45b387e8.jpg 近年ミニマムインターベーションといって虫歯の部分だけを削り取りそこに接着性の樹脂(コンポジットレジン)を詰める治療が行われています。では今までの治療は虫歯以外の歯も削っていたのか?という事になりますが象牙質の裏打ちのないエナメル質(遊離エナメルといって破折しやすい)や予防拡大といって奥歯の歯の溝など虫歯になりやすい場所も削ったり、金属インレーの出し入れに支障になる下掘れの部分を除去したり厳密には虫歯でない歯質も削る事がありました。
削るべきう蝕象牙質の診断見極めがきちんとできて接着材料の使い方が間違いなければミニマムインターベーションは極自然の治療だと思います。しかし現実は、、、。
 写真の症例は激しい痛みを訴えて来た患者さんです。ご本人もどの歯が痛いのか判らない状態でした。いろいろ調べてみると右上の第1小臼歯が原因の様です。この歯は10ヶ月ほど前他の歯科医院で治療したばかりというのですが元々金属インレーが入っているのにそれを除去せず犬歯との隣接面にレジン充填がされています。充填物を外してみると本来きちんと接着していなければならない象牙質には全く接着しておらず柔らかいう蝕象牙質になっており既に歯髄に達していました。

最近は白い修復物で治療してほしいという患者さんの希望が多くなっています。しかし接着性のコンポジットレジン充填による治療は保険も適用になりますが用いるのは前歯や臼歯でもかみ合わせに関係のない場所にとどめておいたほうが無難だと思います。メーカーは臼歯部でも適応できると宣伝していますがかみ合わせの部分では5年程度で駄目になるケースを数えきれないくらい見ています(保険の治療なら2〜3年持てば充分という先生も多いですが)。
また写真の症例のように歯と歯の間の虫歯治療では充填する場所がきちんと乾燥できるかどうかという問題もあります。青い光を当てて硬化させる材料なので光は中まで十分届いているかどうかも検証しようもありません。始めからう蝕象牙質を残したまま治療する先生は居ませんから写真の症例も何らかのテクニカルエラーがあったため接着が不十分となり虫歯が再発したと思います。この辺のテクニックは歯科医師の技量の差が大きい所、きっと上手な先生は多いと思いますがそうでない先生も多少いるのでしょうが患者さんが見極める事は無理です。
近年白い詰め物でと言う患者さんの要望が多いことと、この治療では技工料がかからず歯科医医院にとっては経費の節減になるため臼歯部にレジン充填が多用されていますがこういうトラブルも多いのが事実です。

という訳で結論として私はまだ臼歯部に自信を持ってコンポジットレジン充填をお勧めしたくはありません。ミニマムインターベーションにはなりませんが金属インレーのほうがはるかに確実な虫歯治療ができる事は臨床の経過を見れば明らかです。でも保険で白くという患者さんはいるのでその辺難しい所です。

もっと予後の良い白い修復方法もありますがそれはまた次回に。