2008年06月22日

黒川博行「悪果」4

人は、自分のしたコトの報いを必ず受けるのだ

マル暴担当の刑事は、捜査の為にヤクザと付き合いネタ元との付き合いにシノギが得る
何が悪で何が正しいのか、そんな疑問すらばかばかしく思えるほどの

堀内刑事は、ネタ元から賭場の情報を得て内偵をはじめる 一斉検挙の後、博打に参加し逮捕された
学校経営者をゆすり金を取ろうと、零細経済誌の編集長に接触を頼む
しかし、突然編集長が車にはねられ死亡 怪しんだ堀内は、事件を調べるうちに自分が
ヤクザに付回されているコトに気づく........

the「黒川博行」な一冊
堀内、そして相棒の伊達 たぶん現実にいれば、本中でヤクザにヤクザ以上に腐った奴と
言われるが、まさにその通り! 正義のために働く警察官を一人たりとて見たコトがない
しかし、そんなコト関係ないほど、彼らはどん欲に生半しく、悪い そして読むものを惹き込んでいく

ヤクザに付回された挙げ句襲われ、警察手帳を盗まれる堀内
かわりに事故で命を落とした編集長の坂辺から預かったものを渡せと脅される
坂辺や自分が何かもっと大きな事件に巻き込まれていたと知り、追い込まれた堀内は
相棒の伊勢と事件の核心へ

お金のためにゆすり、クラブの女に金をつぎ込み、気に入らない奴は殴り倒し、
仲間の刑事を出し抜いて仕事を挙げる 
誰も信じない
黒川博行の登場人物達は、相棒でも誰でも信じない一匹オオカミ的なのに
変なところで、ここ一発相手の為に力を尽くす でもそれが友情とか人情だけでなく
必ずお金が絡み一筋縄でいかないところが面白い

総点検まで3日、警察手帳を取り返さなくてはならない堀内は、事件の真相を暴き
坂辺に変わって、今度は自分達が億の金を巻上げようと画策する
黒川氏の作品は最後の最後まで、ドンデン返しが用意され、最後の最後まで勝負をかけて
あまりにもシブトイ しぶといとはこんな人達のことだと辞書に載せたいほどシブトイ
もう読んでて、もう諦めろぉー!と声をかけたくなるほど息を飲む展開となる

前回の直木賞候補でこのミス大賞の「警官の血」より面白いと書かれていたので
読んでもない「警官の血」にライバル意識燃やして読んでる私もどうなのかと思うが
面白いけど、敢えて言うなら疫病神シリーズの「国境」の方が面白いなと思うけど
こっちの方が、ややハードボイルドと言うか甘みが少ないので、賞向きなのかな?
しかし好き過ぎる こんな作品 毎度ですが、この関西弁のやり取りや好き過ぎる

直木賞を取ろうが取るまいが、カンケイないし、あえて黒川博行は取らないで欲しいと
言うかとらないほがカッコ良いと思うんだけど、受賞して本屋の一角に「キャッツアイころがった」
とか昔の本からずらっと並べたコーナーを是非見せて下さい!

悪果 
悪い行いの報い

タイトルにふさわしい終わりを用意してくれた本書
この幕切れは、今までのどの本の終わりより惚れ惚れするほど格好ワルい

tg-wco4be2 at 16:10│Comments(2)TrackBack(1)clip!黒川博行 

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1. 悪果  黒川博行  [ 今更なんですがの本の話 ]   2008年06月22日 23:55
さすがに警察小説もお腹いっぱいになってきました。この『悪果』を読む前までは、まだまだいけますって勢いだったんですが。それだけこの本は濃いです。実にねちっこい。 大阪を舞台にマル暴担、暴力団犯罪対策係の二人の刑事の姿を書いた本なのですが、この二人の軽妙なや....

この記事へのコメント

1. Posted by たまねぎ   2008年06月22日 23:39
こんばんは。コメントありがとうございます。
黒川さんはこれが初読みだったんですが
中身はそれこそ目も当てられないほど泥々だけど
関西弁の軽妙な語り口で楽しんで読めました。
そしてなんと「国境」はオススメなんですね!
積読の山で長いこと眠ったままなんですが
読みたい気持ちが沸々と沸いてきました。
2. Posted by きりり   2008年06月24日 12:11
たまねぎさん コメントありがとうございます
関西弁だからこそ読める楽しさがありますね 「国境」面白いですよ〜もっとエンタメ性があって楽しめると思います

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