税理士・診断士の税務&マネジメントお役立ちブログ

税務・会計はもとより、経営戦略・戦術、起業、医療問題、その他雑談、ぼやき等、中小企業経営に役立つ話題を中心にお送りする、武蔵野、三鷹近辺で活動する税理士・中小企業診断士のブログです。中小企業経営者、これから起業を目指したいと考えている皆様に「とても役に立つ(かもしれない)」と思われる話題を提供できるよう、日々、精進に努めさせていただきます。

2007年09月

平均賃金の下落は、突き詰めれば中小企業と大企業の格差

○平均給与の下落とその要因
◆労働者の平均給与は年々減少
厚生労働省の毎月勤労調査によると、2007年7月の5人以上の事業所の一人当たり平均給与は約38万7千円で、8ヶ月連続で前年同月を下回っている。06年の年間平均額は02年に比べて約7千7百円少なくなっている。
国税庁の「税務統計から見た民間給与の実態」で見ても、民間企業に勤める人の平均給与は、直近の05年度まで8年連続で減少している。

◆企業の収益は好調だが、賃金以外に収益を配分
一方、企業収益は好調。財務省が3日に発表した法人企業統計では、4〜6月期の企業の「経常利益」は前年同期比12%増加し、24.4半期連続の増益。
増加した企業の収益は「経済のグローバル化で国際競争が激化し、設備投資や内部留保に充てる割合が増えている。またM&A(合併・買収)が活発になり、買収から企業を防衛するために配当を手厚くする傾向もある」そうである。

◆年齢構成の変化、再雇用、非正社員の増加等も賃金下落要因
賃金の下落要因は、以下のようなものも大きいという。
’齢構成の変化
日本の労働者の賃金は通常、50〜54歳ごろが最も高くなる。人口の多い団塊の世代が54歳を過ぎ賃金が減少していくと、全体の平均賃金も減少していくそうである。
∈童柩僂篦蠻延長
再雇用や定年延長が広がり、以前より低い賃金で働き続ける人が増えたこと。これが賃金の低い労働者の割合を増やしている。
就業構造の変化
就業構造の変化も大きいという。ここ数年、全労働者に占めるパート・アルバイト、派遣社員など、正社員でない人の割合が上昇したこと。
総務省の労働力調査によると、非正社員は5年前に比べて300万人以上増加し、今年4〜6月には全労働者の33.2%を占めるという。

○大企業と中小企業の格差が平均賃金下落の隠れた大きな要因
◆中小企業の労働者の賃金減少が続く
上記が平均賃金の下落の主な要因であるが、実は、もうひとつ大きな下落要因があった。
中小企業の労働者の賃金減少が続いている。特に労働者の多い、卸売業や飲食店、宿泊業などの業種での下落が深刻なのだそうである。

◆大企業の平均賃金は上昇、42%を占める小規模企業は一貫して下落
毎月勤労統計で00年以降の事業所別の平均賃金の推移を見ると、500人以上、100〜499人、30〜99人の事業所は、おおむね04年まで下落傾向が続いた後、05年に増加に転じ、06年も増加している。
ところが、もっとも小規模な5〜29人の事業所だけは01年から一貫して下落し、05年、06年も下落が続く。00年と比較すると、7.2%も減少している。実はこの規模の事業所で働く人が最も多く、全人口の42%を占めるそうである。
ここ2〜3年、賃金が上がったのは、大企業や中堅企業で、実際には下がり続けている中小企業が多いということである。

◆中小企業の業績悪化は構造的なもの
中小企業の賃金下落については以下のように書いてある。「原油価格などの上昇で、仕入れ値があがる一方、デフレで販売価格を上げることができない。価格に転嫁できない分、人件費の抑制で利益を出そうとしている」
また、「卸小売業の小規模企業は、近くに大型のショッピングモールが開店して客を奪われるといった現象が常態化している。製造業では原材料価格が上がっているのに、交渉力が弱いために製品価格を上げられず、利益を出せなくなっている。コスト圧縮のため、賃金が減っている」とも解説している。

◆資本装備率の格差
また大企業では従業員一人当たりの資本装備率が増加しているが、ハイテク化が進み生産設備の価格が上昇したことなどで中小企業では資本装備が進まず、労働生産性の格差が広がっているということである。

「景気回復といっても小規模な企業にはあまり及んでいません。そうした企業で賃金下落が続いているので全体の平均賃金も下がっている」「大企業と中小企業の格差が一段と拡大している」と結んでいる。

◆大企業と中小企業の格差拡大は今後も広がっていくのか
以上は日本経済新聞07年9月23日朝刊『エコノ探偵団』からの引用であるが、平均給与の減少は、突き詰めれば「大企業と中小企業の格差の拡大」に行き当たる。全労働人口の44%を占める小規模企業の賃金が落ち込んでいるのが大きな原因ということであった。
バブル崩壊前は、景気回復は中小企業から始まるということもあった。しかし、構造的に大きな変化が生じたようである。
大企業の景気は回復しても、中小企業の景気は回復しないということである。その理由をまとめると、以下のようなると思う。
仝矯猯舛旅眛を価格に転嫁出来ない。
下請企業等の交渉力の弱さ。
B膩織轡腑奪團鵐哀癲璽訶の大型店に小売店の顧客が奪われている。
せ駛楞備が進まず、大企業との労働生産性格差が拡大。
ッ翦瓦による零細卸売業の苦境。

税理士事務所や中小企業診断士がターゲットとしている企業は、ほとんどが従業員29人以下の事業所である。であるから、やはりこの大企業と小規模企業との格差拡大というのは切実な問題である。このまま、小規模事業の利益が上がらないという構造が続くことがないように願うものである。


葬儀の常識

人間、だんだん年をとるに連れ、葬儀に参列する機会が増えてくる。今生の別れ、愛する人や身近な人との別れは悲しいものである。また、仕事をする人は、取引先の葬儀に参加する機会も多いと思う。私の職業も、やはりそういう機会は多い。
日経新聞に「葬儀の常識」の記事が掲載されていたので、私はここら辺の常識に疎いので、確認の意味でまとめておきたい。日経新聞であるから、ビジネスを前提としているが、ポイントをまとめると以下のようなものである。

○通夜と告別式のどちらに参列するか
◆告別式の日程しか知らされなければ、通夜ではなく葬儀・告別式に参列する。
 事情で告別式には参加できない場合、事前に連絡して通夜に参列。
◆通夜の連絡もあれば、両方に参列するのが本来の姿。
◆ただ最近は、通夜か告別式のどちらかに参列すれば礼を尽くしたと受け止められるようになってきている。

○香典等
◆手伝いをする人も香典は必要。焼香は混雑時をさける。
◆「ご厚志は辞退」というのは、香典も受け取らないという趣旨。
 しかし念のため香典は用意し、会場の様子を見て対応する。
◆香典は最初の弔問時に持参する。
通夜、告別式両方に持参するのは「不幸が重なる」意味合いにもなるので注意する。
◆事前に宗派がわからない場合の香典袋・・・四十九日の法要の前までは「御霊前」、法要当日からは「御仏前」となる。
◆金額は年齢や立場で異なるが、会社関係は5千円〜2万円程度。
◆連名は3人まで。4人以上の場合は「○課一同」などと記し、全員の氏名は別紙に書いて中包みに入れる。
◆通夜や葬儀に参列できない場合、弔電を打ち、後日、香典を郵送しても失礼には当たらない。

○社葬の場合のビジネス上のマナー
◆相手が社葬を行う場合、一般的には故人と同じぐらいの役職の人が参列する。
◆代理人を立てる場合、自分の名刺を持たせる。
◆花輪や供物の役割は、個人葬より重要。
◆社葬では、受付での記帳時に名詞を差し出すが、この際、名詞の右肩に「弔」と書くか、左下を内側に折り曲げて差し出すのがマナー。
◆上司の代理として出席する場合は、上司の名刺に「弔」と書き、自分の名刺には「代」と書く。

(日経朝刊 07.09.08  NIKKEIプラス1より)

冷凍食品の特売が多いわけ

◆冷食購入時のポイントは「価格」
スーパーなどへ行くと、冷凍食品を目玉商品にセールを行っていることが多い。ある首都圏のスーパーは、週2回の全品特売で冷食の8〜9割を販売してしまうそうである。消費者が冷凍食品を購入する際に重視するトップは「価格」の40.8%で、03年より2.3ポイント増えたという。日経新聞で、冷凍食品の特売の裏事情を記事にしていたので紹介したい。

◆特売の原資は販売奨励金、小売りからの要望
販売奨励金(リベート)は特に日本では、多くの商品で一般的に見られる商習慣である。メーカーのシェアの拡大をねらって出す場合が多い。しかし冷凍食品では、「メーカー側が積極的にリベートを出すというより、小売り側からの要望で出さざるを得ない状況」であるという。

◆差別化が難しく、メーカーの競争が激しい
冷凍食品のメーカーの数は多く「冷食そのものは消費者に違いを訴えられる商品ではない」
特売需要に呼応するために、メーカーは中国などで生産を拡大し、コスト削減を推し進める。1995年に約千社あったメーカー数は、現在、760社まで減少しているという。
そのため、メーカー各社は差別化に躍起で、団塊世代を狙い、味を向上させた単価の高い新商品を投入するなどしている。

◆メーカーと小売りの特売見直し機運
特売の常態化とリベート負担への見直し機運がでて、一部のメーカーはリベートの削減に取り組んでいるそうである。形骸化した希望小売価格を廃止し、オープン価格の導入も広がっているという。
また小売店も特売合戦から脱しようという動きもあるという。赤字覚悟の集客効果を期待しての特売であるが、冷凍食品による集客効果は年々薄れてきている。「扱い量が増えすぎ、貯蔵コスト負担などが増すだけ」といった声もあり、売り上げより利益率を重視する傾向が広まってきている。
首都圏のスーパー担当者は「味や機能面で多様化が進んでいる。付近に競合店などがある場合などを除けば、これまでのような極端な全品特売は徐々にへっていくのでは」という。

(日経朝刊 07.09.08 NIKKEIプラス1より)

東京都の事業所数、5年で4.7%減

◆規模が小さい事業所ほど減少、従業者数は1.8%増加
東京都は8月31日、06年10月時点での都内の事業所数が、5年前に比べて4.7%減少し、69万564になったと発表。規模が小さい事業所ほど減少が目立ち、製造業、金融、保険、運輸業など幅広い業種で減少したという。
事業所数の減少に反して、従業者数は1.8%増加。都内の人口増加や景気回復を背景とした大企業の採用増を反映したものと見られるという。

◆事業所数は91年の調査以降減少傾向
都内の事業所数は91年の調査以降、減少傾向にあるという。
特に製造業は、16.6%減って、約6万3千になった。製造拠点の地方や海外への移転などが主因という。情報通信業や医療・福祉の事業所数は1割以上伸び、産業構造の変化や成長分野の移り変わりを反映している。

◆従業者9人以下の事業所数は減少、10人以上は増加
規模別に見ると従業員9人以下の事業所数は減少。10人以上では増加しているそうである。300人以上の事業所は、従業者数も1割以上増加。従業者数はともに1割以上の美たとのこと。
また、千代田区や新宿区、文京区などでは事業所が減った一方で、従業者数が増えたとのこと。

8月31日の日経新聞の記事であるが、規模が小さい事業所ほど減少とのこと。それに反して、大企業の採用者増で、従業者数は増加しているという。
これはやはり、中小零細企業の苦境を反映していると解釈できる部分は大きいのではないのであろうか。原因として、倒産数の増加や改廃業率の逆転現象、つまり、廃業の多さや開業率の停滞ということも背景にあるのであろう。

(日経朝刊 07.08.31号より)

「びっくりラーメン」破綻、吉野家が買収

◆「びっくりラーメン」破綻、吉野家が買収
180円の低価格のラーメンチェーン「びっくりラーメン」を展開する「ラーメン一番本部」(本社・大阪市)が8月30日、大阪地裁に民事再生法を申請して経営破綻した。またそのラーメン一番から、吉野家が事業譲渡を受ける契約をしたとのこと。両方ともちょっとびっくりだ。吉祥寺から徒歩10分ぐらいのところにもびっくりラーメンが一店舗あるけれども、私はまだ利用したことがなかった。

◆経営破たんの理由は何か
しかし、なぜびっくりラーメンは経営破綻したのであろうか。こんなに安い価格なら、格差拡大の今日、けっこう繁盛していたと思うのであるが、なぜなのであろう。
9月11日付けの夕刊フジには「ラーメン一番本部は収益性が低いなかで行った急激な店舗拡大により資金繰りが悪化した」と書いてある。8月31日付けの日経新聞には「関西を中心に約190の低価格店を展開し、売上高はピーク時の2005年12月期には58億円あったが、急速な店舗網拡大などで業績が悪化していた。帝国データバンクによると、子会社も含む2社の負債総額は約39億円。」と書いてある。

◆値付けと経営者の資金繰り感覚が問題
新聞ではこれぐらいしか情報がない。以下の二つのことが読み取れると思う。
ゝ涎磴陛絞淌験による資金繰りの悪化(夕刊フジ)
急速な店舗網拡大などで業績が悪化(日経新聞)
日経新聞は、店舗拡大により、資金繰りではなく「業績が悪化」と書いてある。つまり、店舗が多すぎて、飽きられたか店舗同士が市場を食い合ったというように読み取れる。

◆経営者の能力の問題・・・なぜ資金繰に留意しなかったのか
どちらにしても、これは「経営者の能力の限界」というものが見て取れるのではないかと感じる。とともに、以下の二点に注意を注いでいたら、けっこう容易に経営破たんは回避できたのではないのか。
まず、資金繰りを十分検討しながら店舗拡大をしていたら、倒産は回避できたのではないのか。「ここで抑えないと資金繰りが苦しくなる」と考えるような経営者ではなかったのではないのか。店舗の拡張は得意であるけれども、財務のブレーンが不在だったり、資金繰りなどを気にしない、相当ワンマンな経営者であるように感じる。

◆経営者の能力の問題・・・なぜ価格引き上げをしなかったのか
次に値付けの問題である。190円というのは、本当に安い。消費者としては、大変ありがたい値段である。その値付けには、私も本当に「びっくり」させられた。しかし、たとえば250円ぐらいに値上げして販売しても、採算は十分取れたのではないのか。それでも価格競争力があるし、たとえ客の回転が減ったとしても、荒利が大きく増えるので、十分採算が取れたような気がする。経営者は190円という価格にこだわりすぎたのではないのかと感じた。確かに消費者にとっては、ありがたい値段であるし、「低価格戦略」というのは、強力な経営の武器の一つではある。しかし、それで経営が成り立たないとしたら、値上げすればよかったのではないかと感じた。「値付け」の難しさというものを感じたしだいである。

言うは易しで、批判するのは簡単であるけれども、やはりちょと残念な気がする。でも、経営者が違えば、倒産を回避できたような気がして残念である。また、ベンチャー型の経営者には、こういった資金繰りをあまり気にしないで拡大戦略のみに関心があるという人も多いのではないのかと感じる。
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