(読売朝刊 07年6月24日号より)

◆787で首位奪回
アメリカのボーイング社の次期主力旅客機「787(通称ドリームライナー)」が7月8日に完成した。低燃費が人気で予約が殺到し、「航空機至上最大のヒット作」と言われ、ボーイングは2006年の民間旅客機受注機数が6年ぶりにライバルの欧州エアバスを上回り、世界市場で首位を奪回したそうである。この787の売りは「低燃費」で、6月時点で634機の受注が決まっており、「民間航空機至上、もっとも早いペース」で売れているそうである。このボーイング787には日本企業の技術が多く結集されて、日本企業の強さの一端を垣間見ることができる。
B787の概要は次のとおり。客席数:210〜250(標準機種)の中型旅客機。価格:一機あたり4800万〜1億8000万法別鵤隠牽亜腺隠坑芦円)

◆35%が日本製
このB787は、世界の部品・機械メーカーが設計の段階から参加する「国際分業体制」を敷き、エンジンなどを除いた機体部分について、生産ベースで約70%を外部メーカーに委託している。これによって、巨額な投資リスクを軽減するとともに、最先端の技術や技能を結集させる狙いがあるという。
その中で日本企業は基幹部分を担っている。三菱重工業、川崎重工、富士重工の3社で35%相当の生産を担当。1982年の中型機767では日本メーカーの担当比率は16%。1995年の大型機777では21%であるから、日本企業の躍進ぶり、重要性が伺える。技術力に加え、納期を守るなどの信頼性の現われでもあるという。
三菱重工は、ボーイングが初めて外注した主翼、富士重工は中央翼、川崎重工は前頭胴体や主脚格納庫部などを供給するという。

◆東レは炭素繊維素材を全面供給
また機体の主要部分の構造材には「炭素繊維複合材」を大量に使用する。これは「鉄より強く、アルミより軽い」とされるものである。1機当たりの炭素繊維の使用量は約30鼎肪し、複合材を成型する技術に優れる三菱重工、富士重工、川崎重工3社の協力が不可欠となったそうである。
そしてこの炭素繊維複合材を全量供給するのが東レで、東レは昨年4月、787向けに炭素繊維複合素材を2006年から21年まで独占供給する契約を結んだ。16年間で1500機の製造を見込み、受注額は約60億ドル(7380億円)に達する見通しであるという。

◆軽量化により、コスト削減に大きく寄与
の787が大きく受注を伸ばした理由は、燃費の向上によるコスト削減に大きく寄与するというのが一番である。燃費は従来機種に比べ約20%向上。航空距離も標準機種で最大1万4200〜1万5200舛斑羞慎,覆ら大型機並みになるという。また炭素繊維複合素材は耐久性にも優れ、整備費も従来機種より約30%節約できるという。