(日経朝刊07年7月2日号より)

◆倒産件数は05年上半期から増加に転じる
今、日本の景気は順調に拡大し、その拡大期間は5年を超え、戦後最長のいざなぎ景気を抜いたといわれている。そのような中で企業の倒産が増えているそうである。
帝国データバンクによると、2007年1〜6月の全国企業倒産件数は、5394件と前年同期を16.9%上回っている。倒産件数(負債総額1千万円以上の法的整理)は05年上半期から増加に転じているとのこと。
また、自治体と民間が行う「第三セクター」の倒産は、上半期としては最高の11件となったそうである。

◆中小企業と老舗企業の倒産が増加・・・銀行が与信管理を厳格化
倒産件数は増えているが、負債総額は2兆5千億円で、8.3%減だそうである。これは大型倒産が一服する一方で、中小・零細企業の倒産が増加しているためだという。
金融機関は不良債権処理問題の反省から、中小・零細企業の与信管理を厳格化。収益が改善しないと判断すれば、追加増資をしないケースが多い。そのため地方の建設業、小売業、サービス業は資金繰りが次第に厳しくなり、経営再建を断念する企業が増えているという。
また、開業後30年以上の「老舗企業」の倒産も増えて、倒産件数の3割にも及んでいると、5月25日付けの日経朝刊で報じていた。これは、後継者不足が一因との分析もあったが、老舗企業が旧態依然の経営を続け、時代の変化に対応し切れていないということも大きいのではないか。

◆三つの倒産のタイプ
また日経新聞では、最近の倒産のタイプを以下の3つのパターンに分類している。
)[甍稟新拭ΑΑΔ海譴蓮談合摘発や不正会計をきっかけに経営破たんするもの。たとえば甲府市のコミヤマ工業。談合事件に関与したとして、公共工事の指名停止や営業停止命令を受けた。課徴金の支払いも加わり、資金繰りが悪化し、5月18日に民事再生手続きを申請。
原燃料高型・・・原油や木材など、資源価格高騰がきっかけとなる倒産。たとえば運送会社のエーラインアマノ。トラック燃料の軽油価格が高騰するなか、運送料金への転化が進まず行き詰まり、4月19日に民事再生手続きを申請。
ベンチャー失敗型・・・起業家の経営手腕の未熟さが原因となるもの。たとえば介護サービスのトータルケアサポートは、施設数を急拡大した結果、人件費などが膨らみ、資金繰りが悪化。7月12日に破産手続きの申し立て準備に入ったそうである。

◆金利の上昇が懸念材料
帝国データバンクは、「今年後半にかけて、貸出金利の上昇が見込まれ、中小零細企業の倒産がさらに増えそうだ」と指摘している。
新聞を見ると、東証一部、二部の多くの上場企業・大企業には、最高益を更新している企業も多く、経営が好調な企業が大半である。それが日本の景気を引っ張っているという感じである。しかし、中小・零細企業に限っていえば、その恩恵はあまり受けていないともいえる。中小下請企業が大企業の無理な条件を受け入れているなどという話も聞く。零細小売業の環境は相変わらず厳しい。国は、中小企業対策にもう少し力を入れてほしいとも感ずる今日この頃である。