◆「びっくりラーメン」破綻、吉野家が買収
180円の低価格のラーメンチェーン「びっくりラーメン」を展開する「ラーメン一番本部」(本社・大阪市)が8月30日、大阪地裁に民事再生法を申請して経営破綻した。またそのラーメン一番から、吉野家が事業譲渡を受ける契約をしたとのこと。両方ともちょっとびっくりだ。吉祥寺から徒歩10分ぐらいのところにもびっくりラーメンが一店舗あるけれども、私はまだ利用したことがなかった。

◆経営破たんの理由は何か
しかし、なぜびっくりラーメンは経営破綻したのであろうか。こんなに安い価格なら、格差拡大の今日、けっこう繁盛していたと思うのであるが、なぜなのであろう。
9月11日付けの夕刊フジには「ラーメン一番本部は収益性が低いなかで行った急激な店舗拡大により資金繰りが悪化した」と書いてある。8月31日付けの日経新聞には「関西を中心に約190の低価格店を展開し、売上高はピーク時の2005年12月期には58億円あったが、急速な店舗網拡大などで業績が悪化していた。帝国データバンクによると、子会社も含む2社の負債総額は約39億円。」と書いてある。

◆値付けと経営者の資金繰り感覚が問題
新聞ではこれぐらいしか情報がない。以下の二つのことが読み取れると思う。
ゝ涎磴陛絞淌験による資金繰りの悪化(夕刊フジ)
急速な店舗網拡大などで業績が悪化(日経新聞)
日経新聞は、店舗拡大により、資金繰りではなく「業績が悪化」と書いてある。つまり、店舗が多すぎて、飽きられたか店舗同士が市場を食い合ったというように読み取れる。

◆経営者の能力の問題・・・なぜ資金繰に留意しなかったのか
どちらにしても、これは「経営者の能力の限界」というものが見て取れるのではないかと感じる。とともに、以下の二点に注意を注いでいたら、けっこう容易に経営破たんは回避できたのではないのか。
まず、資金繰りを十分検討しながら店舗拡大をしていたら、倒産は回避できたのではないのか。「ここで抑えないと資金繰りが苦しくなる」と考えるような経営者ではなかったのではないのか。店舗の拡張は得意であるけれども、財務のブレーンが不在だったり、資金繰りなどを気にしない、相当ワンマンな経営者であるように感じる。

◆経営者の能力の問題・・・なぜ価格引き上げをしなかったのか
次に値付けの問題である。190円というのは、本当に安い。消費者としては、大変ありがたい値段である。その値付けには、私も本当に「びっくり」させられた。しかし、たとえば250円ぐらいに値上げして販売しても、採算は十分取れたのではないのか。それでも価格競争力があるし、たとえ客の回転が減ったとしても、荒利が大きく増えるので、十分採算が取れたような気がする。経営者は190円という価格にこだわりすぎたのではないのかと感じた。確かに消費者にとっては、ありがたい値段であるし、「低価格戦略」というのは、強力な経営の武器の一つではある。しかし、それで経営が成り立たないとしたら、値上げすればよかったのではないかと感じた。「値付け」の難しさというものを感じたしだいである。

言うは易しで、批判するのは簡単であるけれども、やはりちょと残念な気がする。でも、経営者が違えば、倒産を回避できたような気がして残念である。また、ベンチャー型の経営者には、こういった資金繰りをあまり気にしないで拡大戦略のみに関心があるという人も多いのではないのかと感じる。