桜庭一樹

2011年02月21日

桜庭一樹「伏ー贋作・里見八犬伝」4

「おぉっ 割れた夜空を歩いてるようだ 楽しいなぁー」

真っ黒に日焼けした顔に洗いざらしの着物
まともに梳いたことのないボサボサの頭
背中には、銃を入れたずた袋
猟師の娘浜路は唯一の肉親である浪人の兄が住むお江戸へやってきた

「割れた夜空かい 田舎者のわりには洒落たことを言うじゃないか」

鶯色の頭巾をかぶり覗く首は細くて青白い
首もとには牡丹のような赤い痣が浮かびあがる.....

桜庭一樹氏の贋作八犬伝
私としては数年前に異常に自分のなかで盛り上がった八犬伝と
桜庭一樹が合体するとは夢のような本であります

兄を頼って江戸へ来た浜路が闇夜で出会ったのは「伏」と呼ばれる犬人間
お江戸ではこの「伏」なる者による犯罪が多発し浪人を初めたくさんの
賞金稼ぎが「伏」を狙っていた続きを読む

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2009年12月01日

桜庭一樹「製鉄天使」3

「時なんて、越えるぜ。だって、あたしら、えいえんなんだ」

 あたしら暴走女愚連隊は、走ることでしか命の花、燃やせねぇ!
 中国地方にその名を轟かせた伝説の少女の、唖然呆然の一代記
 一九八×年、灼熱の魂が駆け抜ける

鳥取県赤珠村の名家、製鉄会社の長女・赤緑豆小豆は
生まれながらにして鉄を操る不思議なチカラを持っていた
中学に入学式し地元最強レディース・エドワード族の
オンナ達にめった殴りされた小豆
ボロボロになりながら訪ねた街の武器屋・貴婦人と一角獣で
伝説の残薔薇壱輪、初代総長・大和イチに出会い
その不思議なチカラと荒ぶる魂で今まで誰もなし得なかった
レディース中国地方全土制圧を目指すのだった.....
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2009年06月30日

桜庭一樹読書日記ー少年になり、本を買うのだ。5

 ある日、ふらっと飲み会に顔を出したらば、いつの間にか隣の席に
 セルフレームの眼鏡をかけてチェック柄のハンチング帽をかぶった
 名探偵みたいな男の子が座っていた......

これが桜庭氏の本によく登場するK嶋K輔氏との桜庭氏の出会いのシーン
現実の世界にこんな男がいるのか不思議なんですけど、こんな姿で
お行儀良く両膝をくっつけて座りジンジャーエールを飲んでいたそうな...

これは、あとがきに書かれていた二人の出会いだけれど
それまではK嶋氏っておっさん部長みたいな人だと思っていた私はホントに驚いた

氏は東京創元社でミステリフロンティアを立ち上げた有名な若手編集者であり
この出会いによって、ラノベから一般文芸にシフト変換することとなったようで
氏を含め他の編集者たちとの、超マニアックな本の知識のやりとりや
実際の本のネタとなるよな打合せや飲み会などが楽しく描かれている続きを読む

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2009年06月10日

桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない-A Lollypop or A Bullet」3

当たったらヤバイクイズを知ってるかい?
 ある男が死んだ つまらない事故でね 
 男には妻と子どもがいた 葬式に男の同僚が参列した
 同僚と妻はこんな時になんだけどいい雰囲気になった まぁ、惹かれあうってやつだ 
 ところがその夜、なんと男の忘れ形見である子供が殺された
 犯人は妻だった 自分の子供をとつぜん殺したんだ さて、それはなぜでしょう? 
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2009年01月16日

桜庭一樹「ファミリーポートレイト」2

マコ25歳、コマコ5歳、警察から追われ逃亡する親子

 あなたとは、この世の果てまでいっしょよ
 呪いのように
 親子、だもの

それが愛なのか、呪いなのか
残酷で優しい母、母のちいさな神であろうとする娘
どんなカタチでもいなくてはならない関係と言うものを親子と呼ぶのかもしれない

事件を起こしたマコは幼いコマコを連れて田舎町を逃げ続ける
若く美しかったマコが、段々と歳を重ね温泉芸者や養豚場で働き身を落として行く
読んでいて気が重くなるような逃避行の果てにマコが消え前半が終わる
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2008年12月29日

桜庭一樹「荒野」4

まるで蜻蛉のようにたくさんの女性の周りをふわりふわりと飛んでいる
恋愛小説家の父とお手伝いさんと暮らす荒野・12歳
中学の入学第一日目に電車で出会った少年・悠也
偶然同じクラスになり学級委員をするも何故か彼はそっけない
学校では親友が出来て学校帰りに寄り道したり、休みの日のお出かけやら、
楽しい生活がはじまる そしてある日、荒野は父から悠也とその母を新しい家族だと紹介される ...

鎌倉を舞台に黒髪の少女・荒野の12歳から15歳までを描く
恋ってなに? 好きって?
と、桜庭一樹 ここ読んで来た熱や氷の塊を身体に隠す女から一変!
恋を恋とも気づかない、やや(いや..かなり)奥手な少女である荒野
恋愛の強者、はっきり言ってただの人でなしな父とたくさんの女達の恋愛泥沼に
足をられないように、我が道を行く荒野に、いったいどこで豹変するのか!と
思って読んでいると読み終わって、え!終わり?...と読後に驚きを隠せなかったりするほどな本書
しかし、これも面白い!
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2008年12月13日

桜庭一樹「桜庭一樹日記」BLACK AND WHITE4

ゆっくりめに起きて
3〜4時間書いて
プリントアウトしてものを鞄に詰めて
新宿の街へ
数軒決めているお店に入ってお茶を飲みながら原稿をチェックして帰宅
で、夜は必ず本を1冊は読む
と、そんな生活をしているらしい桜庭一樹は  規則正しい
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2008年11月08日

桜庭一樹「少女七竃と七人の可愛そうな大人」4

 青春は暗黒の季節、
 恋は究極の不幸せ、
 美しさは呪いに他ならない
 花のように残虐で、刃のようにやさしい愛のモノガタリ
 「男など、列車たちの足元にもおよばぬ 滅びてしまうがよいのだ」

 わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった.....
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2008年04月21日

桜庭一樹「青年のための読書クラブ」5

 乙女よ、永遠であれ
 人よ、楽園をけっして、徒に脅すことなかれ

100年続く山の手にあるお嬢様学校「聖マリアナ学園」
シスター居並ぶバリバリのお嬢様達のなかに、異形の乙女達が集まる「読書クラブ」が存在する
荒れ果てた旧校舎の一室、乙女達は思い思いに本を読みながら、学園の正史には記されない歴史を
俯瞰し、時には企み、歴史の裏側で密かにクラブ誌を綴ってきたのだ.....

桜庭氏のこの一冊、たしか「赤朽葉家の伝説」「私の男」の間に出版されたから
今いち取り上げられないのか 本読み少女(うっ!)にとっちゃ、それ以上の本とも言える

古典な本をテーマに(?なんか聞いたフレーズ)、繰り広げられる学園騒動
「烏丸紅子恋愛事件」シラノドベルジュラック
「聖女マリアンナ消失事件」
「奇妙な旅人」マクベス
「一番星」緋文字
「パピトゥス&プラティーク」紅はこべ
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2008年01月23日

桜庭一樹「私の男」4

「ずっと逃げてるんだ そばにいても、離れても、変わらない
俺たちはこれだって、二人きりで逃げてるんだ」

9歳の時に家族を失った花は、15歳年上の遠縁の男・淳悟に引き取られた
それから15年間、何から逃げるように、ふたりは生きて来た...

物語りは花が24歳になり結婚する前日に、花の婚約者と三人で
会うところから始まる 雨に濡れ雑踏のなかから歩いてくる男の描写が
とても退廃的で、あまりに確信犯である
ひょろりと背ばかり高く痩せていて髪は肩のあたりまで無造作にのびている
そして肩頬をゆがめて、にやりと笑う 夜の匂いのする男
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