れもバイイングパワーで仕入れ価格の引き下げもしやすい。しかし、同社の原材料費を合わせたコストは50%以下で、業界の基本目安の60〜65%をかなり下回っている。その秘蜜は、同社の出展戦略と店舗の運営手法にあるという。
業態が違っても原材料は、7割は共通化できるため、大量仕入れによるコスト引き下げも可能である。また店舗に大幅な権限委譲を行っている。たとえば、団体客のキャンセルが出て食材が大量に余ってしまったときなど、他社の場合、廃棄処分になってしまうこともある。だが同社では、権限の委譲により店舗の裁量で、付け出しに回すなどの使い回しを行い廃棄を抑えている。このようにして、原材料比率の抑制が可能となっている。
また、店舗投資もいわゆる「居ぬき物件」を活用する。もとの飲食店の内装や設備の利用が可能であるため、通常の新規出店の3分の1から5分の1のコストですむそうである。

◆新業態開発の秘訣
次々と新業態を考え出していくというのも大変なものである。それを支えているのが、社内横断チーム「チームファンタジー」なのだそうである。
たとえば、赤坂に出店した「黒提灯」。もともとはフレンチレストランだった物件で、当初はオイスターバーにしようと考えていたが、周辺の飲食店を徹底的にリサーチしたら、一番流行っていたのは焼き鳥屋であった。そこで、同業態で「差別化」を図りながら、江戸時代の闇酒場をイメージした「焼き鳥と焼酎の店」に変更。「チームファンタジー」は、このような仕事を行っている。

◆リスクの分散効果などのメリット
松村社長は「同一業態の多店舗展開ではすぐにまねされ、飽きられてしまう」と考え、チェーン展開に背を向けて、あえて一業態一店舗というマルチコンセプト戦略を探ったそうなのである。
またマルチコンセプト戦略には「リスク分散」という狙いもあるという。BSEや鳥インフルエンザなど、外食産業にはさまざまなリスクがあり、同一業態だと受けるダメージは非常に大きい。BSE騒動の時の吉野家などいい例である。騒動でつぶれた焼肉店や焼き鳥屋も多いと聞く。このように、マルチコンセプトにはリスクの分散効果がある。

◆松村社長の意外な経歴
松村社長は学生時代の80年代後半、創業初期のサイゼリアでアルバイトをしていたそうである。まだチェーン展開をする前であったが、当時から「値段が安くておいしい」と評判の店であったという。客から「おいしかった」などと声をかけられるのが楽しくて、4年間バイトにのめりこんだそうだ。卒業後はビジネススキルを磨こうとエンターテイメント業界に就職した。ディスコの店長などをまかされ様々なイベントを仕掛けたりして集客のノウハウを学んだそうである。
結婚を機に独立し、飲食店の立ち上げを目指したが、銀行融資をすべて断られた。そこで初期投資が少なくてすむ「日焼けサロン」の経営をした。顔黒ブームに乗り成功を収めて資金を蓄え、2001年に飲食店第一号を立ち上げた。2007年3月現在で、東京と大阪に38店舗を展開。うち35店舗が業態の異なるレストラン。最近は業態の豊富さが評価され、大型商業施設からの出店要請が絶えないそうである。


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