本多孝好

2009年09月25日

本多孝好「チェーン・ポイズン」5

 独りであること、未熟であること、
 これが私の二十歳の原点である
日記にそう記した二十歳の女性はそれから半年後に自殺した

四十年近くの時が流れ、ひとりの女性が書店で、その本を手にする

 私は独りである 私は未熟である
 けれどそれを原点とするには、私は少し年を取り過ぎた
 今年で三十六になる
 孤独で未熟な三十六の女は、それを恥にこそ感じても
 原点とすることは出来ない
 孤独である 未熟である それを認めてしまっては、私はどこにも行けない
 だから孤独を誤摩化し、未熟を棚上げする

焦りが諦めに変わり絶望的な未来を感じていたとき
その本には絶望的な未来を避ける方法が書かれていた続きを読む

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2008年11月03日

本多孝好「正義のミカタ i'm a loser」3

この世は不公平だと思う主人公・亮太
生粋のいじめられっ子である彼は、これじゃダメだと猛勉強し
妹に嫌みを言われながらも取りあえず三流大学に入学
同じ轍は踏むまいと意を決して大学に向うものの
同じ高校の自分をいじめていた奴に出会ってしまい 入学早々カツアゲされる羽目に
もうダメ就職情報買わないと...と既にloserとも言える大学ドロップアウト状況の
亮太の前に現れたインターハイ三連覇のトモイチが、窮地を救い
ワケ分からず怪しげな大学サークル「正義の味方研究部」に入部するコトになる.....

「正義の味方研究部」=大学内のトラブルの仲裁やら、時にはやや制裁まで加えてしまう人達
と言っても部員4名+トモイチ+亮太な小規模ながら、由緒正しき部らしい
サークルの飲み会の泥酔アシストからレイプ事件まで幅広く目を光らせる「正義の味方研究部」
ネズミ講事件の内偵をするうちに、亮太は「正義」に疑問をもつ
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2008年07月15日

本多孝好「moment」3

本を読んでいて、まるで主人公に囁かれているように感じる本がある
その呟きと、コトバにならない胸のうち
交わされる会話のひとつひとつに、息ができなくなる

 自分が死ぬ時に何を考えるか?

きっと他愛のないコトだろうとか思うけど、もしもの凄い後悔が生まれてしまったら
どうすればいいのだろう 何十年も心のなかで育てて来た思いや後悔、恨みや懺悔
自分の醜さを思い知って哀しくなるのか、最後の望みに何かを託すのか?

主人公は病院でバイトをする大学生
末期患者から病院のある噂を聞いてしまう
死期の近づいた患者に、必殺仕置き人みたいな人がやってきて
自分の望みをかなえてくれる....
たまたまある患者の願いを聞いてしまったが為に、いつの間にか
噂が大きくなっていた
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2008年05月25日

ぐみと薄い感想 本多孝好「MISSING」3

ぐみ何千匹ものアブラムシを殺す事に全力を傾けた先週末 って大袈裟でなく、葉っぱをかなり取ってしまい、やや寂しげな「ぐみの木」に実がなり紅く色づきはじめました
そうです、この数少ないブログの更新を焦って日曜の篤姫前にしてる きりりです
徹夜明け...あっと言う間に終わった週末 今日はきっちり12時間眠りました そして夕方図書館へ 図書館に行くの3〜4週間ぶりとかで、信じられない状態
何冊も借りると来週返せないし...と5冊借りてマッサージに向かうも1時間待ちで帰路..ぐすん
数冊の予約本も取り消しされ、また予約しなおしかよ..ですが、またゆっくり待ちます..ぐすん

感想を書こうと思いテキストを見ていたらアップしてない本で古川日出男「LOVE」と本多孝好「MISSING」があったんですが、どちらもすっかり忘れている.... AMAZONを見てやっとこさ「MISSING」を思い出したので、その感想をうっすら書こうと思います

本多孝好「MISSING」

AMAZONを見てたら、あまりにみんな村上春樹に影響されていると書かれていたが、村上春樹をほとんど知らないので気にするコトなく読めた 舞城やら私が好きな人は結構影響と書かれているコトが多く、知らなくて幸せだと思ったり...(こんなコトで幸せ噛みしめるコトもないが、幸薄いし最近)続きを読む

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2007年11月08日

本多孝好「真夜中の五分前 side-B」2

ここで電車に乗り遅れなかったら、違う人生があった...とか
二つの派生したお話を並べて描いていく映画や小説がある
本書もA面、B面と分かれていたので、てっきり違う世界が描かれて
いるのかと思ったが、どう読んでも上下巻としか思えず、
その点に関して言えば ちょっと肩すかし... 
このside-Bは、Aの2年後になるので見方によっては違う話とも言えるのか

そう話は2年後
かすみとゆかりと二人でいった海外旅行で事故に巻き込まれ
かすみだけが死んでしまっていた
そして、ゆかりの夫が「僕」に、ある重大なコトを告げにきたところからside-Bは始まる続きを読む

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本多孝好「真夜中の五分前 side-A」4

私は時計を進めている
それも各時計バラバラに、そして大幅に進めているため
「ホントの時間」がわからなかったりする
ま〜これは4つある目覚まし時計の話 腕時計は1分位 
ほんの少しだけの余裕のために進めているのだ
「ホントの時間」とは何だろう

物語は、主人公が女性の上司と学生時代に通った喫茶店にいるところから始まる
広告代理店に勤める僕は、難しい上司ともうまく仕事をし、恋多き男
しかし情熱的でなく、冷めたところを持つ今風な男に見える
そんな彼が、双子の姉・かすみにプールで出会う続きを読む

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