◆様々な種類株の発行が可能に
去年、平成18年度に「商法」が「会社法」に改正され、様々な種類の株式を発行できるようになった。普通株に対して、別段の定めや制限のある株式を「種類株」と考えていいであろう。特に「譲渡制限会社」つまり「非公開会社」について、使い勝手のいい種類株を発行できるようになった。

◆相続・事業承継対策で威力を発揮
この種類株は、おもに相続・事業承継対策に活用できるものである。簡単に説明すると以下のような種類と内容である。
ゝ跳荼∪限株式
会社法115条で、非公開会社(譲渡制限会社)における「議決権制限株式」の発行制限規制(2分の1規制)が撤廃された。これによって「役員選任権」を付した普通株式を発行でき、少額の資金で会社の議決権の過半数を握り、役員の選任権を握ることも可能になった。
拒否権付株式
これは文字通り、「拒否権」を持つという強力な株式で、通常の決議の他に、役員の選任権について拒否権を有するものとしたり、剰余金の処分の決定権について拒否権を有するものとしたりできるものである。
A管取得条項付株式
オーナー一族が株主として継続してほしくないと考えている株主について、この「全部取得条項付き株式」を発行して強制的に買い取ることも可能である。

◆定款変更が必要
上記の「種類株」を発行する場合、定款変更決議をして定款を変更する必要がある。
例えば「全株取得条項付株式」の場合、以下のような株主総会の特別決議が必要となる。
〜干取得条項を付すための定款変更決議
株式の種類を形式上2種類にするための定款変更決議
A管取得条項に基づいて、株式を取得する決議
この決議を経て、定款を変更することになる。

◆「剰余金の配当、議決権等に関する別段の定め」による差別化
また種類株とは異なるが、定款における別段の定めを行うことによって、株主に違いを持たせることができるようになった。「剰余金の配当、議決権等に関する別段の定め」がそれである。例えば会社法109条2項で以下のように定めている。
「非公開会社(株式譲渡制限会社)は、‐衢抄發稜枦を受ける権利∋塚昇盪困諒配を受ける権利3主総会における議決権に関して、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる」というものである。平たく言えば、株式において配当の割合を変えることができたり、同じ株主でも議決権に違いを持たせることができるというものである。
★株主総会の決議と定款変更が必要
通常、株式数により配当や議決権が決定されるが、株主1人につき1議決権とか、代表取締役については配当を2倍にするなどというようにすることができるものである。またこれは、株主総会の決議により定款変更を行うことによって可能である。ただ配当の場合、後継者である息子に配当が多く支払われるようにすると、「贈与の認定」がされ、贈与税が課税される可能性が高いことに留意する必要がある。