◆社員をやる気にさせ、組織を活性化する
星野リゾートは、様々な業態のホテル、旅館、リゾートを経営している。その中で、社員自らが中心となり、新たな新サービスを提供したりして、顧客満足度をアップし、売上を増加させてきた事例などが紹介されている。「アルファリゾート・トマム」や有名な地ビールである、よなよなエールを売る「ヤッホー」などは、星野リゾートが運営していたということを初めて知った。11の事例が盛り込まれているが、どれも面白い。

◆売上アップ、コストダウンではなく、「顧客満足度」の追求
例えば、「アルファリゾート・トマム」の事例では、営業部門ではなく「機械部門」の社員が、「山頂の雲海テラス」を開発。それが名物スポットとなり、売上アップにも貢献した。
それには次のような言葉があった。『お客様の満足が最大の目的だ』。雲海テラスの開発者である伊藤の言葉として、本文に、以下のように書いてある。「それまで、売上を伸ばせ、コストをカットしろと言われ続けていたのに、突然、『お客様の満足が最大の目的だ』と言われた。会社は売り上げがなければ存続しないのに、どうして新しい社長は満足度なんて言い出すのか、まったく理解できなかった」と。確かにそうであろう、売り上げを伸ばせ、コストをカットしろと言われ続けてきた社員が、「顧客満足度を上げる」ということをいわれても、ピンと来ないであろう。そういう会社が大半なのかもしれない。それが、顧客満足度を上げるということを考え続けた結果、「雲海テラス」というものの創造につながったのである。

◆経営者にとってお勧めの本
上記のような事例が盛りだくさんの本である。「顧客満足や、経営理念の重要性」という言い方もできるかもしれない。このように、権限を委譲し、社員を活性化させ、成長させ、新たなサービスを作り上げ、顧客満足度をアップし、それが会社の業績をアップさせていくというのは、本当にすごいことだと思う。このような順序で会社を活性化し、業績をアップさせるといいうのは、企業のあるべき姿ではないか。星野社長も最初からこのような度量の広い人ではなかったようであるが、社長の器の広さというものが見て取れる。あらゆる会社の経営者にとって、社員をやる気にさせ、組織を活性化させるヒントとして一読されることをお勧めする。もちろん、一般の社員の方などにとってもお勧めである。