◆ドルの没落と円の隠れ基軸通貨性をわかりやすく説明
3.11の大震災が起きて間もない時期に書かれたこの本には、通貨の歴史などが、ふんだんに含まれていて、重要なことであるとは思うのだけれども、それは私にはあまり関心のないこと。私が知りたかったのは、「1ドル50円時代が来るのかどうか」ということ。
ドルの崩壊と、円が隠れ基軸通貨となっているということが、著者の前作『1ドル50円時代を生き抜く日本経済』よりも、わかりやすく説明されているように思えた。
やはり「1ドル50円時代」は、やってくるのだ。前半は、通貨の歴史のウエイトが多いように思えるが、後半に行くに従って、核心部分のウエイトが高くなっている。

◆ドルの崩壊
ドルが基軸通貨となった1944年7月のブレトンウッズ体制の崩壊、いわゆるニクソンショックによる金本位制の崩壊、プラザ合意による1ドル360円体制の崩壊、そしてリーマンショック、徐々にドルが崩壊していく過程、様子をわかりやすく説明している。
円高の直接要因としては、以下の三つの要因が挙げられると思う。.▲瓮螢が、ドル通貨をジャブジャブ発行している、いくらでもできるというのが、円高の要因の一つ。需要と供給のバランスである。▲▲瓮螢が輸出大国を目指しているということがもう一つ。また本書では触れられていないが、アメリカのインフレと、日本のデフレのギャップも、円高要因の一つであろう。い修譴ら当然、日本経済の潜在的な強さ、というものもあると考えられる。

◆日本の隠れ基軸通貨性
アジア通貨危機が、円高に端を発する、日本の活発な東アジア投資が原因だったこと。平成23年の東北大震災のあとも、円が買われて円高になったことなど、日本の円が、すでに世界の「隠れ基軸通貨」になっているということが理解できた。

◆その他、参考になった事項
レーガノミックスのとはどういうものだったのか、日本の低金利と円キャリートレードの大きな影響力、東アジア通貨危機も、日本の東アジアへの投資が大きな要因であった。IMFは遅れてきた通貨の番人であり、その経済政策は正しいものではないということなどが理解できた。また、地域通貨の時代が来ると著者はいう。

日本はもはや、単なる輸出立国ではない、円安ではなく、円高により教授するメリットは、膨大なものがある。輸入品が安くなったり、海外の企業を買ったりする海外投資に圧倒的に有利なのである。1ドル50円時代は、すぐそこまで来ていると感じた。