2011年08月07日

池井戸潤「下町ロケット」4

「その特許がなければロケットは飛ばない――
 大田区の町工場が取得した最先端特許をめぐる、中小企業vs大企業の熱い戦い!

 かつて研究者としてロケット開発に携わっていた佃航平は、
 打ち上げ失敗の責任を取って研究者の道を辞し、いまは親の跡を継いで
 従業員200人の小さな会社、佃製作所を経営していた
 日々奮闘している佃のもとに、ある日一通の訴状が届く
 相手は、容赦無い法廷戦略を駆使し、ライバル企業を叩き潰すことで知られるナカシマ工業
 否応なく法廷闘争に巻き込まれる佃製作所は、社会的信用を失い、会社存亡に危機に
 そんな中、佃製作所が取得した特許技術が、日本を代表する大企業に大きな衝撃を与えていた...


第145回直木賞を受賞した池井戸潤氏の「下町ロケット」

本のコピーの通り
「その特許がなければロケットは飛ばない」
 町工場が取得した最先端特許をめぐる、中小企業vs大企 業の熱い戦い!


大企業に揺さぶられて会社存続の危機に特許を買いたいと言うオファー
渡りに船!ここで何十億は入れば、会社の建て直しが出来ると判っているのに、
長年自分達が研究して来たものは、モノではなく自分達の夢であり
会社そのものであると思った佃は売却の話を断り製品じたいを入れたいと申し出る

自社開発のものでロケットを飛ばしたかった大企業は、
その申し出に困り両者の駆け引きが始まります

本作、よくありそな設定で定石な展開ながら、ふたりの登場人物のうまさが光っています

ひとりめが、殿村 銀行から来た経理担当
若い社員が、会社は社長の私物じゃないぞ〜と反発するなか
堅いことを言うはずの彼が、この会社の価値は夢とプライドだ!と社長を後押しする
かなりいいキャラ 読んでいて真面目そうなサライーマン姿が目に浮かぶよう

そして、ふたりめが財前
特許を売ってくれと言いにきた帝国重工のロケット担当部長
大企業にありがちな、訴訟でお金なくて困ってるんでしょ買ってあげるよ〜的な
立場から一転、佃製作所で働く社員や製品を見て惹かれていってしまう
技術者が惹かれていくというのがうまい

そして高飛車な帝国重工とのやり取りから、社長に反発していた社員達が
製品や自分達のプライドに気がつき丁々発止の闘いを見せます

最後まで手に汗にぎる展開を用意して、ひっぱってくリーダビリティ溢れる作品!

この舞台は大田区になっていますが、私が生まれたのは江東区(ザ・キングオブ下町)

父は家の裏に小さな工場をもっていて若い兄ちゃん達が働いてました
お昼になるとカツ丼とラーメンとか みんな2品食べてる 
それを見て、あ〜いつか二品食べたい....と思っていたミニきりり時代を思い出しました

ミニきりりは、その後小学生ながら二品食べる子になってしまい
魔のふとっちょきりり時代を迎えます
ま〜そんな話は本書と関係ないので、またの機会に(また語るつもりか....)


下町ロケット、時節柄ってかんじの受賞ではありますが、うまいですね
選評通り、後味すっきりエンターティメントな作品

tg-wco4be2 at 02:39│Comments(6)TrackBack(1)clip![本色々] 

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1. 下町ロケット  [ どくしょ。るーむ。 ]   2011年09月12日 22:13
著者:池井戸 潤 出版:小学館 感想: 『下町ロケット』は、ロケット開発の研究者だった社長が、小さな町工場を舞台にロケット開発を手掛けるまでを描いた企業小説。 池井戸潤 ...

この記事へのコメント

1. Posted by えち   2011年08月07日 14:44
今回は珍しく直木賞だけでしたよね。
この話は、てっきり昨年のイトカワの探査機「ハヤブサ」に部品提供した江東区のある会社がモデルなのかと思ってたんですけど、大田区なんですね

おもしろそうだなあと思いつつもまだ読んでないやあ

きりりさん江東区なんですね。俺は今も住んでるけど。

全然違う話ですけど、先日アナザースカイでしたっけ?きりりさんの好きな玉木さんが歌ってましたけど、歌下手なんですね
ちょっとびっくりしました。声がよくても歌は違うんですね
2. Posted by yori   2011年08月07日 22:26
きりりさん う〜ん
この人、前の作品から気になっていて、
直木賞まで取っちゃって、
今、すごく読みたいのです 笑
ということで近々読む予定、
きりりさんの記事は
自分が読んでから読ませていただきます!
3. Posted by きりり   2011年08月08日 02:17
えち君 作品じたいは、ありそうな話なんだけど、上手く作ってるな〜って思った 世情的に取った感はあるけどね

玉木宏の歌うとこ見たんだ....... なんで歌うんだろうね... はぁ〜 江東区は生まれたところで今は引っ越してしまってるのです えち君は今住んでるんだ!
4. Posted by きりり   2011年08月08日 02:20
yoriさん 面白いですよ 最後まで一気に読ませます 池井戸氏の本は3冊くらいしか読んでないけど、どれも徹底的にエンタメで読み易いんです
5. Posted by ia.   2011年09月12日 22:31
こんばんは。
こちらにもお邪魔します。
池井戸潤さん、最近ハマってるんですよ♪
これも面白かったですね。
企業小説ながら登場人物の熱さが良いですよね。
未読でしたら、過去に直木賞候補作になった『空飛ぶタイヤ』『鉄の骨』もお勧めですよ。
6. Posted by きりり   2011年09月17日 15:18
iaさん ハマってるんですね
私も2〜3冊読んでるんですけど、どれを読んでも面白かったです
エンターティメントと言う文字が似合う作品ですね お薦めの本 読んでみます

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