町田康

2011年05月24日

「ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ」3

最初に源氏物語を読んだのは小学生の時
いったいこんな恋愛話を何故小学生用に出版したのか今となれば不思議であり
また自分もどんな気持で読んだか記憶にない
覚えているのは紫式部と言う名前が綺麗で気に入っていたと言うこと

本書は九人の作家によるゲンジモノガタリ

帚木  松浦理英子
夕顔  江國香織
若紫  角田光代
末摘花 町田康
葵   金原ひとみ
須磨  島田雅彦
蛍   日和聡子
柏木  桐野夏生
浮舟  小池昌代

読んでみると知っていると思っていた源氏物語の内容を思い出せず
夕霧、薫、匂の宮が全部源氏の息子な気がして思い出せないので不確かだが
元の話とあまり変わってないような物語から
アバンギャルドな創作になってる角田氏、現代に夫婦問題風な金原氏
極め付きは、もちろん末摘花の町田氏

バラエティに飛んだ短編集と言うよりバラつきがあるように思えたりもした(なぜか控え目)続きを読む

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2011年05月23日

町田康「スピンク日記」3

だいたい猫好きな人は、ワタシとは違う血が流れていると思う
猫を飼う暇があったら犬を飼うのが普通ではないか?と言う疑問さえ浮かんで
人種が違うと考えてることが違うね〜とかまで思うのだ

なのでこの表紙を見て、まさか犬に関する話とは思ってもみなかった....

そう町田氏は犬を飼いだしたのだ!
それもスタンダードプードル あの今はやりのトイプーではなく
立派な中型犬であるプードルである

本書は彼が飼いだしたプードル・ラブリースピンクの日記である
前世は犬だと言う飼い主のポチ(氏)と妻・美微さん、
兄弟キューティセバスチャンとの暮らしを描いている
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2010年11月16日

町田康「人間小唄」3

「濃い夏のその濃さゆえの濃い顔のナチュラルメイクこそぎとりてえ」

作家・糺田両奴の元に、蘇我臣傍安と名乗る男から20首の短歌が送られて来た

あきれ果てる程稚拙な作品に興味をもった糺田は、
その歌から作者の生活を分析し挙げ句の果てに
「殺すぞおまえおまえは一生うた詠むなつか一生口きくな猿とうどん茹でてろ」
とまで書いて本に載せてしまった
短歌の作者である小角は怒り、糺田を拉致監禁してしまう続きを読む

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2010年10月13日

町田康「猫にかまけて」4

たぶんその時、ワタシは疲れていたのだと思う
魔がさしたと言っても良い

こんな時は好きな作家を人目を気にせず借りようぜ
と、ふらついた足取りで町田康の棚の前に立った

町田康のセクションのとなりには舞城が並び
所謂ワタシには本のサンクチュアリである

ブログをはじめて以来、ことあるごとに犬好きであることを語って来たワタシである
この本を手にして1ページ目を見た時に目に飛び込んで来た
「私は猫好きである」
このコトバに、読んでやろうじゃないか!と
フツフツとした対抗心が沸き、気がつけば本を手にして貸し出しカウンターに立っていたのである

本書は、猫好きで有名な町田康のエッセイである
「私は猫好きである」から始まるお話の数々は
猫馬鹿丸出しであり
たまらなく愛おしく、ちょっと哀しい
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2009年09月28日

町田康「宿屋めぐり」4

「主」の命により大権現に太刀を奉納に行く途中、いきなり斬りつけてきた法師を
切ったコトから仲間に追われ逃げるうちに、白いくにゅくにゅとした皮に呑み込まれ
別の世界に入り込んでしまった「オレ」

町田康の本だから勿論「オレ」は そこから見事に転落の途を堕ちて行く

ささいなコトから嘘をついて行く先々で災いが起こり、すべての悪の根源が
「オレ」になって稀代の極悪人となって御上に追われる身に....
もちろん、その間に曲芸師になって空を跳ぶよな奇跡がおきたり
大人気を博したり、全国のやくざ組織から追われたと思ったら
突然大金持ちになったりと、次から次へと偽の世界で生き続けていく
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2007年08月25日

町田康「夫婦茶碗」3

常に間違った答えを、まるで狙いのように選び、案の定転落していく奴がいる
何故なんだいったい.... 堕ちに堕ちまくってんじゃないか 

不幸の方程式って言うのが絶対あって、けっこう私たちは知ってるはずなんだけど
でもそれを絵に描いたようになぞってしまったりするものだ

気がつけばお腹が減っているのに、妻がご飯を作ってくれない
何故と聞けば、お金がないのです...と言われて「しまった!」となる
気づくだろうずっと仕事してなきゃお金ないわけだしさ...続きを読む

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2007年07月24日

町田康「パンク侍、斬られて候」5

この世は、巨大な条虫の胎内にあり、この世に起ることは無意味である
彼らが願うのは条虫の胎外、真正世界への脱出である
彼ら一党「腹ふり党」
奇妙な宗教団体
虫は自分たちを毒として体外に糞として排出しようとする
それこそが真正世界
そのため、ひたすらに「腹をふりふり」踊り狂う......

「ぎゃん」
抜く手も見せずに老人を斬った牢人の十之進
それを見ていた主馬に腹ふり党の話をし近くこの黒和藩へもやってくると言い
自分がスペシャリストと思い込ませ藩へ引き立てたてられる
実際に終焉していた腹ふり党だったが、黒和藩の権力争いに巻き込まれ
何故か十之進は党の元大幹部・茶山に会い偽の腹ふり党の結成を頼む
それがあれよあれよと言う間に腹ふり党が蘇ってしまった

こんな説明で大丈夫でしょうか? 続きを読む

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2007年04月26日

町田康「正直じゃいけん」3

こちらエッセイです それも色んなとこに書いたのをまとめたらしい
毎度、まったく意味のない話ばかりだが面白い
ご本人は正直な気持ちを正直に書いたって真実真正物語と同じよなこと言ってるので
この人にとって真実は嘘なのだろう  でもいつもこのキャラクターな為、読者はすでに町田康って
こんな生活してるような、いやしてて欲しいような気がしてしまう程どうしようもないキャラクタなのだ

家では悶々とし、何かおきれば何も言えずおどおどして、我慢してたり、逆に変なこと言って
嘘が嘘でかたまりどうしようもなくなって顰蹙かうようなそんな人格(そんなって?)
今回100個近くのエッセイが載っているので、ちょっと途中飽きたりしながら読む
それがまた楽しい それが町田康なんじゃない?とか思う(いや〜ただの寄せ集め感もうっすらあるが...)続きを読む

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2007年01月02日

町田康「くっすん大黒」3

2007年の感想第一弾「くっすん大黒」

三册目の本であり町田氏のデヴュー作です
この人の本は面白い 面白いんです ひとりノリ突っ込みをしてるようで私のツボです
関西弁であると言うので、文章の流れとか独特で関東モンには独特に感じます
主人公はいつも通りどうしようもなくぷら〜んとして変な行動とるし、
またそれで変なことに巻き込まれると言う、取りあえずダメな奴の典型です

主人公の楠木は三年前に仕事をやめ、毎日家にいて酒を飲んだりしながら暮らしていたら、
とうとう女房が家を出ていった 気が付けば一文なし 自分にあるのは金属の大黒様だけ
この大黒さまが、座りが悪くいっつも倒れてる

ある日自分の顔を鏡で見たら美少年だったはずが、
酒太りで腫れ上がり瞼が垂れ下がり、ほほや顎のあたりには脂肪がたっぷりつき
顔の中心に目鼻がごちゃっと集まっていて醜いコトこの上ない まるで大黒さまごとき顔である続きを読む

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2006年12月11日

町田康「真実真正日記」4

いっつも嘘を書いてる小説家の僕は疲れて本当のコトだけを書く日記を書くことにした...
ほんとうのコト ホントウってなんでしょう

日常のコト 10時に起きて二度寝をして次に目を覚ましたら虹..いや2時でした
寝過ぎだよ!と起きてごはん 納豆と里芋のお味噌汁とか京都で買った茄子の漬け物(大好き)とか食べシリアスな二時間ドラマ再放送を横目で見ながら大浦龍一って好きだけどヒットしないよねと思いながら日曜版新聞で脳科学者茂木先生の舞城SPEEDBOYの書評を見つけ、こんな人が書くと空飛ぶ白玉までもそんな風に分析しちゃうのか流石だ..これこそ書評なんだろうね〜とか思いながら切り抜き西尾維新の付箋にしてる私.. みたいなコトか(長い!)続きを読む

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