1
 すべての電力源の中で、最も成熟し、最も経済的に競争力のあるものの1つは、風力である。
 そして、デンマークは現代の風力産業の中心地である。
 デンマーク人が風力発電を支援することを決定したときには、この方法でつくられる電気の価格は化石燃料によってつくられる電気の価格より何倍も高かった。
 しかし、デンマーク政府には風力発電の可能性がわかり、価格が下がるまでその産業を支援した。
2
 デンマークは風力発電とタービン建設の両方において世界をリードしている。
 現在、風力発電はデンマークの電力の21パーセントを供給している。
 約85パーセントは個人や風力発電の協同組合によって所有されている。
 パワーは文字通り人民の手にあるのだ。
3
 いくつかの国々では、風力発電はすでに化石燃料から発電される電力よりも安くなっており、そのことは年率22パーセントというその産業のめざましい成長率を説明するのに役立つ。
 今後数年の間に、風力エネルギーの単価はさらに20~30パーセント下がると予想されており、それによって風力エネルギーはよりいっそう費用対効果の高いものになるだろう。
4
 風力発電には大きな欠点があると広く思われている。
 それは、風はいつも吹いているわけではなく、だから当てにならないというものだ。
 確かに風は同じ地点で一貫した強さで吹くわけではないが、地域的な見方をすれば、どこかでほぼ確実に風は吹いているというものだ。
 結果として、風力発電には冗長性がある、というのは、最大能力で稼働している稼働しているタービン1基に対して、休止しているタービンが数基ある、ということがしばしばあるからだ。
5
 英国では、平均的なタービンは1年間を通じてその能力の28パーセントしか発電していないが、原子力発電はその期間(1年間)の76パーセント、ガスタービンは60パーセント、石炭は50パーセント稼働している。
 風力発電のこの欠点は、風力発電のタービンは石炭火力発電所よりも壊れることが少なく、維持するにも費用が少なくてすむといった信頼性によって、ある程度相殺される。
6
 不幸なことに、風力発電は、風力タービンは鳥を殺すとか、うるさいとか、見た目が悪いといった苦情を含む悪評を受けてきた。
 実のところ、背の高い構造物は何であれ鳥にとって潜在的な危険を意味し、初期の風車は確かにその危険因子を増していた-それらは格子づくりの設計となっていて、鳥はそれらの中に巣をつくることができたのだ。
 しかし、現在では、それらは表面が滑らかなタイプに置き換えられている。
7
 すべての危険因子は相互に比較される必要がある。
 アメリカではネコが風力発電所よりはるかに多くの鳥を殺している。
 それに石炭を燃やし続けるなら、気候変動の結果としてどれほど多くの鳥が死ぬことになるのだろうか。
8
 騒音公害に関しては、そして、見た目の悪さに関しては、美しさの基準はまさしく見る人次第だ。
 そちらがより不格好だろうか、風力発電所だろうか、それとも炭坑と発電所だろうか。
 さらに言えば、これらの問題のどれにも地球の運命を決めさせてはならない。