桐野夏生

2011年06月26日

桐野夏生「ポリティコン」上下4

中国に行ったまま消息を絶ってしまった母
マヤは、かつて母の恋人だったクニタと農村の婚家から逃げ出した外国人妻と息子とともに
家族になりすまし、東北のコミューン「唯腕村」に転がり込む

かつて芸術家たちが作ったユートピアは、老人ばかりの過疎の村になり
唯一の若者は創始者の孫であり現理事長の息子である東一だけだった

新興宗教に関する話ならよくあるが
本書は、同じく閉鎖的で独自の思想をもつコミューンを舞台としている
かつてのカリスマ性のあるリーダー、飛躍した思想や精神性は去り
今残っているのは何の思想ももたないけれど、己のアイデンティティを
呪いながらも、それにすがりつかなくてはならない創始者の孫・東一

時期理事長と言われながらも村の長老たちに頭があがらない東一
高校生のマヤに惹かれながらも振り向かれず抑うつしたなかで
名ばかりの古いブランドを元手に、起死回生をかけ闘いはじめる続きを読む

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2010年02月17日

桐野夏生「残虐記」5

 先生、ほんとうにすいませんでした
 でも、私のことはゆるしてくれなくてもいいです
 私も先生をゆるさないと思います
 どうぞ、お元気で

二十二年前に起きた誘拐事件
刑期を終え出所した犯人から届いた一通の手紙

その手紙を受け取った被害者の女性は
誘拐事件の手記を残し失踪する

口を閉ざし事件のことを語らない少女
誰にもワタシの心のなかを見せてはならない
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2008年10月11日

桐野夏生「東京島」3

 あたしは必ず、脱出してみせる―
 
話は清子が無人島に流れ着いてから5年経った時から始まる
32名に1人の女と言うと、美しい20代の女と想像していたら主人公は46歳
夫を決めるくじ引きの日に清子は海で水浴びをしているシーン
食べるものもろくにない無人島に住みながら太り美しい姿と言えないのに
自分は、島の唯一の女としての女王さながらの自信と魅力を持っていると思っている

最初のホントウの夫とその後の夫も不審な死を遂げ二年ごとのくじ引きで
夫を選んでいるが数年たち今やくじ引きを名乗り出る者が少なくなったコトに
もう性の力だけでは足らないのか、自分の魅力の衰えに実質的な島での
権力の衰えに焦りを感じていた続きを読む

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2008年01月24日

桐野夏生「OUT」4

夜勤の弁当工場で働く主婦達
寝たきりの姑や娘、孫の面倒まで女
家族が崩壊寸前の女
借金まみれで夫にも逃げられた女
そして、夫を殺してしまう女...

夫を殺してしまった仲間の為に、死体をバラバラにして
死体処理する彼女達は、お金と生活に疲れ果てていた
そしてひょんなコトから死体処理の仕事に手を染める
彼女達に救いは あるのか? 彼女達の行く先は.....

さすがにタイトルだけは知っていた本作
なかなか読む機会がなかったんですが、こんな内容とは!(なんか最近多い書き出し)
そして凄い賞の数 このミス1位も取ってたのか...

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2007年12月20日

桐野夏生「柔らかな頬」4

人を愛してたり、憎んだり
どんなに格好わるくても、後悔しようが正面切って進むどん欲で潔い女性
それが桐野夏生の描く女性だと思う

格好わるいコトを堂々とするって言うコトは出来ない
あえて格好わるくてもするんだとか、つまらない理由をつけないと出来ない私は
この本の主人公に羨望と嫉妬を感じる

18の時に故郷を捨て 東京に出て来たカスミ
数年後、結婚し子供をもうけ家庭をもつ
しかし運命の男と出会い、双方家庭を持つ身でありながら
北海道に旅行に出かけ、5歳の娘が失踪する
これは罰なのか?  ひとりになって探し続けるカスミのたどり着く先はどこなのか?
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2007年11月11日

桐野夏生「ファイアボールブルース」3

アメリカから来日した女子プロレスラー火渡の対戦相手が試合を放り出し失踪
帰国したと思われていたが、試合前の様子に不振感を抱いていた火渡は
新聞の身元不明の外人女性の死体発見記事に目をとめる....

弱小女子プロ団体PWP
その看板選手・火渡抄子 アマチュア元チャンピオンで実力派
コトバ少なく、おごりなく、訓練を重ねて、まさにストイック
彼女の付き人・近田はデヴュー2年目で連戦連敗記録更新中
火渡に憧れる近田の語りで話が進行します続きを読む

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2007年08月08日

桐野 夏生「天使に見捨てられた夜」3

アダルトビデオの人権を考える会を主催する女性・渡辺から
あるビデオに出演した女性・リナを探して欲しいと依頼を受けたミロ
ビデオのなかで行われたレイプシーンが演技ではないようだった
モデル会社も制作会社も演技であったと主張し、リナの情報を隠し通す
調べを続けるうち数々の妨害を受けるミロ  いったいリナはどこにいるのか?   

アグレッシブな渡辺に戸惑いながらも、リナ自身のことに近ずいていくミロ
シリーズ第二弾 ミロは探偵業を営んでいる
アダルトビデオやホストクラブ、 新宿の夜の街に蠢く一癖も二癖もある登場人物達のなかで
ミロは、隣人であるトモさんや父親の助けを借りながら、少しづつ真相に近づいていく続きを読む

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2007年08月07日

桐野 夏生「顔に降りかかる雨」3

村野ミロ 32歳
現在無職
父親は元探偵
新宿にある元探偵事務所に現在一人暮らし

ノンフィクションライターである親友・曜子が恋人・成瀬の一億円を持って逃亡
金の出所である暴力団に共犯と疑われたミロは、成瀬と共に彼女の行方を追うことになった.......

考えてみればハードボイルドの女の探偵の話なんて読んだことがない
きっとアメリカの小説とかなら出てきそうなイメージだが、舞台が日本になれば
やはり新宿が舞台となるのだろう
そして主人公のミロのバックグラウンドは、元亭主は単身赴任先で自殺、
それも自分の遊びが原因、と心に傷を負っている、とお膳立ては揃っている続きを読む

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2007年07月17日

桐野夏生「リアルワールド」3

 私は誰かにこう言いたい
「ねえ、取り返しのつかない事ってあるんだよ」って

光化学スモック注意報のサイレンが鳴り響く夏の日
「暑いっすね」
隣のうちのミミズみたいな息子が珍しく笑いかけてきた
彼は母親を殺して家をでたところだった.....

高校三年生の夏休み、隣家から聞こえた不審な音に気づいたトシは
家の前で偶然、その家の息子ミミズと出会う
トシの自転車と携帯を盗んで逃走するミミズ、
そしてトシとその友人テラウチ、ユウザン、キラリン
携帯を通して関わりあいをもった彼ら高校生5人続きを読む

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