2009年06月10日

桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない-A Lollypop or A Bullet」3

当たったらヤバイクイズを知ってるかい?
 ある男が死んだ つまらない事故でね 
 男には妻と子どもがいた 葬式に男の同僚が参列した
 同僚と妻はこんな時になんだけどいい雰囲気になった まぁ、惹かれあうってやつだ 
 ところがその夜、なんと男の忘れ形見である子供が殺された
 犯人は妻だった 自分の子供をとつぜん殺したんだ さて、それはなぜでしょう? 


Because I miss you 「逢いたくて」
もう一度葬式があればあの人に会える
もう一度葬式を出すために母親はコドモを殺した
逢いたい.....あの人に

あたったらヤバイクイズをいとも簡単に当ててしまった海野藻屑の父親
そして彼から虐待を受け続けている藻屑
傷つけながらも共存する二人のカンケイが壊れる
「こんな人生、ほんとじゃないんだ」

オトナになっても、こんな人生を何故生きてるんだろうって思うコトがある
あまりに無意味で無駄な徒労ばかりで、よくよく考えると甚だ不愉快で馬鹿馬鹿しい
神様はどう思ってこんな人生を私に用意していたのか?

主人公・山田なぎさは父が死に、今は引きこもりの美しい兄と
一家の大黒柱の母のもとで暮らしている
そして実弾を集め、この町からいつか出たい...と ねがっていた
なぎさは、ふっとした切っ掛けで転校してきた少女・海野藻屑と
仲良くなる そしてふたりは生きるタメに、生き残るタメに砂糖菓子の弾丸を手に闘いをはじめる....

転機となった桜庭氏の本(らしい)
ふたりの少女の逃走にいたるまでを描く本書は 「少女に向かない職業」のように
ほっぽって終る...感じもあるんだけど、それだけでは終らない
追いつめられた二人の少女と、歪な父親と兄
最後にまっていた結末こそが素直な答えなのかもしれない

私は残念ながらヤバイクイズの正解がわからなかった ちょっと残念...とか
つい思ってしまうごく普通の人間である
本書に描かれるように良くも悪くも運命が決められているなら人生を闘っていく理由がない 
でも少女は闘うのだ 実弾を手に それがどんなに儚い実弾だとしても
ほんとうじゃない人生から逃れるために

2006年度「このライトノベルがすごい!」で3位


tg-wco4be2 at 02:45│Comments(2)TrackBack(0)clip!桜庭一樹 

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この記事へのコメント

1. Posted by ソーラ   2009年06月13日 04:46
この本、読んだのですが印象が薄くて。
海野藻屑の不思議さ、奇妙さだけが記憶にあります。桜庭はねちねちしている気がしていて好みではないですね。
きりりさんのこの文章を読んで、「ヤバイクイズ」を思い出しました。
2. Posted by きりり   2009年06月14日 02:39
ソーラさん ヤバイクイズ 残念ながら判りませんでした 読んだ時は面白かったんですけど実は数ヶ月前に読んでるので、ちょっと感想がおぼろげになってしまいました

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