乙一

2008年09月14日

乙一「暗いところで待ち合わせ」3

何か壊しがたいものがある-

人と人との関係性は、複雑かつ原始的で他人だけでなく本人達にも理解しがたい
良きにつけ悪きにつけ一度出来上がってしまった関係性は磁石のプラスとマイナスのように存在し続けるのだ

視力を失し一人静かに暮らしているミチルの家に、ある事件の容疑者になっている男が侵入した
事件の容疑者になり身を隠すために入り込ん男   ミチルは、何かの存在に気づきはじめる....

人付き合いが苦手で、職場で仲間とうまくつき合えず孤独に暮らすアキヒロ
視力を失い、世間との繋がりを切って静かに暮らすミチル
自分の殻に閉じこもるふたりが出会いそしてカンケイを作り上げて行く

久々、乙一であります
って久々なのは私の更新か....自虐多し続きを読む

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2008年03月07日

乙一「暗黒童話」3

 生命力を与える力
 死への引力を立ちきる鋏
 それが自分のもつ力だと理解している

童話作家の三木は不思議な力を持っていた
彼の手によって傷つけられた者は、
死へと繋がる時間の流れが止まったように生き続ける

永遠に続く命とは逆に、死に近づけないコトは死よりも怖い
「死」を断ち切る力を持つ彼は「神」なのだろうか....

事故で左目を失い移植手術で眼球を得た女の子は
記憶を失った代わりに左目の記憶を得る事になる
その記憶を辿り行き着いたのは、ひとりの少年 目の提供者
彼の住んでいた町を探し家を出た少女は、ある事件に遭遇する続きを読む

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2007年10月11日

乙一「小生物語」5

作者のあとがきを読むのは一長一短がある
せっかく本を読み終えて、その世界に浸ってる時に
普通のコトバに戻った文章を読むと何だか生々しい感じがする
それに謝辞ばかりだとあまり面白くないし、必要あるのかな?とか思う

それとは逆に、あとがきがやたら面白い人もいる
そう言う人の本を読んだ後は、あとがき読むのが楽しみでしょうがない
本屋であとがきだけ読んじゃうコトもある位好きだったりする
大したコトない書き出しで結構戯れ事じゃないけど突いてくるのが西尾維新続きを読む

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2007年09月14日

乙一「石ノ目」3

私が子供の頃やった「目隠し鬼」は、鬼ではなく逃げる方が目隠しをして逃げると言うもので
目隠しをしてると言っても、ふらふらと歩いてはいけない
それこそ、そこらじゅうにぶつかって怪我するくらいに全力で走りまわらなきゃいけなかった
怪我を怖がって走れないようじゃダメだと大人達は言う
何故なら、石ノ目さまに会った時、目をつぶって逃げれないからだ

幼い頃に山に入り消息を絶った母を探そうと、石ノ目伝説のある山に登った
石ノ目さまにあったら目を見ないように、目があえば石にされてしまう
山で崖から落ち遭難した私たち、気がつけば山奥の古い民家で介抱されていた.....

乙一のホラー系短編集だと思っていたら、切なさ全開です続きを読む

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2007年05月18日

乙一「天帝妖狐」3

「A MASKED BALL」
ひと気のない学校のトイレに数人で落書きを綴られていく
自分以外誰も正体がわからない そんな時、不気味な落書きが残されていた...

乙一初期の作品と言うことであまり知らず、他の方の感想読まなかったら
きっと読まなかったと思える本  1つめは「MASKED ..」は
見えない相手と何となくメッセージを取りかわすことになり、そのなかに怪しい
不気味な予告メッセージ、そして次々と起きる事件
よくもま〜トイレの落書きからこんな話作っちゃうんだ〜と思う 
久々ドキドキさせられてブラックながらも語り口が、穏やかで、そしてきっちりミステリー 面白い
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2006年12月07日

定金乙一松原「とるこ日記」5

”ダメ人間”作家トリオの脱力旅行記 おもしろい!
 
定金信治   第1回ジャンプ小説 ノンフィクション大賞入選
乙一     第6回ジャンプ小説 ノンフィクション大賞受賞
松原真琴   第11回ジャンプ小説 ノンフィクション大賞入賞

私は 乙一以外知りませんでした そろいもそろって超引きこもりらしいです
定金は大阪出身で乙一友人、松原は女の子でジャージ好き(こんな説明でいいのか)

定金が中心の旅行記を書き、それに二人がツッコミをいれる形式
はっきり言って誰かを知らないと面白くないだとうと思われます 
常に乙一が暗黒小説家として突っ込まれたりしており、書くコメントもさすが面白い!

私はこの旅行記を読んで、驚いたことがある続きを読む

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2006年11月05日

乙一「銃とチョコレート」4

20番目に盗まれた英雄の金貨の持ち主オリジーヌ氏
彼は弾丸製造機で大金持ちになった その機械は簡単に弾丸が作れるから
熊のぬいぐるみを抱いた女の子だって作れるのだ
その弾丸は安くて、よく飛び、そして敵にあたると、いい音がしたと言う

こわい こわいよ〜 はじめの何行かで静かに気味が悪い 
少年少女向けの本です 乙一のミステリーランド 乙一度満開です

少年リンツの住む国では富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が続発 
現場に残されているカードに書かれた[GODIVA]の文字
怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズはこども達のヒーローだ
ある日リンツはお父さんと買い物に出かけ露店商で聖書を見つける
その聖書は火事のなか子供を助けだした男のものだったらしい
お父さんはその聖書を買ってリンツに持たせました.....
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2006年10月20日

乙一「夏と花火と私の死体」3

九歳で夏だった
最後に踏み台にしていた大きな石の上に背中から落ちて
わたしは死んだ

乙一デビュー作「夏と花火と私の死体」

九歳の夏休みに少女は殺された
九歳妹と兄は、私の死を隠すため大人達に見つかりそうになりながら必死で死体を隠す二人
有名なジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞の乙一デビュー作です

物語りが綴る死んでいる私は、まるで傍観者のように自分の死体と彼等をみつめている
まるで自分が殺されたことを忘れているような傍観者的な語り
そしてこの幼すぎる兄妹もあまりに残酷で冷静であり
今まで読んだ乙一作品のたくさんの登場人物の冷めたような傍観者の語り口を思いださせる
スタートは死体からか.. いやっなんで死体なんだ!なんで隠そうとするんだ兄妹!
なんでこんなコト考えられたんだ乙一!
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2006年08月23日

乙一「GOTH」3

その手帳には巷を賑わしている猟奇殺人のコトが書かれていた
手帳を拾った森野と僕は、まだ発見されていない3番目の被害者の死体を探しにいく
いや彼等は探しに行くのではなく死体を見学に行くんだ

森野 夜と僕 このちょっと(かなり)変わった嗜好を持つ二人が綴る六つの話
「暗黒系」
「リストカット事件」
「犬」
「記憶」
「土」
「声」
しょっぱなの「暗黒系」で、殺され切り刻まれる死体のかなりのグロさに
ノックアウト気味になる う〜
表題である「リストカット事件」も、犯人の異常な偏執さが出るグロい話である
とてもグロいのはこの二編

全編を通して出てくる二人は、犯人を追求したり事件を解決しようとはしない
ただ事件を目撃したり、死体を見たいのだ 彼等にとっては普通なんだろうが、
そのあたりが天然に書かれてコミカルさで気持ち悪い話に別のベールをかけている続きを読む

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2006年07月24日

乙一「ZOO」3

失はれる物語に続いて乙一短編集
グロさと、ファンタジーと笑いと切ないお話 そう、これは「お話」
「お話」と言う言葉が一番似合う

「カザリとヨーコ」「血液を探せ!」「陽だまりの詩」「SO-far そ・ふぁー」
「冷たい森の白い家」「Closet」「神の言葉」「ZOO」「SEVEN ROOMS」
「落ちる飛行機の中で」の10編 ハードカバー

この本の主人公達は、とてもとても虐められます 
「カザリとヨーコ」
母親に存在自体を邪魔にされ虐められるヨーコは、
美しく母に愛される双児の妹カザリを大切に思っている
妹を不自然に愛する気持ちと、ある日芽生える殺意 
宝物の鍵と飼い主を失った犬を連れて家を出て旅立つ

こう書くとまるで悲劇だけの話に見えるけど、ヨーコは恐ろしくタフで、
そこに存在するかわからない未来に歩きだす様子は何とも不思議な感覚
全てのお話に言えるけど全体的に死体やら血やらグロい話が多いのに
このある時は軽妙で、そして哀しくて、発想が独特な人だと思う
「神の言葉」の最後の方で[机につけた刃物の傷の匂いを嗅ぐと、
向うにある現実世界の異様な湿った腐臭がした]と言う文章に
机の彫刻刀の傷から漂ってくる匂いと言う発想に驚く続きを読む

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