2010年11月22日

麻耶雄嵩「貴族探偵」3

貴族探偵と聞いて思い出すのは 私のなかではメルカトル鮎を置いて他にいない
人里離れた山奥にもタキシードに蝶ネクタイ、黒マントにシルクハットで現れるメル

麻耶先生 5年ぶりの新作だそうで この貴族探偵
メルと言うより やや「富豪刑事」に近い路線 

とにかく警察も何も言えないほどの大物らしく
可愛らしいメイド、執事、2メートル近い巨漢の運転手を引き連れ登場する

「自らは推理をしない「貴族」探偵、登場」
と言うコピーの通り 貴族は推理などしない 使用人に謎解きまでさせるのだ


そんな彼らが謎解きするのは5篇
「ウィーンの森の物語」
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」
「こうもり」
「加速度円舞曲」
「春の声」

かなりおとぼけなキャラの貴族探偵ではあるが
一作目の「ウィーンの森の物語」は
犯人の密室トリックの独白から始まり 
お屋敷の別邸で殺人がおこり 外には足跡のない積もった雪
と言う密室トリックなどを使った正統派

密室有り、頭部や腕切断死体有りで
どれもこれも古典的な感じだが、
探偵の緊張感のないキャラで気を抜いて読んでいるので、
どの話もひねりが効て騙される

気に入ったのは、旅先で好きな作家と出会った女子大生が事件に巻き込まれる「こうもり」と
恋人の浮気発覚、落石で車が破壊と言う、つきに見放された女性が「加速度円舞曲」

探偵たるやエキセントリックでなくてはならないと思っているので
どんな奴が登場しても大丈夫だが、逆な意味でまったく光らない貴族探偵

20代で正装、口ひげをたくわえ...と メルばりなんだけど
常に紅茶ばかり飲んでいるだけの探偵

「謎解きなど使用人がすれば良いのです」

究極の安楽椅子
でも本作面白いです


tg-wco4be2 at 01:53│Comments(2)TrackBack(1)clip!麻耶雄嵩 

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1. (書評)貴族探偵  [ 新・たこの感想文 ]   2010年11月23日 01:05
著者:麻耶雄嵩 貴族探偵(2010/05/26)麻耶 雄嵩商品詳細を見る 事件が起こったときに現れる使用人を連れた口ひげの男。彼は、自らを「貴族探偵」と名乗り…… という連作短編衆。 ええっと……何ていうか…...

この記事へのコメント

1. Posted by たこやき   2010年11月23日 01:09
こんばんは。
古典的な密室トリックを論理的に解いていく。そういう意味では、人を食ったところはないのですが、それを探偵のキャラが……
普通の本格ミステリにしないのは、麻耶さんの意地……なんですかね?(笑)
2. Posted by えち   2010年11月24日 20:41
最近話題の作家さんですか?違う人からも薦められたんですが。俺は知らなくてもうすぐ年末だから、あと何冊読めるかなあとおもいつつ未読チェックはたくさんある状態(苦笑)
これもチェックですね

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