絲山秋子

2008年03月22日

絲山秋子「袋小路の男」2

「袋小路の男」
袋小路に住む男と私のカンケイは、たまに電話をしたり
バイト先のバーに行って話をしたり、
そしてたぶん1年に一度くらい御飯を食べにいったりする
東京と大阪に分かれても、私に恋人が出来ても
いつの間にか二人は同じカンケイを続ける

 出会ってから12年たって私たちは指一本触れたことがない
 厳密に言えば、割り勘のおつりのやり取りで
 中指がしびれたことがあるくらい
 手のなかに転がりこんできた10円玉の温度で、
 あなたの手が暖かいことを知った

「小田切孝の言い分」
袋小路の男・小田切の目から見たことと私の目から第三者的に
見たことを書いた作品 
「言い分」なので「私」が書いて出来事とはまた別のストーリーが
書かれているように感じさせる
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2007年12月11日

絲山秋子「ニート」4

 るてえる びる もれとりり がいく
 ぐる であとびん むはありんく るてえる

蛙語です

 幸福というものはたわいなくて いいものだ
 おれはいま土の中の靄のような幸福に包まれている
 地上の夏の大歓喜の
 夜ひる眠らない暗闇のなかの世界がくる
 みんな孤独で
 みんなの孤独が通じあふ たしかな存在をほのぼの意識し
 うつらうつらの日を過ごすことは幸福である

生きると言う意味は、考えなくてもわかっているはずなのに
なまじ考えたりするから、わからなくなる
しかし、悩んで生きていても、悩まず生きていても、生きるコトに変わりはない
だから どうでもいいって言ったら どうでもいいわけで
それが、この「ニート」の青年の思想である
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2007年09月03日

絲山秋子「絲的メイソウ」3

絲山秋子のエッセイ
読む前は、もっと毒舌系かと思いきや、なんだか違うな〜
どんな感じと言うのが、うまく語れない感じ(放棄)なエッセイですね

この人の本にも出て来るんだけど、絲山氏が会社員時代、営業系で各地に
赴任してたのは有名ではあったが、やはりこの本でもその時代の仕事とか、地方な話とかを書いていて
仕事がすんごいこの人のベースとなっているのがわかる

ま〜仕事漬け生活をしてると日常が仕事で詰まっちゃって、自分も思い出とかも
あの仕事をしていた頃は〜とかなる事も多い

昔の酒の席での話、カラオケとか、触り魔のオヤジの対処法とか、飲み会で中締め
必ずする人の話とか、色々書かれている続きを読む

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2007年06月08日

絲山秋子「ダーティ・ワーク」3

 自分のコトを、自分に弾けない楽器のようだと思う
 楽器である自分と追うレイヤーとしての自分があってない
 上手に弾けたら楽しい人生なのだろうが、自分にいらだっているだけで時間を消費している
 本物の楽器なら、さっさと手放して自分に合うものを探せばいいのだが
 自分と合ったものを探せばいいわけだが、居心地のいい自分と言うのはなかなか見つからない
 きっといつまでも見つからないのだろう......

熊井はギターで生活をしている そして中学からの友人のコトを考えている
いや神様に無事をお願いしたりしている

ローリングストーンズのアルバム名であるダーティ・ワーク
短編のタイトルもストーンズの曲名となっているらしい
まったくもって音楽を知らない為、内容があってるかすらわからない... う〜続きを読む

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2007年04月24日

絲山秋子「逃亡くそたわけ」2

逃げる逃げる逃げる逃げる
せっかくだから二人で逃げる
どこまでもどこまでもひたすら逃げる
躁な花と鬱のなごやんのふたり連れ

21才自殺未遂後入院させられた 花ちゃんは九州弁ばりばり
対する、なごやんは24才茶髪巻き添え系は何故か名古屋出身を隠し東京もんのふりをする
精神病院から逃げ出したふたりが、おんぼろ車でひたすら逃げまくる夏の話

絲山氏の躁鬱病ネタ&九州弁で読ませます 
映画でいったらロードムービー風 特別なコトがあるわけじゃないけど
何となく盛り上がったり、落ち込んだり、苛ついたりと、旅ってそんなコトを繰り返し
そして自分の心のなかに何か答えみたいなもんが出て来たりする続きを読む

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2007年01月22日

絲山秋子「海の仙人」4

河野、かりん、片桐、澤田、そしてファンタジー
彼等は皆、自分が孤独であるコトに気づいている
時には、お互い寄り添いながらも自分と言う枠が留まるべきところを知っているのだ

この話の主人公である河野は、敦賀の蒼い海のそばにひとり住んでいる
そして物語りは彼がファンタジーと海で出会うところから始まる
神様の末席にいるらしいファンタジー
はじめて会ったはずなのに、何故か河野は彼のコトを知っていた
「何しに来た」
「居候に来た 別に悪さはしない」
そして二人の生活がはじまる続きを読む

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2007年01月03日

絲山秋子「沖で待つ」2

同期で入社時の地方勤務の時からの同志である太っちゃんが突然死んだ
私は約束通り太っちゃんの部屋に忍びこみ彼のコンピューターのHDDを壊すのだ
第134回芥川賞受賞作

もしどちらかが死んだらコンピューターの見られてはいけないものを削除する為
HDを壊すとと言う協定を結んだ二人 私と太っちゃん
たしかに自分のコンピューターにも色んなものが残っている 私は結構こまめに
色々消去していて危ないものはない気がするが、それはそれで死んだ後、
なんでもないテキストとかが意味不明で意外と波紋とか呼んだら嫌だな〜とか思う 
(その前にこのブログの方が何したかったのか?とか病んでたのか..とか
あえて謎を残す恐れがあったりもするが....)
じゃあ誰に消去を頼んだらいいのか?その人選はかなり難しいものだろう続きを読む

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2006年12月26日

絲山秋子「イッツ・オンリートーク」3

本を読んで何かを「感じる」時
それは自分がどこかとシンクロしてる部分がある時だと思う
主人公の生き方とか考え方とかに自分と同じ何かがあると感じる時
それだけに限らずたった一行だとか、もっと短くひとつの言葉に
ショックを受けたり感動する時だってある

だから何かその感覚に近いんだけど、なんだか今一つストライクに入らないまま
本を読み進むと、まどろっこしくて何だか違うな〜困ってしまう
相変わらずお恥ずかしいが「沖でまつ」を、漁村の話しかえ〜(何故か江戸調)とか
思ってたくらいで やたら地味なの書く人と思っていたので、内容にビックリ

「イッツ・オンリートーク」
主人公の女性は蒲田に住んでいる 蒲田は直感で決めたのだ続きを読む

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