◆改正中心市街地活性化法
地方などでは、駅前などの市街地の空洞化が叫ばれて久しい。いわゆるモータリーゼーションの普及で、ロードサイド店舗、大型ショッピングセンター等に押され、中心地では「シャッター通り」と呼ばれる商店街も多いという。それを阻止するために、「中心市街地活性化法」「都市計画法」「大店法(大規模小売店舗立地法)」などの、いわゆる「まちづくり三法」が整備されてきたが、いっこうに効果は見えない。
そこで今回、まちづくり三法を改正して新たにこの問題に取り組んでいくことになった。今回の改正では、このまちづくり三法の目的を「中小商業の再生」から「地方都市の中心部への居住促進」に切り替え、重点をシフトした。そのまちづくり三法のうち、「中心市街地活性化法」が8月22日に施行された。今回の改正では、具体的には商店、学校、共同住宅、病院を都市の中心部に集約することが目的。市町村が申請し、国が認定し、財政支援や税制優遇などの支援を行うものという。

◆各市町村の取り組み
その、国の認定を目指す市区町村の取り組みは以下のようなもの。
富山市は、鉄道やバスといった公共交通網を整備、郊外から中心部に人を呼び込もうと試みている。富山市の場合、中心部の人口は減り続け、1播たりの「定住人口密度」は昨年、全国の県庁所在地で最低となったそうである。
「コンパクトシティー」への取り組みで知られる青森市では、JR青森駅を中心にマンション約十棟が誕生し、賑わいを取り戻しつつあり、活性化計画をもとに、国に支援認定を申請するという。
福井市では、JR福井駅西口の再開発が焦点。ホテル、公共施設を備えた複合ビルの建設を検討し、基本計画の策定を目指すという。

◆コンパクトシティーという概念
今回の中心市街地活性化法の改正は、共同住宅や公共施設を集約し、高齢者も住みやすい「コンパクトシティー」という概念を目指す試みとのことである。この「コンパクトシティーという概念は、欧米などで進んでいる考えであるという。「商業・公共施設が集まり、住民が歩いて暮らせる街づくり」という概念を「コンパクトシティー」と呼ぶそうである。
例えばドイツでは、人や商店を半径1.2キロ程度の市町村中心部に集め、歩行者天国や路面電車の整備で、伝統的な町並みと便利さを両立させる試みが進んでいるという。
高齢化が急ピッチで進む日本では、これは必要な概念かもしれない。高齢になれば、足も不自由になり、ちょっとした遠出もおっくうになったり、車の運転する人も少なくなったりする。当然、行動範囲は狭まるから、近隣にコンパクトにまとまった施設があればとても便利なのかもしれない。
(日経朝刊 06.08.23より)