2008年05月17日
中山可穂「感情教育」
気がつけば、どんな言葉でも表せないほど穏やかに、自然に、ふたりは惹かれ合い
神様は、まるで初めから1つしかなかった身体を2つに分けて、この世に送り出したのだ
「白い薔薇の淵まで」のあとがきエッセイで、この本は人妻である恋人の子供のために
書いたと記されていたため、いつにも増して狂おしい恋愛模様が書かれているかと思っていたが
本書はまったく違っていた
神様は、まるで初めから1つしかなかった身体を2つに分けて、この世に送り出したのだ
「白い薔薇の淵まで」のあとがきエッセイで、この本は人妻である恋人の子供のために
書いたと記されていたため、いつにも増して狂おしい恋愛模様が書かれているかと思っていたが
本書はまったく違っていた
那智と理緒 数奇なほどのふたりの生い立ちの部分に大部分がさかれ、ふたりが恋に落ちる様が
必要のないコトのように省かれている
産院で生まれたその日に置き去りにされた那智 結婚をして生まれた子供に
異常なまでに愛情を注ぐ姿は、母から捨てられた自分自身を否定しているようだ
そして父親に遊園地のベンチに置き去りにされた理緒
ヒモのような父親とホステスである母との間に生まれ、幼い頃から親戚に預けられていた
ボーイッシュ男より女の子が好き、演劇に夢中になり、そしてライターとして生活している理緒
前世からの宿命の恋人を探す理緒が、めぐりあったのが那智である
その人の勁さは、いつもわたしを震撼させた。
そのひとの孤独は、いつもわたしの胸をついた。
そのひとは砂漠に咲く蘭の花のようだった
求め合うふたりは、那智の離婚と子供の親権争いのために離ればなれになったのに
またふたりは再び出会う 出会いは、懐かしく、静かで、安らぎを与えてくれた
いつものように読んでいて疲れるほどの恋愛模様が描かれるわけでない
でも逆に、その部分はこの本を捧げる人に対してのみわかり合える情事であって
その片鱗さえも他人には見せたくないのか?
あとがきでも私小説ではない..と書かれているが、演劇をしていて人妻に恋して落ち込んでいる
理緒を勝手に中山氏になぞってしまう でも確かに私小説ではないだろう きっと現実はもっと醜いはずだ
親に捨てられたと闇をもつ二人
ありあまる感情をほとばしらせる理緒が、感情を表せない那智に向かってあなたには感情教育が
必要だと言うセリフがある そしてその教育の手始めに那智の親探しをはじめる
タイトルが素敵だけど、あまり合っているとは思えなかった
しかし同題のフランス人の本を読んでいないので、もしかしたらこれで良いのかもしれないけど
小説はいつか終わるけど 人生は続く
恋愛は終っても小説は残る
ハードカバーのあとがきと、文庫のあとがき
それぞれに書かれた一行である
誰かに向けた愛の記録を文字に残せるとは小説家とはなんて恐ろしい職業なのだろう
必要のないコトのように省かれている
産院で生まれたその日に置き去りにされた那智 結婚をして生まれた子供に
異常なまでに愛情を注ぐ姿は、母から捨てられた自分自身を否定しているようだ
そして父親に遊園地のベンチに置き去りにされた理緒
ヒモのような父親とホステスである母との間に生まれ、幼い頃から親戚に預けられていた
ボーイッシュ男より女の子が好き、演劇に夢中になり、そしてライターとして生活している理緒
前世からの宿命の恋人を探す理緒が、めぐりあったのが那智である
その人の勁さは、いつもわたしを震撼させた。
そのひとの孤独は、いつもわたしの胸をついた。
そのひとは砂漠に咲く蘭の花のようだった
求め合うふたりは、那智の離婚と子供の親権争いのために離ればなれになったのに
またふたりは再び出会う 出会いは、懐かしく、静かで、安らぎを与えてくれた
いつものように読んでいて疲れるほどの恋愛模様が描かれるわけでない
でも逆に、その部分はこの本を捧げる人に対してのみわかり合える情事であって
その片鱗さえも他人には見せたくないのか?
あとがきでも私小説ではない..と書かれているが、演劇をしていて人妻に恋して落ち込んでいる
理緒を勝手に中山氏になぞってしまう でも確かに私小説ではないだろう きっと現実はもっと醜いはずだ
親に捨てられたと闇をもつ二人
ありあまる感情をほとばしらせる理緒が、感情を表せない那智に向かってあなたには感情教育が
必要だと言うセリフがある そしてその教育の手始めに那智の親探しをはじめる
タイトルが素敵だけど、あまり合っているとは思えなかった
しかし同題のフランス人の本を読んでいないので、もしかしたらこれで良いのかもしれないけど
小説はいつか終わるけど 人生は続く
恋愛は終っても小説は残る
ハードカバーのあとがきと、文庫のあとがき
それぞれに書かれた一行である
誰かに向けた愛の記録を文字に残せるとは小説家とはなんて恐ろしい職業なのだろう



