税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

税務・会計はもとより、経営戦略・戦術、起業、医療問題、その他雑談、ぼやき等、中小企業経営に役立つ話題を中心にお送りする、武蔵野、三鷹近辺で活動する税理士・中小企業診断士のブログです。中小企業経営者、これから起業を目指したいと考えている皆様に「とても役に立つ(かもしれない)」と思われる話題を提供できるよう、日々、精進に努めさせていただきます。

2007年05月

葬儀ビジネスは2兆円超の巨大産業

◆巨大産業、葬儀ビジネス
葬儀ビジネスは、今や2兆円超の巨大産業なのだそうである。
わが国の年間死亡者数は、2003年に100万人を突破。以後は50年まで5年ごとに10万人のペースで増加していく。ビジネスという観点から見れば、とても有望な市場である。当然、多くの人や企業がこの市場を狙っている。
異業種からの参入や、今まで川上だった業者が参入することも多い。墓石屋や仏壇仏具店が葬儀に直接参入するケースも多いそうである。たくさんのパチンコホール、ファミレス業界、アパレル店などが葬儀会館に衣替えしているそうである。
市場規模の内訳は以下の通り(合計2超1500億円)。
・葬儀業・・・1兆6700億円
(生花祭壇等、飲食・返礼品等、霊柩車関連、遺影写真を含む)
・墓石・霊園販売業・・・3000億円
・仏壇・仏具販売業・・・1800億円

◆葬儀ビジネスの特徴
葬儀業界の特徴としては、以下のものがある。
・市場占有率の低さと地域特性
業界首位の燦(サン)ホールディングスの前期連結売上高は、約174億円。それでも市場シェアは1%弱。葬儀というものは、地域特性が大きく、その地方の慣習が大きく影響するため、地域密着型の会社でないと難しいということなどが、大手のシェアが低い理由でもあるようである。

・葬儀の場所の変化
葬儀の場所も大きく変化しているそうだ。一昨年の公正取引委員会の調査では、過去5年間で「自宅」が29.4%から16.2%に半減。逆に「民間・公共の葬祭会館」は50.0%から69.4%に跳ね上がっている。そういうところから、葬儀会館の建設も増えているそうである。

・参入障壁の低さ
葬儀会社には、免許もいらなければ、監督官庁もない。その参入障壁の低さが新規参入に拍車をかけている。しかも上述のように大手のシェアが低いため、その分、新規参入もしやすいし、中小にも入りやすい業界ではないのか。

・不透明な価格・サービスと価格破壊
葬儀会社の不透明な価格・サービスに対する消費者の不信感も大きい。これに対して、明確な価格設定と、質の高いサービスを売り物に業界参入する企業も多い。たとえば「家族葬」のエポック・ジャパンなどがある。一件当たりの葬儀料も、実際、2001年を1995年と比較すると、5%以上減少している。

◆米国葬式事情
米国から3年半前に日本に進出したオールネイションズ・ソサエティのセールスポイントは「明朗会計」。葬儀料金は50万円、70万円、100万円の3種類しかなく、葬儀に関する追加料金は一切不要(飲食費等は別)。また一種の生前予約システムを導入し、1万円を払って同社の会員になれば、それぞれの料金が10万円割引になる。すでに2000人の会員を擁するという。
米国ではFTC(連邦取引委員会)が1994年に「葬儀規則」を改定。葬儀価格の細目と提供するサービスについて、費用明細見積もりの形で消費者への提供を義務付けたそうである。

◆新規参入は多種多様
新規参入は多種多様である。結婚式のテイクアンドギブニーズの創業者の一人である中川貴之氏はアーバンフューネスコーポレーションを設立し、結婚式で培ったノウハウを葬儀に応用している。仏壇のはせがわは、葬儀会社の紹介事業に参入。墓石販売大手のメモリアルアートの大野屋、墓苑、納骨堂の開発・販売大手のニチリョクなどが葬祭事業に参入済みであるという。
また、パソコンやテレビなどの電気製品の最安値価格をインターネットで検索できるサイト、「価格・com」では、いまや葬儀も対象商品であるという。登録されている葬儀会社19社の見積価格が安い順に表示されるそうである。

◆葬儀業者には心が必要
このように、葬儀業界というのは将来有望で儲かるビジネスといえる。しかし葬儀は、亡くなった人を弔い、あの世へ送り出すための儀式でもある。亡くなった方の冥福を祈り、残された家族の悲しみをともに分かち合うような、そして心の中でしっかり手を合わせることができるような業者でないとやってはいけないと思う。やはり、単なる金儲けだけで参入する業者は淘汰されてほしいと思う今日この頃である。
(週間ダイヤモンド2007/5/21号より)

沈黙のうちにも技術があり、そして雄弁がある

「しゃべればいいというものでもない」「口下手でも優秀なセールスマンはいる」などということはよく言われる。口数が少なくても営業はできるし、「聞くことの重要性」などということもよく説かれている。
プロ野球選手から伝説の保険セールスマンとなった、「フランク・ベドガー」の有名な本、『私はどうして販売外交に成功したか』を読むと、それと似たようなことが書いてあった。「聞き上手がなぜ成功するのか」というタイトルで、以下のような内容である。そのまま引用する。

シセロは、2000年も前に「沈黙のうちにも技術があり、そして雄弁がある」といっている。しかし一般に、話を聞く技術は忘れられていた。聞き上手な人は少ないものである。ある全国的な規模を有する会社が、最近セールスマンに対して次のような特別のメッセージを書いて送った。
「今度、諸君が映画を見にいったならば、俳優が相手役の話に対して、いかにうまく耳を傾けているかを注意してみよ。大俳優は語り手の言葉が、鏡のように聞き手である彼の顔に反映するものである。だから、聞き手である俳優の顔から状況を察知することができる。ある有名な映画監督は、多数の俳優がスターになり損なうのは、独創的な話を聞く技術を勉強しなかったためであるとさえ言っている」

話を聞く技術は、ただ単にセールスマンや俳優だけが応用するものだろうか。日常あらゆる場合に、これが極めて重要であることはゆうまでもあるまい。と述べている。
そのほか「しゃべり過ぎは失敗のもと」というタイトルで、自分自身がしゃべりすぎる男だったことを述べている。

この本はとても有意義な本であるが、このようなところも私は感銘を受けた箇所の一つである。

公益法人、収益事業の課税強化

◆公益法人は、原則非課税
公益法人の収益事業の課税が強化されるそうである。
公益法人とは、財団・社団・宗教・学校法人などのこと。例えば、政府の関連法人などは、財団や社団法人が多い。日本船舶財団や社団法人日本育英会など、財団や社団法人はとても多い。それ以外でも社団法人は多くあり、その名の通り「公益」を目的とするものである(少なくとも建前上は・・・)。宗教法人はお寺さんや神社など。有名な宗教団体はほとんど宗教法人である。名ばかりの宗教法人で、ほとんど脱税目的とするものもなかにはあるようである。
これらの公益法人は、基本的に法人税は課税されない。学校法人が教育活動で得た収入や、宗教法人が宗教活動で得た収入は非課税となっている。財団法人や社団法人なども、その本来の事業からの収入・所得は「非課税事業」として課税されないこととなっている。

◆収益事業には課税される
しかし、課税される事業もある。物品販売や金銭の貸付け、旅館業、理容業など33事業である。これらの事業に限っては「課税事業」となっている。一般的な事業では、駐車場を営んだ場合なども課税される。
しかし、課税はされるけれども、その税率は一般法人より低いこととなっている。通常の法人税の税率は、以下のようになっている。
課税所得が800万円以下の部分・・・22%
課税所得が800万円超の部分・・・33%
しかし公益法人の税率はすべて22%となっていて、かなり優遇されている。

◆収益事業の課税強化・・・課税対象の範囲拡大と税率の引き上げ
このように、公益法人は原則非課税で、収益事業にのみ課税されることとなっている。しかし前述のように、その税率は優遇されている。この収益事業の課税が強化されるそうである。
前述のように、公益法人の収益事業は33項目の限定列挙。その中にはスポーツクラブや英会話スクールなどは含まれていない。もし公益法人がこれらの事業を営んでいても、税金は課税されないということである。
しかし政府は、2008年度の税制改正で、課税対象を広げるともに、税率も現在の軽減税率(22%)から営利法人(30%)並みの引き上げを目指すそうである。

◆08年12月をめどに改定・・・協同組合などはどうなるのか?
公益法人の「収益事業」への課税額は05年度で550億円。課税する収益事業の範囲は1984年度以来、一回も見直していない。この間に収益事業の多様化が進んでおり、税優遇のない一般企業が競争上不利となる例も出ている。政府はこの収益事業の範囲を広げて、英会話スクールやスポーツクラブなどにも課税強化するとともに、軽減税率の廃止も検討する。
これは当然のことであろう。ここで気になるのが、軽減税率の撤廃である。例えば私の顧問先で「協同組合」形態をとる法人組織もある。これは「公益法人」とは違うのであるが、やはり軽減税率である22%の税率が適用されている。公益法人の税率が改定されるのならば、多分、協同組合の軽減税率も改定されるのであろう。そうなると、資金繰りがちょっと心配になってくる。

◆公益法人制度自体も改定
また政府は08年度12月をメドに公益法人制度を改革するそうである。所轄官庁による許可制を廃止し、第三者機関の公益認定等委員会が法人の公益性を審査して、「公益社団法人」と「公益財団法人」認定する仕組みにするそうである。
新制度では、「公益性の認定を受けた法人」は、引き続き「非課税」にする。一方、公益性の認定を受けない業界団体などの一般財団法人や一般社団法人については、「営利法人並みに課税」するそうである。

(日経朝刊 07.05.22日より)

たこ焼きを150億円売る会社

たこ焼きチェーン、「築地銀だこ」をチェーン展開するホットランド(佐瀬守男社長)という会社がある。たこ焼きだけで売上げの9割を占め、年商150億円を超える。週間ダイヤモンドの「起・業・人」で紹介されていたが、興味深かったところを紹介したい。

◆研究と創意工夫を怠ってはいけない
ここのたこ焼きは「表面はパリッとして、中身はトロッ、タコはプチッ」という感じでとてもおいしいのだそうである。この味が生まれたのは次のような経緯だったそうである。
佐瀬社長は、たこ焼きに目をつけ、東京築地市場に通って、タコについて学び、一年かけて全国のたこ焼きを食べ歩いていたという。ある日、佐瀬社長がテレビを見ていたら、北京ダックが紹介されていた。油をかけてパリッとさせている。これを見てひらめいた。「たこ焼きの仕上げに油をかけてみよう」。作ってみると、今までに食べたことのない食感のたこ焼きが出来上がった。これならいけると確信したそうである。1997年3月に1号店を出店すると、口コミで評判になり、店舗には連日長蛇の列ができたという。
やはりたこ焼きについて、いつもアンテナを張り巡らし、考え続けていたからこのような商品が生まれたのであろう。考え続け、創意工夫を怠らないことがとても重要であると感じた。

◆値下げが裏目に出る場合
また03年3月に、従来の8個入り400円の商品をやめ、6個入り300円にすることで、安さを売りに勝負に出た。ところが、売上げは4割も減ったそうである。6個と言う数は、皆でつつくには中途半場で顧客の支持を受けられなかったというのが理由なのだそうである。
むやみに「安ければいい」ということではないのであった。難しいところであるが、このように目に見えないところも検討しなければいけないということである。この場合、たこ焼きは大勢でつついて食べることが多い、というシチュエーションを想定しないといけないのであろう。また、6個だとたこ焼きは腹の足しになりにくいということもあるのかもしれないと感じた。

またこの会社は、株式の公開は目指さないのだそうである。数千人の焼き手の従業員こそ唯一の財産。社員の利益還元を優先し、社員を幸せにすることこそが、良い商品を生み出せるし、ひいては顧客の喜びにつながるという考えとのことである。香港、韓国、台湾、タイに店舗を持ち、欧州への進出も検討しているそうである。
(週間ダイヤモンド2007/05/26 起・業・人より)

日本の労働生産性が低いわけ

◆日本の労働生産性は主要7カ国で最低
内閣府が経済協力開発機構(OECD)などの2005年のデータを分析したところ、日本の労働生産性は、主要7カ国で最低であった。これは以前にも紹介した。
日本の労働生産性が低いといっても、業種によってばらつきがある。「製造業」だけで見ると、OECDでは日本は第3位。一方「サービス業」の労働生産性は米国の6割弱(00年〜04年平均)。02年時点のある分析では「輸送機械業」などは日本が米国を上回っているが「卸売業」は米国の5割弱、「ホテル・外食産業」は米国の4割弱に過ぎないという。
この日本の労働生産性の低さの原因などが、日本経済新聞07年5月13日(日)朝刊のファミリー経済で分析されていたので紹介したい。

★「労働生産性」とは何か。
労働生産性は「就業者一人当たり」で見る場合と、「単位労働力当たり」で見る場合があり、後者は「付加価値」(売上高から原材料や商品の仕入れコストを差し引く)を労働投入量(就業者数に労働時間を掛ける)で割って算出する。一国の労働生産性は、付加価値の総額である国内生産性(GDP)を労働投入量で割って出すのだそうである。

◆非製造業で見る労働生産性の低さの原因
生産性の低さの原因として「長期不況でIT投資が遅れたうえ、非製造業で低いことが響いている」という。それでは、非製造業の労働生産性の低さはどこから来るのか。おもな理由として「経営規模が小さいことなどが影響している」という。
日本の小売業の売上げ規模は、米国の3割程度。ところが事業所数は02年で約130万と米国より2割も多いうえ、全体の約6割を個人事業者が占める。事業規模が小さいと、商品の仕入れコストは割高になり粗利は低くなる。販売価格をその分高く設定しなければ付加価値は小さくなる。しかも、売上げ規模の割に労働者数が多くなり、生産性は低下してしまうのだという。
上記を整理すれば、。稗堙蟷颪涼戮讚∋業所数の多ささらに、個人事業所が多いこととい修譴砲茲觧兎れコストの割高さとソ抄醗数・労働時間の多さ、などが労働生産性の数値を低くしているということである。

◆家族経営商店の労働生産性の低さ
事業所数が多く、その大部分が個人事業者であるというのが大きな原因と解釈していいと思う。
米マッキンゼーが90年代後半を対象にした分析では、「日本の家族経営商店の生産性は百貨店の4割、コンビニエンスストアの2割しかない。比較的高いコンビにも、米国と比較すると9割弱。業界一位のセブンイレブンは米国の1.5倍と高いが、地方の小規模コンビニが平均を押し下げている」とのことである。

◆米国の非製造業の労働生産性が高さの主因はIT
それでは米国の非製造業の労働生産性の高さの原因は何か。日本の非製造業の労働生産性の低さに比べると、米国は「ITをうまく使いこなせたからだ」と理由付ける研究者が増えているそうである。ウォールマート・ストアーズなど大型小売店が、仕入れ発注を効率化する大型ITシステムを取引先にも導入し、小売業全体の業務効率が上がったこと。また、業務のアウトソーシング化で、人を減らしたことなども原因のひとつであるという。

◆サービスの質を上げることも重要
また「労働生産性の高さ」だけではわからないこともある。それは「サービスの質」である。労働生産性を比較するときは「顧客満足度」などは考慮されないということである。たとえばドイツの卸・小売業の労働生産性は米国の1.3倍、日本の2.7倍にもなる。しかし、その背景には次のような事情もある。ドイツはキリスト教の慣習が根強く、夜間や日曜日には営業しない小売店が多い。それで労働投入量が低くなり、労働生産性が高くなっているという側面もある。その分、夜間や日曜日には不便な思いをする消費者も多いという側面もあるということである。
逆に日本は休日営業も多く営業時間も長い。商品を丁寧に包装したり、きめ細かなサービスも行っていることが労働生産性の低下を招く原因のひとつとなっているという側面もある。

◆労働生産性の向上は、個人商店の淘汰にもつながる
しかし、日本の労働生産性の低さは突出している。国も本腰をあげて今後5年間で、日本の労働生産性を5割あげることを目指す「成長力加速プログラム」をまとめた。
前述のように、日本は個人商店が多いことなども労働生産性の低さの大きな原因となっている。ここ数年、ジャスコを経営するイオンなどが、郊外に東京ドームの数倍という規模のショッピングセンターをどんどん建設している。これにより廃業に追い込まれる個人商店がかなりの数にのぼっている(後継者不足など、他の要因もあるであろうが)。これからも個人商店が淘汰されて、小売業の大型化がこれからも進行していくのであろう。そうすれば日本の労働生産性も上がっていくのであろうが、個人商店にとってはとても厳しい時代がこれからも続くような気がする。ちょっとさびしい気もするが、労働生産性の向上は、このような流れにもつながっていくのであろうと感じる


起業は困難の連続・・・ノバレーゼの場合

◆ハウスウエディングの隆盛
ハウスウエディングの会社が花盛りである。テイク&ギブニーズが有名であるが、ここに紹介する「ノバレーゼ」という会社もそのひとつである。現在、婚礼施設を9店舗、提携婚礼施設4店舗、婚礼ドレスショップを11店舗展開する。今後も年間でゲストハウス4店舗、ドレスショップ3店舗を出店予定であるという。
この会社の浅田剛二社長は、何度かの挫折を乗り越えて現在の地位を築いている。まず、大学卒業後、リクルートに入社し1年半後、名古屋で婚礼式場を経営する父親が病に倒れ、浅田氏が後を継いだ。売上げは5倍になり赤字の会社は黒字化した。しかし父親と衝突し、ワーカホリック(現ノバレーゼ)を設立。その後ある料亭から結婚式プロデュースを依頼され成功したが、その料亭の裏切りに遭った。そして自前の施設で運営するようになり、現在の成功へと至っている。

◆社員の入替も重要
浅田社長は1993年秋に実家の婚礼式場の経営を引き継いだ。その会社はモラルがなく、たとえば営業時間が終わると、顧客のために冷蔵庫に保管していたビールを従業員が勝手に飲んでいたような状態で、業績は赤字続きという状態であった。当時30人前後いた社員のほとんどを3年間で入れ替えたという。職務上の不備を突いてやめさせていったのだそうである。社員からの嫌がらせも受けたという。

◆ゴッドファーザーが原点
浅田社長は「ゴッドファーザー」に出てくる、自宅での結婚式のシーンを見て、日本でも同様の結婚式を実現できないかと考えていた。ゆとりある空間、貸切の式場。一生に一度の結婚式をぜいたくに、個性豊かに自宅に招く感覚で挙げてもらいたいと考えた。そしてハウスウエディングの先駆けといえるような施設を富山市と名古屋市に建設。

◆接客システムの変更
それとともに、接客のシステムをがらりと変えた。式場予約のために訪れた時の接客、実際の式場での取り仕切り役など、それぞれの場面で担当者が違うのが通常の結婚式のやり方であったが、顧客の要望が正確に伝わらず、何度も要望を伝え直すということが多かった。それを一人の担当者が最初の接客から式場での取り仕切りまでを担当するように替えたそうである。こうした手法が受けて業績は5倍になり、損益は黒字化したという。

◆父親との衝突でゼロからのスタート
しかし2000年秋、父親との衝突で会社から完全に離れた。「社員は信用できないもの」とする父親の経営観と「社員に気持ちよく働いてもらおう」という浅田社長の経営観が相容れなかったのだという。
そして、ワーカホリック(現ノバレーゼ)を設立。浅田氏と浅田氏を慕ってついてきた社員との6人での起業であった。式場を借りる形での婚礼プロデュース業から始め、12月には名古屋でドレスショップを開き、婚礼衣装販売業を立ち上げ。

◆他者と組むときは気をつけろ
起業して一年たった頃、名古屋のある料亭から、結婚の専属プロデュースの声がかかった。その料亭も結婚式を手がけていたが、年間10組前後の実績しかなかった。それが翌年には120組まで伸びた。そして2年後の03年、その料亭から「本社を結婚式場にするので、一緒にやろう」といわれ、その話を受けた。ところが半年後「自前で式場を運営することにした」と態度を豹変。料亭からいっさい手を引くこととなった。浅田氏は「他者と組んでやるのには限界があると悟った」そうである。
ここで考えさせられるのは、他者と組むということはやはり大きなリスクが伴うということである。この場合、式場などの施設は相手の会社で、こちらはノウハウを提供するというものである。このようなケースでは、相手はノウハウを吸収したら、それで手を切ろうと考えることも多い。こういうケースは注意が必要であろう。

◆起業には不屈の精神が必要
そして今度は自前の施設、アマンダンテラスを名古屋に建設。オープンキッチンなどを取り入れて人気を呼び、最初の1年間で180組が式を挙げたという。またこの成功を見て、既存の式場の再建、埼玉県の伊豆も会館の建て直しの依頼も舞い込んできたという。見事再建を果たし、挙式数が年間150組から350組に激増したそうである。
営業手法にもその他の特徴があり、まず入居業者から保証金を受け取らないのだそうである。受け取ると入居業者への甘えが生じたり、業績不振時に入れ替えにくいからだという。また、結婚式場は土日中心であるので、平日は同社の婚礼施設をレストランとして営業しているという。

この会社で興味を持ったのは、この社長が二度もゼロからのスタートを切っているということである。一度は父親との衝突、二回目は料亭の裏切りでゼロからの再スタートを切っている。同じ婚礼事業であるが、父親の会社をついでから三度、会社を軌道に乗せているということである。会社を大きく育てた社長というのは、何回も挫折を乗り越えているケースが多い。この浅田社長もしかりである。やはりこのような不屈の精神を持って事業に取り組んでゆきたいものであると思った。
(週間ダイヤモンド2007/05/12 起・業・人より)


常識を打ち破って成長する会社、ソースネクスト

◆ことごとく常識を打ち破り成長
成長する会社というものは、多かれ少なかれ既存の常識というものを打ち破って大きくなっているものである。パソコンソフト製造・販売の「ソースネクスト」という会社は「常識を打ち破って成長する」ということでは典型的な会社であろう。例えば、以下のような所で常識を打ち破っている。
パソコンソフトの値段が5千円〜1万円した時代に、1980円のソフトを次々と発売。また大きな箱であったソフトのパッケージをDVDソフトと同程度のパッケージに変更、それによって、書店やコンビになどまったく新しい流通チャンネルを開拓。それから購入時に支払えば、年間の更新料がまったく不要のコンピュータウイルス対策ソフト「ウイルスセキュリティZERO」の発売など、今までの業界の常識を打ち破ることで大きく業績を拡大している。

◆吉野家のように安くできないか
この業界の常識を打ち破る発想は、すべてソースネクストの創業社長、松田憲幸氏のものである。松田社長は、日本IBMを経て1993年にシステムコンサルティング会社を設立するも、成長の限界を感じ96年にソースネクストを設立。パソコンの動作速度を上げるソフト「驚速」を発売。1万本売れれば大ヒットというソフト業界の常識を大きく打ち破る年間20万本の実績を残し、その後もロングセラーとなっているソフトである。
2003年には1980円のソフトの発売を開始してパッケージもDVDソフトと同程度に変更。前述のように、パソコンソフトの値段が1万円もする時代であった。もちろん現在でも1万円を越える高額のソフトは多いが、これによってパソコンソフトは消費者にとってとても身近なものとなり、書店やコンビニ、ディスカウントストアなどでも販売されるようになった。このソフトの低価格戦略を思いついたのは、牛丼の吉野家の阿部社長の本を読み、コンピュータソフトを安くできないか、と思ったことがきっかけだったという。

◆社長が量販店の店頭に、現場主義で顧客ニーズを吸い上げる
またこの松田社長のすごいところは、大型商品が発売されると、社長という身分を隠しハッピをまとい、首都圏の家電量販店の店頭に立つところである。これも常識破りである。それによって消費者の生の声や苦情を直接吸い上げるのだそうである。
04年には新宿の家電量販店で、「ソースネクストの商品を二本購入すれば、抽選で商品が当たる」というキャンペーンを行い、松田社長も店頭に立っていた。しかしソフトを二本購入する客はなかなか現れない。一人の客が社長と知らずに、松田社長にこうつぶやいたそうである。「おたくの商品は二本も買えない」。理由を聞くと、「ビジネスソフトや実用ソフトは二本もいらない。しかし、ゲームがあれば二本同時に買うかもしれない」と。
当時、ソースネクストはゲームソフトを発売していなかったのである。そして松田社長は会社に帰るなり、まったく面識のなかったゲームソフト会社、「コーエー」の首脳に連絡して面会、その年の12月にはコーエーの人気ゲームソフトを1980円で発売したのであった。究極の現場主義ともいえよう。

◆ウイルスセキュリティZEROの秘密
そして06年7月には、コンピュータウイルス対策ソフト「ウイルスセキュリティZEROを発売。ウイルス対策ソフトはインターネットに接続するパソコンには必須のものである。このソフトがないと、ほぼ100%、パソコンはウイルスに感染してしまうであろう。しかし、どのウイルス対策ソフトのメーカーも、毎年数千円の更新料を徴収していた。この更新料をソースネクストはゼロにしたのである。
なぜ更新料をゼロにできたのか。その秘密の一端は人件費の抑制であるという。「じつは、更新の際にかかってくる問い合わせの電話は非常に多い」。その人件費がセキュリティソフトにかかわるコストの多くを占めていた。それが不要になることで、更新料ゼロでも採算が取れるのだという。

あくまでユーザーの視点に立ち、「今後も業界の常識を破るような商品を出す予定」と松田社長はいう。
(週間ダイヤモンド07/05/19号より)

飲食店の販促のキーワードは「誕生日」

「ぐるなび」というサイトがある。ほとんどの人は知っていると思うが、宴会や友人と飲みに行ったりするときに、インターネットで飲食店を検索でき、なおかつ、ドリンクや割引のサービスを受けることができる。その他にも、リクルートの「ホットペッパー」などが有名ではないのだろうか。こちらは無料情報誌とインターネットの両方が使える。
私もこれらはよく活用させてもらっている。その「ぐるなび」の久保征一郎社長によると、「団塊の世代の方や、企業の社長さん、大臣の方も実際に使っていらっしゃるようです」という。

その大久保社長があるインタビューで「消費者が検索によく使うキーワードは?」と聞かれて、次のように答えている。「常に多いのが、『誕生日』というキーワードですね。そこで誕生日特典があるお店には、ぐるなび上で表記してもらったり、こうしたニーズに(店に)対応してもらうこともできますね」。

このように、消費者が検索によく使うキーワードは『誕生日』なのだそうである。やはり誕生日というものは、その人にとって「特別の日」である。誰だって誕生日を祝ってくれたらうれしいであろう。それがお店のファンになるきっかけになり、その後リピータとなってくれることもある。誕生日にプレゼントをしたり、ドリンクなどのサービスをしたり、ワインボトルをプレゼント、写真撮影などのサービスなど、色々あると思う。

「リッツカールトン」という客を感動させるサービスをすることで有名な高級ホテルがある。先日、テレビを見ていたら、そのリッツカールトンで、あるご婦人の誕生日に、バースデーケーキのプレゼントをし、さらに従業員が数名集まって、歌のプレゼントをしていた。さすがにけっこう練習しているようで、歌もなかなか上手であった。
そのご婦人は、二人の娘さんから、誕生日のプレゼントとして、リッツカールトンでの食事に招待されたのだそうである。そして、ホテルからの予期せぬ歌とケーキのプレゼントにもこのご婦人は感動していた。

まだ「誕生日」の販促を取り入れたことのない飲食店などは、何か誕生日のイベントやプレゼントなどの企画を取り入れたらよいのではないのか。また、飲食店以外でも、誕生日の販促は使えるのではないのであろうか。

無担保・無保証人の「新創業融資制度」

(日経新聞07年5月8日号より)
◆新創業融資制度
創業間もない企業では、担保物権がない場合が多く、保証人も見つけにくい。
国民生活金融公庫では、創業期の企業を対象とする「無担保・無保証人融資」という制度があるそうである。景気の拡大で、エステティックサロンやネイルサロンなど、比較的小規模な店舗を開業する人の利用が目立つとのこと。

◆制度の利用が増加
その「新創業融資制度」の2006年度の東京都内の利用が、前年度より23.3%増加したそうである。融資額は66億円。件数は前年度比24.6%増の1719件。01年7月に同制度を始めて以来、融資額、融資件数ともに過去最高を記録したそうである。

◆融資条件の緩和等
国民生活金融公庫では「無担保・無保証人の融資制度への需要はまだ十分にある」と見ている(これは当然であろう)。07年度からは、新創業融資の限度額を250万円引き上げて1千万円とした。また創業資金に閉める自己資金の割合を従来の2分の1以上から3分の1以上に緩めて利用しやすくした。

◆チャレンジする価値あり
新聞ではこのように紹介されているが、実際、無担保・無保証人で融資を受けるということは大変難しいことであろう。誰だって、無担保・無保証人で融資が受けれるのならば、申し込んでみたいと思うはずである。
しかし制度の申し込みをしても、申請が認められるのはわずかに過ぎないであろう。当然、事業計画やビジネスモデルをチェックして、確実な返済能力を求められるはずである。その中でこの融資制度が利用できるのは、何割かに過ぎないと思う。

国民生活金融公庫では、毎週火曜日に実施している創業に関する相談時間を1時間延長して、午後8時までとしたそうである。このような相談会に何回か足を運ぶということも、当然必要であろう。


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